ストレス耐性とは? 高い人・低い人の特徴や高め方、採用面接時の質問例や社員のストレスチェック方法を解説

ストレス耐性とは? 高い人・低い人の特徴や高め方、採用面接時の質問例や社員のストレスチェック方法を解説

現代は「ストレス社会」ともいわれるほど、ストレス要因がまん延しています。その結果、仕事や家庭などの日々の暮らしのなかで、ストレスを全く感じていないという人は、恐らくいないでしょう。

そのようななか、ビジネスシーンにおいても重視されているのが「ストレス耐性」です。この記事では、ストレス耐性とは何か、ストレス耐性が高い人・低い人の特徴や、耐性を高める方法、採用面接時にストレス耐性の有無を知るための質問例、職場における対策などについて、わかりやすく解説します。


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ストレス耐性とは

ストレス耐性とは

ストレス耐性とは、ストレスとなる出来事に対しての抵抗力や適応力、つまり「ストレスに耐える強さ」のことです。

同じ環境下でも、ストレスを強く感じる人とあまり感じない人、乗り越えられる人と負けてしまう人がいます。また、影響の現れ方もさまざまです。ストレスによる影響には、例えば以下のようなものがあります。

  • 身体面 … 疲労、睡眠不足、拒食・過食
  • 心理面 … 不安、イライラ、抑うつ
  • 行動面 … ミス、遅刻、不正

そもそも「ストレス」とは

「ストレス」は、もともとは物理学の分野で使われていた言葉で、外側からの圧力がかかることにより、物体がゆがんでしまった状態を指します。

医学や心理学の分野では、心身にかかる外部からの刺激、つまりストレスの原因となるものを「ストレッサー」、それに伴って心身に現れるさまざまな反応を「ストレス反応」と呼んでいます。

ストレス耐性が企業で重視されている理由

ストレス耐性が企業で重視されている理由

近年、人材育成や採用において、ストレス耐性を重視する企業が多くなっています。その理由は大きく分けて「メンタルヘルス疾患の増加」と「ストレスチェック制度の義務化」の2つです。それぞれについて解説します。

メンタルヘルス疾患の増加

厚生労働省が公表している「過労死等の労災補償状況」を見ると、令和2年度の精神障害の労災支給決定件数は、前年度から99件増え、2年連続過去最多を更新しました。

精神障害の請求、決定及び支給決定件数の推移

出典:別添資料2 精神障害に関する事案の労災補償状況|厚生労働省(PDF)

原因はさまざまですが、ハラスメントの増加、グローバル化やICT技術の発達などにより、働き方や求められるものが変化してきていることなどが挙げられるでしょう。

少子高齢化により労働力人口が減少しており、多くの業界で人手不足が課題となっています。その結果、貴重な人材である社員を休職・退職に追い込まないために、働きやすい職場づくりを進めるとともに、ストレス耐性を重要項目としてチェックする企業が増えています。

ストレスチェック制度の義務化

労働安全衛生法の改正により、ストレスチェックの実施が義務化されました(平成27年12月1日施行)。

常時50人以上の労働者を使用する事業場では、常時使用する労働者に対して、1年間に1回以上のペースでストレスチェックを実施しなければなりません。検査の結果、労働者から希望があった場合、事業場は、医師による面談指導や、配置換え・労働時間の短縮など、就業上の措置を講じる必要があります。

参考:改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について|厚生労働省

ストレス耐性を決める6つの要素

ストレス耐性を決める6つの要素

ストレス耐性を決める要素は下記の図のように6つあるとされています。それぞれについて、詳しく紹介します。

ストレス耐性を決める6つの要素

感知能力

1つめは、感知能力です。感知能力とは、ストレッサー(ストレスの原因)に気づく能力のことをいいます。

例えば、誰かに嫌みをいわれたとします。しかしそれを受け取る側が嫌みだと気づかなければ、傷ついたり、ショックを受けたりすることはありません。このように、ストレッサーが生じてもそれに気づかなければ、ストレスを感じることはないのです。

つまり、「鈍感である=感知能力が低い=ストレス耐性が高い」ということになります。これは、個人がもともと持っている性格による部分が大きいと思われます。

回避能力

2つめは、回避能力です。回避能力とは、ストレッサーに気づいても気にしない、割り切ってしまうなど、ストレスとして受け止めずに回避する能力のことをいいます。

回避能力は、自律神経や内分泌系、免疫系に関連しているといわれており、心身が健康で安定している時ほど、回避能力が高くなる(ストレスを感じにくくなる)とされています。

処理能力

3つめは、処理能力です。処理能力とは、ストレッサーそのものをなくしたり、弱めたりする能力のことをいいます。

例えば、ストレッサーが仕事量である場合は効率化する策を講じる、人間関係である場合はコミュニケーションの取り方を変えるなど、自分で解決する力がある人は、処理能力が高い(ストレスに強い)といえるでしょう。

転換能力

4つめは、転換能力です。転換能力とは、ストレスの根本にある問題や意味を考え、よい方向に捉え直す能力のことをいいます。

例えば、失敗したときにただ落ち込み続けるのではなく、「よい経験になった」「次に生かせる」など、プラスに転換できる思考を持っている人は、転換能力が高い(ストレスに強い)といえるでしょう。

経験

5つめは、経験です。経験とは、過去にストレスに対応した経験値のことをいいます。

人は、何度も同じようなストレッサーに直面すると、徐々に慣れてきて、ストレスを感じにくくなっていきます。しかし、すべての人がそうであるわけではありません。「またあのときみたいに嫌な思いをしなければならないのか」「同じ失敗をしてしまったらどうしよう」などと考えてしまい、反対にストレス耐性を弱めてしまう人もいます。自社の社員がどちらのタイプかを見極めることが重要です。

容量

6つめは、容量です。容量とは、ストレスをためておける許容範囲のことをいいます。

容量の大きさは、人それぞれです。また、心身の状態によっても変わってくるでしょう。許容範囲を超えると、身体面・心理面・行動面に影響が現れます。容量オーバーの状態が続くと、メンタルヘルス不調から休職・退職につながってしまう可能性もあるので、早めの対処が大切です。


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ストレッサー(ストレスの原因)の種類

ストレッサー(ストレスの原因)の種類

ストレッサーは、「物理的ストレッサー」「化学的ストレッサー」「心理的ストレッサー」「社会的ストレッサー」の、大きく4つに分類されます。具体的にどのようなものがあるのか、詳しく紹介します。

物理的ストレッサー

温度、光、音などの物理的な環境刺激のことを、「物理的ストレッサー」といいます。

例えば、通勤時の混雑、エアコンが効きすぎている、他の社員の会話がうるさくて仕事に集中できない、照明がまぶしすぎるなどが挙げられるでしょう。

化学的ストレッサー

公害物質、薬物、酸素欠乏・過剰などの化学物質による刺激や臭いのことを、「化学的ストレッサー」といいます。

身近な例が、たばこです。臭いだけなく、受動喫煙は健康面にもリスクがあります。喫煙者・非喫煙者とも気持ちよく仕事ができるよう、職場での喫煙のルールはしっかりつくっておきましょう。ほかにも、オフィス内で昼食をとる場合、臭いが強い食べ物(カレーやカップラーメンなど)はストレッサーになることもあるので、注意が必要です。

心理的ストレッサー

不安や焦り、緊張、抑うつなどの感情を伴う問題のことを、「心理的ストレッサー」といいます。

このような感情が生じる場面は人によってさまざまですが、例えば、仕事量が多すぎてこなせるかどうか不安に感じる、締め切りが近く焦りを感じる、長時間労働で身体を壊さないか心配になる、ほかの社員の前で責められてプライドが傷つくなどが挙げられます。

社会的ストレッサー

経済・政治の問題、家庭や職場の環境などのことを、「社会的ストレッサー」といいます。

仕事に関することであれば、例えば、職場内の人間関係の問題や、グローバル化や機械化などによる働き方の変化などが挙げられるでしょう。


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ストレッサー(ストレスの原因)の種類

ストレッサー(ストレスの原因)の種類

ストレスについてより理解を深めるために、アメリカの心理学者であるラザルスが定義した、「認知行動理論」を紹介します。この理論では、ストレス反応はストレッサーにより引き起こされるのではなく、認知的評価(ストレッサーの受け止め方)やコーピング(対処法)によるものであるとされています。

一次的認知評価

認知的評価は二段階あり、一次的認知評価と二次的認知評価に分けられます。

一次的認知評価は、ストレッサーが自分にとって有害であるか、脅威であるかを判断する段階です。ストレッサーが、以下のどの項目に分類されるかを評価します。

  1. 無関係
  2. 無害・肯定的
  3. ストレスフル(この場合、さらに「脅威」「害・損失」「挑戦」のいずれかを選択)

「脅威」や「害・損失」と評価されると、不安や怒り、抑うつなどの急性ストレス反応が現れることがあります。

二次的認知評価

二次的認知評価では、一次的評価で「ストレスフル」となったものについて、対処が可能かどうか、その手段を、過去の経験や自身の能力・価値観などから検討していきます。次に紹介する、具体的なコーピング(対処法)を考える段階です。

解決方法が見つからない、または困難であると評価された場合、ストレス反応はさらに強くなるとされています。

コーピング

コーピングとは、ストレスを解決する、または心理的な負担を軽減するための行動のことをいいます。これにはさまざまな分類があり、例えば、ストレッサーそのものを解決しようとする「問題焦点型」、ストレッサーの捉え方を変える「認知的再評価型」、趣味やレジャーで発散する「気晴らし型」などがあります。

ストレス耐性が高い人の特徴

ストレス耐性が高い人の特徴

冒頭で、同じ環境下でもストレスを強く感じる人とそうでない人がいると解説しましたが、ストレス耐性が高い人には、主に以下のような特徴があります。それぞれ詳しく紹介していきます。

ハーディネスの傾向が強い

「ハーディネス」とは、強いストレスにさらされても、心身の健康を維持している人の特性のことです。ハーディネスは、以下の3つの要素で構成されています。

  1. Commitment(コミットメント)
    自分の生活や課題、人間関係にかかわっているという感覚があり、周囲の出来事への関心が高い状態
  2. Control(コントロール)
    自分の行動が、出来事の推移に対してよい影響を及ぼすと考えており、「自分ならなんとかできる」という自信を持っている状態
  3. Challenge(チャレンジ)
    さまざまな変化やハプニングを、「脅威」ではなく、「挑戦」や「成長の機会」と捉えようとする状態

ポジティブ思考

ピンチをチャンスと捉えられる人や、失敗をしても「次に生かそう」とポジティブな感情に持っていける人は、あまりストレスを抱え込むことがありません。

楽観的で、負の感情を引きずることがなく、スルースキルが高いという特徴もあります。

周りの評価に左右されない

自分の意見と軸をしっかりと持っている人は、周りからの評価をあまり気にしていません。マイナスな評価をされたとしても、「他人と自分の評価基準は違う」と割り切れるため、ストレスがたまりにくいでしょう。

主体性を持って判断・行動できる

ある種マイペースな人は、他人に合わせて行動したり、自分の意見を我慢したりすることがあまりありません。自分自身で考え、自分の意志で行動します。そのため、感情に左右されることが少なく、ストレスがたまりにくいといるでしょう。

また、このようなタイプの人は、予期せぬ事態が発生した時も、自分のペースを保ち、冷静に対処できるという点も強みです。

集中力が高い

ストレッサーが生じても、何か別のことに集中しているときは、その存在に気づきません。集中力が高く、オン・オフの切り替えがうまい人は、ストレッサーを感知したり悩んだりする余地がないため、ストレスを感じにくいといえます。

客観的に物事を捉えられる

例えば、何か失敗をしたときに、「自分のせいだ」と思い込みすぎると、根本的な原因が何なのかが見えなくなってしまいます。しかし、客観的に物事を捉えられる人は、適切な判断ができるため、次の行動に移っていけます。

このようなことが得意な人は、ストレスに強く、状況を打開する力もあるといえるでしょう。


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ストレス耐性が低い人の特徴

ストレス耐性が低い人の特徴

一方、ストレス耐性が低い人には、主に以下のような特徴があります。

真面目で責任感が強い

真面目で責任感が強い人は、きちょうめんで、自分にも他人にも完璧を求めてしまう人が多いです。そのため、苦しいときもなかなか他人に頼れなかったり、うまくいかないときは自分を責めてしまったりする傾向があります。

ストレスとうまくつきあっていくためには、100点満点でなくとも、ある程度自分を認めることが大切です。

逃げ癖がある

前項とは真逆で、責任感がなく、物事を中途半場な状態で投げ出したり、嫌なことから逃げようとしたりする人も、ストレス耐性は強いとはいえません。

ストレスをためておける許容範囲は、生まれ持った性格が影響する部分が大きいですが、ストレスを乗り越えたり、受け流したりするスキルは高められます。ストレッサーに直面したとき、逃げずに立ち向かい、自ら解決しようとしなければ、このスキルは高められません。

周囲に合わせすぎる

周囲に合わせて無理をしたり、意見するのを我慢したりすると、ストレスがたまります。職場においては、ある程度周りに合わせることも大切ですが、求められるのは「協調性」であり、「イエスマンになること」ではありません。自分の意見や考えは、しっかりと持っておくようにしましょう。

悩みを引きずってしまう

ストレス耐性の低い人は、気持ちの切り替えが苦手という特徴もあります。生じた問題に対してずっと悩み続けるので、他のことが手につかない、仕事にも集中できないという状態に陥ってしまうのです。その結果、失敗を繰り返してしまうこともあるでしょう。

自己主張ができない

自分の気持ちや意見を主張することが苦手な人は、仕事や他人の頼みを断れず、一人で抱え込んでしまいがちです。苦しい状況にあっても、それを表に出さないので、周りも気づかないうちにストレスをため込んでいる場合があります。


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ストレス耐性の高め方・鍛え方

ストレス耐性の高め方・鍛え方

ここまでの解説のなかで少し触れましたが、ストレス耐性は鍛えられます。ここからは、ストレス耐性を高めるために取り入れたい考え方や、セルフケアの方法を紹介します。

ABC理論を取り入れる

ABC理論とは、出来事(Activating events)の受け取り方(Belief)によって結果(Consequences)が決まるという考え方です。1955年に、アメリカの臨床心理学者、アルバード・エリスが提唱しました。

例えば、上司から自身に関するある問題を指摘されたとします。「自分はダメだ」と受け取れば仕事へのモチベーションが下がってしまいますが、「自分は期待されている」と受け取ることで、やる気につながります。

このように、受け取り方次第で、出来事の結果は変えていけるのです。

ストレッサーを分析する

自分と向き合い、そもそも何にストレスを感じているのか、どうしてそれに対してストレスを感じるのかを分析しましょう。

前述したように、温度や光といった環境刺激に起因する物理的ストレッサーなど、ストレッサーにはさまざまな種類があります。そして、それらは複合的に作用することもあるのです。ストレスの原因が曖昧では、適切な対処はできません。まずは自分の心と向き合い、何にストレスを感じているのかを知ることが大切です。

気分転換する

ストレッサーは、完全に排除することが難しいものも多いでしょう。そんな場合は、おいしいものを食べる、カラオケに行く、友人と出掛けるなど気分転換をすることも効果的です。

先ほど紹介したラザルスのストレス理論でいうと、「気晴らし型」のコーピングによる対処法が当てはまります。

SOCを向上させる

SOC(Sense of Coherence:首尾一貫感覚)とは、以下の3つの感覚のことです。

  • 有意味感 … 1つの行動や失敗に対して、「意味がある」と思える感覚
  • 把握可能感 … 困難な状況も受け止め、冷静に把握・判断する感覚
  • 処理可能感 …「なんとかなる」といった楽観的な感覚

これらを向上させると、ストレス耐性が高くなると考えられています。

「貢献感」を大切にする

「自分は誰かの役に立っている」「自分は価値を生み出している」という感覚は、「貢献感」と呼ばれています。

オーストリアの心理学者、アルフレッド・アドラーの言葉に、「貢献感は『自己満足』でいい」というものがあります。他人から評価してもらえなくても、自分自身を認め、褒めることが大切なのです。貢献感を得ることが、自信につながります。

自分を信じる

困難な状況においても、「自分ならできる」という前向きな感情を持つことを意識しましょう。このような感覚のことを、「自己効力感」といいます。

例えば、職場でのプレゼンテーションに不安を感じている場合の自己効力感を高める方法は、過去の成功体験を今の自分に重ねることや、自分以外の人がプレゼンテーションに取り組む姿を見ることなどが効果的です。自分に自信がつくと、人は率先して行動をとるようになります。

反対に、自己効力感が低いと、負の感情に支配されてしまい、ストレスを感じやすくなります。


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採用面接でストレス耐性を見極める質問例

採用面接でストレス耐性を見極める質問例

前述のように、労働力人口の減少により人材不足が進む現代では、ストレス耐性の高い人材が求められます。これは、ストレス耐性が高い人は、離職しにくい傾向があるためです。

ストレス耐性はある程度鍛えることも可能ですが、生まれ持った性格が影響する部分も大きいため、できれば入社前の採用面接時にストレス耐性を見極めたいと考える企業が多いのではないでしょうか。

ここからは、候補者のストレス耐性を見極めるための質問例を、6つの要素別に紹介していきます。

ただし、実際に面接で質問をする際は、圧迫面接にならないように注意しましょう。

感知能力に関する質問例

感知能力(ストレッサーに気づく能力)に関する質問例です。

  • どのようなときにストレスを感じますか?
  • 眠れなくなるのはどのようなときですか?

これらの質問に対し、具体的なエピソードを交えて答えられた場合、感知能力が高いといえます。

回避能力に関する質問例

回避能力(ストレスとして受け止めずに回避する能力)に関する質問例です。

  • ストレスを感じる頻度はどのくらいですか?
  • クレームを受けたらどのように感じますか?

これらの質問に対し、「ストレスをあまり感じない」「仕事として割り切る」などと回答された場合、回避能力が高いといえます。

処理能力に関する質問例

処理能力(ストレスを解決したり、発散したりする能力)に関する質問例です。

  • 友人とけんかをしたとき、どう対応してきましたか?
  • これまでに経験した挫折と、その克服方法を教えてください。

これらの質問に対し、明確な克服方法が回答できれば、処理能力が高いといえます。

転換能力に関する質問例

転換能力(よい方向に考え直す能力)に関する質問例です。

  • これまでに経験した一番大きな失敗は何ですか?
  • そのときどう感じましたか?

これらの質問に対し、答えがポジティブで、失敗を前向きに捉えているようであれば、転換能力は高いといえます。

経験に関する質問例

経験(ストレスに対応した経験値)に関する質問例です。

  • これまでの人生で一番努力したことは何ですか?
  • 学生時代の一番の悩みは何でしたか?

これらの質問に対し、エピソードが具体的で、適切に対処し、成果を上げているなら、ストレス対応の経験値が高いといえます。

ストレス容量に関する質問例

容量(ストレスをためておける許容範囲)に関する質問例です。

  • 自身のストレスの容量はどれくらいだと思いますか?
  • ストレスが自身の許容範囲を超えてしまった経験はありますか?

これらは、自分自身を把握できているかどうかを確認するための質問です。容量の大小は採用に関する評価に影響しないことは、候補者に伝えておきましょう。

社員のストレスをチェックする方法

社員のストレスをチェックする方法

既に入社している社員に対して、ストレス対処法を講ずることも重要です。まずは、ストレスをチェックする方法について紹介します。

勤怠記録を確認する

社員の勤怠記録をチェックしましょう。欠勤、遅刻、早退が多くなっている社員がいたら、要注意です。原因は身体面だけではなく、メンタル面の不調である可能性もあります。

また、長時間労働もストレスがかかりやすくなるため、時間外労働や休日出勤が多くならないよう、労働時間は日頃からしっかりと管理しておきましょう。

面談を実施する

社員が仕事や人間関係に関する悩みを相談できる場所として、定期的に面談を実施するのも効果的です。面談には、上司と部下の組み合わせで行う「1on1ミーティング」や、年齢の近い先輩社員が経験の浅い社員をサポートする「メンター制度」などがあります。

このとき、単なる「指導」になってしまわないように注意しましょう。面談時に話しやすい雰囲気をつくるためにも、日頃からコミュニケーションをとっておくことが大切です。

ストレスチェックテストを実施する

各社が提供するストレスチェックテストを活用するのも一つの方法です。主要なものをいくつか紹介します。

DIST

「DIST」は、株式会社ダイヤモンド社が提供するストレス耐性テストです。試験対象者の、「自分の殻を破って前へ進む資質」と「自らの考えを絶対視せずに変えていく力」の2つの面を診断します。

ラインアップは、以下の5つです。

  • DIST(自社採点方式)
  • DIST-COM(コンピューター診断方式)
  • Web-DIST(標準プラン)
  • Web-DIST(大量受験者プラン)
  • Web-DIST(英語版)

参考:ストレス耐性テスト(DIST) │ 株式会社ダイヤモンド社

AltPaper(アルトペーパー)

「AltPaper(アルトペーパー)」は、株式会社情報基盤開発が提供する、ストレスチェックキットです。厚生労働省が推奨する調査票を採用しており、Web版と紙版があります。

過去5年分のデータの保管、各種文書ひな型のダウンロードなど、キットに含まれる充実したサービスも魅力です。

参考: AltPaper│株式会社情報基盤開発

3Eテスト

「3Eテスト」は、エン・ジャパン株式会社が提供する適性検査です。「知的能力」と「性格・価値観」の2種類のテストがあり、ストレス耐性は「人付き合い」「仕事の負荷量」「理想と現実とのギャップ」「評価・評判」の4項目から測定されます。

受験時間は合計約35分で、日本語版とグローバル版(日本語・英語・中国語)があります。

参考:3Eテスト│エン・ジャパン株式会社

職場におけるストレス対策

職場におけるストレス対策

社員のメンタルヘルス不調を未然に防ぐために、上記のストレスチェック方法と併せて、ストレス対策を講じましょう。

働きすぎを防ぐ

長時間労働は、ストレスの原因になりやすいといわれています。法令で定められている時間外労働の上限規制(原則月45時間・年間360時間)を守ることはもちろん、時間外労働を減らす対策を講じ、社員の働きすぎを防ぎましょう。

働きやすい環境をつくる

社員がストレスを感じにくくなるような、働きやすい環境をつくっていきましょう。具体的には、「作業環境」「人間関係」「業務内容」の3点です。

例えば、以下のような取り組みが挙げられます。

  • 作業環境…照明や室温・湿度を快適に保つ
  • 人間関係…コミュニケーションを活性化させるための策を講じる
  • 業務内容…本人の能力に見合った仕事を任せる

研修を実施する

ストレス耐性を高めるために、メンタルヘルス研修や、レジリエンス(ストレスをはね返す力や、自分自身で立ち直る力)研修を実施するのも効果的です。

  • メンタルヘルス研修
    メンタルヘルス不調を未然に防ぐための研修。メンタルヘルス不調の予防法や対処法について学ぶ。
  • レジリエンス研修
    ストレスとうまくつきあっていくためのスキルを学ぶ研修。ストレスに対する考え方や、さまざまなアプローチ方法について学ぶ。

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ストレス耐性を高めるためには職場でも対策が必要

ストレス耐性を高めるためには職場でも対策が必要

グローバル化やICT技術の発達により、企業を取り巻く環境はめまぐるしく変化しています。一人一人がセルフケアに取り組むだけでなく、職場でストレス対策を講じ、働きやすい環境をつくっていくことが必要です。できることから取り入れ、ストレスとうまくつきあっていきましょう。

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著者プロフィール株式会社IKUSA

デジタルマーケティング事業を展開し、Webサイトの制作・運用・分析、記事・DL資料・メールマガジンなどのコンテンツ制作などを行う。2021年12月時点、自社で7つのオウンドメディアを運用し、月間合計600件を超えるコンバージョン数を達成。