労働力人口の減少により、多くの企業が採用活動に課題を感じていることでしょう。そもそも採用活動とは、どのような活動を指すのでしょうか。その目的や基本的な進め方、押さえるべきポイントを知ることで、課題解決の糸口が見つかるかもしれません。
本記事では、現在の採用市場の状況と採用活動の基礎知識を、わかりやすく解説していきます。また、テクノロジーの進展、働き方改革、新型コロナウイルス感染防止対策などの影響で、採用活動の手法も多様化しています。今注目されているトレンドの採用手法も併せて紹介します。
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採用活動とは

「採用活動」と聞くと、「求人を出す」「面接をする」などの活動をイメージする方が多いかもしれません。もちろんこれらも採用活動の一部ですが、採用活動にはもっと多くの工程があります。基本的なステップについて詳しくは後述しますが、採用活動とは、「採用計画の策定」から「入社後の定着を図る」までの一連のプロセスを指します。
企業が採用活動を行う目的
まず採用活動は、「人手が足りないから採用する」という単純な目的で行うものではありません。採用活動の本来の目的は、「企業の目標・ビジョンを達成するために不足している人材を補う」ことです。
例えば、「年間売り上げ10億円」という目標があったとしましょう。しかし現状の人員では、9億円までの売り上げしか見込めないときに、「あと1億円の売り上げを達成するために人員を補充する」というのが、採用活動と呼べるものです。
採用活動は事業計画を基に考える
企業の目標やビジョンを達成するための具体的な行動を示したものが、事業計画です。採用活動は、事業計画を基に考えていきます。まず、企業戦略の構造を確認しましょう。

事業計画をどう進めていくのかを示したものが組織戦略、組織をどのような人材で構成するのかを示したものが人事戦略です。上の図からわかるように、人事戦略が基盤となります。
この構造を念頭に、目標・ビジョンを達成するために、どのような人材をいつまでに採用すればよいのかを考えていく必要があります。
採用活動がもたらす効果
新たな人材の採用は、企業の活性化にもつながります。採用活動は、企業を発展させるための事業の一つといえるでしょう。採用活動がもたらす主な効果としては、以下の3つが挙げられます。
- 技能・ノウハウの伝承
企業を支えてきてくれたベテラン社員が定年を迎え退職すれば、これまでに培われてきた技能やノウハウがそこで途切れてしまいます。新たに人材を採用し、これらを伝えていくことで、企業を持続的に発展させられます。
- 既存社員の成長促進・モチベーション向上
新入社員を指導するなかで、新たな発見や気づきが生まれることもあるでしょう。また、新入社員と年齢が近い場合は、「負けられない」という気持ちが芽生えることもあるかもしれません。結果、既存社員の成長促進やモチベーションの向上につながります。
- 社内コミュニケーション活性化
新しい人材を受け入れるときは、職場全体で育成・サポートをする必要があります。自然と社内コミュニケーションが活発になり、一体感も生まれるでしょう。
現在の採用市場の状況

実際に採用活動を行う前には、採用市場の現状を把握しておくことが重要です。
求人件数よりも求職者数が少なく、求職者側が有利な状況を「売り手市場」、求人件数よりも求職者数が多く、企業側が有利な状況を「買い手市場」といいます。好景気のときは売り手市場に、不景気のときは買い手市場になる傾向があります。業界や職種で採用市場の状況は異なるので、それぞれしっかりと把握しておき、どうすれば自社の強みをアピールできるのかを分析することが大切です。
採用活動の基本的な流れやポイントを解説する前に、近年の採用市場の状況を紹介します。
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2022年4月の有効求人倍率は?
有効求人倍率とは、求職者1人に対する求人の件数のことです。厚生労働省が発表した2022年4月の有効求人倍率は、1.23倍でした。

出典:一般職業紹介状況(令和4年4月分)について|厚生労働省
上図のとおり、有効求人倍率は2021年4月以降緩やかに上昇し続けています。新型コロナウイルスの流行前と比較するとまだまだ低い状況ですが、今後は求職者側が有利な売り手市場の傾向がより強まっていき、採用が難しくなると予想されます。
新型コロナウイルスが採用活動に与えた影響とは
前項の図を見てもわかるとおり、新型コロナウイルスは採用活動へ大きな影響を与えました。業績の悪化により採用人数を減らしたり、採用活動を中断したりする企業も少なくありませんでしたが、最近は徐々に採用活動を活性化させる動きがみられるようになってきています。
株式会社ビズリーチが2020年4月に実施した中途採用活動に関するアンケート(回答数:348)では、31.1%の企業が「一部の採用活動を停止」、9.8%の企業が「全面停止」と回答していました。
しかし、2021年10月に実施したアンケート(回答数:296)では、2022年1月から3月末までの中途採用活動は「活性化する」との予想が9割を超える結果となっています。
【2021年10月のアンケート結果】

また、同調査内の別のアンケート(アンケート実施:2021年10月 回答数:450)でも、30.0%の企業が2022年1月から3月末までの中途採用の規模を「拡大する」と回答しており、「縮小する」(6.0%)を大きく上回りました。

さらに、2021年に転職市場や求職者に対して感じた変化(回答数:293)としては、「在宅勤務を希望する求職者が増えた」(73.0%)との回答が最も多くなっています。

出典:ヘッドハンターの9割、2022年1月〜3月の中途採用「活性化する」と予測 | ビズリーチ
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新卒・中途の採用活動の違い

採用活動は主に、新卒採用と中途採用の2種類に分けられます。ここからは、それぞれの目的や、メリット・デメリットなどの特徴を見てみましょう。
新卒の採用活動
新卒採用は、大学や専門学校などを卒業する学生を対象に行うものです。毎年決められた時期に、一定数の人数を一括で採用します。企業の持続的な発展のための人員強化、将来のリーダー・幹部候補の育成、新しい社員を加えることによる企業の活性化などを目的として行われます。
メリットとしては、自社が社会人として初めての就業となるので、企業文化の浸透度が高い、適応能力が高い傾向にあるという点が挙げられます。
一方、デメリットは、戦力になるまで時間と育成コストがかかるという点です。また、新卒の採用活動は決められたスケジュールに沿って行わなければなりません。これまでは、日本経済団体連合会が定めたスケジュールに基づいて行われてきましたが、現在は政府主導となっています。新たなルールを策定するための議論が進められていますが、2023年卒までは現行ルールのまま行われることが表明されています。
【新卒採用(大学卒)の大まかなスケジュール】
- 3月:採用広報活動開始
- 6月:選考開始
- 10月:内定
- 翌年4月:入社
中途の採用活動
中途採用とは、就業経験のある人材を採用することです。退職により欠員が生じたときや、事業を拡大したいときに人員を補充するために行います。
中途採用は、就業経験やスキルに応じて、即戦力として期待できる点が大きなメリットです。また、基本的なビジネスマナーなどは身についているため、新卒採用に比べると育成コストもかかりません。
一方、価値観や仕事の進め方にミスマッチが起こる可能性がデメリットに挙げられます。
中途採用は、新卒採用のように採用活動のスケジュールに定めがありません。採用ニーズが発生したときに、企業主体で随時行えます。早ければ数週間~1カ月で内定まで進むこともありますが、候補者の前職との兼ね合いもあるため、一般的に入社までに2カ月はかかると想定して取り組むことをおすすめします。
以下の表は、新卒採用と中途採用の違いをまとめたものです。
新卒採用 | 中途採用 | |
---|---|---|
ターゲット | 大学や専門学校などを卒業する学生 | 就業経験のある人材 |
目的 | 企業の持続的な発展のための人員強化 将来のリーダー・幹部候補の育成 新しい社員を加えることによる企業の活性化 | 欠員補充 人員強化 |
スケジュール | 定めあり(半年~1年) | 定めなし(2カ月程度) |
メリット | 企業文化の浸透度が高い 適応力が高い | 即戦力になれる 新卒採用よりも育成コストがかからない |
デメリット | 育成に時間とコストがかかる 採用スケジュールが決まっている | 採用後のミスマッチが起こりやすい |
採用活動の基本ステップ

ここからは、具体的な採用活動の流れを紹介します。以下の7ステップが基本となります。
- 採用計画を立てる
- 採用戦略を立てる
- 採用手法を決める
- 募集活動を行う
- 選考を行う
- 内定者フォローを行う
- 入社後はバックアップを行う
各ステップを1つずつ解説します。
採用計画を立てる
採用計画とは、「何人採用するのか」「いつ採用するのか」「どの雇用形態で採用するのか」といった、具体的な計画のことです。
採用人数は、人件費や業務量から割り出したり、事業戦略から策定したりする方法があります。
採用時期は、「育成研修が終わる時期」から逆算しましょう。入社後にどのような研修を行い、いつまでに活躍できる人材になってもらうのかという点を考慮しながら決定することが大切です。
雇用形態は、正規・非正規社員といった自社雇用だけでなく、派遣社員やアウトソーシングという方法もあります。
採用戦略を立てる
採用戦略とは、その名のとおり、採用活動における戦略のことです。
まずは求める人物像(ペルソナ)を設定し、求める人物像を明確にしましょう。配属予定の部署の担当者と相談しながら、求めるスキルや能力だけでなく、年齢・性別・家族構成・考え方などを細かく設定し、具体的な人物像を作り上げていきます。
次に、現在の採用市場の状況把握と、自社の魅力・強みの分析を行い、どうアピールすれば競合他社と差別化できるかを考えます。
採用手法を決める
採用にはさまざまな手法があります。前項で設定したペルソナを基に、どの手法が効果的かを考えながら決定しましょう。以下、採用手法の一例です。
- 求人広告・求人サイト
- ハローワーク
- スカウト
- リファーラル採用
詳しくは後述していますが、採用手法にもトレンドがあります。求職者は「時代の流れに対応している企業かどうか」という点もチェックしているので、時代に合った採用手法を選択することも大切です。
しかし、トレンドに流されて目的を達成できなければ意味がありません。どの手法にもメリット・デメリットがあるので、それぞれの特徴を理解し、自社に合った手法を選択しましょう。
募集活動を行う
募集活動を行ううえでまず大切なのは、募集条件をわかりやすく記載するということです。求める経験・資格・スキルなどは、何が「必要条件」で、何が「歓迎条件」なのかを明確に示しましょう。
また、ただ応募を待つだけでなく、近年は「採用広報」に取り組む企業も増えています。採用広報とは、求職者に応募を促すだけでなく、入社後の定着・活躍を目的とした広報活動のことです。例えば、企業の理念やビジョン、社員の人柄や職場の雰囲気などをブログやSNSで発信したり、採用動画を作成して自社採用サイトに掲載したりする手法があります。
採用広報を行うことで、より広い層に自社の魅力をアピールできます。また、企業の課題を含めた実態など、ありのままを発信することで、採用後のミスマッチの防止にもつながります。
選考を行う
選考にもさまざまな方法があり、以下は一例となります。
- 筆記試験
- 書類審査
- 適性検査
- 面接(個別・集団)
面接を複数回行う場合は、面接官ごとに評価にバラつきが出ないように、あらかじめ基準を明確に定めておき、関係者の間で共有することが大切です。企業と求職者の価値観や考え方が違いすぎると、せっかく採用しても早期離職となってしまう可能性もあります。知識やスキルも大切ですが、「自社にフィットする人材かどうか」という点も重視しましょう。
こちらからスカウトした場合や、求職者の志望度によっては、カジュアルな面談から始めるというのも一つの方法です。カジュアルな面談とは、相互理解のための気軽な情報交換の場のことをいいます。自社の魅力をアピールできる、採用後のミスマッチの防止につながるというメリットがあります。
内定者フォローを行う
内定を出した後も、内定者と定期的にコミュニケーションをとり、入社までフォローを行います。例えば、内定者研修を実施する、社内イベントへ招待するなどです。特に新卒採用の場合は、内定者同士のコミュニケーションの機会にもなります。
内定を出したからといって、必ず入社してくれるとは限りません。会社に対して疑問や不安があると、内定を辞退されてしまうこともあります。内定者のモチベーションや志望の熱意が下がらないよう、しっかりフォローすることが大切です。
入社後はバックアップを行う
採用活動のゴールは、「入社」ではありません。「その人材が活躍できるようになること」が、本当のゴールです。定着・活躍のためのバックアップも、採用活動の一部として、あらかじめ計画を立てておきます。例えば、以下のように整理するとわかりやすいでしょう。
- 入社~1カ月後:企業に慣れてもらう
- ~3カ月後:一人で業務を完結できる
- ~12カ月後:高いパフォーマンスを発揮できるようになる
このようにいくつかのフェーズに分け、必要な研修を実施していきます。また、定期的に面談を設けて、社員の悩みや不安を解消することも大切です。
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採用活動を成功させるポイント

ここからは、採用活動を成功させるために、特に重要となる以下の5つのポイントについて詳しく紹介します。
- 求める人物像を明確にする
- 時代に合った手法・制度を整える
- 分析・改善を繰り返す
- 面接で「ほかに受けている企業」を尋ねてみる
- 新卒採用でも「資質」を重視する
求める人物像を明確にする
採用活動の基本ステップ「採用戦略を立てる」で述べたように、ペルソナはできるだけ具体的に設定しましょう。以下、必要な項目の一例です。
- 新卒採用・中途採用共通
年齢・性別・学歴・家族構成 - 新卒採用
部活動・アルバイト経験など・志望業界・応募社数・企業選びで重視すること・就活の悩み・長所と短所 - 中途採用
現在の仕事・職歴・年収・仕事の悩み・転職で重視すること・保有スキル・趣味
これらを細かく設定することで、求職者にどうアピールすれば自社の魅力が伝わるかが見えてきます。また、入社後のミスマッチの防止にもつながります。
時代に合った手法・制度を整える
コロナ禍においても人材を採用し続けていくためには、「新しい生活様式」にあった手法や制度が求められます。企業が時代の変化に対応できているかどうかという点は、求職者もチェックするポイントです。
また、先ほど紹介したアンケート結果からもわかるとおり、近年は在宅勤務を希望する求職者や、45歳以上の転職者、副業に関する相談が増えているようです。働き方にも多様性が求められる時代となっていることがわかります。
人材に定着してもらうためには、柔軟な働き方ができるよう環境を整備していく必要があります。以下はその取り組みの一例です。
- 面談や会議はオンラインで行う
- オフィスレイアウトを工夫する(デスクの間隔を空ける、フリーアドレス制にする など)
- テレワークやフレックスタイム制など、多様な働き方を用意する
分析・改善を繰り返す
採用活動は、一連の流れを実施したらそれで終わりではなく、分析・改善を繰り返し、ブラッシュアップしていくことが大切です。
そのために、まずは採用フローを作成しましょう。採用フローとは、求人募集を公開してから人材を採用するまでの一連の流れを可視化したものです。採用フローを作成することで、関係者間の連携や情報共有がスムーズに行えるようになります。
採用フローを作成したら、下図のように歩留まり(次の工程に進んだ人数の割合)を算出できるようにしておきましょう。歩留まりが低い工程には、何か問題が隠れているかもしれません。

ただし、内定辞退率は、単純に低ければよいというものでもありません。なぜなら、もともと志望動機が高い求職者に対してしかアピールできていない可能性が考えられるからです。「より多くの求職者に自社に興味を持ってもらうためにはどうすればよいか」という点を考え、改善していくべきだといえます。
また、内定辞退率だけでなく途中辞退率にも注目しましょう。途中辞退率は採用活動のスピードの関数であり、途中辞退率が高い場合は、企業側の選考・レスポンスが遅い可能性が考えられます。
面接で「ほかに受けている企業」を尋ねる
面接で、「ほかに受けている企業はありますか?」と尋ねましょう。この質問で、採用競合や自社の評価ポイントを分析できます。
もし、同業種ばかりを受けていたなら、求職者は自社の「業種を評価した」ということがわかります。つまり、「業界志願者からしか注目されていない」という分析ができます。
しかし、異業種も受けているようなら、求職者は自社の「業種以外の部分を評価した」ということになります。例えば、自社よりも規模の大きい企業が多かったなら、それらの企業に匹敵する力量・業績があると認められているということになり、急成長ベンチャーが多かったなら、成長性を感じてもらっているというような分析ができます。
新卒採用でも「資質」を重視する
先ほど、新卒採用のメリットとして「適応能力の高さ」を挙げましたが、「育成によって何でも解決できる」と考えるのは要注意です。中途採用に比べて適応能力が高いといっても、20歳を超えればアイデンティティーも確立されており、なかなか譲れない・変えられない部分もあるでしょう。
企業の変化対応力は、社員の多様性に左右されます。どの程度多様性があるか、適性検査などにより測定しておくことをおすすめします。
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採用活動の最新トレンドとメリット・デメリット

採用手法にも、時代によってトレンドがあります。現在は、どのような手法が注目されているのでしょうか。ここでは、以下の採用手法について詳しく解説していきます。
- Web会議ツールを使ったオンライン面談
- ダイレクトリクルーティング
- リファーラル採用
- ジョブ型雇用
- ソーシャルリクルーティング
- 動画の活用
- メタバースの活用
Web会議ツールを使ったオンライン面談
Web会議ツールを使って、オンライン上で面談や面接を行う企業が増えています。ビズリーチが2020年10月に実施したアンケートでも、約8割の企業が「オンラインでの中途採用活動(面談・面接)を実施している」と回答しています。
新型コロナウイルスの感染対策として取り組み始めた企業が多いですが、それ以外にも、「面接会場までの交通費がかからない」「スケジュール調整がしやすい」「手元に質問を書いたメモを用意しておける」など、求職者側にもさまざまなメリットがあります。
一方、デメリットとしては、「意思疎通が図りづらい」「通信トラブルが起きる可能性がある」ということが挙げられます。企業としては、通信環境を確認しておくことはもちろんのこと、できるだけ周囲の音が入らないようにする、相づちをしっかり打つなどの工夫が必要です。
参考:オンライン面接の注意点は?スマホでもOK?気になるポイントを解説 | 株式会社ビズリーチ
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングとは、企業側が「欲しい」人材を獲得するために、企業自身が採れる手段を主体的に考え、能動的に実行する採用活動を指します。
要件に合う人材を探しやすく、転職活動を本格的に始める前の層にもアプローチできます。また、ほとんどのサービスが人材紹介よりも安価なことも、ダイレクトリクルーティングのメリットです。
一方、デメリットとしては、スカウト文の作成や求職者とのやり取りなどの業務負担が増えること、短期間での採用は難しいこと、ある程度ノウハウが必要になることなどが挙げられます。
特に、知名度が高くない中小企業の中途採用では、求人広告などを出しても応募が集まらないことも多く、ダイレクトリクルーティングのような「攻め」の姿勢が求められる時代になりつつあります。
リファーラル採用
リファーラル採用とは、ダイレクトリクルーティングの一種で、自社の社員に友人や知人を紹介してもらう手法です。
前項で紹介したダイレクトリクルーティングのメリットに加えて、リクルーターとなる社員のエンゲージメント向上も期待できるでしょう。友人・知人にビジョンや仕事内容を紹介することが、企業の魅力を見つめなおすきっかけとなります。
デメリットとしては、社員の負担が増えることと、採用・不採用のどちらの場合でも人間関係に配慮しなければならないという点が挙げられます。
ジョブ型雇用
ジョブ型雇用とは、学歴や年齢ではなく「仕事内容に必要なスキルや知識を持っているか」という点を重視し、実際の仕事に合わせて人材を採用する方法です。
専門的なスキルを持つ人材を採用できること、多様な働き方に対応しやすいことが、メリットとして挙げられます。
一方、より良い条件の他社に転職されやすい、企業の都合で転勤や異動をしてもらいにくいという点はデメリットです。
ちなみに、現在までの日本は「メンバーシップ型雇用」が主流となっています。総合的なスキルが身につきますが、専門分野の人材が育ちにくいという特徴があります。
ソーシャルリクルーティング
ソーシャルリクルーティングとは、SNSを活用した手法です。
社内の雰囲気などの身近な情報を発信できるというメリットがありますが、企業の投稿に「いいね」や「コメント」をしていることが友人に知られてしまうのをデメリットと感じている求職者が多いようです。
もともとは、2000年代半ば頃に「採用ブログ」を導入する企業が増えたことがソーシャルリクルーティングの始まりといわれています。
以前ほどではありませんが、現在もFacebookやTwitterなどのSNSを活用する企業は多く見られます。特に優秀なエンジニアを採用したい企業や、コンサルティング業界から注目されている手法です。
動画の活用
動画を活用した採用手法は、大きく2つのパターンに分けられます。
1つは、求職者に自己PR動画を提出してもらい、1次面接の判断材料にするパターンです。小売業や外食産業で特に増えています。
もう1つは、TikTokなどのツールで企業の魅力を発信するパターンです。動画を普段から使いこなす若い世代から質問や興味を引き出しやすいという点はメリットですが、さじ加減を間違えれば炎上してしまう可能性があるという点はデメリットといえます。
メタバースの活用
メタバースとは、仮想空間のことです。会社訪問や会社説明会で活用する企業や、アバター(分身)で面接を実施する企業もあります。
独自性をアピールできるというメリットがありますが、VRゴーグル、ソフトウエアのインストールなど、求職者側の準備の負担がデメリットとなっており、全体としてはまだあまり普及していない手法です。
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ポイントを押さえて戦略的な採用活動を行いましょう

せっかく人材を採用しても、早期に離職されてしまっては、それまでにかかった努力・コストがそのまま損失となってしまいます。採用活動の基本とポイントを押さえ、人材の定着・活躍をゴールとして取り組むことが重要です。
また、本記事でも紹介したように、採用活動にもトレンドがあります。時代に合わせることも大切ですが、トレンドに乗ればよいというわけではありません。採用の目的と、求める人物像を明確にして、自社に合った手法を検討してください。
ビズリーチ導入から1年で採用コストを80%削減した企業も

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