深刻な人手不足が続くなか、「即戦力」となる人材を求める企業も多いでしょう。しかし、そもそも「即戦力人材」の定義は企業によってさまざまであり、自社ならではの基準を持ち、見極める必要があります。今回の記事では、即戦力人材の見極め方や、即戦力人材にアプローチする際のポイント、入社後に定着・活躍してもらうために押さえておきたいポイントなどを解説します。
日本最大級の「即戦力人材データベース」で
登録者を無料で検索してみませんか?
ビズリーチは、日本で初めて会員が利用料を払う「有料プラン」の提供を始めた転職サイトです。「今すぐ転職したい」人だけではなく、自らの「市場価値」や「新たな可能性」を知るために利用する人など、キャリア形成に意欲が高い会員が多く登録しています。
下記のリンクをクリックすれば、貴社の求める人材がビズリーチのデータベースにどのくらい登録されているか、「デモ画面を検索」できます。
即戦力とは

企業における「即戦力」とは、入社して間もない段階から教育や研修を受けなくても、経験や知識、スキルをもとに、その人が持つ能力で会社から期待される役割を果たせる人材を指すケースが多いでしょう。
業務上求められる知識や経験が備わっていることはもちろんですが、新しい環境で結果を出すためには、コミュニケーション力や適応力、その人材の人間性なども重要な要素となります。そのため、即戦力人材の多くは実務経験がある中途採用者として入社するケースが一般的です。
ただし、IT関連など一部の専門分野においては、専門的な資格やスキルを身につけていれば、新卒社員であっても即戦力として「職種別採用」を行う企業も存在します。
即戦力が求められている背景
これまで多くの日本企業では、終身雇用制度の下で、長い時間をかけて一つの会社のなかで先輩や上司の指導を受けながら成長していくキャリアプランが主流でした。そして、現場の社員が担当業務をしながら新人教育にも時間や労力をかけることのできる体制上の余裕があったともいえるでしょう。
しかし、現在では労働力人口の減少や、生産性向上の点などから人材育成に費やす時間やコストが限られている状況になっていること。このような状況からも、即戦力のニーズが高まっていくでしょう。
【無料】ビズリーチのデータベースで自社に必要な人材が登録されているか検索してみませんか?⇒159万人以上の優秀な人材が登録するデータベースで検索してみる
転職希望者のうち、実際に活動しているのは半数以下
厚生労働省が2019年9月に発表した「中途採用に係る現状等について」によると、正規雇用者のなかで転職を希望している人の割合は全体の1割程度にとどまっています。さらに、転職希望者のなかでも、実際に転職活動をしている人は半数以下となっており、「転職を希望しているものの、実際には行動に移していない」人が多いことが明らかになりました。
転職希望者の現状(正規雇用労働者における転職希望者の内訳)

即戦力となる人材の心理

企業が即戦力となる人材を採用するためには、まずは候補者が会社を選ぶ際に重視している要素を把握し、効果的にアプローチすることが必要となります。
転職者が重視する軸とは
「転職軸」とは、求職者が転職する目的や転職先企業を選択する際に重視する条件の種類です。即戦力人材に限ったことではないですが、候補者にアプローチする際、採用担当者はまず、候補者の転職軸が何かを把握しておくことが重要です。
転職軸は大きく、「人軸」「仕事軸」「会社軸」「待遇軸」の4つに分類されます。
人軸
社長などの経営層や一緒に働く社員、職場の雰囲気などが「人軸」にあたります。職場における人間関係も重要な要素となります。
仕事軸
入社後のキャリアパスや習得できるスキル、仕事の裁量権などが「仕事軸」にあたります。自身が持っている資格や経験を生かせるか、希望する業種や職種であるかも重要となります。
会社軸
会社のブランド力や業績、今後の成長性などが「会社軸」にあたります。ネームバリューを求めて大企業を希望する転職者もいれば、成長性や仕事のやりがいを求めてベンチャーやスタートアップ企業を希望する転職者もいます。
待遇軸
給与や人事評価制度、福利厚生、就労条件、オフィス環境などが「待遇軸」にあたります。福利厚生については、制度だけでなく、実際の利用実態(育児休暇の取得率など)もポイントとなります。
▼「4つの転職軸」の詳細や転職軸別の効果的なアプローチ方法を知りたい方は、こちら▼
転職活動時に抱く不安とは
株式会社ビズリーチが行った調査によると、転職活動をする際に不安を抱くこととして、「自分の市場価値がどれほどなのか」「これまでの自分の経験やスキルが通用するか」といった項目が上位にランクインしています。また、転職軸別に順位に差はあるものの、どの転職軸においても半数を超える、共通した不安のようです。
企業の採用担当者から見れば経験豊富で即戦力として通用する人材であっても、新たな環境で働くことに不安を抱いている人が一定数いることが分かります。

転職活動をする際、不安に思うこと(転職軸別)※上位3つを抜粋
【無料】ビズリーチで「年収600万円」の人材を2名採用すると、どのくらいの費用がかかる?⇒コストシミュレーションを確認してみる
即戦力人材へアプローチする際のポイント
慢性的な人手不足が続くなか、即戦力となる人材を多くの企業が欲しています。そのため、企業側から積極的にアプローチし、自社に興味を持ってもらう努力が欠かせません。即戦力人材に対してどのような点に注意してアプローチをすべきなのか、押さえておきたいポイントを紹介します。
求めるスキルや経験を明確にする
即戦力人材を採用するには、転職に向けた不安を取り除き、「活躍のイメージを湧かせる」ことが大切です。
特に、転職者が抱きやすい「これまでの自分の経験やスキルが通用するか」という不安に対しては、「自社がどのような人材を求めているのか」を明確に示す必要があります。
具体的な仕事内容を紹介したうえで、なぜ候補者がスカウトやアプローチの対象となったのかが伝わるよう、具体的に経緯や背景を伝えます。そのうえで年収などの待遇が提示されることで、「スカウトの理由」や「自分の市場価値」などの漠然とした疑問や不安が解消され、新たな環境での挑戦を前向きに考えるきっかけとなるでしょう。
求める人材をどう探すか
即戦力人材の採用を成功させるには、自社の求める人材といかに出会い、アプローチできるかが重要です。候補者の経験やスキル、資格などの経歴と、自社の求める人材要件がマッチすることで入社後の活躍が期待できます。
採用手法にはさまざまなものがありますが、たとえば人材紹介会社であれば、求める人物像の条件に合った人材を紹介してもらいやすいでしょう。また、人材紹介会社の担当者は候補者とコミュニケーションがとれるため、志向や価値観など、書類だけでは読み取れない部分も判断しながら、企業と候補者のマッチングを支援してくれます。
ただ、人材紹介会社を仲介する場合、企業は条件に合った人材を紹介してもらえるまで待たなければならないため、急いで即戦力人材を採用したい企業には不向きでしょう。
なるべく早く即戦力人材を探すには、複数の採用チャネルを活用するのも一つの手です。転職サイトに求人を出したり、自社の採用ページに求人を出したりするのもよいでしょう。
また、ダイレクトリクルーティングによる採用なら、転職を希望する人材だけでなく、条件が合えば転職したいと考える「転職顕在層」も登録する人材データベースから、自ら求める人材を探し、採用したいタイミングで直接候補者にアプローチすることが可能です。経験やスキルを問う即戦力の採用に適した手法といえるでしょう。
【無料】ビズリーチのデータベースで自社に必要な人材が登録されているか検索してみませんか?⇒159万人以上の優秀な人材が登録するデータベースで検索してみる
会社の状況を正直に伝える
たとえば「新規事業をスタートさせたいが、実務をリードできる人材が社内にいない」といったように、会社の状況を正直に伝えることも重要です。
求職者は、企業が求めているスキルや経験があるだけではなく、「本当にその会社にとって自分が必要とされている」ということが分かるほか、その会社に入社した後で自分は何をすればよいのか、明確なミッションや役割も把握できるためです。
面接における即戦力人材の見極め方

採用面接において即戦力人材を見極めるためには、スキルや経験以外にも重視すべきポイントがあります。ここで紹介するポイントを参考に、自社の求める即戦力人材とマッチするかどうかの判断に生かしてください。
専門的な知識や経験の有無
ここまで解説してきたとおり、即戦力人材とは入社後すぐに活躍できる人材を指すため、業務に必要な専門知識やスキル、実務経験は欠かせません。
たとえば即戦力となるシステムエンジニアを採用したい場合、開発チームの管理経験や扱えるプログラミング言語の種類をヒアリングするなどして、求めるスキルや経験が豊富にある人材かどうかを見極めましょう。
仕事を進めるうえでのこだわり
即戦力となる人材は既に実務経験や実績がありますが、前職でのやり方や考え方に固執してしまうと、それが裏目に出てしまい、組織になじめないなどの問題につながることもあります。
面接では、業務やプロジェクトの進め方についてヒアリングをし、自社の方針と大きな違いはあるかなどを確認します。違いがある場合は、自社の進め方や方針を伝えたうえで、理解や共感を測るとよいでしょう。また、これまでの経験との違いを比べるだけではなく、新たな業務への挑戦意欲や柔軟性を問う質問も有効です。
自発的に考えられる人材か
即戦力人材は目の前にある課題や目標をこなすほか、ときにイレギュラーな出来事にも対応せざるをえないことがあるでしょう。会社から今期待されている役割を全うするだけではなく、さらにその次を自ら考え、自発的にリードするマインドが必要です。
理想と現状を分析してギャップを埋められるか
多くのビジネスパーソンは業務遂行にあたり、個人やチーム、企業の目標の達成に向けて、何をいつまでにどのように進めていくか、という計画を立てるかと思います。その際、理想と現状を適切に分析し、それらのギャップを埋めるため、いかに行動できるかが大事です。
たとえば、「未開拓の分野に進出して○○年までに軌道に乗せたい」といった課題があった場合、まず何から動き出すべきか、リソースは足りるのか、スケジュールは現実的かなど、現状を把握した後に、実行ベースでプランを立てて実行できる人材かどうかを見極めましょう。
社風に合う人材か
スキルがあり実務経験が豊富な人材であっても、社風に合わないと人間関係の構築が難しく、環境になじめず、本来の能力を発揮できないでしょう。その結果、早期退職に至るケースもあるため、スキルや経験と同じように「自社の方針や考え方、価値観に合う人材であるか」を見極める必要があります。
面接の際には、自社にはどのような人材が多いか、企業理念や経営方針なども紹介すると分かりやすいでしょう。ただし、抽象的な言葉で社風を説明しても十分に伝わらないことも多いため、具体的なエピソードを交えて伝えるのが効果的です。
【無料】ビズリーチのデータベースで自社に必要な人材が登録されているか検索してみませんか?⇒159万人以上の優秀な人材が登録するデータベースで検索してみる
即戦力人材の定着・活躍に向けた4つのポイント

即戦力人材の採用に成功したとしても、入社後の受け入れ方が適切ではない場合、早期退職につながることになりかねません。ここで重要になるのがオンボーディングです。
オンボーディングとは直訳すると、「船・列車・飛行機に乗り込んでいる」という意味になります。そこから派生して人事用語としては「新入社員を職場に配置し、組織の一員として定着させ、戦力化するまでの一連の受け入れプロセス」のことをいいます。
オンボーディングを適切に行うことによって、新人社員も早期に組織になじみ、本来持つ力を早期に発揮できます。その結果、早期離職の防止につながることも期待できます。
ここでは、入社後に意識すべきオンボーディングのポイントを4つ紹介します。
セルフエフィカシー
「セルフエフィカシー」は、心理学用語で「自己効力感」といい、ある目標を達成する能力があるという認知(成田ら、1995)を意味します。つまり「自分が組織の役に立っているという実感」と言い換えてもよいでしょう。自己効力感を上げるためには、転職後の小さな成功体験の積み重ねが有効になります。
明確化した役割
自分自身がどのような仕事をし、どのような役割を果たすかについて正しく理解することです。また、自分が何によって評価されるかを理解する、という意味でもあります。期待される役割が明確で、本人がそのことを正しく把握できていることが、その後の活躍に影響を与えます。
社会化
会社やチームなどの一員になることを示しています。その会社に入社したからといって、直ちに会社やチームから認められるわけではありません。さまざまな人々と関わり、そのなかで暗黙の了解を含んだルールや非公式的な役割などを学ぶことによって、会社の一員であると周囲からみなされます。このプロセスを社会化といいます。
組織文化の理解
会社やチームには、ルール以外にも求められる価値観や行動スタイルなどがあり、それらは組織の風土や文化につながっています。また、それはリーダーやメンバーによって影響されることもあるため、会社単位、チーム単位で異なるものです。新入社員に限った話ではないですが、組織が変われば適応していく必要が出てきます。
これらの項目に適応していくことで、以下のような効果を得ることができ、定着と活躍の成功につながります。
- 高い職務満足度
- 高い組織コミットメント(会社への愛着や貢献心)
- 低い離職率
- 高いパフォーマンス
- 効果的なキャリア構築
- 低いストレス
即戦力人材自身が入社後乗り越えるべき4つの課題

新入社員が早期に戦力となるには、「受け入れる側」のサポートだけでは難しいでしょう。本人自身が乗り越えるべき学習課題として、次の4つがあるといわれています(中原淳著『経営学習論』)。これらの課題を企業側もしっかり認識することで、より適切なサポートができるでしょう。
人脈学習課題
業務を円滑に進めるために必要な組織内の人脈を獲得すること
学習棄却課題
以前の組織で学んだ知識やスキル、経験を必要に応じてアンラーン(学習棄却)すること
評価基準・役割学習課題
新しい職場で何を期待されているのか、何をすれば評価されるのかなどを自らリサーチすること
スキル課題
新しい組織で業務に必要な知識やスキルを身につけること
即戦力人材の採用成功に向けて企業がすべきこと

即戦力という言葉を聞くと、実務経験やスキルが豊富で「入社後すぐに仕事で活躍してくれる人材」をイメージする人が多いのではないでしょうか。そのため、スキルや経験が重視されがちです。しかし、入社後すぐに能力を発揮してもらうには、その人材の性格や仕事に対する考え方、価値観なども十分に考慮しないと、社風に合わず早期退職につながるおそれもあります。
即戦力だからといってフォローアップが不要ということではありません。受け入れる風土やサポート体制が不十分だと、スキルや経験があっても十分に発揮できず、モチベーションが低下する可能性もあるでしょう。アプローチの段階はもちろん入社後にその能力を発揮できるような環境・条件を整えておくことができるかを、企業は十分に考える必要があります。
ビズリーチは、データベースから自ら探して人材を直接スカウトできるので、書類選考や面談でのミスマッチを減らせます。下記のリンクから、159万人以上の優秀な人材が登録するデータベースをお試しください。
159万人以上の優秀な人材が登録するデータベースを試してみる

20,000社以上(※)に選ばれた「ビズリーチ」のデータベースの中から、業種や職種など6つの条件を組み合わせ、簡単かつその場で貴社の採用要件に合った人材の人数を簡単に確認できます。※累計導入企業数:2022年4月末時点