コーピングを解説

コーピングとは? 人事が知るべき4つのストレス対策方法を解説

コーピングとは、対処するという意味の「cope」に由来する、メンタルヘルス用語。人がストレスを感じ、そのストレスに対して何らかうまく対処しようとすることをストレスコーピングといいます。今回はストレスコーピングの概要や、ストレスコーピングの実践方法などをお伝えします。

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多くの人が抱える、仕事上のストレス

多くの人が抱える、仕事上のストレス

ストレスコーピングについて解説する前に企業組織における「ストレス」について考えていきましょう。

現代社会では、働く人の多くが、さまざまなストレスを抱えています。仕事上の責任の重さや仕事内容、上司や同僚との人間関係など、多岐にわたるストレス要因があります。

適度な緊張感であれば、社員自身のパフォーマンスが良くなったり、意識が高まったりなど良い影響もあるかもしれません。しかし、過度なストレスは心身の病の原因となったり、パフォーマンス低下を招いたりと悪影響になります。ストレスが原因の疾患というと、うつ病など精神疾患のイメージがありますが、脳梗塞や心筋梗塞など身体に重大な影響を及ぼす可能性もあるのです。

ストレスに対しては、社員個人が自分なりに対処するのはもちろん、働く環境をより良くするには、企業としてストレスコーピングの環境や仕組みを作っていく必要があります。

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労働者の58%が、強いストレスを抱えている

労働者の58%が、強いストレスを抱えている

平成30年労働安全衛生調査(実態調査)によると「現在の仕事や職業生活に関することで、強いストレスとなっていると感じる事柄がある」という労働者の割合は 58.0%でした。

強いストレスとなっていると感じる事柄として最も多かったのは「仕事の質・量」が 59.4%、次いで「仕事の失敗、責任の発生等」が 34.0%、「対人関係(セクハラ・パワハラを含む)」が 31.3%となっています。

同調査では、受動喫煙の有無や、受動喫煙に関して不快に感じること・体調が悪くなることの有無等についても調査されています。

ストレスのもともと(ストレッサー)となる事柄は、人それぞれ異なります。多角的な観点からストレススコーピングを考えていきましょう。

【参考】労働者調査|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/h30-46-50_kekka-gaiyo02.pdf

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ストレスコーピングとは

ストレスコーピングとは

ここで改めて、ストレスコーピングについてご説明します。

ストレスコーピングとは、ストレスのもと(ストレッサー)にうまく対処しようとすることを指します。コーピングの語源は「(困難なことなどを)うまく処理する」という意味の「cope」。心理学者ラザルスが提唱したメンタルヘルス用語です。

現在では、社員のストレス対策の一つとしてストレスコーピングの考え方が広まっており、職場のストレスマネジメントの文脈でも、使われる言葉になっています。

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状況に応じたコーピング型で、ストレスにアプローチする

状況に応じたコーピング型で、ストレスにアプローチする

ストレスコーピングは、大きく分けて「問題焦点型」「情動焦点型」「ストレス解消型」の3つのパターンがあります。

  • 問題焦点型:ストレッサーそのものに働きかけてストレスを軽減する方法
  • 情動焦点型:ストレスの受け取り方や感じ方を変えて軽減する方法
  • ストレス解消型:ストレスを身体の外へ追い出したり発散したりする方法

それぞれについて、特徴や具体例をご紹介します。

問題焦点型

問題焦点型は、ストレッサー自体にアプローチし、取り除く方法。問題焦点型のなかでも「問題焦点型コーピング」と「社会的支援探索型コーピング」があります。

問題焦点型コーピングの例

問題焦点型コーピングの例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 納期が厳しいプロジェクトばかりで制作メンバーが疲弊しているので、営業担当に納期の見積もり方法を改めてもらう
  • 職場の人間関係がストレスになっているので、思い切って転職する

問題焦点型コーピングは、問題の根本解決をすることで、ストレスフルな状態から抜け出す方向に行動するのが特徴です。

社会的支援探索型コーピングの例

社会的支援探索型コーピングの例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 納期が厳しいプロジェクトについて、同僚や上司に相談し、どのようにすればうまく切り抜けられるのかアドバイスを求める
  • 職場の人間関係ストレスについて、信頼できる同僚に相談し、解決への支援をしてもらえるよう働きかける

社会的支援探索型コーピングは、ストレス要因に面した際に周囲の人に相談し、アドバイスや具体的な支援を求めることで問題を解決するアプローチです。

情動焦点型

情動焦点型は、ストレッサー自体ではなく、ストレスだと思う感情に対してコントロールする方法です。情動焦点型は、大きく以下の2つに分けられます。それぞれの具体例や特徴をご紹介します。

情動焦点型コーピングの例

情動焦点型コーピングは、ストレッサーによって発生したストレスを、誰かに話したり聞いてもらったりすることで解消する方法です。例えば以下のような方法があります。

  • 家族や親しい友人に話を聞いてもらう
  • 専門家にカウンセリングを依頼し、聞いてもらう

認知的再評価型コーピングの例

認知的再評価型コーピングは、ストレッサーに対する捉え方を修正し、自分自身の認知を変化させていく方法です。例えば以下のように、考え方を変える方法です。

  • 仕事の責任が重いとき、「失敗ができない」「過剰な業務を与えられている」と思うのではなく「会社から期待されている」と考え方を変える
  • 新規プロジェクトを任され、「自分では無理だ」と考えるのではなく「新しいチャレンジができる」と考え方を改める

ストレス解消型

ストレス解消型は、ストレスを感じた後に、そのストレスを身体の外へ追い出したり、発散したりする方法です。ストレスを感じたとき無意識に行っていることも多く「気晴らし型コーピング」と「リラクゼーション型コーピング」に分けられます。

気晴らし型コーピングの例

気晴らし型コーピングは、ストレスを感じたとき、友人と遊びに行くなど、文字通り気晴らしをすることでコーピングとする方法です。例えば以下のような方法があります。

  • 友人と食事やカラオケに行って気晴らしをする
  • 温泉や旅行など日常から離れることで気持ちをスッキリさせる

リラクゼーション型コーピングの例

リラクゼーション型コーピングは、ヨガやアロマテラピーなどのリラクゼーションでストレスを緩和する方法です。以下のようなものが例として挙げられます。

  • 瞑想・ヨガ
  • アロマテラピー
  • 腹式呼吸で自律神経を整える
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ストレスコーピング4つの実践

ストレスコーピング4つの実践

ここからは、企業組織内で実践できるストレスコーピングの具体的な実践アイデアについてご紹介します。

メンター制度や1on1、カウンセリングを導入する

「社会的支援探索型コーピング」などでご紹介したように、誰かに話を聞いてもらったり、相談したりすることがストレスコーピングの方法の一つ。社員が誰かに話を聞いてもらいやすい体制にするためには、メンター制度1on1の導入、心理カウンセリングの機会を設けるなどが有効です。

  • メンター制度

メンターとは、日本語で「相談者」や「助言者」という意味。新卒入社の社員や中途入社の社員に対して、相談相手として既存社員をつけることで、メンティー(相談する側)の精神的なサポートになります。

  • 1on1

1on1は、上司と部下の1対1コミュニケーション等を通じて、部下の成長を促すための取り組みです。評価面談とは異なるため評価には影響せず、上司が部下の話を聴く時間であることが特徴です。上司と部下だけでなく、同じ部署の社員同士で1on1を行うなど、企業によってさまざまな取り組み方法があります。

相談相手が明確だったり、相談できる機会が定期的に設けられたりすることで、ストレスコーピングがしやすい環境になるのではないでしょうか。

  • 心理カウンセリング

心理カウンセリングとは、相談者の抱える悩みに対して、精神医学等の専門知識・技術などによってサポートするものです。カウンセラーがアドバイスをするだけでなく、相談者自身がその悩み・ストレスに対して理解を深めたり、ストレスへの対処方法を考えたりする機会になります。心理カウンセリングの機会・制度があることで、情動焦点型コーピングや認知的再評価型コーピングができると考えられます。

講座・研修を開催

ストレスコーピングという概念や具体的な実践について、講座・研修を実施するのも一つの手でしょう。例えば新入社員向けに、セルフケアを意識できる研修を実施したり、管理職向けに、組織のメンタルヘルスやコーピングについてどのように考えればよいか講座を開催したりなどが考えられます。

オフィス環境の工夫

オフィスの物理的環境を工夫すると、ストレスコーピングがしやすい環境につながります。例えば、集中して静かに作業を行えるスペースを設けたり、気分転換や社員同士のコミュニケーションが図ったりできるエリアを設けたりなどが考えられます。

社員同士で気軽なコミュニケーションがとりやすいオフィス配置にすることで社会的支援探索型コーピングにつながったり、休憩時間に気晴らしになるゲームやアクティビティができるようにすることで気晴らし型コーピングにつながったりするでしょう。

オフィスづくりに予算が割けない場合は、観葉植物を置いたり、オフィスの空調やデスク環境を意識したりなど、お金をかけずとも工夫できることがないか検討するとよいです。

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ストレスコーピングインベントリーの活用

ストレスコーピング理論に基づき、ストレス反応や対処の傾向を測る方法として「ラザルス式 ストレスコーピングインベントリー」という検査があります。10分ほどでできる検査です。

その人の行動の傾向や習慣、クセなどを知ることで、日々発生するストレスにうまく対処する心構えを醸成するきっかけになります。導入することで、社員自身が自己を理解するのに役立つでしょう。

【参考】有限会社教育評価研究所
商品詳細:SCI ラザルス式ストレス コーピング インベントリー
http://www.test.co.jp/products/detail.php?product_id=324

メンタルヘルス対策について

メンタルヘルス対策について

ストレスへの対処を考えるとき、大きなキーワードとなるのが「メンタルヘルス」。ここからは企業が行うべきメンタルヘルス対策について解説します。

企業が行うべきこと

厚生労働省では「労働者の心の健康の保持増進のための指針」を出しており、2015年からは企業に対して「ストレスチェック」の実施義務化をしています。

「ストレスチェック」とは、ストレスに関する質問票への回答を社員が行い、それを集計・分析することで、自分のストレスがどのような状態にあるのかを調べる検査。

国が推奨する57項目の質問票等に沿って実施し、回収・集計は医師やその事務従事者などが行います。回答済みの質問票の内容は、人事権をもつ人事部などが閲覧してはならず、結果はストレスチェックを受けた個人に通知されます。結果を企業が知りたい場合は、通知後、本人の同意のもと入手します。

詳しくは厚生労働省の「ストレスチェック制度導入マニュアル」を確認してください。

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メンタルヘルス対策における4つのケアを紹介

「労働者の心の健康の保持増進のための指針」のなかでは、4つのケアとして以下のような骨子が紹介されています。

1.労働者自身が行うセルフケア
2.企業の管理監督者が行うケア
3.産業医などのスタッフによるケア
4.外部の相談機関や専門家によるケア

ストレスコーピングの考え方は、その人自身がストレスのもとに対してうまく対処するようにすること(労働者自身が行うセルフケア)に当てはまるでしょう。

ストレス対処を自ら行える環境を企業が整えることだけではなく、外部の人間が関わりながらストレスコーピングを促し、メンタルヘルスケアを組織として対策していくことが大切です。

【参考】職場のメンタルヘルス対策に関して、これから取り組みたい方へ|厚生労働省
https://kokoro.mhlw.go.jp/want/

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著者プロフィールBizReach withHR編集部

BizReach withHR編集部です。先進企業の人事担当者へのインタビューや登壇イベントなどを中心に、企業成長に役立つ「先進企業の人事・採用関連の事例」や、 事業を加速させる「採用などの現場ですぐに活用できる具体策」など、価値ある多様なコンテンツを展開していきます。