キャリア形成とは? 30・40代のキャリアの考え方や具体的な築き方、企業ができる支援を紹介

キャリア形成とは? 30・40代のキャリアの考え方や具体的な築き方、企業ができる支援を紹介

「不確定な時代」と呼ばれる現代では、数年後のビジネス状況さえも読みづらくなっています。かつては安心とされていた大企業でも不安定な経営状況に陥っている例もあり、企業に頼らず、ビジネスパーソン一人一人が自身のキャリアプランをしっかり考えていく必要があるといえます。

そうしたキャリア形成の重要性が強くなるのに応じて、従業員がキャリアプランを検討できるように、企業や人事部門側でもサポートを行う必要性が増しています。

本記事では、キャリア形成の意味や、重要視されている背景、キャリア形成の構築に向けた考え方や具体策などを紹介します。また、人事部門がどう従業員のキャリア形成を後押しできるかまで、解説していきます。


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キャリア形成とは

キャリア形成とは

「キャリア」には「仕事上の経歴、経験」という意味があります。特に、持続性や継続性を含んだ経歴に関して、キャリアという言葉が用いられます。

ただし、ただ働いているだけでキャリア形成がなされるわけではありません。自身の働く意味や、人生の目標、将来なりたい理想像を明確にしたうえで、その目標のために経験を積み重ねていき、キャリアは形成されていきます。

つまり、「キャリア形成」とは「将来なりたい姿に向けて、経験を積み重ねる自己実現のプロセス」だと言えます。

キャリア形成は出世や転職など、ビジネスシーンで使われがちな言葉ですが、仕事を含む人生トータルで形成していくものです。そのため、働き方だけでなく、自身の生き方について、5年後、10年後になっていたい自分の姿をイメージして、それに近づくためのステップを考えることに意味があります。


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キャリア形成が重要視されている理由

キャリア形成が重要視されている理由

近年、従業員のキャリア形成のサポートに力を入れる企業が増えています。

文部科学省も子どものキャリア教育を推奨し、2020年からキャリア・パスポートを導入しました。キャリア・パスポートとは、小学校から高校までの教育環境において、生徒自らが見通しや振り返りを行えるように工夫されたポートフォリオのことで、自身の成長や自己評価に役立てようとするものです。

こうした取り組みから考えられるのは、年齢や職業を問わず、自己実現のために必要な能力を育てることが、現在の社会に求められているということでしょう。また、近年キャリア形成が重要視される理由には、以下のような理由も挙げられます。

  • 終身雇用の限界
  • 人生100年時代の到来
  • テクノロジーの進歩
  • 働き方の多様化

これらについて、次で詳しく解説していきます。

終身雇用の限界

これまで多くの日本企業では「年功序列」や「終身雇用」の考え方が定番でした。そのため、年齢に応じたポジションや年収など、将来のビジョンが描きやすかったといえます。

ただし終身雇用は、継続的な経済成長を前提とした制度です。産業構造の変化や長年のデフレの結果、日本企業の終身雇用の維持は限界を迎えつつあります。

大手企業でも、早期退職を募るケースは少なくないでしょう。終身雇用が崩壊した状況では、企業のレールに乗るような形でのキャリア形成は困難です。そのため、ビジネスパーソン一人一人が自身の価値観をもとにして、キャリア形成を考え進めていく時代になっています。

人生100年時代の到来

日本人の寿命が長くなっている点も、キャリア形成が必要とされる背景になっています。現代では医療技術が進歩し、社会の長寿化が進んでいます。かつて「人生50年」などとも言われていましたが、「人生100年時代」とも呼ばれる現在では、定年は通過点でしかありません。

そのため、老後の人生も見据えた、長期的なキャリアイメージを抱くことが重要です。帝国データバンクの調査では、企業の平均年齢は37.48年で、ビジネスパーソンの職業人生のほうが長いことになります。そこで、ビジネスパーソン一人一人が、キャリア形成に関して企業を起点に考えるのではなく、自分の生き方を起点に考えていく必要があります。

参考:帝国データバンクの数字で見る日本企業のトリビア|帝国データバンク

テクノロジーの進歩

AIをはじめとしたテクノロジーの進歩も、キャリア形成が重視されるようになった一因です。

テクノロジーの進歩によって、AI技術が人間の知能を超える、「ある時点」のことを指す「シンギュラリティ」が話題になっています。そして、シンギュラリティは、多くの業界で産業構造の転換をもたらすと考えられています。

これまで人が行っていた多くの業務に替わってAIが導入されるケースがあり、今後さらに増加していくと予想されます。特に、繰り返しの作業や、比較的単純な処理を行う定型的な業務は、AIで代替される可能性が高いとされています。

長く経験を積み上げてきた業務が、AIに代替されるかもしれないという時代において、将来を見据えて今後も必要とされる人材となるためのキャリアプランを作成する必要があります。

働き方の多様化

働き方の多様化もまた、キャリア形成が注目される要因の一つです。

先述したように、以前の日本では、正社員、終身雇用が一般的で、ほとんどの人が新卒で企業に就職することを目指していました。しかし現在では、自分のライフスタイルに合わせて派遣社員、業務委託、副業などを選択でき、働き方が多様化しています。

また、転職やキャリアチェンジなども一般的になっています。労働に対する価値観も「ワーク・ライフ・バランスを重視したい」「社会貢献を重視したい」など、人によってさまざまです。そこで、企業側も従業員一人一人の価値観を理解して、キャリア形成をサポートする必要があります。


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キャリア形成の考え方

キャリア形成の考え方

キャリア形成の重要性が増した現在、評価面談や1on1ミーティングを行う企業も増えています。こうした機会を通して、従業員が自身のキャリア形成について意識する機会が多くなっています。

ただし、「キャリアを形成する」といっても、どう自身のキャリアについて考えていけばいいのでしょうか? キャリアプランを考えるヒントとして、以下に5つのポイントを挙げます。

  • Will・Can・Mustから考える
  • ロールモデルから考える
  • やりたくないことから考える
  • モチベーションから考える
  • 人生・仕事の価値観から考える

ここからは、この5つの考え方について詳しく解説していきます。

Will・Can・Mustから考える

キャリアプランの考え方の1つに、「Will・Can・Must」があります。

3つの要素意味
Willやりたいこと、欲求、動機
Canできること、経験、能力、強み
Mustやるべきこと、責任、周りから期待されること

これら3つを考えることは、自身の状況を冷静に見つめ直すきっかけになります。自身のキャリアに関して、何から考えたらいいかわからない場合、まずは3つの要素を可視化しましょう。今後のキャリアプランを考えるヒントになります。

また、展望や自身の適正などについて分析を深めるよいきっかけにもなるので、納得感のあるキャリアプランを考えられるでしょう。

ロールモデルから考える

「ロールモデル」とは、考え方や行動のお手本となる人物を指す言葉です。自身が勤める企業に「こんなふうになりたい」「こんなキャリアを歩みたい」という人物がいないか、探してみましょう。

その人物のキャリアを逆算して、自分の年齢やポジションで今やるべきことと今後の目標を設定していきます。ロールモデルが自身の上長や先輩など、身近にいる人物の場合は、実際に話を聞いてもらうのもよいでしょう。その人がどんなキャリアを経て現在のポジションにいるのかを探ることで、キャリア形成のヒントにできます。

やりたくないことから考える

キャリア形成について積極的に「やりたいこと」「目指したい人物像」を考えるのが難しい場合があります。そんな場合は、キャリア形成の第一歩として「やりたくないこと」から考えるのも一つの方法です。

まずは、「やりたくないこと」をリスト化します。やりたくないことが明確になると、それを避けることで目指すキャリアが自動的に練り上げられていく場合があります。また、やりたくないことの理由を深掘りしていくと、自身のやりたいことが具体的に絞られていく場合もあります。

モチベーションから考える

キャリア形成について考えるときには、自分が「どんな業務にモチベーションを感じるか」を考えることも重要です。

モチベーションは、大きく以下の2種類にわけられます。

  • 外発的なモチベーション:報酬や評価といった外的な要因からなる
  • 内発的なモチベーション:やりがいや、成長の感覚が業務の意欲になる

自分の内側から湧いてくる内発的なモチベーションのほうが、より持続性が高く、仕事の質も高まると考えられています。

人生・仕事の価値観から考える

自身の「仕事の価値観」を理解することも、キャリア形成を考えるうえで重要です。

たとえば、「ワーク・ライフ・バランスを重要視した働き方をしたい」「金銭的な報酬よりも仕事のやりがいや社会的な意義を重要視したい」「マネジメントよりも専門性を磨きたい」など、働き方や生き方に関する考え方は人によってさまざまです。

そこで、自分の価値観を理解し、その価値観に応じたキャリア形成ができれば、納得感の高い状態で仕事に取り組めるはずです。適性検査やアセスメントツールを活用すれば、自己認識が深まります。

年代別に見るキャリア形成の考え方

年代別に見るキャリア形成の考え方

まず前提として、キャリアプランの形成に年齢制限はありません。子どもの時期でも、現役世代を引退しても、これからの人生について考えることは必要です。

ただし、年齢によって考えなければいけないことは変化していきます。そこでここからは、特に30代と40代についてのキャリア形成において気をつけたいポイントを解説します。

30代のキャリア形成

30代はこれまでの自分の経歴を分析することが大切です。多くの場合、仕事にも十分に慣れ、後輩もできて一通り仕事を回せるようになってきた時期になります。

社内で自分の求められている役割や、自分の持っているスキルなど、自身の強みについて見つめ直すとよいでしょう。今後、企業にどう貢献できるかを考え、キャリアプランを検討していきます。

40代のキャリア形成

与えられた役割を確実にこなしていくことを求められる30代と比べ、40代は業務全体を円滑に回すマネジメントスキルが求められます。

リーダーシップを発揮する場面も増え、人材の育成を任せられる機会も多くなります。これまで自分流のやり方で仕事をしていた人も、部下が増えて育成する立場になると状況は変化します。

また、40代は後輩世代との価値観の違いを実感する時期でもあります。自身とは異なる価値観を受け入れ、後輩などの異なる世代の意見にも耳を傾けて判断するスキルが必要になっていきます。


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キャリア形成における注意点

キャリア形成における注意点

自身の人生をイメージするのにキャリア形成は重要です。しかし、とらえ方や進め方を誤ると、思うように効果が出ない場合があります。

ここからは、キャリア形成を考えるうえで注意しておきたい以下の4点について解説します。

  • 人と比べない
  • 計画・行動を明確にする
  • 定期的に見直しを行う
  • ライフプランも視野に入れる

人と比べない

キャリア形成において、周囲の人と自身のキャリアを比較しないことが重要です。昇進のタイミングが人によって異なるように、イメージするキャリアも人それぞれ異なるからです。

もちろん自身の理想をイメージするために、ロールモデルを設定することは重要です。しかし、ロールモデルはあくまで参考であり、理想のイメージです。ロールモデルと同じ早さで成長する必要はありませんし、同年代の同僚などと比較して自身の成長が遅くなっても気にする必要はありません。

あくまで自分らしいペースで成長していくことが重要であるため、他人のペースに乱されることなく、自分にとって最適なキャリアプランを作成するようにしましょう。

人事部門も、他の従業員のキャリアを例にして、同じようなキャリアの進み方を強要しないように意識しましょう。

計画・行動を明確にする

キャリア形成において、計画や行動目標を設定する際には、より具体的な内容に精査することが重要です。

自身のイメージするキャリアを歩むには、目標に沿った行動が必要になります。たとえば、海外で働く部署で活躍したいというプランを作成しても、そのために必要な行動計画がなければ意味がありません。「3年後にTOEICの点数をどのくらいアップさせる」など、プラン達成のための段階的な目標が必要です。

何年後までにどんなスキルを身につけたいのか、どんな業務を担当していたいかなど、より具体的な計画を立てるようにしましょう。

定期的に見直しを行う

キャリアプランを一度作成したら、後から変更してはいけないというものではありません。もちろん、ライフステージによって自身の価値観や環境は変化します。また、社会の変化によって、自身の考え方が変わる場合もあるでしょう。

そこで、価値観や環境の変化によって、定期的に修正を加えるようにします。自身のキャリアについて意識するクセをつけるために、定期的に自身のキャリアプランを見直すことも重要です。目標までの進捗がわかり、必要に応じて修正していけるので、自身のイメージするキャリアに近づくきっかけにもなります。

ライフプランも視野に入れる

出産、育児など、自身のプライベートにおけるライフプランも考慮したうえで、キャリア形成をすることも重要です。

特に将来、子どもがほしいと考えている女性は、出産後も働き続けたいか、復帰後にどんな働き方をしたいか、イメージをしておくとよいでしょう。

また近年、育児休業を取得する男性の人数も増加傾向にあります。育児にどのくらい積極的に参加するか、パートナーと相談したうえで、自身のキャリアを考えるとよいでしょう。

現在、子育てを考えていない人も、この先、状況が変わることもあります。想定していない出来事がプライベートで起きても、臨機応変にプランを変更できるように心構えをしておくことも大切です。

キャリア形成を進める具体策は?

キャリア形成を進める具体策は?

ここまで、キャリア形成についての考え方を紹介してきました。次は、どうキャリアを築いていけばいいのか、キャリアを築くために自身が行動すべきことは何かを理解する必要があります。

イメージするキャリアは人によってさまざまです。そのため、必要な具体策も人によって異なります。自身のイメージするキャリアに応じて、どんな手段が有効なのか、自身にマッチした手段を検討してください。

以下は、具体的にキャリアを築いていくためにできる方法の例です。それぞれについて次で詳しく紹介します。

  • 資格取得に向けて勉強する
  • 教育研修に参加する
  • セミナーや書籍から学ぶ
  • 部署異動や転職などを検討する
  • 第三者に相談する

資格取得に向けて勉強する

まず、自身のイメージする将来のキャリアには、資格が必要かを検討します。そして、何らかの資格が必要な場合は、資格取得の勉強をはじめることが必須です。

海外で仕事をしたいという人は、英語の勉強をしておくとよいでしょう。また、現在は在籍している部署に海外赴任のポジションがないとしても、英語の勉強をはじめるタイミングが早すぎるということはありません。早めに行動に移しましょう。

企業によっては、資格試験の費用を負担するなどのキャリア支援制度があり、資格取得のための勉強をサポートしてくれるケースがあります。自身の企業に支援制度がないか、確認して、もし制度があれば、上手に活用して資格取得に役立てましょう。

ただし、自身のキャリアプランに必要ないにもかかわらず、やみくもに資格を取得しても意味がありません。あくまで、自身のキャリアプランに必要で、役立つ資格は何か、リサーチする必要があります。

教育研修に参加する

企業内で実施されている教育研修があれば積極的に参加し、スキルアップを目指すのも一つの方法です。社内でのキャリアアップを目指す場合、仕事や昇進に直結する研修や訓練もあるでしょう。

人事部門は、教育研修の実施だけでなく、あらゆる従業員に広く研修が周知されるよう、告知していく必要があります。

セミナーや書籍から学ぶ

キャリア形成は、仕事のためだけでなく、人生のプランともいえます。そのため、業務時間内だけでなく、プライベートの時間を使って読書をしたり、セミナーに参加したりするのもキャリア形成につながる方法の一つです。

社内研修だけでは世界が閉じてしまい、自身の価値観が狭まってしまう可能性があります。外部のセミナーを体験し、刺激を受けることも自身のキャリアのために必要な時間になる可能性があります。

部署異動や転職などを検討する

部署異動や転職を検討するのも、自身のキャリア形成に役立ちます。自身のキャリアプランのために必要なスキルや経験が今の部署やポジションで身につくのか、検討しましょう。

まずは企業内で自身の将来に必要なスキルが身につきそうな部署がないか検討し、その部署への異動を考えます。場合によっては、人事部門などに相談するとよいでしょう。企業内での成長が難しそうであれば、自身のイメージにマッチした転職先を検討していきます。

人事部門は、「さらにスキルを身につけたい」という人材に対して、適切な部署やポジションを与えることが必要です。そのために、人事異動を行うことも検討していきます。

第三者に相談する

すべてがキャリアプラン通りに進むわけではないので、行き詰まったり不安になったりすることもあるでしょう。自身の現状について、冷静に判断してくれる第三者に相談し、意見をもらうこともキャリア形成においては重要です。

企業のキャリアサポートセンターを利用したり、外部のキャリアコンサルタントに相談したりするのも効果的です。

企業が行うべきキャリア支援とは

企業が行うべきキャリア支援とは

ビジネスパーソン一人一人にとって大切なキャリアの問題。企業にとっても、従業員のキャリア形成は重要な課題といえます。

キャリア形成によって自立した従業員が増えれば、組織は活性化し、企業自体が成長していきます。また、キャリア支援を積極的に行うことで、より成長したいと考えているような人材の採用が見込めるでしょう。その結果、企業の組織力が強くなり、生産性の向上につながっていきます。

このように、企業にとっても重要な従業員のキャリア形成を、人事部門はどうサポートできるのでしょう。従業員のキャリア支援につながる、以下のポイントについて紹介します。

  • 現状のキャリアを可視化する
  • 自己肯定感を高める
  • 節目ごとにキャリアを振り返る
  • 社外で活躍する機会を提供する
  • 内発的な満足度を向上させる
  • 従業員の学びをサポートする

現状のキャリアを可視化する

従業員のキャリア形成にとって重要なことの一つが、ジョブやキャリアの可視化です。

これまで、多くの日本企業では場当たり的に業務を与えることが多く、従業員のキャリアプランとマッチしたチャンスが与えられないこともありました。なぜなら日本企業には、従業員一人一人よりも組織を重んじる風土があったからです。

これからの企業に求められているのは、従業員の個性をしっかりと把握し、一人一人のキャリア形成に寄与することです。現時点での仕事の習熟度や、担当できる業務などを視野に入れたうえで、業務を与えるとよいでしょう。

そのための具体策として、定期的な1on1を実施することなどが挙げられます。従業員とともにこれまでのキャリアを振り返り、現状のスキルを整理することで、キャリアを可視化できます。

また、厚生労働省が推奨する「ジョブ・カード」の活用もキャリアの可視化に効果的です。ジョブ・カードとは、これまでの経験から得たことや、自身の強みを整理し、今後どのようなキャリアを歩みたいかを考えるためのツールです。人事部門は、キャリアに悩む従業員に周知するようにしましょう。

参考:ジョブ・カード制度総合サイト|厚生労働省


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自己肯定感を高める

従業員の自己肯定感を高めることも、人事部門のできるサポートの一つです。

従業員の中には、自己肯定感が低い人も少なくありません。業務態度やこれまでの成果などから、従業員自身のイメージ以上に、可能性があることを本人に伝えることが重要です。

たとえば、「あなたが思っている以上に、あなたが努力していることを知っている」などを伝えるとよいでしょう。従業員のマインドを前向きにすることもキャリア形成のサポートになります。

節目ごとにキャリアを振り返る

日々、通常業務に取り組んでいる従業員は、自身のキャリアについて日常的に考えることが難しい場合もあります。そのため、節目ごとにキャリアについて振り返ったり、今後のプランについて見直したりする機会を設けるとよいでしょう。

たとえば、半期や1年ごとに、今期できたこと、成長したことなどを振り返り、来期ではどんな役割を果たすべきかを検討します。シーズンごとに従業員にとって、その期がどんな期であるべきか、意味や価値を与えることが重要です。

社外で活躍する機会を提供する

従業員に対して、社外での活動の機会を与えることも、キャリア形成のサポートになります。

人間は外部からの刺激によって、キャリアの可能性に気づけることもあります。そのため、従業員に社外の世界を見てもらうことも大切です。

具体的には、社外研修や社会活動への参加をうながしたり、副業を承認したりするなどが考えられます。自身のキャリアに、さまざまな選択肢があることを理解してもらうことが重要です。

内発的な満足度を向上させる

従業員のキャリア形成のために、仕事のやりがいや成長といった、内発的な満足感を向上させることも重要です。

日本は戦後の経済成長によって物質的に豊かになったため、物より精神的な豊かさを求める人も増えています。仕事において、報酬だけでなく、やりがいの重要性を認識している人も多いです。

ただし、価値観が多様化している現在、何をモチベーションに働いているかは従業員次第です。各従業員にとっての内的なモチベーションを問いかける必要があります。本人に、自身の価値観を気づかせることも、キャリア形成のヒントになります。

従業員の学びをサポートする

学びの機会を設けることも、従業員のキャリア形成に寄与する方法の一つです。

従業員自身が「学びたい」と考える分野のセミナーを用意し、講座への参加をサポートできる環境を整備しましょう。また、語学講座への参加にかかる参加費を補助するなど、従業員のスキルアップをサポートすることも効果的です。

従業員の学習は、従業員自身のキャリア形成に影響を与えるだけでなく、企業にとってもメリットが大きいです。実際、従業員の自己啓発をサポートする企業は増えています。それは、従業員自身の主体的なキャリア形成を支援することで、エンゲージメントの向上や離職率の低下につながりやすいからです。

まとめ

まとめ

仕事だけでなく、今後の人生を考えるうえで重要な「キャリア形成」。終身雇用の崩壊や人生100年時代が叫ばれる今、将来自分が理想とする働き方が何かを考え、理想の未来をイメージすることは、ビジネスパーソンにとって欠かせないといえます。

そのようななかで、企業や人事部門は従業員のキャリアを尊重できるような、多様な価値観の受け入れや働きやすい環境づくりの整備が求められます。本記事を参考に、従業員のキャリア形成の支援方法について検討してはいかがでしょうか。

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著者プロフィール株式会社ケイ・ライターズクラブ

書籍やムック、企業系冊子、Web記事、動画など、さまざまな教養の実用書籍から企業・大学案内、エンタメ系ムック、官公庁や地方自体のWEB記事など、幅広いジャンルのコンテンツ制作をワンステップで行う編集プロダクション。採用や人事、マネジメント、転職などに関するコンテンツも多数制作している。