リソースとは? ビジネスシーンにおける意味、活用例や管理方法、関連する経営理論を紹介

リソースとは? ビジネスシーンにおける意味、活用例や管理方法、関連する経営理論を紹介

ビジネスシーンで頻繁に耳にする「リソースという言葉。全ての業態、職種に関連する必須ワードであるため、その意味を正しく理解しておくべきでしょう。

本記事では、リソースの種類ごとに活用例を紹介するとともに、関連する経営理論や人材戦略の観点から、リソース管理の重要性についても深掘りしていきます。

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リソースとは何か?

リソースとは何か?

リソース(resource)」を直訳すると、「資源」という意味です。一般的なビジネスシーンでは、経営や事業、業務において必要な資源全般を指すことが多いです。

資源は物だけでなく、人材、資金、時間、情報など、幅広い対象を含みます。

リソースの類義語

リソースと似た言葉に、「アセット」があります。アセットは「資産」を指し、ビジネスにおいては企業が保有する土地や建物、証券、大型の製造機器などが該当します。

アセットもビジネスシーンで頻繁に使用されるワードなので、リソースと使い分けられるように意味を正しく把握しておきましょう。

ビジネスシーンにおけるリソースの意味とは

ビジネスシーンにおけるリソースの意味とは

先述のとおり、ビジネスにおけるリソースは経営や事業において必要となる、人材、資金、時間、情報といった資源を意味します。ここでは、それぞれがどのようなものを指すのか詳しく解説します。

ヒト 

リソースのなかでもヒトは特に重要な部分です。企業、組織、部署、チームに属する人材を指し、「人的リソース」「ヒューマン・リソース」と呼ばれることもあります。

モノ 

モノは、社内の備品やオフィス機器から、機械、車両、建物、土地など、経営や業務に必要な物的資源全般を指します。

また、パソコンに搭載されるソフトウエアなど、無形物も含みます。モノだけを指す場合の多くは、「物的リソース」と表されます。

カネ 

経営に必要なリソースとして、よく「ヒト、モノ、カネ」といわれるように、お金も重要なリソースの一つです。経営を維持・成長するための資金を指し、人件費、物的資源の購入・維持費用のために必要になります。

こうした資金は、売り上げ、金融機関からの融資、株式の発行などにより調達します。

情報 

経営や業務に必要な全ての情報が該当します。市場や顧客のデータ、競合企業や海外市場の動向、社内の機密情報などが代表例ですが、法律や経済、天候、文化に至る、幅広い対象も含みます。

現代の情報社会においては欠かせないリソースで、ヒト、モノ、カネに次いで重視されています。

時間、知的財産、その他 

経営活動においては、時間もリソースです。勤務時間に見られるように、全ての人材にとって時間は有限であるため、人的リソースとセットで考えられることもあります。

企業がもつ知的財産や、そこから生み出される付加価値もリソースになります。知的財産は、商標権や特許権を取得して保護することで強固なリソースとして機能します。

ほかには、技術や知識といったヒトに蓄積されるリソース、ブランドや外部企業との関係性といった組織に蓄積されるリソースなど、目に見えづらいものもリソースとする場合があります。

参考書籍:日本大学商学部経営学科「はじめての経営学」同文舘出版

リソースの種類と活用例 

リソースの種類と活用例 

実際のビジネスシーンで、リソースという言葉はどのように使われるのでしょうか。「リソース」を単体で使用する場合や、「〇〇リソース」とほかの言葉と組み合わせる場合など、主な用例を見ていきます。

「リソース」の基本的な活用例

「リソース」と単語で用いられる場合は、ヒト、モノ、カネ、情報、時間などを指す場合が多いです。これらは人員数や人件費、コストや労働時間などに相互に置き換えられることから、事業や業務に対し、複合的な意味合いで用いられることもあります。

例えば、「リソースが不足しているため、そのプロジェクトには着手できないという場合は、人材など特定の場合を指すこともありますが、人材、資金、時間の総合的な不足を意味していることが多いです。こうしたケースは、「リソースは有限である」という考えが根底にあり、「そこに予算や人員を投入できない」という文脈を押さえておくと、理解しやすいでしょう。

こうしたことから、「リソースの活用」「リソースを割く」「リソースの最適化」というように、一つの業務から別の業務へと経営資源を投入・移行させたり、無駄を削減して適切な業務にあてたりするケースでも、よく用いられます。

また、このようにヒト、モノ、カネ、情報、時間など全般を管理することを「リソース管理といいます。

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ヒューマン・リソース・マネジメント

リソースのなかでも多くのビジネスパーソンが重視するのがヒトです。

人材を経営資源として捉え、有効活用する仕組みを体系的に構築・運用することを「人的資源管理」といい、「ヒューマン・リソース・マネジメント/Human Resource Management(HRM)とも呼ばれます。

例えば、「採用から人材育成までHRM領域のさまざまな経験をもつ人材を募集する」といったように、人事やマネジメントの領域で頻繁に使用されます。

経営リソース

経営全体の文脈でよく使用される言葉として、「経営リソース」があります。経営リソースという際には、ヒト、モノ、カネ、情報、時間の5つ、または知的財産を加えた6つを指す場合が多く、「経営資源とも呼ばれます。

「限られた経営リソースを適切に活用する」のように使われます。経営リソースを最大化することで自社の優位性を高めることが経営者の役割であり、事業を成長させていくうえで欠かせない概念となります。

外部リソース

これまでは自社のリソースを見てきましたが、社外の資源を用いる場合もあります。これを「外部リソース」といいます。

「採用部門のリソース不足を補うため、外部リソースを検討する」など、社内にリソースが不足している場合に、業務委託や業務提携によって補塡(ほてん)するのが、「外部リソースの活用です。人材不足が深刻化する業界や、中小企業、スタートアップ企業では欠かせない考えとなっています。

Web・IT業界のリソース

ここまで一般的なビジネスシーンにおけるリソースの意味を整理しましたが、Web・IT業界においては、その意味合いや内容が異なる場合があるため、注意が必要です。

IT用語においてもリソースは「資源」という意味ですが、CPUの処理能力やメモリー量、デバイスなど、コンピューターの稼働に必要な周辺機器の性能に関することを指します。また、「リソースモニター」という用語がありますが、パソコンのCPUやメモリ・プロセス情報を確認できるモニター機能のことをいいます。

プログラミングで「リソース」という言葉を使用する場合は、画像データ、テキスト、ダイアログなど、プログラムが利用するデータ全般のことを指すこともあります。

参考書籍:坪谷邦生「図解 人材マネジメント入門」ディスカヴァー・トゥエンティワンP8-32

リソース管理の重要性

リソース管理の重要性

企業経営をはじめ、ビジネスにおいてリソースを適切に管理することは極めて重要です。ここではリソース管理が重視される理由や背景について説明します。

経営理論の観点からみるリソースの重要性 

経営学では欠かせない考えに、「リソース・ベースト・ビュー/Resource Based View(RBV)」があります。企業内部のリソースを、競争力を高めるうえでの源泉とする戦略論です。

リソース・ベースト・ビューは、アメリカの経営学者、ワーナーフェルトやジェイ・B・バーニーらが展開しました。特にバーニーの1991年の論文は、世界で最も有名な経営学論文の一つであり、リソース・ベースト・ビューが普及したきっかけになっています。

この論文では、企業が持続的に競争優位を実現するためのリソースの条件として、経済価値(価値がある)」「希少性(希少である)」「模倣困難性」「代替性(代替が難しい)を挙げています。アップル社の製品・サービス群における優れたデザインなどは好例で、デザイン力を実現する人材やノウハウの蓄積過程に、他社がまねできない要因が多いことが、競争優位を可能にしているのです。

現在もリソース・ベースト・ビューは経営学の大きなテーマになっていますが、実業界でも主流の考えであることが、世界的傾向から理解できます。

参考書籍:入山章栄「世界標準の経営理論」ダイヤモンド社P66-84

人材戦略の観点からみるリソースの重要性 

「人的資源管理」として、重要な経営資源の一つであると前述したヒューマン・リソース・マネジメントも、世界的に定着している考えです。ヒューマン・リソース・マネジメントは、1950〜60年代、経済力が低下していたアメリカで発祥したといわれています。人に対するマネジメントを変えるべく、人を「コスト」と考える従来型の労務管理から、投資の対象である「資源」と捉える考えに移行していったことで普及しました。

ヒューマン・リソース・マネジメントの手法は多岐にわたり、トレンドも時代によって変化します。しかし総じて、人材を最大限活用することで、組織パフォーマンスを向上させることが目的になっているといえるでしょう。

実践においては人事担当者が行うことが多いヒューマン・リソース・マネジメントですが、マネージャーや経営者もその視点を持つことは重要です。理論や実践方法は、ビジネススクールや書籍で習得できるため、スキルアップのために学ぶビジネスパーソンも多いです。

参考書籍:坪谷邦生「図解 人材マネジメント入門」ディスカヴァー・トゥエンティワンP8-32

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リソース管理によるメリット

リソース管理によるメリット

適切なリソース管理によって、現場にはどのような恩恵がもたらされるのでしょうか。大きなメリットを3つ見ていきます。

課題の早期発見・解消に役立つ

リソースを適切に管理することで業務の全体像がつかみやすくなり、課題の早期発見や解消に役立ちます。

複数のプロジェクトや案件を同時に進行すると、多くの場合は問題や停滞が生じます。この際に「人員が不足しているのか」「特定のスキルを持つ人材が足りないのか」「時間が足りないのか」……と原因を特定するためには、あらかじめリソースを的確に把握しておかなければなりません。

課題に対して早期に対処できれば、スピーディーな目標達成を実現できるでしょう。

適切な仕事配分ができる

適切な仕事配分が行えることもメリットの一つです。マネジャーやチームのリーダーは、個人がどの程度仕事を抱え、どのようなスピードでこなせるか、得意・不得意な業務は何かなどの人的リソースを把握し、プロジェクトの完遂を目指さなければなりません。

不適切な仕事配分は遅延のみならず、労務上のトラブルにもつながります。進捗状況を随時確認し、経験やスキルに応じて業務量をコントロールすることが求められます。

チームの協力体制が強化される

チームでプロジェクトを進める場合、リソースに関する情報を共有することで、協力体制が強化されます。メンバー同士がお互いの業務量や進捗状況を把握し合うことで、自然とリソース不足を補う動きができることに加え、全体の予算を伝えることで、個々人のコスト感覚も生まれるでしょう。

個々の判断の正確性を高めることは、プロジェクトの成功に大きく影響するため、リーダーはリソースの状況を適宜共有する意識をもつとよいでしょう。

リソース不足が招く影響

リソース不足が招く影響

一方、リソースを適切に管理できなかったり、不足や欠陥が生じたりした場合、次のような影響が生じると考えられます。

離職率の増加

人的リソースの不足は、従業員一人当たりの負担を高め、不満や疲労、モチベーションの低下の原因になります。結果として離職者が増加し、企業にとって大きなダメージとなるでしょう。

生産性・売り上げの低下

業務にかかわるリソース全般の不足は、生産性の低下にもつながります。人的リソース不足によるキャパシティーオーバーだけでなく、物的リソースも大きく影響するでしょう。

効率化ツールの導入や適切なワークスペースの確保、デバイスやオフィス機器のアップデートなどへの投資を怠ると、事業全体の効率が下がり、売り上げの低下を招きます。

市場における競争力の低下

激しい競争を勝ち抜くためにもあらゆるリソースが必要です。市場や業界の情報が不足すると、製品・サービスの質の低下につながります。知識やノウハウが蓄積できていない、外部に流出してしまっているといった場合も同様です。また、イノベーティブな事業に挑戦するためには、時間や資金にゆとりがなければなりません。

このように、市場における競争力を向上させるためには、あらゆるリソースを過不足なく活用することが求められます。

5つのリソース管理で押さえるべきポイント

5つのリソース管理で押さえるべきポイント

業務を推進するうえで、どのような点に注意してリソースを管理・マネジメントすべきなのでしょう。これまでに既述した5つのリソースを挙げて解説します。

<ヒト>人的リソースのマネジメント

人的リソースは、モノやカネなど、他のリソースを生み出す原動力となるため、企業活動の中核を担います。また、マネジメントや育成によってその後の価値も変わるため、リソースのなかでも最も重視されています。

管理すべき対象はさまざまで、スキル、経験、素質といった能力から、抱える業務量、キャリアアップの方向性、ライフステージなど、それらを十分に把握しながら、人材マネジメントを行うことが必要になります。

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<モノ>設備や材料のマネジメント

設備や材料などのモノは、購入・維持コスト、保管するための空間が必要になるため、費用対効果をはじめとした適切な管理が求められます。人材を最大限活用するためには、デスクやパソコン、業務システムなどオフィスを整備したり、製品・サービスに必要な資材を考えたりするのがモノのマネジメントをするうえでは必要不可欠です。

近年では、リモートワークに向けたネットワークやセキュリティの整備、デジタル化に対応するためのクラウドサービスの導入など、管理する対象は広がってきています。

<カネ>資金やコストのマネジメント

ヒト・モノのリソースを管理するうえで必要となる資金やコストの適切な管理は、企業経営をはじめ業務やプロジェクト運営に欠かせません。

キャッシュフローを確認し資金不足を回避しながら、必要な部分には投資をして費用対効果を図るなど、多面的な管理が必要になります。

<情報>社内データのマネジメント

情報の共有は、現代のマネジメントに求められる大きな要素です。プロジェクトに関する情報を、メンバーそれぞれが自由にアクセスできる環境を整え、リアルタイムに状況を把握し合える体制を目指しましょう。

また、情報の誤りや過多はリスクにもつながるため、活用する情報をコントロールしていくことも重要になります。

<時間>進行管理のマネジメント

時間は、チームのメンバーそれぞれで感覚が異なる概念であるため、プロジェクト全体のスケジュール共有や進捗把握が必要になります。

個々の業務遂行スピードや遅延リスクを鑑みながら、安全かつ高品質なアウトプットを実現できるよう、迅速性と安全性を両立させる進行管理が求められます。

人・組織を育てる「フィードバック」の基礎知識

企業が適切なリソース管理を行うには

企業が適切なリソース管理を行うには

最後に、企業の管理体制を維持するためには、リソースに対してどのような管理が求められるのか解説します。

適材適所の人員配置を実現する

人員の適切な配置は、リソース管理において重視すべき考えの一つです。各人材の能力や経験に合わせ、最適な業務を配分し、パフォーマンスを向上させていかなければなりません。

濃密なコミュニケーションにより理解を深めることはもちろん、他部署との連携や必要な人材の採用、研修、人事評価など、あらゆる側面からのアプローチが求められます。時には外部のコンサルタントや専門ツールも活用しながら、十分な対応をしていきましょう。

リソース管理に関する規定を設ける

情報の漏えいや資金の流失、物品の破損、労働災害など、リソースは失われる可能性があることも忘れてはなりません。組織的なリソース管理においては、規定を設けて管理することも必要です。

各リソースを運用するうえでのルールを設け、全従業員に周知していくことも、大切なリソース管理になります。

あらゆるリソースの原動力ともいえる「人的リソース」に注目

あらゆるリソースの原動力ともいえる「人的リソース」に注目

個人、チーム、部署、会社、どのフェーズでもビジネスを推進していくうえで必要不可欠なリソースについて解説しました。リソースを管理し、最適化していくことは、多角的視野で仕事にあたることにつながり、やりがいや楽しさも向上するでしょう。

なかでも人的リソースの重要性は、今後ますます重要になるとされています。より良い人材の採用、チームの編成を実現したい方は、ぜひこちらもご覧ください。

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著者プロフィール株式会社ケイ・ライターズクラブ

書籍やムック、企業系冊子、Web記事、動画など、さまざまな教養の実用書籍から企業・大学案内、エンタメ系ムック、官公庁や地方自体のWEB記事など、幅広いジャンルのコンテンツ制作をワンステップで行う編集プロダクション。採用や人事、マネジメント、転職などに関するコンテンツも多数制作している。