採用オウンドメディアとは? 採用サイトとの違いや作成のためのステップ、事例を紹介

近年注目されている採用オウンドメディアは、より早期からより多くの求職者にアプローチできるだけでなく、採用のミスマッチも減らせるとして、多くの企業が運営を始めています。

本記事では採用オウンドメディアを運営するメリット・デメリットや、作成するための6つのステップ、これから作成するにあたって参考にしたい企業のオウンドメディア事例を紹介します。

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採用オウンドメディアの定義

採用オウンドメディアの定義

採用オウンドメディアとは何かを説明する前に、まずは「オウンドメディアとは何か」という点から確認していきましょう。また、企業の採用サイトとの違いについても解説します。

オウンドメディアとは

そもそも、オウンドメディア(Owned Media)とは、企業や組織が保有し運営する情報配信の媒体のこと。外部メディアではないため、自社でその内容をコントロールできることが特徴です。また、自社が保有し運営するWebサイトやブログに加えて、Twitter、Instagram、FacebookなどのSNSアカウントもオウンドメディアに含むという考え方もあります。

オウンドメディアを戦略的に活用して採用を行う手法をオウンドメディアリクルーティングとも呼びます。

採用オウンドメディアとは?

採用オウンドメディアとは、オウンドメディアの中でも自社の採用を目的としているもののことを指します。求職者や未来の求職者候補に向けた情報を発信したり、蓄積しておいたりするための、主にWebサイトのことを指しています。

採用オウンドメディアでは、企業は求人媒体等に依存せず、能動的に情報を発信できます。多くの企業が発信しているコンテンツは、主に以下のような内容です。

  • 事業内容
  • 業務内容
  • 社員紹介
  • 企業文化について
  • オフィスや働く環境
  • 採用イベントレポートなど

    SNSで発信した内容は多くの人の目に触れやすいのがメリットですが、すぐに流れていってしまうという特性があり、情報を体系的に整理して蓄積するには不向きという側面もあります。SNSと採用オウンドメディアをどちらも運用することで、SNSで自社のことを知って興味を持ってもらった際に、採用オウンドメディアに誘導できます。

    採用オウンドメディアに掲載する情報は体系的に整理して蓄積することが可能なので、未来の求職者候補が欲しい情報にアクセスできるよう、情報をストックできます。

    代表的な採用オウンドメディアとしては、サイボウズ株式会社の「サイボウズ式」、株式会社 LINEの「OnLINE」、株式会社メルカリの「mercan メルカン」などがあります。企業の採用オウンドメディアの例は、詳しくは成功事例の項目で後述します。

    採用サイトとはどう違う?

    採用サイトは、求人情報の提供と求人への応募窓口としての役割が主で、コンテンツを頻繁に更新することはありません。また、1年、あるいは2〜3年でサイトを丸ごとリニューアルする企業も少なくありません。

    対して採用オウンドメディアは企業認知を高めたり、自社に最適な人材を採用したりするために、採用したい人材層に向けて常にコンテンツを制作し、定期的に発信していくのが一般的です。採用サイトのように定期的にリニューアルするのではなく、継続してコンテンツを蓄積していくことで価値が高まるWebサイトです。

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    採用オウンドメディアが注目される理由

    採用オウンドメディアが注目される理由

    近年は採用オウンドメディアが増加傾向にあり、注目されています。なぜ注目されているのか、その背景を採用市場や求職者の意識の変化に着目して解説します。

    売り手市場が続くなか、潜在的な求職者層に早期からアプローチできる

    少子高齢化による労働力人口の減少などによって、2015年から有効求人倍率は1倍を超えた状態で推移しており、近年は売り手市場が続いています。そのため、優秀な人材の獲得競争は激しくなっています。優秀な人材が応募してくれることをただ持っているだけでは、母集団形成も危うくなってしまうことが懸念されます。

    2013~2022年における有効求人倍率の推移
    参考:一般職業紹介状況(職業安定業務統計)│e-Stat

    このような状況下で、現在就職活動・転職活動をしていなくても、今後する予定がある、あるいは潜在的に転職したいと考えている層に向けて、早期からアピール・アプローチしておくことが重視され始めました。

    採用オウンドメディアを運営し、継続的に自社のことを発信していれば、求職者や潜在的な求職者との接触機会を増やせます。採用オウンドメディアのコンテンツによって自社を理解してもらい、自社のファンになってもらえれば、潜在的な求職者候補が実際に転職活動を始めた際に、自社を選んでくれる可能性が高くなると期待できます。

    多様化する働き方や仕事観に対応していることを外部に伝えられる

    近年はワークライフバランスが重要視されるようになったり、時短勤務、週休3日、リモートワークなど、多様な働き方が支持されるようになったりしています。

    新型コロナウイルスの流行を経て、さらに仕事観は変化しました。SOMPOホールディングス株式会社が実施した「仕事に対する価値観の変容に関する意識調査」によれば、コロナ禍において、44.4%の人が仕事に対する価値観・考え方・向き合い方に変化があったと回答。

    コロナ禍において、仕事に対する価値観・考え方・向き合いに変化はありましたか?
    参考:SOMPOホールディングス株式会社|仕事に対する価値観の変容に関する意識調査

    以前よりも「プライベートの活動」「暮らし」「家族」といった生活に密接なものを重視するようになった傾向が見られています。

    コロナ禍での働き方の変化により、何を以前よりも重視したいと思うようになりましたか?
    参考:SOMPOホールディングス株式会社|仕事に対する価値観の変容に関する意識調査

    また、働くうえで幸福と感じるものとして、「給与」「労働時間」「休み」といった待遇面・労働環境に関する項目が上位を占めるなかで、「自身の役割を理解し、仕事にやりがいをもっている」という内面的な要素も上位に選ばれています。

    さらに、終身雇用が終わりを迎えつつある今、ライフステージに合わせて働き方をカスタマイズする意識も高まっています。

    こうした変化に伴い、企業側も企業理念や制度の整備、福利厚生などで時代とともに変容していることをアピールする必要があります。そのためのメディアとして、採用オウンドメディアが注目されているのです。

    自社が用意したコンテンツで正しく情報を伝えられる

    転職活動において、今まではその企業で働く人に直接話を聞いたり、面接に行ったりしなければ手に入らなかったような情報が、インターネット上で手に入るようになってきました。ただし、それらの中には正しい情報とそうでない情報が混在している状態です。

    また、スマートフォンの普及などによって情報へのアクセスが加速度的に容易になっている今、必要な情報とそうでない情報を選別する情報収集のリテラシーは全世界的に高まっているといえます。

    採用オウンドメディアがあれば、求職者が求めている情報に関連する正確かつ魅力的なコンテンツを、企業自身がオリジナルな形打ち出せます。求職者がインターネット上で行った検索の結果に自社の採用オウンドメディアを上位に表示できれば、直接自社をアピールできる機会となるでしょう。

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    採用オウンドメディアを運営するメリットは?

    採用オウンドメディアを運営するメリットは?

    上述のように注目されている採用オウンドメディアですが、運営することにはどのようなメリットがあるのか解説していきます。

    応募者数、採用者数を増やせる

    Indeed Japanの調査によれば、求職者の8割以上が転職活動においてオウンドメディアを訪問しています。

    また、同調査によればオウンドメディアリクルーティングによって応募者数が増えていると感じている割合は実践企業の87.5%。採用者数が増えていると感じている割合も、実践企業の86.3%に及んでいます。

    オウンドメディアリクルーティング実践企業は、非実践企業と比べて「応募者数の増加」「採用者数の増加」を実感
    参考:Indeed Japan|Owned Media Recruiting SUMMIT vol.4

    自社の認知度を高められる

    例えば求人媒体を利用した場合、自社の情報にリーチできる人はその求人媒体にアクセスした人のみです。しかし、Web上に自社の採用オウンドメディアを開設し、社風や事業の紹介、社員へのインタビューなどコンテンツを充実させていけば、リーチしてもらう窓口も増え、アクセスの増加が期待できます。

    さらに、採用オウンドメディアの内容や更新情報をTwitterやFacebookなどのSNSでシェアすれば、より多くの人の目に触れる機会をつくれます。

    自社への理解度を深められる

    採用オウンドメディアでは、求人媒体等とは異なり、制約のない自由なコンテンツ制作が可能です。コンテンツの種類ごとに分かりやすい構成で制作できるため、より自社について理解してもらえるコンテンツにすることができるでしょう。

    例えば求人媒体の場合は文字数等に制限がありますが、採用オウンドメディアの場合は制限がありません。写真の点数、大きさ、表やグラフ、動画の掲載、デザイン等に関しても、自由にサイトを構築できます。

    求職者のニーズをつかみやすくなる

    採用オウンドメディアを運営していくなかで、ページの閲覧数、滞在時間、求人への応募数、検索結果からのアクセスが多いキーワードなど、数多くのデータが得られます。これらを分析しながらPDCAを回すことで、求職者のニーズをつかむことができ、より効果的な施策の実行が可能になるでしょう。

    ミスマッチを減らせる・定着率が高まる

    採用オウンドメディアで自社の理念、社風、業務で使用するスキルなど、自社が求める人物像に沿ったコンテンツを提供すれば、それらに共感する人や、それらの素養を備えた人が応募する確率が高まります。求職者側が「この仕事は自分に適しているか」「この企業の価値観や理念、社風は自分に合っているか」を判断したうえで応募できるためです。

    自社が求める人材の要件にある程度合致している人で母集団が形成できるため、入社後のミスマッチも起こりにくいと考えられます。

    先のIndeed Japanの調査によれば、オウンドメディアを見てから応募してきた求職者は入社後の定着率が「非常に高い」、あるいは「高い」と実感している企業が、オウンドメディアリクルーティングを行っている企業の68.6%にのぼりました。オウンドメディアリクルーティングを行っていない企業の回答が21.4%であったことを考えると、採用オウンドメディアの有無は入社後の定着率に関係しているといえるでしょう。

    「オウンドメディアを見た応募者の入社後の定着率が高いと思う」と回答した割合
    参考:Indeed Japan|Owned Media Recruiting SUMMIT vol.4

    コンテンツが資産となる

    求人サイトは契約が終了すると、掲載されている内容が削除されます。また、企業独自の採用サイトは2〜3年でリニューアルして一からコンテンツを作り直すケースも多く見られます。一方、採用オウンドメディアは基本的にずっと、半永久的にコンテンツを蓄積していくことが可能です。

    コンテンツが増えれば、採用オウンドメディア内にある他の関連コンテンツも見てもらいやすくなります。数多くのコンテンツを閲覧してもらうことで、自社への理解を深めてもらいやすくなるでしょう。

    また、コンテンツが増えていけばその分インターネット検索の検索結果で上位に表示されるようになるので、検索結果からのアクセス増も期待できるでしょう。

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    採用オウンドメディアを運営するデメリットは?

    採用オウンドメディアを運営するデメリットは?

    採用オウンドメディアの運営にはデメリットもあります。どのようなデメリットがあるのか、対策はあるのか、これから採用オウンドメディアの運営を検討する人に向けて解説していきます。

    すぐに成果が出るわけではない

    一般的に、オウンドメディアは継続して運用し、資産となるコンテンツがたまることによって効果が生まれるものです。開設してすぐに成果が出るわけではないということは、一時的なデメリットといえるでしょう。

    そもそも、採用オウンドメディアの制作からスタートするため、立ち上げるにも時間が必要です。コンテンツが充実していなければ、求職者は自分に適した企業かどうかを判断できないため、応募も集まりにくいでしょう。

    採用オウンドメディアを立ち上げて、コンテンツを増やし、軌道に乗るまでにはある程度の時間が必要です。軌道に乗るまでの時間を見越して、予算を捻出しておく必要があります。

    コストがかかる

    採用オウンドメディアの制作には多額の費用が必要になります。もともとある採用サイトを生かす設計にしたとしても、サイトの改修は必須でしょう。またTwitterやFacebook等のSNS運用に関しても、運用コストやオプション料金がかかることがあります。

    さらに、継続的にコンテンツを発信していくためにはサイトの保守費用や、コンテンツを外注する場合はその制作費用も必要となります。人的コストに関しても、オウンドメディアを立ち上げ、運営していくためには、採用サイト以上のコストが見込まれるでしょう。

    ただし、中長期的にはコスト感は逆転し、費用や労力の削減につながると感じている企業が多い点も見逃せません。Indeed Japanの先の調査で、オウンドメディアリクルーティングを実践している企業のうち、85.5%は「オウンドメディアリクルーティングは採用費用を軽減できると思う」と考えています。さらに、84.1%が「採用にかける労力を削減できると思う」と回答しており、費用だけでなく労力の削減にも寄与していることが分かります。

    オウンドメディアリクルーティング実践による成果
    参考:Indeed Japan|Owned Media Recruiting SUMMIT vol.4

    このように費用削減・労力削減が実感できるのは、人材要件に沿った母集団形成が可能になることや、ミスマッチを減らし入社後の定着率を高められることが理由だと考えられます。

    サイト運営やマーケティング、記事制作の知識が必要

    サイトの運営には、人事労務とは全く別の専門性が必要になります。アクセス数などのデータの分析や、どのようなコンテンツを発信していくのかなど、サイト運営やマーケティング、記事制作に関する知識が必須です。採用オウンドメディア運営のために、専任の担当者を採用する企業も少なくありません。

    こうした部分を外部企業に委託するケースも多くありますが、どちらにしても自社の担当者にもある程度の知識がなければ適切な判断ができないため、自社に合った効果的な運営は難しいでしょう。

    社内で協力体制を整える必要がある

    採用オウンドメディアで発信する内容は、業務内容や業務風景、働く環境、自社で働く従業員の紹介などが多いため、社内メンバーの協力が不可欠です。

    現場の社員に協力してもらう場面も出てきますが、採用オウンドメディアを充実させ、採用を成功させることでチームや会社全体の利益になることを理解してもらい、協力を仰ぎましょう。

    継続して運用することが難しい

    採用オウンドメディアは継続してコンテンツを発信していくことが非常に重要ですが、コンスタントに発信し続けることは難しいものです。担当者のみで対応しきれない場合は、外部の制作会社にコンテンツ制作を外注するなど、アウトソーシングも活用しつつ継続してコンテンツを発信できる仕組みづくりが必要になります。

    自社をよく理解している社員が発信内容の作成や管理を行った方がよいとして、インハウスエディターを新たに登用する企業もあります。インハウスエディターとは企業が雇用している編集者のことで、自社の目的に合わせた最適な情報発信ができるとして注目されています。

    採用オウンドメディアを運営するステップ

    採用オウンドメディアを運営するステップ

    採用オウンドメディアを立ち上げ、運営していくにあたって、必要なステップを紹介しましょう。大まかな流れは、以下の図の通りです。

    採用オウンドメディアを運営するステップ
    参考:Indeed Japan オウンドメディアリクルーティングプロジェクト(著)「オウンドメディアリクルーティングの教科書」クロスメディア・パブリッシング(インプレス)刊

    STEP1 目的の設定

    まずは、なぜ採用オウンドメディアを運営したいのか? 何のために採用オウンドメディアを運営するのか?をじっくり考えましょう。このとき、自社の抱える採用課題からまずは考えるといいでしょう。目的の例としては、以下のような点が挙げられます。

    1. 応募者数を増やす(母集団を形成する)
    2. マッチング精度を高め、ミスマッチを減らす
    3. 潜在的な求職者層への接触回数を増やす
    4. 自社による採用比率を高める
    5. 自社従業員へもブランディングを行い、エンゲージメントを高める

    目的が設定できたら、KPI(重要業績評価指標)を設定しましょう。KPIの指標の例は以下の通りです。

    【採用の指標】

    • エントリー数、書類通過数、各選考段階の通過数、内定数、採用決定数
    • 上記の歩留まり率(通過の割合)
    • 定着率

    【オウンドメディア経由の指標】

    • オウンドメディア経由のエントリー数、書類通過数、各選考段階の通過数、内定数、採用決定数
    • 上記の歩留まり率

    【オウンドメディアの指標】

    • サイトのユニークユーザー数、セッション数、ページビュー数、募集要項への遷移数

    短期で達成できるハードルの低いKPIを設定して、達成しながら少しずつKPIの難度を上げていきましょう。

    STEP2 人材要件を定義し、ペルソナを設定する

    次に、一般的な採用と同様に、求める人材要件を定義します。既に人材要件が定義されている場合はそのまま流用してもよいでしょう。人材要件を定義する際は、求める条件を漠然と並べるだけではなく、絶対に譲れない条件や、自社では特に必要としない条件、自社では避けたい条件などもあわせて考えておきます。

    採用オウンドメディアでは、人材要件に沿ったペルソナを設定すると、コンテンツの制作がよりしやすくなります。ペルソナとはマーケティング用語で、モノやサービスを利用したり購入したりする典型的な人物のイメージのこと。採用オウンドメディアにおいては、「人材要件に合致する、自社にとって活躍してもらえる人材」と置き換えて考えます。

    ペルソナの人材像はできるだけ具体的に細かく作り込むことで、コンテンツの制作に迷いが生じたとき、ペルソナに適したコンテンツとは何か?という観点で絞り込めます。

    STEP3 自社の魅力や強みを整理する

    求職者に自社をアピールするため、自社の魅力や強みが何なのかを整理することも大切です。このとき、参考になるのが4つの「P」です。4つの「P」は、株式会社ナレッジワークCEO・麻野耕司氏が提唱するPhilosophy(理念・目的)、Profession(仕事・事業)、People(人材・風土)、Privilege(待遇)のこと。これらの視点から、求職者や潜在的な求職者層にアピールできる魅力を整理していきましょう。

    魅力や強みとは、他社にない自社だけの特別なものでなくてもかまいません。また、自身では特別ではないと思っていても、求職者視点に立てば、実は魅力的な強みであるというケースもあります。STEP2で設定したペルソナの視点に立ち、自社の魅力をチェックするのも有効です。さらに、4つの「P」の視点で考えた魅力や強みが、競合他社と差別化できているかという視点でも検討しましょう。求職者は競合他社と比較しながら会社選びを行っている場合が多いからです。

    STEP4 検索キーワードを意識しながらジョブディスクリプションを整理する

    ジョブディスクリプション(職務記述書)には求職者がよく用いる検索ワードを入れます。それを採用オウンドメディアにも散りばめていくことで、求職者に見つけてもらいやすいメディアをつくれます。

    今までは先に人を採用し、そこに職務を当てはめる「メンバーシップ型」で組織を形成してきた日本企業ですが、近年はジョブディスクリプションで職務を定義して雇用する「ジョブ型雇用」が浸透しています。今まで簡単な職種のみであまり詳しく書かれてこなかった募集要項を、ジョブディスクリプションとして詳細に記載する重要性が高まっているのです。

    ジョブディスクリプションには、以下のような内容を詳細に記載しましょう。

    • 職務の内容、職務の目的・意義
    • 目標、責任、権限の範囲、チームや関係する部署
    • 必要なスキルや知識、性格などの資質、資格、経験

    ジョブディスクリプションの制作にあたっては、各事業部に協力を仰ぎましょう。ただし、事業部はジョブディスクリプションを書く専門家ではないため、最終的には人事部が内容や表現を整える必要があります。ペルソナに沿っているか、求職者の目線に立っているかなどを判断しつつ、整えるようにしましょう。

    出来上がったジョブディスクリプションを見直しながら、求職者が職を探すときに入力するであろう検索キーワードを予測し、それらが含まれているかを確認します。検索キーワードは日々変化するため、ジョブディスクリプションに記載する内容は常にメンテナンスすることが必須です。また、頻出の検索キーワードを含めておくことでオウンドメディアへの訪問者が増えるだけでなく、求職者とのマッチング度を上げることも可能です。

    STEP5 自社の社会的な存在意義や魅力を伝える

    採用オウンドメディアでの情報発信においては、シェアードバリューコンテンツも大きな要素の一つです。

    シェアードバリューコンテンツとは、企業理念や社風、働く環境や雰囲気など、自社の価値や魅力を求職者との間でシェアするためのコンテンツのこと。企業理念や企業の社会的な存在意義を発信するコンテンツと、企業文化や社風、オフィスの雰囲気、福利厚生といった環境について発信するコンテンツに分かれます。

    シェアードバリューコンテンツを発信する際のポイントは以下の4つです。

    1. 企業側が伝えたいことよりも、求職者が知りたいことをメインに伝える
    2. 伝える際はよいことも悪いことも隠さず発信し、情報の羅列ではなくストーリーとして伝えるようにする
    3. 金銭の報酬よりも、やりがいや仕事の意義、働きやすさなどを訴求する
    4. 情報は、誰に伝えるか(Who)、何を伝えるか(What)、どう伝えるか(How)、いつ伝えるか(When)、どこで伝えるか(Where)の4W1Hの視点で整理する

    STEP6 PDCAを回す

    ここまで進めたら、STEP1〜5を、KPIを測定して効果を検証しながらPCDAを回していきましょう。KPI検証の結果、施策を改善する場合は、次の3つの視点で見直しを図ります。

    1. STEP4のジョブディスクリプションの見直し
    2. STEP5のシェアードバリューコンテンツの見直し
    3. そもそもの、採用オウンドメディア戦略の見直し

    採用オウンドメディアの実践事例

    ここからは、実際に企業が運営する採用オウンドメディアの事例を見ていきましょう。それぞれどのような工夫を凝らしているのでしょうか。

    ナイル株式会社「ナイルのかだん」

    デジタルマーケティング事業を行うナイル株式会社。組織コンセプトは「事業家集団」ですが、事業が多岐にわたるため、理念がうまく伝わらないという課題がありました。そこで生のナイルを知ってもらうために、「ナイルのかだん」を立ち上げました。

    社員インタビューや開発秘話などストーリー性のあるコンテンツが多いほか、イベントレポートなども掲載されており、読み応えのあるメディアとなっています。

    参考:ナイル株式会社「ナイルのかだん」

    株式会社メルカリ「mercan メルカン」

    メルカリの「人」を伝えるをテーマにした、ブログ形式の採用オウンドメディア。チームの紹介や社内での出来事を中心に、毎週数本のコンテンツがアップされています。

    職種ごとにカテゴライズされているので、求職者にとっても見やすい設計となっているほか、英語版のページが用意されていることも特徴的です。

    参考:株式会社メルカリ「mercan メルカン」

    サイボウズ株式会社「サイボウズ式」

    新しい価値を生み出すチームのメディア」がテーマ。会社や組織についてだけでなく、「家族と仕事」や「働き方・生き方」などのタグが付いたコンテンツが充実しており、求職者のニーズをうまくすくい上げています。「仕事がしんどい!」など、目を引く特集もあり、求職者の興味を引く仕掛けが散りばめられています。イラストを多用したやわらかい雰囲気づくりも特徴的です。

    以前は同社の離職率は28%という非常に高い水準でしたが、4%にまで低下したとのこと。採用オウンドメディアがミスマッチを減らし、定着率を高めることに寄与していると考えられます。

    参考:サイボウズ株式会社「サイボウズ式」

     LINE株式会社「OnLINE」

    LINEでは、こうしてます。」 がメッセージテーマのメディア。VISION、CULTURE、WORKSと3つの大きなカテゴリーがあり、タグ付けによってさらに細分化することで情報を整理しています。

    社員インタビューが充実しており、人となりが見えやすいことが特徴。LINEは採用手法を人材紹介からダイレクトリクルーティングに転向して成果を挙げた企業の一つですが、このメディアが求職者の企業理解に深く寄与していることは想像に難くありません。

    参考:LINE株式会社「OnLINE」

    株式会社サイバーエージェント「CyberAgentWay」

    採用に特化したオウンドメディアではなく、サービスやIRなども含めた総合オウンドメディアですが、採用のタグもあり、求職者にも閲覧しやすい設計になっています。

    社員インタビューも多く、動画や写真、サムネイルなどにもこだわったコンテンツ設計。IRカテゴリーのコンテンツでも自社の人材育成にフォーカスしたインタビューを行うなど、求職者にとっても魅力的なコンテンツが豊富です。

    参考:株式会社サイバーエージェント「CyberAgentWay」

    株式会社チャーム・ケア・コーポレーション「チャームPOINT」

    有料老人ホームサービスを展開する株式会社チャーム・ケア・コーポレーションの採用オウンドメディアは、「介護で働くリアルを伝える情報メディア」がコンセプト。介護業界が抱かれがちなマイナスイメージを覆すことを使命としています。

    コンテンツは業務内容や介護の取り組みの紹介、選考時のよくある質問への回答、有料老人ホームの紹介、スタッフのインタビューなど、求職者が知りたい情報がまとめられています。

    参考:株式会社チャーム・ケア・コーポレーション「チャームPOINT」

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    まとめ

    求職者や潜在的な求職者層に早期からアプローチでき、積み重ねたコンテンツが資産となる採用オウンドメディア。魅力的なコンテンツを発信することで自社の認知度を高められるほか、応募者数増加や人材のミスマッチを減らせる効果も期待できます。

    運営のステップや事例を参考にしながら、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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    著者プロフィール株式会社ケイ・ライターズクラブ

    書籍やムック、企業系冊子、Web記事、動画など、さまざまな教養の実用書籍から企業・大学案内、エンタメ系ムック、官公庁や地方自体のWEB記事など、幅広いジャンルのコンテンツ制作をワンステップで行う編集プロダクション。採用や人事、マネジメント、転職などに関するコンテンツも多数制作している。