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キャリア採用とは? 中途採用との違いや進め方、注意点を解説

この記事をまとめると

・「キャリア採用」とは、就業経験+知識・経験のある即戦力人材を採用すること

・「キャリア採用」は事業成長のスピードアップに有効

・「キャリア採用」を成功させるカギは募集前~内定の進め方にあり

近年、耳にする機会が増えている「キャリア採用」という言葉。優秀な人材を採用するために効果的として導入する企業が増えていますが、「中途採用」とどのような点が異なるのか、把握していない人事担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

記事では、言葉の意味や目的のほか、企業が取り入れるメリット・デメリット、採用活動を成功させる進め方とそのポイントを紹介します。


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キャリア採用とは?

キャリア採用とは?

採用活動において経験者を募集する際、「中途採用」ではなく「キャリア採用」という言葉を用いて求人を行う企業が増加しています。まずは、言葉の持つ意味と中途採用との違いを解説し、キャリア採用が注目を集めている理由も紹介します。

キャリア採用の意味と目的

キャリア採用とは、これまでに就業経験があり、自社と同じ業界あるいは職種の経験がある人材を採用することです。そのため、「未経験者可」とする求人の場合は、キャリア採用とは呼ばないと考えてよいでしょう。実務経験がなくても、候補者の意欲やスキルなどを評価するポテンシャル採用とは正反対といえます。

キャリア採用の主な目的は、即戦力となる専門知識を持った人材を自社に迎え入れることです。応募の条件として「同じ業界、職種の経験○年以上」「マネジメント経験者」といった項目を指定している企業も多く、採用基準は候補者の職務や実務の経験、スキルが中心となります。

▼企業と求職者の間で認識のズレが生じる採用のミスマッチは、キャリア採用においても根深い問題です。ミスマッチを防ぐために有効な「ペルソナ」の設定方法や設定時のポイントについては、こちらの資料で詳しく解説しております

中途採用との違い

中途採用は、キャリア採用よりも広い意味で用いられることが特徴です。一般的に、業界や職種の経験の有無を問わず、「就業経験があること」が要件となります。

そのため、自社と同じ業界あるいは職種の経験を必要とするキャリア採用と異なり、第二新卒者や業種・職種の未経験者もその範囲に含まれます。終身雇用を前提とした場合に、定年に至る中途の時点で採用されることからこの名称があります。

中途採用については2022年11月、日本経済団体連合会がその呼称を「経験者採用」に改める方針を示し、話題を集めました。「中途」の表記に否定的な印象があると判断し、「経験者採用」を企業に積極的に使用するよう呼びかけています。

一方、新卒採用は、その年に学校を卒業する人を対象とした採用で、通常は就業経験がなく、初めて社会人になる人が対象です。

近年、日本に浸透しつつあるジョブ型雇用は、職務の内容を職務記述書等にはっきりと規定して雇用する形態を指します。経験の有無ではなく、職務があらかじめ明確に規定されているという点でキャリア採用とは異なります。

キャリア採用を行う企業が増えている理由

キャリア採用を行う企業が増えている背景の一つに、終身雇用制度の崩壊とともに転職がより一般的になってきたことが挙げられます。

総務省の発表によると、「転職者数」は2008年のリーマン・ショックの影響で2010年に283万人と、前年差37万人減という落ち込みを経験した後、継続的に増加し、2019年には過去最高の353万人となりました。

2020年、2021年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で減少しましたが、転職は以前よりも一般的になったといえるでしょう。前職で培ったスキルや経験を持つ人材が転職市場に増え、採用側もそうした人材を求めていることから、キャリア採用は需給共に高まっています。

加えて、即戦力人材の需要も高まっています。2022年12月にビズリーチが発表したヘッドハンターへのアンケート結果では、「1年前と比較して、採用する部門(現場)の責任者が、即戦力採用活動に主体的(直接的)に関わる企業が増えていると感じますか?」の問いに対して97.0%が「増えた」「どちらかといえば、増えた」と回答しています。

出典:ビズリーチ「ヘッドハンターにアンケート 8割が来年の転職市場は活性化すると予測」

そのほか、スピードを増す時代の変化に対応するために、自社にないスキルや経験を持つ人材を新たに採用したいという企業のニーズが高まっていることも理由の一つです。

現代はテクノロジーの発展がめざましいことから、特にIT関連のスキルを保有する人材の需要が高まりを見せています。

参考:厚生労働省「令和4年版 労働経済白書が示す 主体的なキャリア形成と転職についての課題」


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キャリア採用を行うメリット・デメリット

キャリア採用を行うメリット・デメリット

多くの企業が取り入れているキャリア採用には、メリットのほかにデメリットも存在します。それぞれについて詳しくみていきましょう。

【メリット1】事業成長のスピードを上げられる

あらかじめスキルや経験を持っている人材を採用するため、入社後のある程度早い時期からの活躍が期待できます。このため、新卒採用者を何年もかけて育てるよりも早く事業を成長させられるでしょう。

また、キャリア採用者は社会人経験があるため、既にビジネスマナーや社会人としての基礎はできています。基本的な社会人研修やマナー研修が不要であり、その分の時間やコストを抑制できるため、教育コストが新卒採用者等に比べると低く、現場の負担が減るという点もメリットです。

【メリット2】自社に新しい文化やノウハウをもたらしてくれる

自社と同じ業界や職種での経験があったとしても、企業によって文化やノウハウは異なります。キャリア採用によって入社した人材は、これまでの勤務経験などから自社に新しい考え方や価値観をもたらしてくれることが期待できます。

このように、異なる考え方や価値観を持つ人を迎え入れることはダイバーシティ&インクルージョンの観点からも有益です。さまざまな属性を持つ多様な人材を活用するダイバーシティと、価値観や個性の違いを受容するインクルージョンを行い、共存共栄させながら組織を成長させていくことができます。

【デメリット】採用コストがかかる

デメリットとして、採用コストの高さが挙げられます。即戦力人材を採用するため、募集ポジションなどによっては、未経験者や新卒採用よりも採用単価や給与相場が高いケースがあります。企業がキャリア採用を実施する場合、その点を念頭においた予算組みが必要になるでしょう。

ただし、メリットにあるように、教育コストや入社してから第一線で活躍するようになるまでのスピードを考えれば、十分な費用対効果を見込めるでしょう。


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キャリア採用の進め方とポイント

キャリア採用の進め方とポイント(募集前)

ここからはキャリア採用の具体的な進め方をみていきましょう。募集前、募集時・選考時、内定~入社までの3つの時期にわけて、ポイントも含めて解説します。

募集前の段階

キャリア採用の実施を決め、実際に募集を開始する前に行うべきことは、2つあります。

  1. 会社と現場の求める人物像を洗い出す
  2. 求める人物像の必要要件を絞り込む

まずは今後の事業計画や配置転換予定等も鑑みながら、会社として望む人材像を策定します。どのようなスキル、経験、配属の志向、価値観、人間性を持つ人物が必要なのか検討しましょう。

次に現場のニーズを把握しておきます。現場の社員が「性格は入社してから変えられないので、人となりを重視してほしい」と、人間力を重視するというケースも少なくありません。本音がどこにあるか、現場にヒアリングできるように努めることが重要です。

続けて、先述した人物像の洗い出しをもとに、必要要件を絞り込みます。要件を盛り込みすぎると適任者が現れず選考が難航してしまうため、MUST(必須項目)とWANT(歓迎項目)の2つにわけます。

さらに、評価しない、避けたい条件をNEGATIVE(不要項目)として定めておくと、より明確な採用要件が定義できます。求める人材の具体的な人物像を示した「ペルソナ」を設定するのも有効です。

また、採用手法もこの段階で決めておきます。キャリア採用では即戦力人材が求められるため、スカウト型採用や社員の紹介を介したリファーラル(リファラル)採用などが効果的でしょう。一つの手法にこだわる必要はなく、採用コストや人数、選考スピードなどを考慮して、複数の手法を組み合わせることも大切となります。

募集時・選考時の段階

キャリア採用の募集時と選考時の進め方についてみていきます。以下に挙げたことを意識して進めていきましょう。

  1. 自社の情報をできるだけ詳しく発信する
  2. 最初の面接では「人」をみる
  3. 面接2回目以降はキャリア、スキル、経験をみる
  4. 企業理念や業務のやりがい・裁量を伝える

求人情報を発信する際は、求めるスキルや業務内容などの募集ポジションに関する説明だけではなく、職場の雰囲気や選考プロセスなどを載せ、「一度話を聞いてみたい」と興味を湧かせるような情報発信を心がけます。

候補者との最初の面接では、性格や気質、自社の価値観との相性を中心にみることが重要です。まずはこうした入社後の育成が難しい要素の部分で、要件を満たす人材を判断するためです。現場のスタッフの場合、どうしても専門スキルや経験の話題になりがちなことから、最初の面接は現場のスタッフではなく人事が行うとよいでしょう。

2回目以降の面接では、キャリアや専門スキル、経験を確認し、実技試験やロールプレーイング等も行います。実際にそのスキルや経験が生かせるのかどうかをはかるため、現場のスタッフも採用選考に関わってもらいます。

いずれの面接でも、「自社を選んでもらう」という姿勢が大切です。転職が一般的になったことで、企業の人材獲得競争は激しくなっており、候補者も業務内容や待遇、自分のキャリアを生かせる環境かどうかなどをシビアに比較して転職先を決定します。

こうした背景のなかで自社が求める人材を採用するためには、候補者への積極的なアピールが必要です。自社が社員に提供できる価値を意味するEVPを設定し、アピールするのも有効となります。

また、入社後ギャップやミスマッチを防ぐために、RJP(Realistic Job Preview=現実的な仕事情報の事前開示)も意識しておきましょう。自社のポジティブな面だけをアピールするのではなく、ネガティブな面も含めて実態に即した情報を候補者に伝えることで、採用のミスマッチ防止につながります。


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内定~入社までの段階

内定を出したら終わりではなく、内定者の不安を軽減するためのフォローを必ず行います。人事や現場社員との面談等のコミュニケーションを通して、不安や懸念点の解消を行います。勉強会やイベントに招待するなどし、先輩となる予定の社員などと交流できる機会を設けるのも効果的です。

また、即戦力とはいえ、キャリア採用で入社した人材にも教育は必要です。必要な研修を洗い出し、手配しておくほか、入社後に現場でフォローを担当する社員も決めておきます。

フォロー担当者は通常業務に加えて新しく入るメンバーのフォローをすることになるので、別の業務の負荷を減らしたり、インセンティブを用意したりするなど、ケアを行うことも忘れてはいけません。

キャリア採用を取り入れる際の注意点

キャリア採用を取り入れる際の注意点

キャリア採用には、新卒採用と異なる採用活動の難しさがあります。キャリア採用を取り入れようと検討している企業は、以下の点に注意して進めていきましょう。

  • 即戦力となることを期待しすぎない
  • オンボーディング施策をしっかりと行う
  • スキルや経験だけに注目しない

これらの注意点について次で解説していきます。

即戦力となることを期待しすぎない

とかくキャリア採用というと即戦力であることが期待されがちですが、「入社してすぐに第一線で活躍して利益に貢献してくれるはず」と考えているならば、それは期待しすぎかもしれません。

専門知識や経験があっても、経営者、社風、上司や同僚、顧客など、環境がまったく異なる場所ではすぐに実力を発揮することは難しいものです。即戦力としての期待がプレッシャーとなってしまうキャリア採用者もいるでしょう。丁寧に教育して会社になじんでもらうほうが結果として早く活躍できるようになり、その後の定着にもつながります。

オンボーディング施策をしっかりと行う

キャリア採用者がいち早く職場に慣れ、十分にパフォーマンスを発揮できるようになるかどうか、カギを握るのは「オンボーディング」です。

オンボーディングとは、新しく組織に入った入社者が職場に慣れてもらい、自身のスキルを発揮して活躍してもらえるまでの一連のプロセスを指します。一人一人のスキルや経験などをふまえて、個別のプログラムを作成し、組織への定着・戦力化を促します。

入社初期の段階だけではなく、職場に慣れた後にも懇親会や定期的な面談などを行い、継続的にフォローしていくことが重要です。

スキルや経験だけに注目しない

キャリア採用は自社と同じ業界や職種の経験がある人材を採用するため、「どのようなスキルや経験を持っているか」ということが重視されがちです。他の要素はあまり検討せずに総合的に「よい」という判断を下してしまう「ハロー効果」に陥らないよう注意が必要です。

ハロー効果は認知バイアスの一つで、何かを評価するときに目立ちやすい特徴に影響されて、他の特徴に適正な評価ができなくなる現象です。スキルや経験は後からでも身につけられますが、考え方や人となり、相性は簡単に変えられるものではありません。候補者の人柄や自社の価値観との相性もよくみたうえで検討しましょう。


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「キャリア採用」か「新卒採用」か、選ぶ際の判断基準とは?

「キャリア採用」か「新卒採用」か。採用手法を選ぶ際の判断基準とは?

自社の求める人材を採用するためには、キャリア採用と新卒採用のどちらの採用体制で進めていけばいいのか迷うこともあるではないでしょうか。選定する際の判断基準の一つは、「重視する事業戦略の内容」です。

そもそも人材を採用する理由は欠員の補充だけでなく、事業拡大によるリソース確保や課題解決に向けた戦力強化などさまざまです。企業が重視している事業戦略によって、必要になる人材も変わります。

たとえば「売り上げを伸ばしたい」のように、直近の課題解決を重視している場合には、即戦力となりやすいキャリア採用が適しているでしょう。一方、企業の将来や組織戦略といった長期的な目線を持つならば、新卒採用も重要になります。

もう一つの判断基準は「入社までの期間」です。キャリア採用の場合、候補者の入社準備が整っていれば時期にかかわらず、短期間での入社が可能です。新卒採用は、4月に一斉入社が行われることが一般的で、内定から入社までの期間が長くかかる場合もあります。

新卒採用は決まった時期に採用活動を実施できるので、人事・採用部門のリソースを確保しやすいメリットがありますが、「必要なときに必要な人材をすぐに採用したい」という場合には、キャリア採用がおすすめです。


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キャリア採用が多く行われている職種

キャリア採用が多く行われている職種

キャリア採用が多く行われている職種を紹介します。どの職種でも未経験採用を行うケースはありますが、以下の職種は比較的キャリア採用が多く行われています。

  • 営業

営業は経験とスキルがものをいう専門職です。すぐに独り立ちできる分野ではないため、未経験から育てるには大変なコストがかかります。前職で培った人脈が転職後に生かせるケースもあるため、営業職のキャリア採用を行う企業は数多くあります。

  • 営業企画

さまざまな企画を立ててきた経験が確度の高い企画提案につながる職種です。営業経験と企画経験の両方があると、営業成績につながりやすい提案ができると考えられています。

営業企画の場合は、所属している企業の規模だけでなく、取引先の企業の規模・特徴や、商材の特性などのほか、マーケティングなどの関連する知識、経験内容も、選考の際に注目したい経歴の一つです。

  • 経理

経理のルールは法令で定められていて、どの企業も同じルールのもとに経理業務を行っています。そのため経験者は即戦力といえます。決算業務の経験があれば、企業にとってより戦力となるでしょう。

  • 財務

財務に関わる専門知識や資金調達のためのノウハウは、業界が異なっても生きるスキルです。また、不明点を徹底的に追究するなど、正しさを見極めるための技術を身につけるには、ノウハウや経験が必要となります。

  • 法務

法務は、法令の専門的な知識を実務で生かすすべを知っている必要があります。経験のある法務は過去に多くの事例を担当してきているためリスク回避の方法を知っているほか、トラブルが発生した場合も適切に対応でき、コンプライアンス面でも重宝されます。

  • 人事

人事は営業と同様に経験や場数に裏打ちされるスキルがあり、それは応募者を見極める目だといわれています。また、イレギュラーなスケジュールへの対応力や、現場に求められている人材配置の判断なども、経験者のほうが卓越しています。

人事の仕事は「人事企画」「採用」「育成・研修」「評価」「労務」など幅広いものです。小規模企業に所属している場合は、採用から給与計算・労務まで全てを1名で担ったり、経理や営業事務、広報などを兼任したりするケースもあります。

一方、比較的規模の大きな企業だと、採用だけでも「新卒採用専任」「中途採用専任」など役割が細分化されている場合もあります。

実際の選考においては、所属企業の規模、業務領域およびそれぞれに対する経験年数などを確認し、実務経験の有無を明確にしましょう。企業規模によって1人が担当する仕事の幅もさまざまですので、部署名だけで判断せずに具体的に経験した業務を確認することも大切です。

  • 研究、開発

経験者は研究や開発における時間感覚やコスト意識が身についているため、企業での研究や開発の勘所をおさえています。そのため企業で結果を出しやすいと考えられています。

  • SE(システムエンジニア)、プログラマー

未経験者可となっている募集もありますが、特に先進的な企業ではスキルと経験が豊富で熟達したSE、プログラマーを求める傾向にあります。自社に新しい技術を取り入れたい場合などはその傾向が顕著です。

  • クリエイティブ系(デザイナー、Webディレクターなど)

いずれも専門的な知識が必要で、場数をふむほどに応用力も身につき、さまざまな表現ができるようになります。人手不足などの事情を抱えた企業では未経験者を雇用する場合もありますが、高いアウトプットが求められる現場ではキャリア採用が一般的とされます。


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キャリア採用の企業事例

最後にキャリア採用を行っている企業について紹介します。どのような取り組みで進めているのか、求人情報などの具体的な事例をみていきましょう。

任天堂

ゲーム大手、任天堂株式会社はソフトウェアエンジニア、デザイナー、サウンドクリエイターなどさまざまな職種でキャリア採用を実施しています。

公式サイトに募集職種の求人情報が掲載され、業務内容のほか、「適性」として必須条件や歓迎するスキル・経験、求める人物像も明確に記載されているのが特徴です。また、Q&Aのコーナーを設け、選考および入社後の福利厚生について詳しく説明しています。

異業種からの応募については、「必ずしもゲーム業界で働いた経験のある方のみを求めておりません。適性については、募集要項にて詳細をご確認ください」としています。

求職者はサイト上の「キャリア採用Web応募」から応募が可能です。キャリア採用に関する説明会が行われることもあり、募集ポジションについての説明や、質疑応答などのプログラムが用意されます。

正規雇用労働者のキャリア採用比率は、2020年度が31%、2021年度が37%、2022年度が36%、3人に1人ほどがキャリア採用で入社した人材という計算になります。

参考:任天堂株式会社「キャリア採用」

フジテレビ

株式会社フジテレビジョンは、公式採用サイトでキャリア採用に関する情報を発信。多様な業種でキャリアを積んだ人材のなかから、「とにかく面白いことを仕掛けたい! みんなで笑顔になりたい!というポジティブで情熱のある方を募集いたします」と呼びかけています。

ドラマ・バラエティ部門の制作プロデューサーをはじめ、報道部門の記者や宣伝プロデューサーなど幅広い職種でキャリア採用を実施しており、応募資格として「必須(MUST)」「歓迎(WANT)」の条件を記載しています。

選考プロセスは「1.各職種【応募する】ボタンより、情報の登録」「2.登録者のなかから、適宜ポジションがある場合は、フジテレビから連絡」という流れです。

採用サイトには、各種仕事紹介のほか、社員インタビューやセミナー動画などのコンテンツを掲載しています。そのほか、フジテレビ人事部公式Twitter・Instagramでも、キャリア採用や新卒採用に関する情報を伝え、自社の採用情報を積極的に発信していることが特徴です。

参考:フジテレビ採用ポータルサイト

■記事全体の参考資料
稲田 行徳 (著)「採用の教科書2 即戦力採用は甘い罠? 中小企業向け、求める人材像の設定編』ビジネス・ベストセラー出版刊
曽和利光(著)「人事と採用のセオリー 成長企業に共通する組織運営の原理と原則」ソシム刊

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著者プロフィールBizReach withHR編集部

先進企業の人事担当者へのインタビューや登壇イベントなどを中心に執筆。企業成長に役立つ「先進企業の人事・採用関連の事例」や、 事業を加速させる「採用などの現場ですぐに活用できる具体策」など、価値ある多様なコンテンツをお届けしていきます。