新型コロナウイルス感染症の拡大を機に、50 代のビジネスパーソンの転職意欲が向上?その背景にあるものとは

新型コロナウイルス感染症の拡大を機に、50 代のビジネスパーソンの転職意欲が向上?その背景にあるものとは


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新型コロナウイルス感染症の拡大が、ビジネスパーソンの転職活動やキャリア観にどのような影響を与えているのかを調査するため、株式会社ビズリーチは2020年4月20日~24日の間、ビズリーチの会員を対象にアンケートを実施しました(有効回答数:514件)。

調査の結果から、ビズリーチ会員のうち、「以前から転職を検討していたが、ますます転職への意欲が高まった」という回答が最も多く、「以前は転職を検討していたが、今は少し様子を見たい」という回答を上回る結果となりました。転職意欲が高まった背景には、「現在の勤務先企業・業界に対する不安や不満」のほか、「自分のキャリアや会社選びの軸を見つめ直す/決心する機会となった」という声が複数見られました。

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新型コロナウイルス感染症の拡大による、キャリア観の変化

「新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、自身のキャリア観に変化がありましたか」と尋ねたところ、最も多かったのは「多少変化があった」(45.0%)となり、「大きく変化があった」(10.8%)と合わせると、その小計は半数を超えました。

年代別でみると、20代~50代(60代を除く全ての年代)において変化を感じている人のほうが多い結果となりました。

新型コロナウイルス感染症の拡大による、キャリア観の変化

また、「変化があった」と回答した人のうち「企業に依存せずに、自律的にキャリア形成する必要がある」と回答した人は9割にのぼりました。

企業に依存せずに、自律的にキャリア形成する必要があると感じた

新型コロナウイルス感染症の拡大による、転職に対する考え方の変化

転職活動の状況および考えを把握するため、「新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、ご自身の転職に対する考え方に変化はありましたか」と尋ねたところ、最も多かったのは「以前から転職を検討していたが、ますます転職への意欲が高まった」(45.6%)となり、「以前は転職を検討していたが、今は少し様子を見たい」(39.0%)を上回りました。

また、「以前は転職を検討していなかったが、今は転職を検討するようになった」という回答も約1割あり、新型コロナウイルス感染症の拡大が、「キャリア観」そして「転職意欲」にも影響を与えていることがうかがえます。

新型コロナウイルス感染症の拡大による、自身の転職に対する考え方の変化

年代別にみると50代において「以前から転職を検討していたが、ますます転職への意欲が高まった」(53.1%)が高く、「以前は転職を検討していたが、今は少し様子を見たい」を約20ポイント上回りました。

転職に対する考え方の変化の理由について、任意でコメントをいただいたところ、他の年代に比べて50代からは「これまでにない変革やチャンスが、今だからこそある」と捉える意欲的な回答が多く見られました。バブル崩壊、IT技術の革新、リーマンショック、働き方改革……。ビジネスにおいて数々の社会の変化を体験し、さまざまな立場で経験を積んできた50代だからこそ、今回のような非常事態においても「自分の経験を生かしたい、生かす機会があるだろう」と感じられるのかもしれません。

<50代の転職に対する考え方――その変化の理由(一部抜粋)>

※回答については、文意を損なわない程度に、編集部で一部修正を加えております。

  • ・ビジネスチャンスが広がる可能性があるから(50歳/経営/マスコミ・メディア)
  • ・海外駐在員が帰国してしまうところの補充要員として、これまで駐在員を前提としていたポジションも現地で採用をする機会となればと思います(51歳/管理/金融)
  • ・COVID-19の影響で多くの企業がマイナス成長となり、人員の見直しが予測され、結果、即戦力の必要性が生まれるため(51歳/マーケティング/メディカル)
  • ・この経済環境がチャンスだと感じたから(54歳/管理/金融)
  • ・日本に長期間滞在が可能になり(現在は海外駐在)、面接等の機会が増えると思われるため(54歳/経営/金融)
  • ・オンラインならば遠方との面談も容易なので(58歳/マーケティング/メーカー)
  • ・新型コロナウイルスの感染拡大状況により、社会情勢の変化が多岐にわたると、想定されるため(59歳/営業/建設)
  • ※全て「以前から転職を検討していたが、ますます転職への意欲が高まった」と回答した人のコメント

転職を検討していなかった人たちの考え方が変わった「理由」とは

転職に対する考え方の「変化の理由」について、今回の調査では、任意でコメントをいただきました。「以前は転職を検討していなかったが、今は転職を検討するようになった」人の回答(29件)のうち、最も多かった理由は「現在の勤務先・業界に対する不満・不安」(12件)に関する内容となりました。次に多かった理由は「他社を調べたり、転職を考えたりする時間ができたため」(6件)となりました。

<転職に対する考え方――転職を検討するようになった理由(一部抜粋)>

※回答については、文意を損なわない程度に、編集部で一部修正を加えております。

  • ◆現在の勤務先・業界に対する不満・不安
  • ・会社のコロナ対応不足と女性の意見が通らないこと(30歳/人事/流通・小売)
  • ・現在の仕事がイベント系ということもあり、なかなか先が見えない状況です。そんななかで、正社員であるとはいえこんなにも先が見えないのかと不安になりました(44歳/経営/エンターテインメント)
  • ・この状況下での会社や所属部長の対応に疑問を感じたためです(54歳/管理/金融)
  • ◆他社を調べたり、転職を考えたりする時間ができたため
  • ・空いた時間に他社や他の業界を調べることが増え、より魅力的な業務の存在を知ることができたからです(34歳/経営/金融)
  • ・このような時期にも採用活動に工数を掛けられる会社の風土や仕組みを知りたいから(43歳/管理/メーカー)
  • ・いろいろ考える時間が取れるようになったこと。今の状況が落ち着いたときに速やかに活動するための準備時間と考えるようになったこと(53歳/経営/メーカー)

転職への意欲が高まった人たちの「本音」とは

次に「以前から転職を検討していたが、ますます転職への意欲が高まった」人の「変化の理由」についても回答(143件)の内容を分類しました。その結果、最も多かったのは「現在の勤務先・業界に対する不満・不安」(40件)に関する内容で、「自分のキャリアや会社選びの軸を見つめ直す/決心する機会となったから」(26件)という意見が続きます。

<転職に対する考え方――転職への意欲が高まった理由(一部抜粋)>

※回答については、文意を損なわない程度に、編集部で一部修正を加えております。

  • ◆現在の勤務先・業界に対する不満・不安
  • ・臨機応変な対応が会社としてできないことに危機感を覚えた(31歳/営業/金融)
  • ・社員に対する危険について考えていないことをより鮮明に感じるようになったから(36歳/営業/商社)
  • ・会社のコロナに対する方針が世間とずれているため(42歳/営業/メーカー)
  • ・コロナ対策における現職場の優柔不断さに幻滅したため(45歳/管理/保険)
  • ・ただでさえ現在の会社の業績に不安があるのに、コロナの影響で、さらに悪化しそうで、今後が不安なので(56歳/IT技術職/メーカー)
  • ・現在の会社が相変わらず全員出社させているため、こんな会社にはもういたくないと思った(57歳/金融/建設)
  • ・製造工場に単身赴任中であり、毎日出勤しなければならないうえ、家族のもとに帰ることもできない(58歳/経営/メーカー)
  • ◆自分のキャリアや会社選びの軸を見つめ直す/決心する機会となったから
  • ・テレワークに伴い家族と接する時間が増え、改めて自分の働き方を振り返る時間が増えました。その結果転職への意欲が高まりました(30歳/営業/その他)
  • ・時代の大きな変化であり、心機一転次のキャリアへ挑戦したいと感じたから(37歳/電気・電子/メーカー)
  • ・不安定な業種と職種が明らかになり、今後の参考になった(37歳/マーケティング/サービス)
  • ・不測の事態の際、在宅勤務にするなど社員の命を最優先する企業で働きたいと思ったから(40歳/営業/IT・インターネット)
  • ・コロナウイルスの影響で、いろいろと働く環境が変化しており、自身にとっても新たなチャレンジのタイミングと考えている(57歳/営業/物流・倉庫)
  • ・リスク対応等のキャリアを積極的に仕事に生かしたいと考えている(57歳/経営/金融)

非常時も「ブレない人事」が、採用成功へとつながる

今回の調査結果より、新型コロナウイルス感染症の拡大は、キャリア観や理想のキャリアを実現する手段の一つである「転職」への意欲にも影響をもたらしていることが明らかになりました。選考や募集の中止、選考手法の変更など、転職者側にとっては不安になる要素もある一方で、転職意欲が高まっているという声も多いことが明らかになりました。非常事態において、求職者が抱えるキャリアへの不安や思いはさまざまです。採用担当者は一人一人の「転職への思いと本音」を聞き出したうえで、「自社・ポジションへの適性」を冷静に判断することが求められるでしょう。

初めてオンライン面接に取り組むケース、全てオンライン上で選考を実施しなくてはならないケースなど、「これまでにない採用活動」に挑戦する機会になっているのではないでしょうか。しかし、「このような状況下においても、採用活動を続けること」とは、「企業の強さ」を表現し伝える一手段になり得ます。今だからこそ「これまで出会えなかった人材」に、「自社の魅力」を伝えられる機会になるでしょう。



調査概要
調査方法:インターネットによるアンケート
調査期間:2020年4月20日~4月24日
調査対象:ビズリーチ会員
有効回答数:514件
※小数点以下第2位を四捨五入して処理しております。そのため、各数値を足した際に、合計が100%にならない場合や、小計が合致しない場合があります

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著者プロフィールBizReach withHR編集部

先進企業の人事担当者へのインタビューや登壇イベントなどを中心に執筆。企業成長に役立つ「先進企業の人事・採用関連の事例」や、 事業を加速させる「採用などの現場ですぐに活用できる具体策」など、価値ある多様なコンテンツをお届けしていきます。