従業員がリフレッシュすることを目的に付与されるリフレッシュ休暇。適切な休暇は従業員のモチベーション向上や離職防止、ひいては会社全体の生産性向上につながります。
この記事ではリフレッシュ休暇の取得条件や日数、メリット・デメリットや運用の際に気をつけたいポイント、企業や団体の導入事例を解説します。
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リフレッシュ休暇とは

リフレッシュ休暇とは、企業が従業員に対して付与する休暇で、心身ともにリフレッシュしてもらうという目的があります。厚生労働省による『働き方・休み方改善ポータルサイト』によれば、以下のように定義されています。
職業生涯の節目に勤労者の心身の疲労回復等を目的として付与される休暇
引用元:代表的な特別な休暇制度の例‐働き方・休み方改善ポータルサイト│厚生労働省
リフレッシュ休暇は法律で定められた休暇ではないため、企業によってその実態はさまざまです。毎年付与する企業もあれば、従業員が一定年数勤続した場合や、一定年齢に達した場合などに付与する企業もあります。その日数や、休暇中の給与の有無も企業によって異なります。
ここからは、リフレッシュ休暇の取得条件や日数、給与の有無や導入状況を見ていきましょう。
リフレッシュ休暇の取得条件・日数
リフレッシュ休暇の取得条件としては、勤続3年目、5年目、10年目、20年目などの節目に付与されるケースが多く見られます。日数は勤続3年目で5日間、勤続10年目は10日間といったように、勤続年数の長さに応じて変化するのが一般的です。厚生労働省による「平成31年就労条件総合調査」では、1企業平均1回あたり最高付与日数は5.5日でした。
勤続年数にかかわらず、毎年すべての従業員に付与する企業もあります。このような企業では勤続年数で差をつけず、すべての従業員に例えば一律5日を付与するという方法が多く見られます。
リフレッシュ休暇中の給与の有無
リフレッシュ休暇中に給与を支払うかどうかは、企業が任意で決めることができます。
「平成31年就労条件総合調査」によれば、95.9%の企業がリフレッシュ休暇中に給料を全額支給しています。また、リフレッシュ休暇取得率を上げるために、手当を別途支給する企業もあります。
支給する手当が課税対象になるかどうかは見解が分かれますが、一般的には就業規則で手当の現金支給を規定しているのであれば、課税対象となると考えられます。また、旅行券などについては、一定の条件を満たせば非課税になる場合もあり、これは社会保険等の対象外です。
リフレッシュ休暇の導入状況
厚生労働省の「令和3年就労条件総合調査」によると、リフレッシュ休暇制度を導入している企業は13.9%(従業員1,000名以上の企業では42.3%)です。「平成31年就労条件総合調査」では全体で13.1%(従業員1,000名以上の企業では46.5%)であり、導入する企業は全体ではやや増加、従業員1,000名以上の企業ではやや減少傾向です。
上記で見た就労条件総合調査ではリフレッシュ休暇以外にも夏季休暇、ボランティア休暇、教育訓練休暇、それ以外の1週間以上の長期休暇などについても調査しています。リフレッシュ休暇を導入している企業は13.9%ですが、企業が別の名目でリフレッシュ休暇と似た目的の休暇を設けている可能性があることにも留意しておく必要があります。
リフレッシュ休暇と有給休暇の違い

有給休暇とは、法律で定められた「法定休暇」で、労働者に付与することが義務づけられています。
リフレッシュ休暇とは法律で定められていない「法定外休暇」で、労働者に付与することは義務づけられていません。
法定外休暇は、特別な休暇制度とも呼ばれます。これは年次有給休暇や育児休業などの法律で義務づけられている休暇以外の、休暇の目的や取得形態を労使による話し合いや就業規則において任意で設定できる法定外休暇のことを指します。
以下に、リフレッシュ休暇と有給休暇の違いを表にまとめました。
■リフレッシュ休暇と有給休暇の違い
項目 | リフレッシュ休暇 | 有給休暇 |
---|---|---|
休暇の種類 | 法定外休暇 | 法定休暇 |
取得条件 | 企業側が任意で設定可能。勤続年数の節目に付与する、勤続年数にかかわらず毎年付与するなどさまざま | 入社後6カ月経過していて、その期間の全労働日の8割以上出勤していること |
取得日数 | 企業側が任意で設定可能。1企業平均1回あたり最高付与日数は5.5日ほど | 上記取得条件を満たすと10日以上。その後も条件を満たすと取得日数が増えていく |
取得時期 | あらかじめ規定しておけば、企業側がコントロール可能 | 原則として従業員がいつでも自由に取得できる |
給与の支払い | 企業が任意で設定可能だが、支払うケースが多い | 支払う必要がある |
休暇の利用目的 | 企業側が任意で設定可能 | 決められていない |
次年度への繰り越し | 企業側が任意で設定可能 | 繰り越しする必要がある |
ここからはそれぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
取得条件・取得日数
リフレッシュ休暇は取得に際し、勤続年数の節目に付与する・勤続年数にかかわらず毎年付与するなど、企業側が任意に条件を設定できます。日数についても自由に設定できますが、1企業平均1回あたり最高付与日数は5.5日ほどです(『平成31年就労条件総合調査』より)。
有給休暇の場合、取得条件は法律で定められていて、企業が任意で設定することはできません。入社後6カ月経過していて、その期間の全労働日の8割以上出勤していることが取得の条件です。この条件を満たすと10日以上の有給休暇が付与されます。
また、入社後1.5年経過していて、その期間の全労働日の8割以上出勤していれば、11日以上の有給休暇が付与されます。同じように要件を満たしていくと取得できる日数は増えていきます。
参考書籍:望月建吾・成澤紀美・蒲島竜也・杉山晃浩・堀下和紀著『「労務管理」の実務がまるごとわかる本』日本実業出版社、p84-85
取得時期
リフレッシュ休暇の取得時期は、企業側でコントロール可能です。ただし、労使協定や就業規則で取得可能な時期や期間をあらかじめ明確に規定しておく必要があります。「取得〇日前までに上告に報告する」等、申請のルールも定めておくとスムーズです。
有給休暇の場合、取得時期は原則として決まっておらず、従業員が自由に取得可能です。
給与の支払い
リフレッシュ休暇中に給与を支払うかどうかは企業が任意で決められますが、支払う企業がほとんどのようです。
有給休暇においては、企業は給与を支払う必要があります。
休暇の利用目的
リフレッシュ休暇の利用目的は企業側が任意で設定できます。休暇を有意義に過ごしてもらうために、休暇中の経験や得た学び、気づきを従業員にフィードバックさせたり、休暇中の活動に関するレポートを提出させたりといったことを条件としている場合もあります。もちろん、利用目的を定めなくても問題はありません。
一方、有給休暇の場合は、休暇の利用目的は決められていません。従業員は目的を申告することなく、有給休暇を取得できます。
次年度への繰り越し
リフレッシュ休暇を使い切らなかった場合に次年度へ繰り越せるかどうかは、企業が任意に設定できます。しかし、繰り越しを認めていない企業が一般的です。
有給休暇は付与日から2年以内であれば、原則として繰り越しが可能です。
リフレッシュ休暇による企業側のメリット

リフレッシュ休暇制度を活用することには、従業員のワークライフバランス向上やメンタルヘルス向上だけでなく、業務の属人化防止、他メンバーの適性をはかる、企業イメージの向上などさまざまなメリットがあります。
従業員のワークライフバランス向上
リフレッシュ休暇を取得すると、休暇中にプライベートを充実させられます。十分に休息をとったり、リフレッシュしたり、家族や友人とのコミュニケーションを深めたりする時間をもつことで、ワークライフバランスの向上につながるでしょう。
従業員のメンタルヘルス向上
リフレッシュ休暇を取得すると、まとまった期間、仕事を離れて休養できます。特にリフレッシュ休暇の取得を強く推奨している企業では、十分な引き継ぎも行われ、気兼ねなく休めるでしょう。これにより、従業員のメンタルヘルス向上が期待できます。
従業員満足度(ES)向上
充実した休暇制度があり、かつ従業員が休暇を取得しやすい職場環境は、従業員にとってはうれしいものです。リフレッシュ休暇の導入と運用により、従業員満足度(ES)の向上が期待できます。
従業員の生産性向上
リフレッシュ休暇によって従業員は十分に休養し、英気を養って職場に戻れます。文字通り「リフレッシュ」した状態で仕事を始められるため、モチベーションが向上し、ひいては生産性の向上にもつながるでしょう。
新しいアイデア、イノベーションの創出
従業員は、リフレッシュ休暇中に旅行をしたり、趣味の活動を深めたり、ただただ何もせずに心身を休めたり、家族や知人と話をしたりと、さまざまなことを体験します。その経験が普段の業務とは関係のない事柄であっても、それらが刺激となって新しいアイデアやイノベーションが生まれることがあります。
従業員の離職防止
ここまで解説してきたように従業員のワークライフバランス、メンタルヘルス、従業員満足度が向上すれば、従業員の定着率が向上します。これにより、離職の防止につながるでしょう。
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業務の属人化防止
従業員がリフレッシュ休暇を取得する際、ある程度長期であれば休暇を取得する従業員に代わって他メンバーが業務を引き継ぎます。これにより業務担当者が複数になり、属人化防止につながります。
属人化を防ぐことで業務の透明性が増すほか、リフレッシュ休暇以外の理由で担当者が不在になった場合にも業務が滞りにくくなります。また、引き継ぎの際に業務の手順をマニュアル化しておけば、引き継ぎ担当のメンバー以外にも業務を引き継ぎやすくなります。
他メンバーの適性をはかれる
リフレッシュ休暇を取得する際は他メンバーが業務を引き継ぎますが、そのメンバーの働きぶりを見て、業務への適性をはかれます。今後その業務を本格的に担当させたい従業員を引き継ぎ担当者にすれば、期間限定の引き継ぎ業務のなかであらかじめ適性を見られるでしょう。
企業イメージの向上
リフレッシュ休暇などの特別休暇が充実しているかどうかは、就職活動を行う学生や転職者が注目している要素の一つです。休暇の日数だけでなく、どのような休暇をどのような目的で設定しているかという点にも求職者は注目しています。
リフレッシュ休暇を設定していることで、ワークライフバランスにも配慮した働きやすい環境を整えている企業であることをアピールでき、企業イメージ向上につなげられるでしょう。
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リフレッシュ休暇による従業員側のメリット

次に、従業員側から見たリフレッシュ休暇のメリットについて解説します。従業員側には、計画的な休暇取得が可能なことや仕事の棚卸し、新しい経験やスキルの取得に生かせるなどのメリットがあります。
計画的な休暇取得が可能
リフレッシュ休暇を旅行や帰省などのタイミングに合わせて使えば、計画的に休むことができます。土日祝日と組み合わせての取得を推奨している企業の場合、合計2週間ほどの長期休暇にできるケースもあります。
仕事の棚卸しが可能
リフレッシュ休暇中は他メンバーに業務を任せるため、引き継ぎに際して自身の仕事の棚卸しを行うことになります。その過程で業務フローを見直したり、無駄を省いたりすることで、業務効率を向上できます。
新しい経験やスキル取得が可能
リフレッシュ休暇中は十分な休養をとって英気を養っているため、新しい考えを思いついたり、考え方が柔軟になったりと、有意義な時間を過ごせます。旅行先での気づき、読書で得た知識などといったリフレッシュ休暇中の経験を、仕事に生かせるでしょう。
また、泊まりがけのセミナーへの参加や、まとまった時間をとって勉強をするなど、リフレッシュ休暇を新しいスキル取得の期間にあてることも可能です。
リフレッシュ休暇による企業側のデメリット

リフレッシュ休暇にはたくさんのメリットが期待できる一方で、留意すべき点もあります。思ったように制度が利用されない、生産性が低下する可能性があるなどのデメリットについて解説します。
運用体制の整備が必要
例えば、業務が忙しすぎて休めない、休みづらい雰囲気があるなどの理由で、リフレッシュ休暇の制度を作っても利用されないという可能性があります。企業側が積極的にリフレッシュ休暇の取得を推奨し、休みやすい雰囲気を作ることが大切です。
また、部署によって取得しやすさに差が出ている場合、他部署の状況を知った従業員から不満が生まれる可能性もあります。現場の声や状況を見て運用体制を整えていく必要があるでしょう。
生産性の低下
リフレッシュ休暇を取得する従業員の引き継ぎがうまくいかなかった場合、業務が滞る可能性があります。また、どうしても引き継ぎが難しい属人的な仕事の場合、休暇中の従業員に連絡をとって対応してもらわなければならない可能性もあるでしょう。これでは従業員はゆっくり休むことができません。
十分時間をかけて引き継ぎをすることや、誰か一人に引き継ぐのではなくチーム全体でサポートすることが対策として考えられます。また、日頃から誰でも業務を引き継げるように、業務をシステム化しておくことも大切です。加えて、引き継ぎのマニュアル化も効果的です。
給与や支給金の発生
リフレッシュ休暇中の給与支払いは義務ではありませんが、休暇中も給与を支払う企業がほとんどです。従業員が休んでいるのに給与や支給金が発生する、というのは企業側としてはデメリットといえるかもしれません。
また、別途手当を支給する場合は、その予算も必要になります。
リフレッシュ休暇による従業員側のデメリット

リフレッシュ休暇には従業員側にもデメリットがあります。実施する際は、留意して対策する必要があります。
一時的に業務が増える
リフレッシュ休暇を取得する従業員も、業務を引き継ぐメンバーも、一時的に業務が増える可能性があります。双方とも引き継ぎの準備という負担があるほか、業務を引き継いだメンバーは通常業務に加えて引き継がれた業務を行わなければなりません。
また、リフレッシュ休暇を取得した従業員も、休暇明けには滞っていた業務に対応する必要があるため、一時的に仕事量が増加する可能性があります。負担を軽減するためには、企業側のサポートが必要です。
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リフレッシュ休暇の導入・運用におけるポイント

リフレッシュ休暇の導入と運用に際しては、取得条件の既定や取得の推進など、いくつかのポイントがあります。
リフレッシュ休暇の取得条件を規定する
リフレッシュ休暇は利用条件を明確に定めて、就業規則に記載しておきましょう。検討すべき条件の例は、以下の通りです。
- 対象者:正社員・契約社員等の雇用形態、勤続年数など
- 取得可能日数:何日間か、翌年繰り越しはできるか
- 制限事項:退職予定者や試用期間中の扱いをどうするか
- 取得可能期限:取得できる日から起算して〇カ月以内など
参考書籍:望月建吾・成澤紀美・蒲島竜也・杉山晃浩・堀下和紀著『「労務管理」の実務がまるごとわかる本』日本実業出版社、p106-107
リフレッシュ休暇の取得を推進する
リフレッシュ休暇の取得率に大きな影響を及ぼすのが、「取得のしやすさ」です。まとまった日数の休暇をとることが職場の迷惑になると遠慮する人も多いため、管理職が率先して取得し、チームにも取得を促すことで、積極的に取得する文化を醸成していきましょう。年間スケジュールを各メンバーに作ってもらい、そのなかにリフレッシュ休暇取得の予定を織り込んでしまうという施策を行う企業もあります。
また、休暇を取得する人の業務引き継ぎを管理職が積極的にサポートしたり、取得期限が迫っている従業員に対して人事が取得を促したり、手当を支給したりすることも、休暇の取得推進につながります。
柔軟に運用する
ルールを固めすぎず、休暇時期の変更がきくようにするなどして、柔軟に運用することも大切です。急な業務の発生等で取得できなくなってしまった従業員には、期間を定めて再申請を認めるなどの措置も必要でしょう。
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リフレッシュ休暇制度を活用している企業・団体の事例

ここからは、リフレッシュ休暇を実際に活用している企業・団体の事例を見ていきましょう。新卒入社した従業員の定着率が向上した団体もあり、リフレッシュ休暇の効果も確認できます。
株式会社小松製作所
油圧ショベルやブルドーザーなどの建設・鉱山機械、フォークリフトなどに関する事業を行う株式会社小松製作所では、総実労働時間の削減と、制度の整備という2つの側面からワークライフバランス向上に取り組んでいます。
リフレッシュ休暇は従業員のリフレッシュを目的とした連続5日間の年次有給休暇取得を促進するという形で行っていて、勤続15年、25年、35年の年には新規に連続5日間の年次有給休暇と旅行引換券が付与されます。
参考:ワークライフバランス・多様な働き方│株式会社小松製作所
アサヒビール株式会社
ビールなどの飲料メーカーであるアサヒビール株式会社。法定の年次有給休暇(入社時は10日、5年目から最大20日)を軸としつつ、ほかにも多種多様な約20の休暇制度を設けています。
その約20の休暇制度のうちの一つにリフレッシュ休暇があり、1989年に「まとまった休暇をきちんととって心身をリセットするため」という名目でいち早く導入されました。連続6日以上の長期休暇を年度始めに申請し、計画的に利用するという形で運用しています。
リフレッシュ休暇は同僚からの理解をスムーズに得やすいことから、現在では6~7割の従業員がリフレッシュ休暇を含めた特別休暇を利用しています。
参考:アサヒビール株式会社│働き方・休み方ポータルサイト│厚生労働省
株式会社山田養蜂場
ローヤルゼリーなどミツバチ産品の通信販売を行う、株式会社山田養蜂場。リフレッシュ休暇は勤続10年目で3日間、20年目で5日間、30年目で10日間、有給で付与されます。
リフレッシュ休暇の目的は家族との時間を充実させながら長く勤めてもらうため。加えて、人生を振り返る機会にしてほしいという思いもあり、これは従業員とその家族の人生がよりよいものになるように、という考え方が同社の根本にあることに起因しています。
同社では土日と組み合わせたり、年次有給休暇と組み合わせたりして大型連休にすることを大いに推奨しています。例えば、3日間の休みに年次有給休暇を2日間取得し、さらに2週分の土日と合わせれば、合計で9日間の大型連休を取得することが可能です。
参考:株式会社山田養蜂場│働き方・休み方ポータルサイト│厚生労働省
特定医療法人財団 五省会
富山市内に4施設を運営する特定医療法人財団である、特定医療法人財団五省会。2011年に施設を移転、新設したことにともない、人事・各部の課長クラスで構成するプロジェクトチームで制度などを見直しました。その際ワークライフバランスの実現を基本に据え、リフレッシュ休暇を導入。法律上の年次有給休暇とは別に有給で取得できる3日間の休暇を、入職2年目から全員に毎年付与しています。
その背景には、病院勤務は連休の取得が難しい側面があるという事情がありました。「病院勤務だからこそ年に一度は連続して休んでもらいたい」という考えから、原則として3日連続で休むことをルールとしています。また、前後に公休の土日、祝日をつなげ、さらに休暇を長くすることも可能です。
運用方法としては、年度初めに休暇の取得時期を申請し、部署ごとに調整して計画表を作成。部署内で情報共有し、全員の取得を目指すという形です。2013年度以降の取得率はほぼ100%で、職場の雰囲気が明るくなり、新卒で入社した職員の定着率が向上。就職希望者も増加するなど、大きな効果が見られます。
参考:特定医療法人財団 五省会│働き方・休み方ポータルサイト│厚生労働省
コニカミノルタ株式会社
複合機、商業・産業印刷機、医療向け製品、計測機器などの電機メーカーであるコニカミノルタ株式会社では、勤続10年から5年ごとに5日または10日付与されるリフレッシュ休暇制度を設けています。10、20、30、40年の節目の年にはリフレッシュ資金の付与もあり、現在では100%近い消化率で運用されています。
同社の工夫は、休暇取得期限の延長が半年間認められていること。休暇は4月から翌年3月までの1年以内に消化することが原則ですが、実際の運用では半年の延長が認められています。これは、最も多い利用時期が8月と3月、つまり従業員の子どもの夏休みと春休みにあたることが理由です。8月に利用しようと予定していて多忙となってしまった場合を考え、翌年の夏休みに休暇を取得できるよう、半年間の延長を認めて制度を利用しやすくしています。
参考:コニカミノルタ株式会社│働き方・休み方ポータル│厚生労働省
リフレッシュ休暇以外の特別な休暇制度の例

ここまでリフレッシュ休暇について解説してきましたが、これは法律で定められていない「法定外休暇」の一つで、「特別な休暇制度」とも呼ばれます。
特別な休暇制度にはリフレッシュ休暇のほかにもさまざまな休暇があり、労使による話し合いによって休暇の目的や取得形態を設定できます。ここからは代表的な休暇制度の例を紹介します。
ボランティア休暇
従業員がボランティアを行うために取得できる休暇です。社会貢献活動休暇とも呼ばれます。ボランティアとは自発的に社会貢献する活動のことで、福祉活動、災害救援活動、ドナー活動、地域のイベントの支援、環境保全などその内容はさまざまです。
誕生日休暇
従業員やその家族の誕生日に取得できる休暇です。類似する制度として結婚記念日休暇や、アニバーサリー休暇などがあります。
会社設立記念休暇
会社の設立記念日に付与される休暇です。日付ではなく、「毎年2月の第一金曜日」などと定められていることもあります。
永年勤続休暇
10年、20年、30年など一定の期間勤務した従業員に対する休暇です。ここまで紹介してきたように、勤続10年などの節目に取得できる休暇をリフレッシュ休暇として扱う場合もあります。
夏季休暇
お盆など、夏の時期にまとまった休暇を従業員に付与する休暇です。日付を定めず、各人の裁量で休めるよう「7月〜9月の間に5日間」など幅をもたせている企業もあります。
混同されがちな制度として計画年休制度がありますが、これは一定の条件を満たした場合に、法定休暇である年次有給休暇を一定の日程に従業員に取得させることができる制度です。この制度を夏季に適用して夏休みとしている企業も多くあります。
慶弔休暇
従業員やその家族の結婚、出産、死亡などの際に付与される休暇で、多くの企業が導入しています。休暇日数は休む目的や、続柄によって異なる場合が一般的です。
病気休暇
長期治療が必要な疾病をもつ従業員が、治療を受けつつ就労することをサポートするための休暇です。治療や通院のために取得できる休暇や、年次有給休暇とは別の病気休暇があります。
そのほか、休暇制度ではありませんが短時間勤務制度などを設ける場合もあります。
裁判員休暇
平成21年から開始された、裁判員制度に関連する休暇です。裁判員制度は、国民が裁判官とともに刑事裁判に参加する制度です。裁判員等として活動する従業員が、その職務のために必要な期間、休暇を取得できます。
犯罪被害者等の被害回復のための休暇
犯罪被害を受けた被害者や、その家族のための休暇です。犯罪被害にあった場合、精神的ショックや、身体の不調を来すことがあります。そういった状況からの回復を目的とする休暇で、治療のための通院や警察での手続き、裁判出廷の際に取得できます。
まとめ

日頃の働きをねぎらい、従業員がリフレッシュすることを目的に付与されるリフレッシュ休暇。取得しやすい環境を作ることで、従業員のメンタルヘルス、モチベーション、生産性向上に役立ち、従業員の定着率や企業イメージの向上も期待できます。働き方だけでなく休み方も改善していくことで、よりよい職場環境を整えていきましょう。
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