約7カ月間で6名採用を実現。「未来をつくる仲間探し」に向けて、部門の行動量が結果を生んだ

「“移動”に感動を、未来に笑顔を。」を理念に掲げ、自動車部品のグローバルサプライヤーとして世界トップクラスのシェアを持つ製品を数多く生み出しているアイシン。技術革新が進み技術者の採用難度が上がる中でも、マッチング精度の向上を目指して部門による採用活動を進めてきました。「攻め」の採用活動へ移行するにあたり工夫したことや、大事にしている考え方について、走行安全第1制御技術部の高橋氏、久保山氏、そして人材組織開発部の加藤氏にお話を伺いました。

高橋 剛一氏

取材対象者プロフィール高橋 剛一氏

株式会社アイシン 走行安全第1制御技術部 理事

1993年にアイシン精機株式会社(現、株式会社アイシン)に入社。電子技術部にてパワートレインのソフト開発を担当後、パワースライドドアやパワーバックドアなどの車体系製品のシステム開発に携わる。その後、走行安全第1制御技術部の部長職を経て、2023年9月より、製品主査として運転支援の未来に向き合う企画開発を推進し、現在は理事として走行安全製品における制御技術を管掌している。
久保山 剛氏

取材対象者プロフィール久保山 剛氏

株式会社アイシン 走行安全第1制御技術部 部長

2002年に株式会社アイシンに入社し、走行安全第1制御技術部の前身となるITS技術部にて、一貫して運転支援領域に携わる。ハードウエア設計や車両搭載、アプリケーション開発、カーメーカーへの出向経験を経て、車両レベルでのシステム設計を学ぶ。2023年9月より、高橋氏の跡を継ぐ形で走行安全第1制御技術部の部長に就任し、200名のメンバーをまとめている。
加藤 大貴氏

取材対象者プロフィール加藤 大貴氏

株式会社アイシン 人材組織開発部

ハイクラス領域特化の人材紹介会社にて、東海地方の製造業を中心に、事務職から技術職までさまざまなポジションの採用を支援。2018年にアイシン・インフォテックス株式会社に入社し、採用企画業務全般と人材開発業務を経験する。経営統合に伴い、2023年に親会社である株式会社アイシンに転籍した。現在は、電動化領域・知能化領域を中心に技術系職種のキャリア採用を担当。

「待ち」の採用では即戦力人材に出会えない。人事と現場、双方の危機感が一致した

──はじめに、アイシンの企業概要について教えてください

加藤:アイシンは自動車部品のグローバルサプライヤーとして、クルマを構成するほぼすべての領域をカバーする製品群を手掛けています。中でも、駆動ユニットや電動ウォーターポンプ、パワースライドドアは世界トップクラスのシェアを誇り、安心で快適な“移動”に貢献しています。

──貴社のキャリア採用を取り巻く状況や、感じてきた採用課題についてお聞かせください。

加藤:自動車業界は100年に一度の変革期を迎えています。どの企業も経験・スキルを持った即戦力人材を必要としており、アイシンでも人材採用は待ったなしの課題となっていました。これまでのキャリア採用の9割以上は、人材紹介会社や求人広告を利用した「待ち」の採用でしたが、このままでは激化する人材獲得競争を生き残れないのでは、と危機感を持っていました。
そこで、企業から求職者に能動的に声をかけていく「攻め」の採用に転じるべく、数年前より人事内でビズリーチの活用を始めました。当初は同業界のみで候補者を探したものの、採用競合の多さもあり、なかなか採用決定には至りませんでした。また、最初に応募いただいたポジションでは不採用となり、別の部署やポジションを紹介したところ採用に至ったというケースも多くありました。そのため、人事だけで採用活動を進めていくのは、採用競合の多さからも、マッチング精度の観点からも難しいだろうと感じるようになりました。

──走行安全第1制御技術部では、2024年から2025年までの約1年で部門主導の採用活動を一気に加速させました。部門のミッションとともに、現場で感じていた採用課題についてお聞かせください。

久保山:
走行安全第1制御技術部では、約200人の技術者たちが、クルマをより安全に運転するための運転支援の製品開発に取り組んでいます。自動駐車システムの開発やAIを活用した全周囲カメラによる画像認識技術の開発、ドライバーや車内状況の監視・通知機能の開発など、目まぐるしい技術刷新が進む領域です。そのため、求める人材のスキルや経験もどんどん変化し、採用ニーズも多様になってきています。
例えばAI領域ではITソフトウエア人材を必要としていますが、人材紹介会社からの紹介や求人への応募を待っているだけでは、私たちのニーズも候補者の状況も変わっていってしまいます。現場のスピード感に対して、待ちの採用スタイルがもどかしく、具体的にどんなスキルや経験を持った方がいるのか自身の目で見て、直接アプローチしたいと思っていました。

──では、部門主導で採用活動を進めることを当初から歓迎していたのでしょうか。

高橋:
そうですね。人事からビズリーチの活用を打診されたときは「待っていました!」という気持ちでした。
もともと私たちは新卒採用には積極的に関わっており、大変さよりも楽しさを感じていました。採用活動で新しい人に出会うことで多様な価値観に触れることができ、いつも刺激をもらっていましたし、キャリア採用にも関わりたいと思っていたので、部門主導になることで増える業務工数はほとんど気になりませんでした。

久保山:私たちの仕事のやりがいや面白さを言語化し、どう話せば相手に伝わるかを考えていくプロセスも学びになります。ビズリーチは直接候補者にアプローチできるからこそ、お互いのマッチ度を見極めて選んでもらえるよさがあると感じていました。

スピード感を重視して、採用活動の時間を毎日確保

──部門主導の採用活動を進めるにあたり、工夫したことや意識したこと、こだわったポイントについて教えてください。

高橋:私がビズリーチのデータベース検索と候補者のリストアップを担当し、スカウト送信と初回の面談は久保山が担当しました。採用市場の情報を収集し、この業界も採用難度が高くなっていることは分かっていたので、異なる業界で活躍している方も候補にしました。これまでに2人で3000~4000件ほどの職務経歴書を見たと思います。
データベース検索は1日30分もかからないだろうと考え、毎朝時間を確保していました。新しく会員登録した方や職務経歴書を更新したばかりの方にはできるだけ早くスカウトを送るべく、「毎日必ずデータベースに触れる」ことを徹底しました。採用活動ではスピード感を大事にし、とにかく動きながらやり方を整えていきました。

久保山:私は高橋がリストアップした候補者一覧を確認し、スカウトを送る対象者を決めていきました。そもそも私たちが必要としていたのは採用市場において対象者が少ない、専門的なポジションばかりだったので、まずは会って話すことを目的に、リスト内の約8割の方にはスカウトを送っていました。
また、18時以降は業務の予定を入れず、オンライン面談や面接の時間に充てていました。週5日、毎日面談をしていた時期もあります。アイシンの業界内での競争力を高めるためには即戦力人材の採用が急務であり、「今が少し大変でも、将来の利益を生むために必要なことだ」と、部のトップである自分たちの時間を採用活動に投資すると決めていました。
面談では私たちが求めるエンジニアの理想像を伝えること、候補者の価値観を深掘りすることを意識していました。私たちはビズリーチに登録したばかりの方スピーディーにスカウトを送っていたため、「転職活動を始めたばかりで、初めて面談します」という方も多かったです。すぐの転職は考えていないと言いながらも、ビズリーチに登録した理由を聞いていくと、現職やこれまでのキャリアに対して何かしら悩みや迷いをお持ちでした。
何人もの候補者と話をしていくうちに、「私たちの部門に来れば、やりがいを感じてもらえるのではないか」「何か面白い機会を提供できないだろうか」という視点で考えられるようになり、どうしたら当社を選んでいただけるか、というマインドが自然と強くなっていきました。

──人事との連携や、ビズリーチの担当者からのサポートで助かったこと、心強かった点はありましたか。

久保山:人事の加藤とはグループチャットで日々やり取りをしています。採用はとにかくスピードが大事だと思っているので、面談や面接後に、「この候補者の方にすぐに連絡してください」と依頼をしたり、候補者対応周りでフォローしてもらったりすることが多いですね。

加藤:採用に当事者意識を持つ2人の姿勢には、むしろ人事サイドが助けられています。初回の面談や面接など、早い段階から現場の2人が選考に入ることで候補者側の業務理解が進むのか、入社後のオンボーディングも非常にスムーズで、社員の定着面でも効果が大きいと感じています。人事目線での単純な採用工数の移管などではなく、質の面でも、部門に任せて正解だったと実感しています。

高橋:企業だけではなく、例えばスポーツの強豪校でも、監督が自ら日本中の学校を回って目ぼしい選手をスカウトしていますよね。「必要な仲間は自分で見つけに行く」という行動や考え方は、ごく自然なことなのではないかと思っています。
また、ビズリーチの担当者との連携では、担当の方自身の考えややり方を押し付けることなく、転職マーケットの状況や他社事例などを適宜インプットしてくれました。相談しやすいフランクな関係を築くことができ、「何かあればサポートしてくれる、頼れる」という距離感が心地よかったです。

現場の熱量を直接伝えられるから、マッチング精度の高い採用がかなう

──走行安全第1制御技術部では約7カ月間で6名の採用に成功されました。中でも印象的な採用事例についてお聞かせください。また、ご自身の採用に対する意識の変化など、気付いたことがあれば教えてください。

高橋:6名全員が印象的ではありますが、異業種の候補者にアプローチを行い、実際に採用できたことは当社にとって大きな発見でした。例えば家電メーカーや遊技機メーカーの開発経験者、医療機器メーカー出身の人が、私たちの仲間になってくれました。

久保山:当初は本人たちも、「自動車部品にまったく触れたことがないけれど大丈夫なのか」とハードルの高さを感じていたようです。しかし、従来のポジションありきの採用活動ではなく、きらりと光る経験やスキルを持った方にコンタクトを取り、お互いの理解を深めていく中で、「この方をどのポジションで迎えるのがベストか」「一緒に働いたらどんな新しいことにチャレンジできるだろう」と想像しながら選考を進めることができ、お互いに納得感のあるポジションでの採用が実現できました。
私たちも候補者の方たちも、同じ技術者同士です。「アイシンで働くことでどんな未来がつくれるか」とフラットな立場で議論できたことは、これからの採用活動に向けての大きな糧になりました。

──改めて、部門で採用活動を主体的に進めていくメリットをどのように感じていますか。

久保山:最大のメリットは、よりマッチング精度の高い採用活動ができることです。現場で働くエンジニアとしての目線で目指したいことや挑戦したいことを伝えるからこそ、「同じ船に乗りたい」と、心から共感してくれる方が内定承諾をしてくれます。「専門性をどう生かせばエンジニアとしての自己実現につなげられるのか」、その見極めも現場主導だから高い精度で、かつスピーディーに進めていけたのだと思っています。

──最後に、こちらの記事を読んでいる読者の皆さまへ、メッセージをいただけますか。

高橋:時間やパワーを割けないから、採用活動が始められないという現場側の方がいたら、まずは会社説明会を開くなど小さなところから始めてみてほしいです。採用を通じて新しい人と出会うことは、自分にとってもいい刺激になり、自身のキャリアやスキルについて見つめ直すきっかけにもなるはず。1人でも多くの人に、採用の面白さに気付いてほしいなと思います。
これは人事の方へのアドバイスですが、部門内を見渡せば、「誰かと会うのが好き」「人と話すのが楽しい」という人は少なからずいるはずです。そんなタイプの人を巻き込んで、部門での採用活動を仕掛けていくのもいいと思います。

加藤:私も長く採用に携わっていますが、「採用は人事の仕事」という考えは、まだまだ根強いなと感じることが多くあります。しかし、自身の経験からも、入社後の人材の定着や活躍を本気で考えると、人事と部門が一緒に採用活動をしていくメリットは計り知れないと確信しています。だからこそ、私が新しい部門とキャリア採用について会話する際は、まずは転職市場の変化についてを伝え、そのうえでなぜ部門の協力が必要なのかを説明するようにしています。そして何より「軌道に乗るまで人事が全力で支援しますから」と熱意を見せることを意識しています。
「いい人が来ない」という状況を打開し、「採用活動は楽しい」と思ってくれる仲間を部門の中に増やしていく。それが、会社としての採用力の向上、そして人事としての成長にもつながると思います。

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