VUCA(ブーカ)とは? VUCA時代に欠かせないビジネスの視点やスキルを解説

VUCA(ブーカ)とは? VUCA時代に欠かせないビジネスの視点やスキルを解説

IT技術の爆発的な進歩や予期せぬ感染症の流行、自然災害などのさまざまな影響により、現代は従来の価値観やビジネスモデルが通用しない時代となっています。現代のような先行きが見えにくい時代は、「VUCA(ブーカ)時代」とも呼ばれ、目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。この記事では、近年注目されるビジネスワードであるVUCAの意味、VUCA時代に求められるスキルや人材育成のポイントなどを紹介します。

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VUCAとは

VUCAとは

VUCAとは「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字をとった言葉で、社会やビジネスシーンなどのあらゆるものにおいて変化が激しく、予測不可能なことが連続して起こる状態を意味します。元々は1990年代ごろに米軍で使われ始めた軍事用語でしたが、最近はビジネスの現場でも使われるようになりました。

経済産業省が2019年に発表した企業競争力強化に関する提言で、「経営トップが率先して、VUCA時代におけるミッション・ビジョンの実現を目指し、組織や企業文化の変革を進めること」を掲げたことも、VUCAが関心を集めるきっかけになりました。

参考:人材競争力強化のための9つの提言(案)│経済産業省

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押さえておきたいVUCAの4つのキーワード

押さえておきたいVUCAの4つのキーワード

ここからは、VUCAの頭文字である4つのキーワードについて、それぞれ順に紹介していきます。

Volatility(変動性)

IT技術をはじめとしたテクノロジーの進化などに伴い、あらゆる市場でビジネスモデルの崩壊・再構築が進んでいます。今後のトレンド、成功するスキームがどのようなものになるのか、予測できない状態を意味します。

Uncertainty(不確実性)

大規模な自然災害や気候変動など、未来がどのように変化していくかわからない状態をさします。2020年には新型コロナウイルスが急速に流行したことで、時短勤務やリモートワークへの対応が必要になるなど、多くの企業やビジネスパーソンがこれまでの働き方や生活環境の見直しを余儀なくされました。

Complexity(複雑性)

近年はさまざまな物事のグローバル化が進んだことで、新たな事業も次々と生まれており、ビジネス環境や経済においても複雑化しています。日本の事例が海外では通用しなかったり、新事業を取り巻く法整備が追い付いていなかったりなど、さまざまな事柄が絡み合い、解決策を見つけるのが難しい状況になっているのです。

Ambiguity(曖昧性)

上記の3要素が組み合わさり複雑化することによって、現代のビジネス現場では、過去の実績や成功スキームがこれまで以上に通用しなくなっています。長期的な予測に限らず短期的な予測も難しいため、あらゆる業界で曖昧さが際立つようになっています。

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VUCA時代に求められるスキル

VUCA時代に求められるスキル

予測不能なVUCA時代を乗り越え活躍していくには、どのようなスキルが必要なのでしょうか。ここからは、VUCA時代においてビジネスパーソンに欠かせないスキルを紹介します。

情報収集力・情報処理能力

ビジネスの方向性や施策を定めるためには、自社が置かれている環境や求められている課題、ビジネスニーズなどを適切に把握できる情報収集力や情報処理能力が不可欠です。また、膨大な情報から適切な情報を選び出すリテラシーも求められます。加えて、情報感度を高め、新たな話題に敏感に反応することも大事です。

論理的思考力・戦略立案能力

何が正解なのかわかりにくい時代であるため、集めた情報をベースに、より精度の高い仮説を立てられる論理的思考力が大切です。また、変化に柔軟に対応できるようにさまざまなシナリオを想定し、複数のプランを立てられる戦略立案能力も欠かせません。

行動力

どんなに広範な情報収集をして緻密な戦略を立案できたとしても、実際に行動に移さなければ結果は得られません。行動力が大切なのは、今も昔も同じです。目まぐるしく環境が変化するVUCA時代においては、迅速な行動や失敗を恐れずにチャレンジする積極的な姿勢が求められるのです。

リーダーシップ

状況に応じて柔軟な対応を求められるVUCA時代において、チームが一体となって業務を進めるためには、強力なリーダーシップが欠かせません。役職者はもちろん、一般の従業員も「指示待ち」ではなく、積極性や自発性を発揮することが必要です。

また、従来の「新卒採用・終身雇用」という日本型の雇用システムが崩れつつある現代は、多様な人材をまとめるうえでも、リーダーシップの重要性は増しています。

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発信力

変化に柔軟に対応し、適宜、軌道修正して業務を進めるためには従業員が同じ方向を向き、他部署ともスムーズに連携することが大事です。そのため、企業の経営層や役職者には、自社の方向性や戦略をきちんと共有できる発信力が求められます。

また、企業競争力を高めるためには、社外のステークホルダーに対して自社についてより理解してもらい、ブランドイメージを高める発信力も大事です。

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VUCA時代に対応できる人材育成のポイント

VUCA時代に対応できる人材育成のポイント

自社の従業員が前述したようなスキルを養うために、企業は何をすればよいのでしょう。ここではVUCA時代に対応できる人材育成のポイントを紹介します。

環境や状況の変化への対応力を高める

VUCA時代では、その時々の環境や状況の変化に応じた適切な対応が求められます。いざというときに素早く行動するためには、日常の行動や心掛けが大事。普段からリスクを想定して業務に取り組むなど、対応力の向上を意識するように促すといいでしょう。

ビジョンを明確にし、共有する

環境や状況が変化すれば、それに合わせて仕事の方向性や業務内容を軌道修正する必要が生じます。個々の従業員がそれぞれ異なる判断や場当たり的な対応をせず、適切な行動をとるためには、全社一体で明確なビジョンを持ち、職場で共有しておくことが重要です。

コミュニケーション能力を鍛える

グローバル化の進展やビジネスモデルの変化などにより、従来以上に多様な価値観やバックグラウンドを持つ人と働く機会が増えます。業務に関する意見交換だけでなく、上司や部下、チーム、社内における信頼関係を構築するためにも、スムーズに意思疎通できるようなコミュニケーション能力を鍛えることが望ましいでしょう。

判断力や決断力を磨く

VUCA時代では、これまで以上に判断力や決断力が求められる場面が増えます。過去の成功例が通じない場合もあるため、的確な判断をするには落ち着いて状況を理解し、課題解決のために何が必要か見極めることが重要です。さらに、あらゆる可能性を踏まえ、適切な人材に権限を委譲するなどの決断力も必要となります。こうした意思決定のスキルは自然に培われるものではないので、普段から意識して業務にあたるよう習慣づけたり、訓練したりして判断力や決断力を磨くことが欠かせません。

VUCA時代ではPDCAよりもOODAが効果的

VUCA時代ではPDCAよりもOODAが効果的

従来、ビジネスの現場では「PDCAサイクルの実行」が重要視され、実践されてきました。ただVUCA時代では、「OODA(ウーダ)ループ」がより効果的といわれています。OODAループはPDCAサイクルとどのような点が異なり、何が有用なのか解説していきます。

PDCAサイクルとOODAループの違い

PDCAサイクルとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字をとった業務改善の手法です。立てた計画を実行し、その結果を評価、改善につなげるというビジネスの定番といえるフレームワークです。

一方、OODAループは「Observe(観察)」「Orient(仮説構築)」「Decide(意思決定)」「Act(実行)」の頭文字をとった思考法で、VUCAと同じく米軍によって提唱されました。PDCAサイクルよりも状況把握や戦略立案に重点を置いているのが特徴であり、変化が大きく、複雑性が増しているVUCA時代ではOODAループの方が有効とされています。ただし、OODAループの方がPDCAサイクルよりも優れているというわけではないので、状況に応じて使いわけるといいでしょう。

OODAループ

Observe(観察)

まずは、自社を取り巻く環境やビジネスの現場をきちんと把握することから始まります。そのためには、市場や顧客をよく観察し、情報収集します。その際、これまでの常識や先入観にとらわれず、さまざまな切り口からデータを集めることが重要です。

Orient(仮説構築)

次に、データを元に現状を分析し、仮説を構築します。どのような仮説になるかによってその後の方向性が決まるので、OODAの中で最も重要なステップとされています。精度の高い仮説を立てるためには、以前の成功体験にこだわらないことが大事。またひとつの仮説だけではなく、複数の前提条件やシナリオを想定して考えるのもポイントです。

Decide(意思決定)

仮説で方向性が決まったら、戦略や施策を決定します。刻々と変わる状況に合わせて、最善と思える方策を選び、なるべく具体的な行動をとることが重要です。

Act(実行)

最後の工程が、定めた戦略や施策の実行です。VUCA時代では変化が早いので、状況が変わらないうちに迅速な行動が求められます。またOODAループもPDCAサイクルと同様に、1回のサイクルで終わらせず、何回もループを回すことも肝心です。ループを繰り返すことでより精度を高め、よい状況にもっていくことができるでしょう。

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VUCA時代を勝ち抜くために

VUCA時代を勝ち抜くために

変化が激しく予測不可能なVUCA時代に突入したことで、企業やビジネスパーソンに求められるものも変わってきています。自社がVUCA時代を勝ち抜き、さらに発展していくための方策について考えてはいかがでしょうか。その際には経営層や役職者だけで知恵を絞るのではなく、多くの従業員の意識やスキルを高め、全社一丸となって取り組むことも大事です。

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