深刻な人手不足によって、多くの企業が採用において苦戦を強いられています。そのような状況のなか、企業が直接候補者にアプローチをする「スカウト型サービス」が登場しました。この記事では、これまでの一般的な採用サービスとスカウト型サービスの違い、スカウト型サービスのメリットや注意点、利用する際のコツなどを幅広く紹介します。
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他の採用サービスとどう違う? スカウト型サービスの特徴
スカウト型サービスは、登録者のデータベースから自社に合った人材を検索し、採用担当者が気になる人材に直接メッセージを送り、自社の魅力をアピールするという採用方法です。
求人広告サイトや人材紹介サービスなど、従来の採用方法が求職者の応募を待つ「待ちの採用」であるのに対し、スカウト型サービスは採用担当者自らが求める人材へアプローチする「攻めの採用」であるといえるでしょう。
データベースから人材を検索
スカウト型サービスの大きな特徴の一つが、登録者のデータベースから自社が求める人材を「検索する」という点です。
従来の採用サービスの場合、企業側が自社の求人情報を求人広告サイトなどに登録して、求職者からの応募を待つというスタンスが一般的です。一方スカウト型サービスは、キャリアに関心の高いビジネスパーソンが会員となり、自らの学歴や職務経歴・スキルなどをデータベース上に登録します。企業の採用担当者は、そのデータベースを利用して、求める人材像を検索します。
登録者は必ずしも「今すぐ転職したい」と考えている人だけではありませんが、従来の採用サービスよりも広い範囲から人材を集められるほか、より自社に合った人材を探すことが可能です。
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採用担当者が気になる人材に直接アプローチ
もう一つの特徴は、企業の採用担当者が気になる人材に「直接アプローチできる」という点です。スカウト型サービスでは、企業の採用担当者がデータベースから検索した登録者個人に、直接メッセージやメールを送信します。そして、そのアプローチの結果、登録者とのマッチングに成功すれば、面談や面接など次の段階へ移ります。
求人広告サイトや人材紹介会社を利用する場合、企業は登録者からの応募を待つしかなく、受け身でいるしかありません。一方で、スカウト型サービスを利用した場合は、企業側が主体性を持って登録者へと働きかける採用手法であるため、積極的な採用活動が可能です。
スカウト型サービスが注目される背景とは?
日本におけるスカウト型サービスは、2009年に日本初の会員制求人サイトとして登場した「ビズリーチ」をはじめ、近年ではさまざまなスカウト型サービスが登場しています。その背景にはいったい何があるのでしょうか。
少子化などによる労働力人口の減少
スカウト型サービスが注目される背景の一つとして「少子化などによる労働人口の減少」が挙げられます。日本国内では年々、少子化が進行。それが深刻な労働人口の減少につながっています。
マンパワーグループが発表した「2021年人材不足に関する調査」によると、世界中の企業の69%が人材不足という状況にあり、日本の76%の企業が、人材確保に苦戦しているという結果が出ています。
このように、多くの日本企業が深刻な採用難の状況にあることがうかがえます。そのような背景から、従来の採用手法だけでは優秀な人材の採用が難しくなり、企業が積極的に優秀な人材へ働きかける採用手法としてスカウト型サービスが注目されているのです。
参考:2021年 人材不足に関する調査│マンパワーグループ労働白書│人材派遣・人材紹介のマンパワーグループ
インターネットの普及
スカウト型サービスが注目されるもう一つの背景は「インターネットの普及」です。スマートフォンの普及により、インターネットがますます身近なものになりました。それに伴い、さまざまな活動にインターネットが活用されるようになってきており、転職活動・採用活動もその例外ではありません。
迅速なコミュニケーションが可能になり、情報のデータベース化と検索が容易であるというインターネットの強みを生かしてスカウト型サービスは普及し、その利便性が注目されるようになったのです。
スカウト型サービスを利用する3つのメリット

従来の採用手法とはまったく異なる「攻めの採用」手法であるスカウト型サービスですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。企業がスカウト型サービスを利用する3つのメリットを紹介します。
広い範囲から人材を集めることができる
スカウト型サービスのメリットの一つが「広い範囲から人材を集めることができる」という点です。スカウト型サービスのデータベースには、学歴・職務経歴・持っているスキル・年齢などが多種多様な数多くの登録者がいます。
企業は、そのデータベースから自社の求める人材像に合ったさまざまな検索条件を設定し、検索でヒットした登録者一人一人の登録情報を読むことができます。人材紹介会社の場合、求人の条件と完全に一致していないとなかなか紹介まで至らないかもしれません。しかし、スカウト型サービスの場合は採用担当者が検索結果に応じて、条件を変えながら人材を発掘することが可能です。
さらに、現在積極的に転職を考えていない層にも積極的にアプローチできることも、従来の採用手法との違いです。
自社にマッチした人材を採用できる可能性が高い
2つ目のメリットは「自社にマッチした人材を採用できる可能性が高い」という点です。スカウト型サービスでは、企業の採用担当者自らが検索して見つけた人材に対し、自社について自分たちの言葉で伝えたり、自社の強みや魅力をアピールしたりすることが可能です。
「直接伝えること」ができるため、従来の採用方法で起きることのあった企業側と求職者側のミスマッチが少なくなるというメリットがあります。
自社とマッチした人材を採用することは、人材が早期に活躍し、定着していくうえで、重要であるといえるでしょう。
採用効率や採用力が上がる
3つ目のメリットは「採用効率や採用力が上がる」という点です。求人広告サイトや人材紹介サービスといった採用手法の場合、企業は「応募待ち」「紹介待ち」といった時間が発生しても、受け入れざるを得ませんでした。しかし、スカウト型サービスでは企業の採用担当者が自ら行動するため、待ち時間を減らし、採用効率を上げることが可能です。
スカウト型サービスでは、候補者を探すのも絞り込むのも自社で行います。そのため「会ってみたけれどイメージと違った」ということが起こる確率が従来の方法に比べると少なくなり、結果として採用の効率が上がると考えられます。
さらに、採用担当者をはじめ企業側が自ら検索をしてメッセージを送るスカウト型サービスは、利用を続けるにつれて担当者のスキルも向上していきます。また、企業としても採用のノウハウが蓄積され、それが自社の大切な資産となります。自分たちでスカウト型サービスに取り組むことで、企業として継続的に採用力を高めていくことが期待できるのです。
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スカウト型サービスを利用する際の注意点
スカウト型サービスには多くのメリットがある一方で、注意すべき点もあります。ここでは特に、利用する前に知っておいてほしい2つの注意点について解説します。
自社で取り組む採用業務の範囲が広い
スカウト型サービスを利用する際の注意点の1つ目は「自社で取り組む採用業務の範囲が広い」ことです。「待ちの採用」ではなく「攻めの採用」となるため、企業側が積極的に登録者へアプローチする必要があります。
例えば、一人の採用担当者が求人を作成し、その内容をもとにデータベースの検索条件を設定します。検索結果にヒットした候補者をリスト化したうえで、スカウト文を作成・送信し、面接を行うこともあります。
求める人材要件を伝えれば、候補者を紹介してくれる人材紹介会社と比べると、採用担当者自身が行わなくてはならない業務が増え、負担が大きくなることもあります。
企業によっては、採用専任の担当者を増やすなど、採用の体制を大きく変える必要に迫られる場合があるでしょう。
候補者一人一人に合った魅力や発信力が必要不可欠
次に注意したい点は「候補者に合った魅力や発信力が必要不可欠」という点です。
例えば、スカウト型サービスで候補者にメッセージやメールを送る際の文面も、テンプレートをそのまま利用するのではなく、候補者一人一人に合わせるなど工夫が求められます。スカウト文の作成に慣れないうちは、一通一通カスタマイズするのに時間がかかってしまうこともあるかもしれません。
しかし、自社の魅力を言語化し、伝える機会が増えることで、語彙(ごい)が増え、表現力などが増し、スムーズにスカウト文を作れるようになるでしょう。
スカウト型サービスを利用して採用を成功させるコツ
スカウト型サービスには多くのメリットがあるものの、利用する際の注意点を読むと、「利用するにはハードルが高い」と感じる方もいるかもしれません。この章では、そのハードルを乗り越えるための「採用成功のコツ」を紹介します。
経営陣など上層部の理解・協力を得る
スカウト型サービスでの採用を成功させる最初のコツは「経営陣など上層部の理解と協力を得る」ことです。
スカウト型サービスで成果を出すには、採用にかける時間を確保し、人事部以外の協力体制や採用にかかわる制度・風土づくりなど、社内環境の整備が欠かせません。
決定権を持つ経営陣・上層部の理解と協力を得て、スカウト型サービスに取り組めるよう社内環境を整えてもらうことが重要です。
採用体制を見直す
前述の通り、自社で取り組む採用業務の範囲が広いスカウト型サービスにおいては、採用体制や役割分担を見直すことも押さえるべきポイントです。
データベースの検索をはじめ、面談・面接の対応など、現場でも協力してもらえるものはないか、現場が担当した場合のメリット・デメリットなども併せて洗い出し、採用成功のために最も適切な役割分担を検討しましょう。
また、サービスによっては、企業に寄り添ってアドバイスしてくれるコンサルタントをサポート役につけてくれるものもあります。サポート体制については、どこまでサポートをしてもらえるのかを利用検討時に確認しておくことも大切でしょう。
採用基準で絞り込み過ぎない
最後は「採用基準を定期的に見直す」ことです。スカウト型サービスにおける採用活動で大切なことは、求める要件に合う人材をデータベースのなかから見つけ出し、その方に自社への興味を持ってもらうこと、そしてスカウトや面談・面接を通じ候補者との信頼関係をしっかり築くことです。
登録情報にはないスキル・経験や個性を持つ人材もなかにはいるかもしれません。できるだけ数多くの候補者と会い、そこから自社にマッチする人材を探し出し、アプローチするのがよいでしょう。
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スカウト型サービスで優秀な人材を採用
深刻な人手不足によって、企業の採用環境は今後さらに厳しくなっていくことが予測されます。優秀な人材を獲得していくためには、これまでと同じやり方を続けるだけではなく、新たな取り組みが必要とされるでしょう。
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