会議の際に用意される「アジェンダ(agenda)」は、会議の効率を上げ、スムーズに意思決定へ導くことができる重要な資料です。記事では、アジェンダの意味や言葉の使い方、基本構成や書き方のコツなどを紹介。テンプレートとして使えるアジェンダの例も掲載しています。
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アジェンダとは?

ビジネスシーンでよく耳にする言葉、アジェンダの意味と使われ方を解説します。レジュメやサマリーといった言葉との違いも見ていきましょう。アジェンダ
アジェンダの意味
アジェンダは、ラテン語由来の言葉です。英語のagendaには、協議事項や予定表、議事日程などの意味があります。
日本のビジネスシーンで使われるアジェンダは、会議の議題や会議の情報といった意味合いです。それらをまとめた資料のことも、アジェンダと呼ばれます。ちなみに政治の分野では、アジェンダは行動指針という意味で用いられます。
参考書籍:園部 浩司 (著)「ゼロから学べる! ファシリテーション超技術」かんき出版刊 p34
アジェンダの使い方
アジェンダは基本的に、会議の前に共有したり、会議に参加しない人にアジェンダのみを共有したりといった使い方をします。また、印刷して配布したり、プロジェクターに投影したりするなど、会議の場でも用いられます。
会話では、たとえば
「水曜日の会議のアジェンダをメールで配布しておいて」
「参加者にはアジェンダを共有してある?」
「それでは、本会議のアジェンダを配布します」
「現在プロジェクターでアジェンダを投影しています。見えていますでしょうか?」
というように使います。
レジュメ、サマリーとの違い
アジェンダと混同しやすい用語にレジュメとサマリーがあります。これらはアジェンダとどう違うのでしょうか。
レジュメは要約や概略という意味で、講演会や大学の講義など人が集まる場で配布される、内容をまとめた資料のことです。就職や転職活動においては、レジュメは職務経歴書や履歴書のことを指します。
サマリーはレジュメと同じく要約や概略といった意味ですが、「講演の内容をまとめた資料」という意味では使いません。レポートや論文などの冒頭につける要旨のことを指すのが一般的です。また、ITの分野では、大きなデータを集計したものを指すこともあります。
アジェンダ | これから話し合いをするために、全体の流れや要点、議題をまとめたもの。まだ決まっていないことを話し合う際に用意される。 |
レジュメ | これから話す内容の概要をまとめたもの。既に話す内容が決まっている際に用意される。 |
サマリー | レポートや論文などの冒頭につける要旨のこと。 |
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アジェンダはなぜ必要?

アジェンダは今や会議に必要不可欠なものです。会議の成否は、アジェンダ作成で80%が決まるともいわれているほどです。ここからは、アジェンダの必要性や会議において重要視される理由を解説します。
会議について共通の認識をもつため
アジェンダがあれば、会議の目的は何か、何を話し合うのかなどが一目でわかります。
多くの会議に参加している多忙な参加者は、それぞれの会議の内容や目的を把握できていないことがあります。会議に急きょ招集された人も同様です。会議の目的や論点の認識がバラバラのままでは、スムーズに進めることが難しくなります。
アジェンダを用意することで会議の内容が明確になるとともに、どのような参加者にも必要な情報を渡した状態で会議を始められます。
会議の効率化をはかるため
会議の前にアジェンダで情報を共有しておくことで、事前に議題について考えたり、調べたりすることができます。また、会議で結論を導くためにあらかじめ関係各所の同意を得ておくなど、事前に行動しておくこともできます。
あらかじめ検討すべきことやしておくべきことを整理した状態で議論に入れるので、決定すべき事項がある際もスムーズに運び、会議の時間短縮や効率化につながります。
また、アジェンダにタイムスケジュールを入れておき、それに従って進行すれば、会議が長引いてしまうことを防ぎやすくなります。
参考書籍:園部 浩司 (著)「ゼロから学べる! ファシリテーション超技術」かんき出版刊 p47
アジェンダの基本構成と書き方のコツ

アジェンダの作成は、基本構成を参考にすれば難しくありません。最初は時間がかかるかもしれませんが、慣れれば10〜15分程度で作成できるようになります。また、定例会議等は自分用のテンプレートを残しておけば、次回以降は効率よく作成できます。
アジェンダの基本構成は以下の通りです。これらの要素を基本的な構成要素とし、会議に合わせて適宜調整しましょう。
- 会議の名称
- 会議の日時、場所、参加者名、進行役名、タイムキーパー名、記録者名
- 会議の目的
- 進行順序・議題
- 配布資料一覧
- 備考、問い合わせ先
次に、それぞれの構成要素の書き方のコツを解説していきます。
会議の名称
まず、会議名を記入します。参加者が何の会議か把握できるような会議名にし、定期的に行われるものについてはなるべく統一した名称を使用しましょう。
会議の日時、場所、参加者名、進行役名、タイムキーパー名、記録者名
それぞれの項目を記入していきます。フロアや会議室名も誤解が起こらないよう詳細に記しましょう。社外の人間も参加する場合は、必要に応じて地図を添える、集合場所を示すなどの工夫も必要です。
参加者名は、所属先や、会議の議題となっているプロジェクトでの担当等もあれば書き添えます。
会議の目的
何をするための会議であるかをできるだけ明確に記入しましょう。
これはアジェンダを作成する際に、最初に検討する項目です。目的が決まらなければ、参加者を選定することも、議題を設定することもできないからです。
目的は、「○○についての意見交換」、「○○について話し合う」といった曖昧なものではなく、
- 「○○における方針を決定する」
- 「○○の現状について整理し、可視化する」
- 「○○の企画に際してアイデアを洗い出す」
というように具体的に書きましょう。
会議中に、「そもそもこの会議の目的は何だったのか?」と見失うことがないように、いつでも立ち返ることができるように示しておきます。こうしておけば、曖昧なまま会議を終えてしまうこともありません。
また、アジェンダに会議の目的やゴールを書いておけば、それらを達成したかどうかを議事録で評価できます。
進行順序・議題
会議の目的を達成するためにはどのような順序でどのような議題を扱えば目的にたどり着けるか、考慮して作成します。基本的には、次の順で進めましょう。
- オープニング
- 情報共有(参加者間の情報格差を埋める)
- 議論する
- クロージング
配布資料一覧
アジェンダ以外に配布する資料を列挙します。全員に同じ資料が行き渡っているか確認するために必要です。特に目を通しておいてほしい箇所等があれば、ページ数の記載をして「事前に必ずご確認ください」としておきましょう。
備考、問い合わせ先
その他会議に関わる情報や、アジェンダに関する問い合わせ先を記入します。問い合わせ先には担当者名も添えましょう。
参考書籍:園部 浩司 (著)「ゼロから学べる! ファシリテーション超技術」かんき出版刊 p41
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アジェンダ作りのポイント

アジェンダを作る際は、会議の流れをどのように作るかを意識しなければなりません。気をつけたいポイントは以下の通りです。
- 情報格差を埋める時間を設ける
- 質疑応答の時間を設ける
- 時間配分は1~5分刻みにする
これらのポイントについて解説していきます。
情報格差を埋める時間を設ける
会議の参加者はそれぞれ立場が異なるため、もっている情報量に差があります。そのため、議論を行う際にはあらかじめ議題の背景、現状など最低限共有しておくべきことを整理し、情報格差を埋めておく必要があります。
アジェンダには情報共有の時間として「前回会議の振り返り」「○○の要件の再確認」などを盛り込みましょう。
質疑応答の時間を設ける
参加者の消化不良を招かないためには、質疑応答の時間が必要です。質疑応答の有無やその質はミーティングの達成感や納得感を大きく左右します。「疑問点を解消し、理解したうえで決定した」と感じられなければ、プロジェクトはうまく進みません。
時間配分は1~5分刻みにする
「〇分程度」「〇時〇分ごろ」などの曖昧な表現を避け、議題ごとに時間設定や所要時間を分刻みできっちり書きましょう。細かすぎると感じられるかもしれませんが、時間厳守の意識を高めるためには大切です。
ただし、余裕のないスケジュール設定は避けましょう。そのためには、議題を絞る必要があることも頭に入れておきます。
必要な議題のみを検討し、それでも時間が足りないようであれば、会議を2度に分けることも検討しましょう。
参考書籍:園部 浩司 (著)「ゼロから学べる! ファシリテーション超技術」かんき出版刊 p41, p45
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アジェンダの作成例【テンプレート】

アジェンダのテンプレートを紹介します。上述した書き方のコツや作り方のポイントを参考にして、アジェンダ作りに活用してください。
会議名:第3回Webサイトリニューアル会議
日時:2022年3月15日(火)14:00〜14:55
場所:8階 第3会議室
参加者:Webサイトリニューアルプロジェクトメンバー(高橋、園田、川越、時田、金澤、渡辺)
進行:渡辺
タイムキーパー:渡辺
記録:時田
会議の目的:Webサイトデザインの方向性を決める
進行内容:
内容 | タイムスケジュール | 所要時間 |
■オープニング ・本日の目的と進行について ・アイスブレイク(気になる他社Webサイトデザインの共有) | 14:00〜14:03 14:03〜14:06 | 3分 3分 |
■情報共有 ・目指すWebサイトの定義 ・前回会議の振り返り ・実現可能/不可能な仕様の確認 | 14:06〜14:07 14:07〜14:10 14:10〜14:15 | 1分 3分 5分 |
■議論 ・Webサイトデザインの方向性の提案 ・質疑応答 ・各デザインのメリット、デメリット、懸念点を洗い出す ・方向性の決定 | 14:15〜22 14:22〜27 14:27〜40 14:40〜48 | 7分 5分 13分 8分 |
■クロージング ・決定事項の確認 ・追加で確認すべき事項の確認 ・振り返り | 14:48〜49 14:49〜52 14:52〜55 | 1分 3分 3分 |
■終了・会議室片付け | 14:55 |
配布資料:websitedesign_sample0312.pdf
備考:第1回、第2回の議事録は共有サーバー>Webrenewalフォルダ>Minutesフォルダ
問い合わせは渡辺(watanabe@社内メール)までお願いいたします
参考書籍:園部 浩司 (著)「ゼロから学べる! ファシリテーション超技術」かんき出版刊p40
アジェンダを共有するタイミング

作成したアジェンダはいつ共有すればよいか、修正や変更が生じた場合はどのように対応すべきかを解説します。
会議の24時間前までに共有する
アジェンダが完成したら、なるべく早く共有しましょう。遅くとも、営業日基準で24時間前には共有します。たとえば月曜日の朝10時にスタートする会議なら、遅くとも金曜日の朝10時までに共有しましょう。
アジェンダをなるべく早く共有するのは、参加者が会議の準備を行うための時間が必要なためです。あらかじめ考えをまとめたり、下調べをしたり、関係各所との調整を行うためには少なくとも1営業日は猶予が必要です。
参考書籍:越川 慎司 (著)「超・会議術 テレワーク時代の新しい働き方」技術評論社刊 p56-58
修正や変更が発生した場合は必ず周知する
アジェンダの内容に修正や変更が発生した場合は必ず周知し、アジェンダを再配布しましょう。変更内容によっては当初のメンバーのなかで参加する必要のない人が出てきたり、反対に新しいメンバーを会議に招集する必要が発生したりします。また、参加者が準備しておく内容が変わる可能性もあります。
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まとめ

アジェンダは会議の脚本のようなもので、円滑な会議進行のためには欠かせません。この順序と内容でゴールにたどり着くだろうか、時間配分は適切だろうか、と具体的にイメージを巡らせながら作成しましょう。参加者は貴重な時間を割いて出席してくれているということを忘れずにいたいですね。
■記事全体の参考書籍
園部 浩司 (著)「ゼロから学べる! ファシリテーション超技術」かんき出版刊
越川 慎司 (著)「超・会議術 テレワーク時代の新しい働き方」技術評論社刊
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