採用スケジュールの組み方と最新動向を解説、時期ごとの準備内容・策定ポイントも紹介

新卒者を採用する場合、一般的に4月の入社に向けて採用広報やエントリーの受け付け、採用面接、内定出しといった採用スケジュールに沿って進められます。従来、採用スケジュールに関するルールは日本経済団体連合会(経団連)が決めていましたが、2021年卒から政府が主導となる方針へ転換されました。しかし、就活ルールに変更があったのかどうかを把握していなかったり、各時期にどのような準備をするべきか分からなかったりという採用担当者も少なくありません。

本記事では、最新の新卒採用スケジュールのルールと採用スケジュール策定の流れやポイントを解説します。また、夏季・秋季・冬季・春季と時期ごとの準備内容やポイントも紹介しているので、採用したい人材に向けた効果的なアプローチの参考にしてください。


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新卒採用スケジュールの動向

新卒採用スケジュールの動向

新卒者を対象とした採用スケジュールは、学業や学校生活に影響を与えないようにするために一定のルールのもとで組まれるのが慣例であり、それに沿って採用活動を行う企業が多い傾向にあります。

経団連は新卒採用スケジュールのルールとなる「採用選考に関する指針」を定めていましたが、2021年卒採用からは政府が主導となって就活ルールを決めています。

2020年卒までの採用スケジュール

従来、経団連が定めていた採用スケジュールは以下の通りです。

  • 広報活動:卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
  • 選考活動:卒業・修了年度の6月1日以降
  • 内定日:卒業・修了年度の10月1日以降

たとえば、大卒者を採用する場合、大学3年の3月から会社説明会など、採用における広報活動が解禁されます。その後、大学4年の6月に採用面接などの選考活動がスタートし、最短でその年の10月には内定が決定するスケジュールとなっています。

2021年卒から政府主導の採用スケジュールへ変更

冒頭でも述べたように、2021年卒からは経団連による就活ルールが廃止され、政府が主導となって採用スケジュールを定めることとなりました。

ただし、急なスケジュール変更となると企業側の準備が間に合わないことや、学生にとっても混乱をきたすことから、2023年卒までは従来の採用スケジュールで運用されることとなり、2024年卒もおおむね変更なしとされました。

就活ルールが変更された背景・理由とは

これまで経団連主導で決められてきた採用スケジュールが廃止され、なぜ政府主導のもと決められることとなったのでしょうか。

それは、経団連が従来型の新卒一括採用だけでなく、新卒・既卒の垣根を設けず、年間を通して採用活動を行う通年採用も拡大していく方針を打ち出したことが理由のひとつに挙げられます。

また、従来の採用スケジュールは、あくまでも経団連に加盟している企業が中心となって慣例的に運用されてきました。なぜなら、上記の採用スケジュールに沿っていなくても罰則はなく、企業によっては6月より前のタイミングで面接を行ったり、面接ではなく「面談」としてインターン実施と併わせて実質的な選考を行ったりする企業もあったためです。

2024年卒の新卒採用スケジュール

2024年卒の新卒採用スケジュール

政府主導となって定められる採用スケジュールはどのようになるのでしょうか。

政府は、2024年卒の採用スケジュールについて「3月1日以降に広報活動(会社説明会等)開始、 6月1日以降に採用選考活動(面接等)開始、10月1日以降を正式な内定日」とすることを発表しました。

従来のように春採用のみの場合、経団連の採用スケジュールと変わりはありませんが、これはあくまでも推奨される採用スケジュールにすぎません。実際には「優秀な学生を他社に採られる前に採用したい」という考えから、採用スケジュールを前倒しにする企業も多いのが実情です。

そこで、スケジュールを前倒しにしている企業や経団連に加入していない企業が行うスケジュール例を以下で紹介します。今回は、春採用のみのパターンと、春採用・秋採用を行うパターンの2つに分けて採用スケジュールの一例を紹介しましょう。

春採用のスケジュール例

  • インターンシップ:2022年6月〜2023年2月
  • 広報活動開始:2022年6月〜2023年5月
  • 採用選考活動開始:2023年2月〜5月
  • 内定出し:2023年3月以降

春採用の場合、多くの企業が採用活動を行うことから、できるだけ早い時期から採用活動をスタートすることで、自社にマッチする新卒者を採用できる可能性が高まります。

学生が夏休みに入る7月から8月のタイミングと、冬休みの12月から1月のタイミングでインターンシップを行い、早期に求職者へアプローチし、内定まで決めてしまう企業も少なくありません。

春・秋採用のスケジュール例

  • インターンシップ:2022年6月〜2023年2月

【春採用】

  • 広報活動開始:2022年12月〜2023年2月
  • 採用選考活動開始:2023年2月以降
  • 内定出し:2023年3月以降

【秋採用】

  • 広報活動開始:2023年6月〜2023年8月
  • 採用選考活動開始:2023年7月以降
  • 内定出し:2023年8月以降

経団連が促す通年採用は実施したいものの、採用活動のリソースが限られているため年間を通しての採用は難しい企業も少なくありません。

そこで、春だけでなく秋のタイミングでも採用機会を増やし、留学生やグローバル人材の採用を狙う企業もあります。

採用スケジュールを策定する際の流れ

採用スケジュールを策定する際の流れ

採用スケジュールの策定にあたっては、企業はどういった流れで進めていけばよいのでしょうか。まずはスケジュールを作成する前に行うべき基本的な項目を3つ紹介します。

採用したい人物像の明確化

はじめに、どういった人材を採用したいのか、具体的な人物像を明確化しておきます。

人物像を明確化しておくことで、アプローチすべき学生を絞り込むと同時に、採用スケジュールを部活動の引退時期に合わせるなど計画が立てやすくなります。

たとえば、学歴や保有資格、何を専攻してきたか、人柄などをできるだけ具体化することが重要です。また、採用する具体化した人物像を社内で共有し、共通の認識を持っておくことも大切といえます。

採用戦略の構築

限られた採用スケジュールのなかで計画通りに採用を進めるためには、人物像に合わせた採用戦略を立てる必要があります。

たとえば、キャリア志向が強い求職者を採用するためには、人材育成やスキルアップのために行っている研修や資格取得支援制度などをアピールすることも採用戦略のひとつです。他社にはない自社の魅力を考え、言語化することを意識しましょう。

採用スケジュールの作成

広報活動と選考活動、内定出しの時期を決定し、採用スケジュールを作成します。

採用スケジュール作成のポイントとしては、選考や内定の大まかなスケジュールが決まった段階で逆算し、詳細なスケジュールを立てておくことです。

採用活動は長く、実施する施策も多いものです。そのため、構築した採用戦略に沿ってスケジュールを作成し、取りこぼしがないように詰めていきましょう。


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採用スケジュールを組む際のポイント

採用スケジュールを組む際のポイント

円滑な採用活動を行うためには、対象者に合わせた採用スケジュールを組むことも重要です。採用スケジュールを組む際には、どういったポイントに注意すべきか解説します。

部活動の引退時期に合わせる

学校で部活動に打ち込んできた学生は、大学生の場合は大学3年の冬ごろ、高校生の場合は高校3年の夏ごろに部活動を引退し、本格的な就職活動をスタートさせるケースが一般的です。

そのため、特に部活動が盛んな学校では、これより前のタイミングに募集をかけてもエントリーが集まりづらいことも多いため、インターンシップや採用活動は、部活動を引退するタイミングで開始するとよいでしょう。

また、企業によっては、同じ部活動出身のOBが社内にいる場合に、後輩である学生を直接勧誘するといったケースもあるようです。

公務員試験の合格発表以降

求職者から根強い人気を誇る公務員になるための公務員試験は、夏から秋ごろにかけて合否結果が発表されます。惜しくも不合格となった求職者は民間企業への就職活動をスタートさせることも多いでしょう。

秋の終わりごろから冬にかけてのタイミングでエントリーを受け付けていれば、公務員試験に不合格となった求職者を採用できる可能性もあります。

大手企業よりも前にインターンシップを実施

大企業の多くでは、毎年6月から翌年2月ごろをめどにインターンシップが実施されます。

中小企業は大企業に比べて知名度が低いことや、採用にかけられるコストも限られていることなどから、採用活動に苦戦するケースも少なくありません。

そこで、インターンシップの開始時期を4月や5月に早めることで、大手志望の求職者に対して早期にアプローチでき、自社の志望度が上がる可能性も期待できるでしょう。

競合他社の採用スケジュールを確認

採用活動を成功させるための最後のポイントとしては、自社と同じ業種や地元のライバル企業など、競合他社の採用スケジュールを確認しておくことが挙げられます。

同じ業種の複数企業へエントリーしている求職者もいるため、他社よりも早いタイミングで採用活動をスタートできれば、早期に内定出しができる可能性を高められます。

時期ごとの準備内容と準備するうえでのポイント

時期ごとの準備内容と準備するうえでのポイント

春採用の採用スケジュールを前提に考えたとき、どの時期にどういった準備を企業はしておくべきなのでしょうか。以下の就活ルールに従った場合の準備・ポイントを時期別に解説します。

  • インターンシップ:2022年6月〜2023年2月
  • 広報活動開始:2023年3月〜2023年5月
  • 採用選考活動開始:2023年6月以降
  • 内定出し:2023年10月以降

夏季(6月~8月)

  • 前年の採用活動の振り返り・採用計画の策定

前年度の採用活動を振り返り、課題の洗い出しや改善点を挙げ、今年度はどういった人材を何名採用すべきか、などの採用計画を立てます。

ポイントは、競合他社がどのように自社の魅力をアピールしているか、その伝え方を自社と比較したうえで、採用方法にどういった違いがあるのかも見ておきましょう。

注意点は、「求職者のニーズ」です。時代とともに求職者の価値観は変化しているので、テレワークやフレックスタイム制度など、求職者のニーズに沿った勤怠制度などを用意しているかを振り返っておきたいところです。

  • 夏のインターンシップ実施

夏休みを利用してインターンシップへ参加する学生も増加します。夏季は学生とコミュニケーションを取り、インターンシップそのものを運営したりする時期でもあります。

準備するうえでのポイントは、秋季や冬季に比べると、夏季はインターンシップへの参加がしやすいため、日程や募集時期、募集方法なども早い段階からあらかじめ決めておき、余裕をもったスケジュールを組んでおくことです。

  • 秋冬のインターシップの準備

夏のインターンシップの運営と並行して、秋冬に行うインターンシップの計画も立てておく必要があります。

秋冬のインターンシップの準備のポイントは、夏のインターンシップへの応募状況なども参考に、応募者数を予測しておくことに加え、秋冬のインターンシップを実施する目的・効果をしっかり検討することです。


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秋季(9月~11月)

  • 秋季インターンシップの実施

夏季の段階から準備していたインターンシップを実施します。夏に引き続き、秋もインターンシップを実施する企業は少なくありません。

秋のインターンシップのポイントは、夏に比べると参加人数が減少傾向にあるため、自社へのエントリーに結びつくように参加した学生へのフォローが重要です。たとえば、仕事内容や自社の雰囲気をできるだけ具体的に把握できるよう、長めにインターンシップの期間を設けたり、参加後にアンケートなどを実施して不明な点や心配な点をフォローしたりすることもポイントとなるでしょう。

  • 採用広報計画の策定

採用広報が解禁される3月に向けて、広報活動の計画を立てておきます。具体的には、自社採用サイトや就職サイトへ掲載する内容はもちろんのこと、掲載するメディアの選定なども計画に含まれます。

採用広報計画のポイントは、ターゲットとなる求職者に応じて掲載内容やメディアを選定することです。たとえば、新しい採用手法に興味を抱く求職者が多いと想定される場合には、SNSの活用やオウンドメディアへ記事を掲載するなど、トレンドに合わせた手法を取ることもひとつの方法といえるでしょう。

  • 採用ツールの準備

インターネット媒体での採用広報だけでなく、リーフレットやパンフレットといった採用ツールの準備にも取り掛かっておく必要があります。

ポイントは、準備した採用ツールを配布する学校や施設などをピックアップし、どの程度の枚数を確保しておくのかを把握するとともに、掲載する内容も吟味しておく必要があるでしょう。インターネット媒体のようにすぐに編集ができるものではないため、記載内容に誤りがないかを入念にチェックしておかなければなりません。

注意点は、リーフレットやパンフレットの印刷にも時間を要するため、印刷会社に確認のうえ採用スケジュールに間に合うように準備を進める必要があります。

冬季(12月~翌年2月)

  • 冬季インターンシップの実施

冬休みを利用してインターンシップへ参加する学生へのフォローやインターンシップの運営を行います。

夏のインターンシップは長期間にわたって仕事を体験できるものが多いですが、冬の場合は1日または数日間と短期間のインターンシップを行う企業が多い傾向にあります。

そのため、冬休みの間に複数の企業のインターンシップに参加する求職者も少なくありません。

ポイントは、短期間であるため、自社の強みや魅力を簡潔に紹介し、求職者に少しでも興味をもってもらえるような説明をすることです。

  • 面接官の準備・研修の実施

6月以降に実施する採用面接に向けて、この時期から面接官の準備が必要になります。誰を面接官として任命するかを決めることはもちろんですが、面接官向けの研修やトレーニングを継続的に行い、採用活動を強化するためのスキルを磨いてもらうことも重要です。

ポイントは、面接官の準備には他部署や経営層の協力を仰ぐことも多いため、できるだけ早めに相談や打診をしておくことです。また、部署ごとに何人の面接官が必要なのかも明確にしておきましょう。

  • 会社説明会の会場確保

広報活動開始となる3月以降に実施される会社説明会に向けて、会場を予約しておきます。一口に会社説明会といってもその規模はさまざまで、自社のオフィス内で実施できる小規模なものから、大きな会場を貸し切って行わなければならないものまであります。企業規模によっても必要な会場の規模は異なるでしょう。

注意点は、大規模な会場ともなれば、冬の時期よりも前の段階で確保しておかなければすでに埋まっているということも考えられるため、早めに確認しておくことが重要です。


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春季(3月~5月)

  • 広報活動解禁

求人サイトなどに求人情報を公開する、自社採用サイトのオープン、エントリーの受け付けをスタートするなどして、採用広報を解禁します。

広報活動のポイントは、どの程度のエントリーが予想されるかあらかじめ想定しておき、応募状況や選考状況が当初の予定通りかどうかを確認しておくことです。もし、広報活動をスタートさせたものの予定通りではない場合には、早急に対策を立て改善を図る必要があります。

  • 会社説明会

自社独自の会社説明会や、求人イベントなどへの出展を行います。

ポイントは、冬のインターンシップと同様に、少しでも自社に興味をもってもらえるような内容を心がけることです。たとえば、自社の経営理念やビジョンを学生にも分かりやすく具体的に説明することはもちろんのこと、働き方改革への取り組みやキャリアアップ支援、他社との差別化などをアピールすることも重要といえるでしょう。

感染症対策で想定される採用スケジュールへの影響

感染症対策で想定される採用スケジュールへの影響

2020年以降、新型コロナウイルス感染症の流行によって採用活動にも大きな変化がもたらされました。

2020年に比べて新型コロナウイルスの感染状況・脅威は落ち着きつつあり、従来のような大きな混乱が起こるリスクは低くなったといえるでしょう。

しかし、ふたたび感染拡大の大きな波が到来したり、災害やその他の要因によって採用スケジュールに影響が出たりする可能性は否定できません。先が見えない状況に変わりはないことから、採用スケジュールを組む際にはオンライン説明会やWeb面接の準備も並行して進めておくなどの対策が求められるでしょう。

あらかじめこれらの準備をしておけば、万が一、説明会や面接の会場が借りられなくなったり、出社が制限されたりした場合でも円滑に採用活動を進められます。

最適な採用スケジュールを検討しよう

最適な採用スケジュールを検討しよう

今回紹介してきたように、従来の採用スケジュールは経団連が定めたルールに沿って運用するケースが多かったものの、今後は政府主導によって採用スケジュールが定められる方針へ転換されました。

ただし、あくまでも採用スケジュールは推奨されるものにすぎず、必ずしも政府が定めたスケジュールに沿わなければならないということではありません。

実際に、早期に人材を採用するために採用スケジュールを早める企業も多いほか、新卒や中途採用の垣根を設けない通年採用を導入する動きが広まっていることも事実です。

まずは自社が求める人材を明確化し、採用戦略を構築した後、どのタイミングで採用広報や面接、内定出しを行うべきかを考え、自社にとって最適な採用スケジュールを検討しましょう。

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著者プロフィール株式会社IKUSA

デジタルマーケティング事業を展開し、Webサイトの制作・運用・分析、記事・DL資料・メールマガジンなどのコンテンツ制作などを行う。2021年12月時点、自社で7つのオウンドメディアを運用し、月間合計600件を超えるコンバージョン数を達成。