リモートワークとは? テレワークとの違いや企業における課題と解決方法を紹介

リモートワークとは? テレワークとの違いや企業における課題と解決方法を紹介

働き方改革や感染症対策の一環として、リモートワークは一般的な働き方になりつつあります。自宅やコワーキングスペースなど、場所にとらわれることなく働けるリモートワークは、多様な働き方を実現する方法のひとつといえるでしょう。

しかし、企業のなかにはリモートワークを導入したものの、さまざまな課題を感じているケースも少なくありません。今後、リモートワークをスタンダードな働き方として定着させたいと考える企業は、どのように課題を解決していくべきなのでしょうか。

この記事では、リモートワークを運用するなかで挙げられることの多い課題とその解決方法の一例を解説。さらに、今後リモートワークの導入を検討している企業に向けて、導入手順も紹介します。

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リモートワークとは

リモートワークとは

はじめに、リモートワークの定義を紹介するとともに、同じ意味で使われることの多いテレワークや在宅勤務との違いについても解説します。

リモートワークの定義

リモートワークとは、一般的に「会社から離れた場所で働くこと」を意味する言葉です。ただし、リモートワークは明確に定義付けられているものではなく、自宅やコワーキングスペースなどはもちろん、出張先や外出先でパソコンを開いて仕事をすることもリモートワークに含まれます。

リモートワークとテレワークの違い

リモートワークと同じような意味で使われる言葉としてテレワークがあります。厚生労働省ではテレワークのことを「ICT(情報通信技術)を活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」と定義しています。

自宅で仕事をする「在宅勤務」、外出先への移動時間などを使って仕事をする「モバイルワーク」、レンタルオフィスなどで仕事をする「サテライト/コワーキング」、主に観光地や旅行先で休暇をとりながら仕事をする「ワーケーション」の4つがテレワークとしての働き方にあたります。テレワークは実質的にリモートワークと共通する働き方ともいえるため、テレワークとリモートワークは同じ働き方として捉えられることが多いのが現状です。

参考:テレワーク普及促進関連事業|厚生労働省

リモートワークと在宅勤務の違い

リモートワークの働き方のひとつである在宅勤務は、あくまでも自宅で仕事をすることを指し、それ以外の働き方は含まれません。在宅勤務のほか、外出先やサテライトオフィス、コワーキングスペースなどで働くこともリモートワークに含まれます。


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企業におけるリモートワークの実施形態

企業におけるリモートワークの実施形態

企業におけるリモートワークの現状はどうなっているのでしょうか。総務省の調査結果を踏まえて詳しく解説します。なお、ここからは、リモートワークとテレワークを同様の捉え方とします。

総務省では2021年6月、「令和2年通信利用動向調査の結果」を発表しました。このなかで、2020年にテレワークを導入した企業は47.5%にのぼったことが分かっています。2019年の導入率は20.2%であったことと比較すると、2倍以上に増えていることが分かります。以前から進められてきた働き方改革に加えて、新型コロナウイルスの影響によってテレワークが大幅に増加したことがデータとしても裏付けられたといえるでしょう。

またテレワークを実施した企業のうち、導入形態の内訳を見ると87.4%の企業が在宅勤務であり、モバイルワークは33.4%、サテライトオフィスは10.7%となっています。2019年の在宅勤務の割合は50.4%であったことを考えると、およそ1.7倍と顕著な増加を見せていることが分かりました。これとは対照的に、モバイルワークやサテライトオフィスは減少しています。

上記のデータから読み取れるのは、従来は業務効率化や生産性の向上を目的としてリモートワーク(テレワーク)を導入する企業が多かったのに対し、2020年はBCP(事業継続計画)対策へと変化したことでしょう。

新型コロナウイルスの影響は長期化しているため、今後さらにリモートワークを導入する企業は増える可能性があるほか、新型コロナウイルスが収束した後もリモートワークを継続し、スタンダードな働き方のひとつの選択肢として定着させる企業も増加すると考えられます。

参考:令和2年通信利用動向調査の結果|総務省
参考:令和元年通信利用動向調査の結果│総務省

企業にとってのリモートワークのメリット

企業にとってのリモートワークのメリット

リモートワークは社員にとってのメリットはもちろんですが、企業にとってもさまざまなメリットがあります。今回は、代表的な4つのメリットを紹介します。

社員の定着化や採用機会の拡大

リモートワークでは社員がオフィスへ通勤する必要がなくなり、時間を有効に活用できます。また、入社時の引っ越しや転居を伴う異動など、社員にかかる負担も大幅に軽減されるでしょう。

これにより、社員のワークライフバランスは改善され、働きやすい環境を実現することで社員の定着化が期待できます。さらに、求職者に対しては、働き方改革に積極的に取り組んでいる企業として認識され、応募が集まりやすくなり採用機会の拡大が見込めるでしょう。

こうした変化に備えて、就業規則や人事制度などを見直し、働きやすい環境を整備していくことが企業に対して求められます。

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生産性の向上

リモートワークへ移行するにあたって、これまでの業務フローや業務プロセスの見直しが発生します。

たとえば、稟議(りんぎ)決裁などで書類を回していたものを、テレワークではワークフローシステムなどに移行しペーパーレス化する取り組みも求められます。業務フローの見直しによってムダな業務が可視化され、業務効率化や、生産性の向上にもつながっていくでしょう。

コストの削減

オフィスへの出勤機会が減ることによって、従来よりもオフィス面積の小規模化が可能となり、オフィス賃貸料の節約につながることが期待できます。さらに、オフィスの光熱費や社員の通勤定期代も削減できるでしょう。

BCP(事業継続計画)対策

大規模な災害や感染症の流行などによってオフィスへの通勤が難しい場合でも、自宅で通常業務が遂行できるようになります。有事の際でも事業が停止に追い込まれる心配が少なく、BCP対策につながるでしょう。

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企業にとってのリモートワークのデメリット

企業にとってのリモートワークのデメリット

リモートワークは、企業にとってデメリットとなる側面もあります。ここでは、主な4つのデメリットについて解説します。

社内コミュニケーションの低下

リモートワークでは相手が近くにいるわけではないため、上司や部下、同僚に対するコミュニケーションの量が減り、不安や孤独感を覚える社員が増加するおそれがあります。

コミュニケーション量が低下すると、組織としての一体感や連携が減り、オフィスワークに比べて業務が進めづらいと感じる社員も出てくるでしょう。また、メンタルヘルスの不調やバーンアウト(燃え尽き症候群)につながることもあります。

このような問題を解決するためには、ビデオ会議システムを活用する方法もありますが、パソコンの画面上では相手のしぐさや細かな表情まで確認することは難しいため、コミュニケーションの質は低下しがちです。

リモートワークに対応できる業務が限られる

業務によってはリモートワークにスムーズに移行できるものもありますが、すべての業務がそうとは限りません。たとえば、製造業の場合、生産設備の整った場所でないと物理的に業務を遂行できないことが多いため、出社が前提となるケースが一般的です。また、倉庫におけるピッキング作業や荷役作業なども出社が必須となります。

リモートワークに対応できる業務を担う社員は通勤の負担が軽減できますが、そうでない社員は従来通りの通勤をしなければならず、両者の間で不公平感が生まれることもあるでしょう。

マネジメントシステム全体の見直しが必要

従来の業務フローのまま、無理にリモートワークに移行しようとすると業務の遂行そのものが難しくなるケースがあります。そのため、経理システムや営業支援システム、勤怠管理システムなど、社内で運用しているマネジメントシステム全体を見直し、リモートワークへ移行できる状態かを検討し、必要に応じて新たなシステムの導入・移行を行う必要があります。

人事評価が難しい

リモートワークでは部下の仕事ぶりが見えにくいため、人事評価が難しいと感じる管理職やリーダーも存在します。また、リモートワークで一定の成果を出しているにもかかわらず、正当に評価されていないと感じ、上司や組織に対して不信感を抱く社員が現れる可能性もあるでしょう。

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リモートワークの課題を解決する方法

リモートワークの課題を解決する方法

上記で紹介したように、リモートワークではさまざまなデメリットが挙げられます。これらの課題を解決するために、企業はどのような対策を講じるべきなのでしょうか。ここでは4つのポイントに分けて解説します。

通信環境の整備とICTツール・システムなどの活用

社内コミュニケーションの低下に対しては、あらゆる場面でのコミュニケーションに対応できるよう、チャットツールやビデオ会議システムなど複数のツールを用意することが重要です。

また、自宅に通信環境が整備されていない社員に対しては、スマートフォンのテザリング機能を活用したり、モバイルWi-Fiルーターなどを貸し出したりして通信環境を確保する方法もあります。さらに、コミュニケーションツールの活用に慣れていない社員もスムーズに利用できるよう、リモートワークの制度を開始する前に研修や説明会などを開催し、使い方をマスターしてもらうことも検討しましょう。

なお、リモートワークにおいては情報漏えいのリスクが増大します。機密情報の取り扱い、パソコンの持ち出し、パソコンやスマートフォンを紛失した場合などの人為的ミスに関するマニュアルの整備や、社内システムの情報漏えいを防ぐためにセキュアウェブゲートウェイを導入するなど、適切な情報セキュリティ対策が求められます。

業務の割り振りを工夫する

リモートワークへの対応業務が限られる場合には、同じ部署やチームのなかで社員が公平にリモートワークを活用できるよう、業務の割り振りを工夫することが重要です。

たとえば、週の半分はオフィスワークの業務を行い、もう半分はリモートワークで対応できる業務へと社員をアサインするなどの方法が考えられます。これにより、幅広い社員がリモートワークを活用でき、社員間での不公平感もなくなるでしょう。同時に、リモートワークが全社に浸透するきっかけにもなります。

マネジメントシステムの見直し

リモートワークに対応したマネジメントシステムを導入するにあたっては、業務プロセス全体を見直す必要があります。

たとえば、これまで社内稟議を紙で申請していた企業は、リモートワークに対応するためワークフローシステムを導入する必要があります。しかし、システムを導入する前の段階でペーパーレス化が必須となるでしょう。

勤怠管理においては、スマートフォンやパソコンでの勤怠打刻が必須であり、残業時間はどのように管理するか、勤怠状況を把握するための方法なども検討しなければなりません。

人事評価基準や評価プロセスの見直し

リモートワークによる正当な評価を実現するためには、マネージャーの仕事を再定義する必要があります。課題を解決するために評価制度を変えると人事制度上のさまざまな不整合が起きる場合があります。そのため、社会変容や環境変化に対応した言葉の定義から始めることが重要です。そのうえで、成果を定量的に評価するとともに、仕事への姿勢など定性的な内容も評価できる仕組みへ改革することが求められます。

たとえば、ワークフローシステムや営業支援システムなどを活用し、仕事に対する進ちょくや成果をリアルタイムで把握する方法もあります。社員が抱えている問題や課題に対し、どのような解決策を考えているのかをヒアリングすることで、リモートワーク環境下であっても仕事ぶりの評価につなげられるでしょう。

リモートワークの導入方法・手順

リモートワークの導入方法・手順

リモートワークを導入する際、企業はどのような手順で進めていけばよいのでしょうか。ここでは具体的な準備項目もあわせて紹介します。

リモートワークを導入する目的の確認

まずは、リモートワークを導入する目的を決めましょう。たとえば、BCP対策が主な目的であれば緊急時に対応すべき対象業務を絞り込まなくてはなりません。リモートワークの運用方法にも関わってくるため、目的を明確化しておくことは重要なポイントのひとつです。

就業規則の確認・更新

リモートワークを導入するためには、不活動時間の占める割合、不活動時間の活動・行動様式、現実に労務を提供する回数や実稼働時間などを考慮して判断することを前提に、自社の労務提供の範囲を決定する必要があります。

労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間をいいます。リモートワークを実行する際には、所定労働時間外や休日の不活動時間についても、使用者の指揮命令下に置かれているといえるかどうかが問題になる場合があります。人事担当者は、法定上就業規則に定めるべき事項を念頭に置き、人事制度全体に及ぼす影響や人事制度上の各プロセスの整合性を考慮することが重要です。

また、人事制度は、採用、配置・異動、代謝、等級、報酬、評価、人材開発、組織開発、福利厚生など多岐にわたり、法定上定めなければならない事項以外にも就業規則に明文化して運用する必要があります。

情報セキュリティのルール制定

パソコンの持ち出しやデータ・情報の取り扱いをどのように運用するのか決めておきましょう。

情報漏えいを未然に防ぐための対策を講じておくことはもちろんですが、万が一情報流出が確認された場合や、パソコン・スマートフォンを紛失した場合のフローもマニュアル化しておくことも重要です。これにより、万が一のときでも迅速に適切な対応をとれるようになります。

なお、セキュリティリスクが高い業務は、無理にリモートワークで対応せず、オフィスワークに限定するなど柔軟に考える必要もあります。

リモートワークの実施範囲・対象業務の検討

リモートワークに適応させるべき業務の範囲や対象を決めましょう。たとえば、BCP対策を第一に考えるのであれば、企業として優先すべき業務に絞り込み、オフィスへ出社できない状態であっても業務が遂行できるよう検討します。

リモートワークの対象業務を検討する際には、リモートワークを実施する目的や情報セキュリティルールなどの観点から考えることが重要です。

リモートワークに対応した業務フローの検討

オフィスワークで運用してきた業務フローをそのままリモートワークに適応できるケースもあれば、業務フローの見直しや変更が求められるものもあるでしょう。

普段行っている業務フローを一から振り返り、現在のフローから変更しなければならない部分がないかを確認します。

ICTツールの選定・導入

リモートワークでの勤怠管理や業務フローに対応するため、ICTツールを新たに導入しなければならない場合もあるでしょう。

従来、社内システムの導入にあたっては、自社でサーバーを立ち上げ自前で運用するオンプレミス型のシステムが定番でしたが、現在はインターネット環境さえあればアクセスできるクラウド型のシステムへ移行する企業も少なくありません。リモートワークで外出先や自宅でも業務を遂行するとなると、オンプレミス型よりもクラウド型のシステムが最適といえるでしょう。

ICTツールの選定にあたっては、オフィスワークでもリモートワークでも柔軟に対応できるシステムを前提として考え、必要であればシステムの移行やデバイスのリプレイスも検討しましょう。

振り返り・改善

リモートワークを導入してから数カ月・半年といった一定期間が経過した後、これまでの振り返りを行いましょう。たとえば、当初はリモートワークに対応できると考えていた業務フローも、実際に運用してみると業務がスムーズに遂行できないケースも想定されます。

また、情報セキュリティの管理にあたって新たなセキュリティリスクが顕在化し、リモートワークに適したルールの制定や運用が求められることもあるでしょう。

リモートワークにおいて効果があったポイントや、改善の余地があるポイントをピックアップし、改善するためにどのような対策が求められるのか具体的に検討することが重要です。

自社におけるリモートワークの課題を把握し解決につなげよう

自社におけるリモートワークの課題を把握し解決につなげよう

働き方改革や感染症対策、BCP対策などでリモートワークを導入したものの、さまざまな課題を感じている企業は少なくありません。

リモートワークにおける課題の内容は企業によっても異なり、それぞれの状況に応じて多様な解決方法があります。また、実際にリモートワークを運用していくなかで見えてくる課題や、さらなる業務効率化のために改善の余地が浮かんでくることもあるでしょう。

今回紹介した課題の事例以外にも、自社で解決すべきリモートワークの課題がないかを振り返り、それに対する解決策を検討してみましょう。

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