「シンギュラリティ」とはAI(人工知能)が人類の知能を超える「ある時点」のことで、シンギュラリティの到来は社会に大きな変容をもたらすとされています。生活が大きく変わり、現在、人が担っている業務もAIが取って代わるとの意見もあります。自社の未来を担う人材を育てていく人事・採用担当者にとっては見過ごせない話題でしょう。
この記事ではシンギュラリティの到来によっておこる変化や問題点、そして企業が今から備えるべきことについて紹介していきます。
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シンギュラリティとは
AI領域における「シンギュラリティ」とは「技術的特異点」とも呼ばれ、AI技術が人間の知能を超える、「ある時点」のこと、また、それによって社会変容がもたらされるという概念を指します。
このシンギュラリティに到達すると、人の手を借りずAIが自らを改良・進化を続け、人の知能を超える状態になるとされています。シンギュラリティは、人工知能研究の世界的権威であるレイ・カーツワイル氏が2005年に発表した著作「The Singularity is Near」のなかで「2045年にシンギュラリティが到来する」と予測したことで注目を浴びました。
シンギュラリティの2045年問題とは
近年において、AIは以下のように発展を遂げてきました。
コンピューターによる「推論」「探索」「自然言語処理」が可能になり、一定の問題に対する答えを導き出せるようになりました。しかし複雑な要素の問題を解決することはできず、できることの限界が存在しました。
【第二次人工知能ブーム:1980年代~】
知識をAIに教え込むことで、専門分野の知識から推論を行うといった専門家のような判断が可能になりました。しかし、知識は人が全てAIに「教え込む」ことが必要であり、優れた判断ができる領域は限定的でした。
【第三次人工知能ブーム:2000年代~】
ビッグデータと呼ばれる膨大な情報からAIが自ら学習する「機械学習」が実用化されました。また、人の手を借りずに答えを導き出す「ディープラーニング」の登場によって音声認識や画像認識の精度が向上し、AIがさらに発展しました。
参考:平成28年版 情報通信白書│人工知能(AI)研究の歴史│総務省
ビッグデータの活用やディープラーニングの実現によって到来した第三次人工知能ブームでは、AIが自ら学習するという飛躍的進化を遂げました。こうしたことから、将来、AI自身によって人より賢い知能を生み出せるようになる可能性もあるかもしれません。いわば、AIが人類最後の発明となるのではないか、ともいわれているのです。
もしその状態になると、人がAIの出す理論を予測できない、もしくは人がAIの結論や決定を理解できなくなる、といった問題が予測されます。また同時に、高度な知能を持ったAIと人間との境界線があいまいになるのではないかとの意見もあるようです。
レイ・カーツワイル氏が、シンギュラリティの到達は2045年と予測したため、このような社会変革や懸念を総称して「2045年問題」と呼ぶことがあります。
なお、同氏はAIが人類を追い越すのは2045年よりも早いと予測しています。より早い段階でAIは人を追い越し、さらなる進化を続けた先の2045年にシンギュラリティが到来するとされています。
参考:便利なだけではない?人工知能が抱える問題点とは|久米工業大学
参考:シンギュラリティとは 2045年問題 |リコージャパン
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シンギュラリティがもたらすもの
シンギュラリティについて、例えば「AIが人類を超える、人類がAIに支配される未来が待っている」といった悲観的なイメージを持つ人もいるかもしれません。また、AIによって人の仕事がなくなったり、相対的に人の価値が下がってしまったりする未来を想像してしまうかもしれません。
しかしシンギュラリティの本質はAIの進化であり、人類を超えることがその目的ではありません。AIによってテクノロジーが著しく進化し、世界中のビジネス、社会が大きく変わることを意味します。
具体的には、バーチャル世界がより浸透する、医療技術において体内に極小サイズのマシンを注入するナノテクノロジーが活躍することで医療革命がおこる、といった生活面の変化が考えられます。他にも、バイオテクノロジーの進化やバイオ燃料の実用化によって世界の食糧事情や環境問題の改善に寄与する可能性も期待されています。
なお、「AIには限界がある」「AIは人と同じようには進化しない」などの理由で「シンギュラリティは来ない」という考えを持つ人もいます。
参考:体内に病院ができる!?ナノテクがもたらすがん治療の大革命 | EMIRA
シンギュラリティによる雇用の変化
AI搭載のチャットボットによる問い合わせ対応や、RPA(Robotic Process Automation)によるWeb作業の自動化など、人が行っていた仕事をAIが行うようになる「業務の自動化」はすでに見られますが、シンギュラリティによってそれらが加速すると予想されます。
野村総合研究所によると「日本の労働人口の約 49%が、技術的には人工知能等で代替可能」としています。ここからは、どのような仕事が代替可能とされているのかを紹介します。
参考:日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に|野村総合研究所
仕事の一部をAIに代替される可能性が高い職業
繰り返し作業や比較的単純な処理を行う業務は、AIで代替される可能性が高いとされています。具体的には次のような職業です。
- 国や県市町村の行政事務員
- 銀行窓口係
- クリーニング取り次ぎ店員など
- 金属熱処理工、金属プレス工
- ミシン縫製工
- めっき工など
仕事の一部をAIに代替される可能性が低い職業
一方でAIによる代替が難しいとされるのは創造性、協調性が必要な業務や、非定型な業務です。発想や情緒的要素、臨機応変な対応が重視される職業であるもので、具体的には以下のような職業です。
- アートディレクター
- ジュエリーデザイナー
- バーテンダー
- フードコーディネーターなど
- 医療ソーシャルワーカー
- はり師、きゅう師
- 社会福祉施設の介護職員、指導員など
- 保育士、幼稚園教員
- 学校教師
- カウンセラー
- 心理学研究者
- 弁護士など
また、上記の職業であっても、そのなかの定型的業務は部分的にAIに置き換えられる可能性があります。雇用そのものの代替ではなく、置き換えられる部分をAIに任せるというものです。これは、業務コストを抑えることが可能とされ、企業としてもコストパフォーマンスの面でメリットがあります。それによって、人間がより創造性のある業務に注力できるといった効果も見込めます。
つまり、程度の差はあっても影響はほとんどの職種に及ぶでしょう。企業としては、AIをうまく導入して自社の業務効率化を図るとともに、人的リソースをコア業務に集中させていくとよいでしょう。
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シンギュラリティの到来に企業が備えること
シンギュラリティの到達によって、企業にも大きな変化が及びます。どのように備えるべきかを紹介します。
AI時代に活躍する人材を受け入れ、育てていく
企業はシンギュラリティでも活躍できる人材を見つけていくことが求められます。例えば、時代の変化を楽しめる、新しい価値観を受け入れられる人材ならシンギュラリティによる変容を生かしたり、取り組みや提案をしたりすることができると考えられます。またAIに負けないひらめきや人間性、臨機応変な対応ができる人材もシンギュラリティに到達した社会で活躍しやすいでしょう。
また、AI導入により仕事に対する意欲を失う社員も出てくるかもしれません。総務省の調査によるとAI導入により「業務の範囲が大きく減る」とした人の多くは「仕事に対する意欲を大きく失う」と回答しています。企業はAIの導入により、社員の仕事に対する意欲が変化することを念頭において人材育成や組織づくりをしていくことが求められるでしょう。
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テクノロジーを使いこなす姿勢を持つ
シンギュラリティ到達の有無については意見が分かれているものの、AIをはじめとしたテクノロジーは今後一層発達していくことでしょう。例えば「ナノテクノロジー」「バイオテクノロジー」などのようにテクノロジーをうまく使えばイノベーションを起こすことが可能です。またIT技術を活用した金融サービスである「フィンテック」もイノベーションの一種でしょう。
新しい技術やテクノロジーを柔軟に受け入れることで、新しい価値やサービスを創造できる可能性が高まります。これらを自社経営に役立てることを目指していきましょう。
参考:新たなテクノロジーは働き方をいかに変えるか―AI時代に向けた展望│独立行政法人経済産業研究所
シンギュラリティを受け入れ、テクノロジーと共存しよう
シンギュラリティはよい面と悪い面を含めた社会変容をもたらす可能性があります。企業としてはAI技術の進化を注視し、かつテクノロジーの変化についていくことで、さらなる成長が見込めます。人事や採用担当においては、それらの変化を前向きにとらえて人材の受け入れ・育成を意識していくことが重要でしょう。
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