人材育成の手法を徹底解説! 計画方法やフレームワーク、成功事例などを紹介

人材育成の手法を徹底解説! 計画方法やフレームワーク、成功事例などを紹介

労働力人口の減少により、高いスキル・知識を持つ人材を採用することが難しい時代となっています。企業が成長を続けていくためには、人材育成に力を入れ、自社で優秀な人材へと成長させていくことが重要です。

本記事では、人材育成の意味や目的、よくある課題や具体的な取り組み方、企業の成功事例などを紹介します。

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人材育成とは

人材育成とは

人材育成とは、社員を企業の成長に貢献できる人材へと成長させることです。スキルや知識、技術を習得させるだけでなく、仕事に対する姿勢・考え方などの育成も含みます。

新入社員、中途採用社員、若手・中堅社員、管理職と、階級が違えば、求められるものも異なります。人材育成は、そのときに必要な能力を身につけることを目的に、階級別に行われます。

人材育成と類似する言葉として、「人材開発」「人材教育」「能力開発」があります。混同しがちですが、どれも対象と目的が違います。それぞれとの違いを見ていきましょう。

人材開発との違い

人材開発は、企業の成長に必要な考え方や行動力を身につけることを目的に、全社員に対して行われます。
成長を促す人材育成に対し、人材開発は能力を開花させるイメージです。

人材教育との違い

人材教育は、社会人としてのマナーや業界に必要なスキル・知識を身につけることを目的に、新入社員や中途採用社員などに対して行われます。
実践的な部分が多い人材育成に対し、人材教育は、理念や人格形成など、概念的な部分が多いのも特徴です。

能力開発との違い

能力開発は、個人の能力の向上・サポートを目的に、個人に対して行われます。階級などは関係ありません。
業務に必要な能力を身につけるための人材育成に対し、能力開発は、業務に直結するかどうかよりも、個人のスキルアップに重点を置いています。

対象目的
人材育成階級別そのときに必要なスキル・能力を身につける
人材開発全社員企業の成長に必要な考え方や行動力を身につける
人材教育新入(新卒)社員・中途採用社員社会人としてのマナーや業界に必要な知識・スキルを身につける
能力開発個人(階級は関係ない)個人の能力の向上・サポート

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人材育成の目的

人材育成の目的

近年では、人材育成に積極的な企業が増えていますが、なぜ必要だと考えられているのでしょうか。人材育成が企業にもたらす効果(メリット)や、現状の日本が抱える課題から、その目的を考えていきましょう。

業績の向上

与えられた仕事をただ「作業」としてこなすだけの社員と、主体的に行動できる社員とでは、業績に差が生まれます。多くの場合、後者のほうが業績はよいでしょう。

人材育成を行うことで、「次はどうするべきか」「これはもっとこうしたほうがよい」など、自ら考え行動する力が養われます。具体的な判断や行動がよりよいものとなり、業績の向上につながるでしょう。

生産性の向上

少子高齢化が進み、多くの業界で人手不足が課題となっています。今後、人材の採用が厳しくなったとしても、社員一人一人の生産性が高ければ、生産力を維持できます。

また、変化の激しい時代を生き抜いていくためには、現状の維持だけでなく、新たなイノベーションを生み出すことが重要です。一人一人の生産性が向上し、業務が効率化されれば、それだけ新たな戦略や企画立案に時間を使えるようになります。

人材の流出防止

前項でも述べたように、少子高齢化により労働力人口は減少しており、採用難に悩む企業が増えています。特に、高いスキル・知識を持った人材を採用することは容易ではありません。これからは、自社にとって優秀な人材を「採用」するのではなく、自社で「育成」していくことが大切です。

成長する機会が少ないと、社員は、「この企業で自分の将来はあるのか」と疑問を感じるようになるでしょう。社員にとって働きやすい環境をつくるとともに、成長の機会を与えることは、人材の流出防止につながります。

競争力の強化

テクノロジーの進化、新型コロナウイルス感染症など、あらゆるものを取り巻く環境が複雑になってきています。変化が大きく、将来が予測困難な現代は、「VUCA(ブーカ)」時代とも呼ばれています。

このような時代に企業が成長を続けていくためには、人(社員)の力が重要です。変化に柔軟に対応できる力や、スピーディーな判断力、自主性の高さなどが必要です。また、グローバル化により、海外でも通用する人材の必要性も高まっています。企業は人材育成を通して、社員の能力やスキルの向上を促していくことが求められます。

人材育成の課題

人材育成の課題

人材育成の重要性を理解しつつも、なかなか取り組めていない企業もあるでしょう。多くの企業がかかえる人材育成の課題を明らかにして、解決の糸口を探していきます。

人材育成のための時間を確保できない

厚生労働省の資料「平成30年版 労働経済の分析」によると、人材育成における課題として、53.5%の企業が「従業員の業務が多忙で、人材育成に充てる時間を確保できない」と回答しており、最も多くなっています。

人材育成の担当者にも、本来の業務があります。多忙のため両立が難しく、人材育成が後回しになっているというのが現状です。

また、日本でもコロナ禍をきっかけとしてテレワークが普及しました。対面のコミュニケーションの機会がそもそも減ったため、人材育成の時間を確保することが、より難しくなってきているようです。

いわゆる正社員に対する人材育成の課題

出典:平成30年版 労働経済の分析 P146|厚生労働省

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育成する側のスキル・知識が不足している

前項で紹介した厚生労働省の同資料で、人材育成における課題として、45.4%の企業が「上長等の育成能力や指導意識が不足している」と回答しており、2番目に多くなっています。

教える側のスキル・知識が不足していると、教えられる側は間違った情報・やり方を覚えてしまいます。まずは、教える側がきちんと学習することが大切です。研修を実施する、マニュアルを読み込むなどして、教える側が必要なスキル・知識を身につけられる体制も整えましょう。

人材育成自体が評価につながらない

人材育成への取り組みを適切に評価しなければ、担当者はモチベーションを維持することが難しくなるでしょう。また、「会社は自分の頑張りを認めてくれない」と、不満を覚えてしまう可能性もあります。

人材育成は、営業やマーケティングのように数字でわかりやすい成果が得られるわけではなく、短期間で効果が表れるものでもありません。結果だけでなく、育成に対する姿勢や努力を評価することが、重要なポイントです。

費用対効果や成果の測り方がわからない

人材育成にかけたコストを上回る効果が企業にもたらされなければ、損になってしまいます。しかし、人材育成の直接的な効果を測定することは、なかなか難しいでしょう。

利益だけでなく、離職率、従業員満足度など、定量と定性の両面から測定することが重要です。短期的な視点だけでなく、長期的な視点も設けましょう。

人材育成の計画・実施方法

人材育成の計画・実施方法

実際に人材育成を行うにあたり、どのように進めていけばよいのでしょうか。順を追って解説していきます。

  1. 現状の課題を把握する
  2. 企業全体の目標や方針を確認する
  3. 目標を設定する
  4. 制度化・仕組みづくりをする
  5. 効果を測定・評価する

現状の課題を把握する

まずは、社内のさまざまな業務を誰がどのように担っているのかを確認し、現在の人材育成における課題を把握します。役職、部署、年代などに分類して状況を可視化する、現場のメンバーにヒアリングをするなどして、課題を抽出していきましょう。

■課題の例

  • 若手のリーダーが育っていない
  • 中堅社員のモチベーションが低下している

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企業全体の目標や方針を確認する

次に、企業としての目標や方針を、改めて確認することで、現状の課題をどのように解決すればよいのか、どんな人物を育成すべきかが見えてくるでしょう。経営陣と対話をしながら検討していきます。

このとき、「スキルマップ」を作成し、具体的にどのような能力が必要なのか、それをいつまでに身につければよいのかを、整理しましょう。スキルマップについて、詳しくは後述します。

目標を設定する

次に、目標を設定します。いつまでにどのような状態になることを「達成」とするのかを、明確にすることがポイントです。設定した期日から逆算して、人材育成の計画を立てていきましょう。
以下は、目標の一例です。

■目標の例

  • 今月中に新規顧客の受注を〇件獲得する(営業)
  • 自社ホームページを月〇回更新し、検索数を前月比〇%アップさせる(マーケティング)
  • ダブルチェックを徹底し、請求書の発行ミス月0件を維持する(経理)
  • ノー残業デーを徹底し、ひと月の社内の平均残業時間を〇時間以下にする(総務)

制度化・仕組みづくりをする

次に、人材育成を制度化・仕組み化していきます。せっかく計画を立てても、それを長期的に運用する制度・仕組みがなければ単発で終わってしまいます。マニュアルやスケジュールを作成するなどして体制を整え、社内に浸透させていきましょう。

また、人材育成担当者と現場では、捉え方や考え方が違うこともあります。定期的に現場の声を聞き、見直しを行うことも大切です。

効果を測定・評価する

人材育成に取り組んだ後は、それで終わりではなく、必ず振り返りを行います。この際、定量・定性の両面から評価することが重要です。

売り上げや契約獲得件数などの定量面は評価しやすいですが、勤務態度やモチベーションなどの定性面は見えにくいため、アンケートを実施したり、1on1ミーティングなどの面談を取り入れたりして、社員から意見を聞いていきます。改善すべき点が見つかれば、次の施策につなげていきましょう。

スキルマップの作成

スキルマップの作成

目標や計画を立てる際には、「スキルマップ」を活用しましょう。スキルマップとは、役職ごとに必要なスキル・知識を洗い出し、時系列でまとめたもののことをいいます。作成手順は、以下のとおりです。

まずは、必要なスキルや知識を洗い出します。

「コミュニケーションスキル」のようにあいまいなものではなく、「お客様対応が一人でできる」「クレームに対処できる」など、できるだけ具体的に、思いつく限り書き出しましょう。

次に、洗い出したスキルや知識を、いつまでに身につけるべきかを検討します。

併せて、スキル・知識を、種類ごとに分類します。例えば、基礎的なビジネススキルなら「社会スキル」、各部門に共通して求められるスキルなら「共通スキル」、部門特有のスキルであれば「専門スキル」、どれにも属さない「その他」などです

最後は、人事部・研修部門で整理・修正を行います。

手順1、2で、スキルマップは70%ほど完成しています。現場からはなかなか出てこないであろう労務管理知識やメンタルヘルス知識、ハラスメントに関する知識などが不足していれば、ここで追加して完成させましょう。

また、スキルマップのテンプレートとして、厚生労働省の「職業能力評価シート」を活用するのも一つの手です。業種ごとのテンプレートが用意されており、能力やスキルの習熟度を把握することが可能です。
参考:職業能力評価シートについて|厚生労働省

人材育成の主な手法

人材育成の主な手法

人材育成にはさまざまな手法があり、育成対象の階層や業務内容によって、どれを実施すべきかが異なります。それぞれの特徴を理解し、最適な手法を選択しましょう。

ここでは、代表的な人材育成の手法を、いくつか紹介します。

OJT

OJTとは、「On the Job Training」の略称です。日本語では、「職場内研修」ともいわれます。実際の業務を通して、必要な知識やスキルを指導するという手法です。

「上司と部下」「先輩と後輩」という組み合わせで、基本的には1対1で行われます。
実務を早く吸収できるので、即戦力を育て上げたいときに適している方法です。個人のレベルに合わせて指導できることも、メリットといえるでしょう。

Off-JT

Off-JTとは、「Off the Job Training」の略称です。ビジネスの基本や、業務の土台となる部分を指導する手法です。実務から離れて実施する座学の集合型研修や、近年はオンラインでの研修も増えています。

外部の講師または上司や先輩が講師となり、複数人に対して行います。

eラーニング

eラーニングとは、パソコンやスマートフォンなどの電子機器とインターネットを活用した研修のことです。

受講者にとっては、時間や場所の拘束がないというメリットがあります。一方、デメリットとしては、オンラインのOff-JTとは違い、研修は一方的に進んでいくので、集中力が維持しにくいこと、知識の習得状況に差が出るという点などが挙げられます。受講後は、確認テストを実施するのがおすすめです。

ジョブローテーション制度

ジョブローテーション制度とは、社員の教育のために、戦略的に人事異動や配置転換を行うことです。

新入社員は、さまざまな業務を経験することで、企業の全体像を把握できます。また、多角的な視野が身につくので、次世代リーダーの育成にも適しているでしょう。

目標管理制度(MBO)

目標管理制度(MBO)とは、社員自身が立てた目標の達成度によって、その社員を評価する方法です。社員が立てた目標を共有し、定期的に自己評価させていきます。

社員に、自ら考え行動する力を身につけてほしいときに適した方法です。

コーチング

コーチングとは、相手の自発性を促すコミュニケーション技法のことです。「上司と部下」の組み合わせで行われる対話のなかで、質問をなげかけたり、気づきを与えたりして、部下の能力を引き出していきます。

コーチングは、一方的な「指導」や「アドバイス」ではなく、双方向のコミュニケーションであるという点がポイントです。

1on1ミーティング

1on1ミーティングとは、「上司と部下」の組み合わせで行われる、1対1のミーティングのことです。1on1ミーティングの特徴は、部下の成長や相互理解を目的としたものであり、比較的頻繁に実施され(週1回など)、双方向のコミュニケーションであるということです。1on1ミーティングの際に、前項で紹介したコーチングを取り入れると、部下の本音や能力をより引き出せるでしょう。

単なる「指導」にならないように、「部下のための時間」という意識で取り組むことが大切です。

メンター制度

メンター制度とは、知識・経験の豊富な先輩社員が、経験の浅い社員をサポートする制度です。サポートする側をメンター、される側をメンティーといいます。

メンティーが本音で話しやすいように、メンティーと年齢が近く、業務上の接点が少ない他部署の社員がメンターとなることが一般的です。

メンター制度では、プライベート、メンタル面など、メンティーの悩みや課題を幅広くサポートします。

ストレッチアサインメント

ストレッチアサインメントとは、現在の実力以上の業務をあえて割り当て、劇的な成長を促すという手法です。

これを行う場合は、誰でも逆境に強いわけではありませんので、社員に負担がかかりすぎないように注意しましょう。対象者の能力やキャパシティーを見極め、時期や難易度を適切に調整します。定期的にフィードバックを行うことも重要です。

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自己啓発

自己啓発とは、自分自身を成長させるための自発的な行動のことです。企業で行う研修ではなく、休日や隙間時間などを利用して社員が自主的に行うもので、外部の講座を受ける、書籍を購読するなどが、これに該当します。社員自らの意思による行動なので、モチベーションも高く、高い効果が期待できるでしょう。

ただし、企業が社員に自己啓発を強制するものではない点に注意しましょう。企業としてできることは、自己啓発を支援することです。例えば、書籍の購入費用や勉強会への参加費用を支給するなど、支援制度を設けている企業もあります。

人材育成に取り入れたいフレームワーク

人材育成に取り入れたいフレームワーク

人材育成によく使われるフレームワークとして、「ギャップ分析」「コルブの経験学習モデル」「721の原則」の3つを紹介します。

ギャップ分析

ギャップ分析とは、理想と現状の状態を比較し、その差(ギャップ)を埋めるためには何が必要なのかを分析するというものです。以下の5つのステップで行います。

  1. 理想を言語化する
  2. 現状を整理し、言語化する
  3. 理想と現状の差を書き出す
  4. 差を埋めるための解決策、優先順位を考える
  5. タスクに落とし込みスケジューリングする
ギャップ分析

コルブの経験学習モデル

コルブの経験学習モデルとは、人は(1)経験、(2)内省、(3)概念化、(4)実践の4ステップで学習するということを示した理論です。デイヴィット・コルブにより提唱されました。

人材育成への取り入れ方としては、内省の場としての研修を実施する、顧客へのプレゼンテーション後に振り返りの時間を設けるなどが挙げられます。

コルブの経験学習モデル

7:2:1の原則

7:2:1の原則とは、人が成長するためには、以下のような割合がベストであるという考え方です。

  • 7割:実務経験
  • 2割:上司からのアドバイス・フィードバック
  • 1割:研修・読書などで学んだこと

例えば、OJTを行うことで、「実務経験」と「上司からのアドバイス・フィードバック」は得ることが可能です。残りの「研修・読書などで学んだこと」を得るためには、Off-JTやeラーニング、自己啓発などが必要であると考えられます。

このように、人材育成は、1つだけでなくいくつかの手法を組み合わせることで、高い効果を得やすくなります。

人・組織を育てる「フィードバック」の基礎知識

人材育成を成功させるポイント

材育成を成功させるポイント

人材育成を進めていくうえで、いくつかポイントがあります。「人材育成がうまくいかない」「効果が見えにくい」と感じているようなら、以下の点を見直してください。

経営層と共通認識を持ち、体系として浸透させる

人材育成は、短期間で成果が出るものではなく、また、研修費や担当者の拘束時間の負担など、経営に影響を与えることもあります。しかし、それでも取り組むべきであるということを、経営陣に理解してもらわなければなりません。

人材育成は、経営層・部門責任者・人事部門が連携し、共通認識を持つことが大切です。将来どんな人材が必要なのかを明確にし、企業の方針に沿った人材育成計画を立て、合意をとりましょう。その計画を、社内に体系として浸透させることで、長期的な運用が行えます。

具体的・定量的な目標を設定する

あいまいな目標だと、達成できたのかどうかの評価が難しくなります。例えば、「売り上げアップ」や「仕入れコスト削減」だけでは、どこを目指せばよいのかがわかりません。

目標は、具体的かつ定量的なものとしましょう。どんな状態を「達成」とするかを明確にすることで、社員のモチベーション向上も期待できるうえ、進捗も振り返りやすいので、達成感にもつながるでしょう。

自律性を高める環境をつくる

研修などを行い、社員の意識やスキルを高められたとしても、それを維持していけるような環境をつくらなければ、すぐにまた元に戻ってしまうかもしれません。例えば、ルールや前例を重視しがちな企業風土が根付いている場合、社員は自らチャレンジすることをためらってしまう可能性があります。

不要なルールや慣習があればなくし、積極的な姿勢を評価すること、失敗をしても社員を責めず、適切にフォローするなどして、社員の自律性を高める環境をつくっていきましょう。

また、目標と人事評価制度を連携させることも大切です。例えば、目標が「売り上げ10%アップ」であるならば、「売り上げ15%アップならB評価」「売り上げ20%アップならA評価」というように、事前に評価基準を決めておきます。社員は、「頑張りを適切に評価してくれる会社だ」と感じ、モチベーションやエンゲージメントの向上も期待できるでしょう。

実践する機会を設ける

スキルや知識は、学習させるだけでなく実践しなければ、しっかりと身につけられません。社員も自身の成長を感じる機会がなければ、「この会社で働く必要があるのか」と感じ、退職につながってしまう可能性もあります。

研修で学んだことを生かせるような業務に就かせたり、ある程度権限を与えたりするなど、実践の機会を設けましょう。その際は、上司がしっかりとサポートすることも大切です。

「はやりの手法」には注意する

人材育成の手法にも、時代ごとにトレンドがあります。「はやっているから」と、きちんと理解せずに導入すると、せっかくの人材育成も逆効果になってしまう可能性があります。

例えば、コーチングや1on1では、育成する側にもある程度のスキルが必要です。トレンドに乗って形だけ導入したものの、単なる「面談」や「指導」になってしまったり、部下の能力や本音をうまく引き出せなかったりと、失敗に終わってしまうことも考えられます。

はやりの手法に限ったことではありませんが、手法をよく理解し、自社に合っているか十分に検討したうえで導入するようにしましょう。

教育の意図を社員とすり合わせる

企業側が、社員のキャリアアップのための目標やプランを設定しても、育成を受ける社員側に意欲がなければ、高い効果は期待できません。意欲が湧かない原因はさまざまですが、例えば、「業務が忙しくて体力的・精神的に余裕がない」「研修を受ける意義を感じない」などが挙げられます。

まずは、社員と目線を合わせ、どのくらい意欲があるかをすり合わせましょう。そのうえで、人材育成を行う目的や、スケジュールなどを明確に示し、社員に「自分ごと」と捉えてもらいます。

人材の可視化・PDCAの構築

計画的に人材育成を行っていくためには、人材の可視化が重要です。先ほど、スキルや知識を可視化する方法として、「スキルマップ」を紹介しました。このほかにも、業務のプロセスをフローチャートに示した「プロセスマップ」や、人材育成に役立つ可視化ツールが多数あります。人事システムにあらかじめ搭載されている場合もありますので、こうした可視化の手法・ツールを活用していきましょう。

また、PDCAサイクルを回していくということも忘れてはいけません。PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の4つのステップを繰り返すことで、高い効果が得られるという考え方です。本記事の「人材育成の計画・実施方法」で紹介した手順を繰り返し行っていきましょう。

階級別の人材育成のポイント

階級別の人材育成のポイント

人材育成は、キャリアに合ったプログラムを用意しなければ効果は期待できません。ここでは階級別の人材育成のポイントについて解説します。

新入(新卒)社員

企業になじみ、少しでも早く活躍してもらうために、新入社員への人材育成は欠かせません。新入社員には、まず基本的なビジネスマナーや、社会人としての心構えなどを身につけてもらう必要があります。

ビジネスパーソンが最低限持っておかなければならないスキル・知識と、企業のルールや仕事の進め方などを習得できるようなプログラムを組み立てましょう。仕事に取り組む姿勢や、予期せぬ事態に遭遇しても自ら考え、チームで協力しながら成果を出す力なども併せて学んでいきます。

中途採用社員

中途採用の場合は、採用した社員のキャリアによって、プログラムを細かくカスタマイズする必要があります。これまでの経験を生かしながらも、基本的な仕事の進め方や考え方などを、自社のスタイルに合わせてもらうことに重点を置き、プログラムを組み立てましょう。

若手・中堅社員

若手社員・中堅社員の定義は、企業によってもさまざまですが、入社~3年目までを若手社員、3年目~役職につくまでの間を中堅社員と呼ぶことが多いです。

後輩を持つようになると、自らの業務をこなすだけでなく、人を育てる力が必要となります。また、部署間の連携を行うためのコミュニケーション能力、リーダーシップなども求められるようになっていくでしょう。

これらのスキルを身につけるための研修を実施したり、部下を数人つけて実践させたりして、マネジメント能力を養っていけるような育成計画を立てることがポイントです。

管理職

管理職は、階層が上がるほど業務の範囲も広くなり、さまざまなスキルや知識が求められるようになります。どのポジションでどのような人材が必要なのか、あらかじめスキルマップなどで明確にしておき、適したプログラムを組み立てましょう。

具体的な例としては、部下への指導方法や業務改善、マネジメントスキルを強化する研修などが挙げられます。

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人材育成の成功事例3選

人材育成の成功事例3選

最後に、人材育成に取り組む企業の成功事例を紹介します。

ヤフー株式会社

ヤフー株式会社では、社員一人一人が最適な研修を受けられるよう、さまざまな制度を導入しています。その一部を紹介しましょう。

■1on1ミーティング
本記事でも人材育成の代表的な手法の一つとして紹介した、上司と部下の1対1の対話です。同社では、これを週1回実施しています。

■ななめ会議
役職者の成長を目的とした制度です。部下や関連メンバーが、役職者のよい点・改善点を、さまざまな角度から評価します。

■人財開発会議
社員一人一人の育成方針を話し合う会議です。直属の上司と関連部署の役職者で行われます

■ジョブチェンジ
自己申告により、希望する社内の部署へ異動できる制度です。

■Yahoo!アカデミア

「次世代リーダーの創出」を目的に、2014年4月に設立された企業内大学です。執行役員が各クラスのメンターとなり、リーダー候補の社員を指導・支援します。

参考:人財育成│ヤフー株式会社

ヤマトホールディングス株式会社

ヤマトホールディングス株式会社では、デジタルリテラシーの底上げと、デジタル人材の育成を目的に、2021年度より、「Yamato Digital Academy」をスタートしました。

デジタルリテラシーとは、インターネットやパソコン、スマートフォンなどのデジタル技術に関する知識と、それらを活用する能力のことです。テクノロジーの急速な進展により、あらゆるものがデジタル化しています。ビジネスにおいても、デジタルリテラシーの重要性が高まっているのです。

同社のこの教育プログラムは、「経営層向け」「デジタル機能本部所属社員向け」「全社員向け」と、3つのカリキュラムが用意されています。グループ各社で展開し、3年で1,000名規模のグループ社員の受講を予定しています。

参考:デジタル人材の育成へ向け、「Yamato Digital Academy」をスタート | ヤマトホールディングス株式会社

富士フイルム株式会社

富士フイルム株式会社では、入社3年間を「仕事力の基盤と自立的な行動姿勢を確かなものにする時期」と定義し、若手社員の育成に力を入れています。

基本としているのは、OJTです。それぞれの社員に合わせた「育成計画」を作成し、「3年目に目指す姿」を上司と指導員とが共有しています。

3年の間に多様な価値観に触れてもらうため、育成状況に合わせて、事業軸・職種軸を超えた横断的なジョブローテーションも実施しています。

参考:人材育成と働き方 | 富士フイルム

企業の未来は「人(社員)」にかかっている

企業の未来は「人(社員)」にかかっている

テクノロジーの進展、グローバル化、働き方改革など、企業を取り巻く環境は、めまぐるしく変化しています。これに対応し、企業が成長を続けていけるかどうか、カギとなるのは人(社員)です。人材育成は短期間で成果が得られるものではありませんが、重点を置いて取り組むべきといえるでしょう。

一人の力はそれほど大きくありませんが、集まれば大きな力となります。社員一人一人をしっかり育成していくことが、企業の持続的な成長に欠かせません。

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著者プロフィール株式会社IKUSA

デジタルマーケティング事業を展開し、Webサイトの制作・運用・分析、記事・DL資料・メールマガジンなどのコンテンツ制作などを行う。2021年12月時点、自社で7つのオウンドメディアを運用し、月間合計600件を超えるコンバージョン数を達成。