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採用アウトソージング(RPO)の選び方、依頼の流れを解説

「採用活動を拡大したいが人員が不足している」「採用担当者の負担が大きい」などの悩みを抱えている企業も多いのではないでしょうか。採用手法の多様化・長期化などを理由に、採用について豊富な知見を持つ採用アウトソージング(RPO)を活用する企業が増えています。

今回は、近年注目されている採用アウトソージングの基礎知識に加えて、依頼の流れや選定方法、活用のポイントについて詳しく解説します。


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採用アウトソージング(RPO)の基礎知識

採用代行(RPO)とは

採用アウトソージングとは、採用業務の一部、もしくは業務全般を企業に代わって行うサービスのことです。英語では「Recruitment Process Outsourcing」といい、この頭文字をとって「RPO」とも呼ばれ、採用代行と表現されることもあります。正社員だけでなく、パート・アルバイトなどの採用も依頼することが可能です。

採用アウトソージングは、大きく分けて以下の2タイプがあります。

  • 事務代行型……採用活動における事務代行を行う
  • リクルーター配置型……クライアントの社内にリクルーターを配置して候補者を探す

日本では事務代行型が主流ですが、リクルーターを社内に配置する方法も外資系企業を中心に増えつつあります。本記事では、事務代行型について詳しく解説します。

委託できる業務内容

採用に関する多くの業務は、採用アウトソージングサービスに委託できます。採用活動の指針となる採用計画の策定から、求人広告の作成・掲載といった母集団形成、DM(ダイレクトメール)・スカウトの送信など事務的な業務まで、幅広い業務が代行可能です。

■採用アウトソージングに委託できる主な業務

  • 採用計画の策定
  • 求人広告の作成・掲載
  • DM・スカウトの送信
  • 求職者管理
  • 説明会代行
  • 面接代行
  • 内定後のフォローと定着支援

採用計画の策定や面接の代行は採用に直接かかわる「コア業務」のため、依頼する場合でも自社の意向をしっかり伝え、認識を共有することが重要です。

応募書類や情報の管理、面接日時の調整といった求職者管理にかかわる業務は、引き継ぎ作業の工数が少ないことに加え、求職者が多数いる場合など煩雑になりやすいため、採用アウトソージングサービスに依頼する企業が多い傾向にあります。

活用する目的

採用アウトソージングを活用する主な目的は、「採用競争力の向上」「採用担当者の業務負担軽減」にあります。

日本の人手不足は慢性化し、社会問題になりつつあります。帝国データバンクが行った「人手不足に対する企業の動向調査(2023年7月)」の結果では、「正社員が不足」と感じている企業の割合は51.4%。優秀な人材を自社に迎え入れるため、多くの企業が新たな採用手法に取り組んだり、年間を通して採用活動を行う「通年採用」を導入したり、採用競争力の向上に励み、採用担当者の負担が増えているのが現状です。

採用アウトソージングサービスを展開する企業は、さまざまなデータやノウハウを持っており、適切な方法で効率よく採用活動を行ってくれるため、自社にマッチした人材を採用したい企業や、採用担当者の負担を減らしたい企業などが導入しています。

参考:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2023年7月)」

採用手法が多様化している現代。自社に適した手法が判断できず、お悩みの人事担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。自社に合った採用手法を選ぶ際のポイントについては、こちらの資料で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください

主な料金体系

採用代行の料金体系の形態は、大きく分けて3パターンがあります。

  • 月額一律料金制
  • 従来課金型
  • 成功報酬型

月額一律料金制は、毎月支払う金額が固定されているタイプ。支払った金額の範囲内で依頼できる業務内容が決められているのが一般的です。採用活動全体を委託できるケースや3カ月・6カ月・1年という単位で契約できる場合もあります。

従来課金型は、多くの代行会社が採用している料金体系です。代行期間や対応の件数など、業務量に応じて料金を支払います。初期費用や面接時に追加料金が発生することもあるので、利用する際は事前に確認しておきましょう。

面接実施や内定など、成果に応じて料金を支払うのが成功報酬型です。成果が出るまで料金は発生しませんが、成功報酬の費用は上記2つの料金体系と比べて高額な傾向にあります。


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採用アウトソージングを導入する際の流れ

採用代行を依頼するまでの流れ

ここからは、採用アウトソージングを導入する際の流れを見ていきましょう。下図のような流れで進めていくのが一般的です。

採用アウトソージングを導入する際の流れ

事前打ち合わせ

まずは、委託先の企業と打ち合わせを実施し、自社の採用に関する目的や課題、ニーズを共有しておく必要があります。契約後、スムーズに採用活動を進めていくためです。自社の要望をはじめとして、料金体系や対応できる業務範囲も確認しておきましょう。

また、打ち合わせの際は、採用人数やスケジュール、採用要件など、具体的な採用計画についてのヒアリングも行われるのが一般的です。これらの情報を事前に整理し、認識のズレが生じないように意識しておく必要があります。

提案プランの検討・代行業務の決定

打ち合わせの内容をふまえて、採用アウトソージングサービス担当者から、目標達成や課題解決のためのプラン提案が行われます。

企業側は代行できる業務が自社のニーズに即しているか、費用に納得できるかなどを検討したうえで、実際に依頼する業務を決定します。その後、正式な見積もりで費用を明らかにしておきます。

このプロセスまでは無料のケースが多いので、一社にこだわらず複数のサービスに相談して比較し、最適なものを選びましょう。

契約の締結

プランに合意した後は、業務委託基本契約など、必要な契約を締結します。

業務内容が細分化されている採用アウトソージングサービスでは、契約書の内容も複雑になりがちです。依頼内容・申告内容と契約書の間にズレがないかを確認するとともに、自社の顧問弁護士や法務部門を通じてリーガルチェックを行う必要もあるでしょう。

運用開始

契約締結後は、アウトソージング企業が業務設計、人員確保、各施策の準備など委託業務を開始させるための体制を構築し、RPOの運用が始まります。

運用開始後は、委託した業務についての成果報告が定期的に行われます。任せきりにするとミスマッチが発生する恐れがあるので、定期的にコミュニケーションをとって、業務の改善を図っていく必要があります。


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採用アウトソージング選定時に重視すべき6つのポイント

採用代行選定の際に重視すべき6つのポイント

数ある採用代行サービスのなかから、どのような点を重視して依頼先を選べばよいのでしょうか。ここからは、採用代行サービス選定の6つのポイントを紹介します。

  1. 依頼したい業務に対応できるか
  2. 実績はあるか
  3. 見積り費用に納得できるか
  4. コミュニケーションがとりやすいか
  5. コンサルティングに強みを持っているか
  6. セキュリティ管理がなされているか

依頼したい業務に対応できるか

代行会社によって対応できる業務範囲は異なりますので、依頼したい内容が業務範囲内かを事前打ち合わせの段階で確認しましょう。

あわせて、どのような経験・スキルを有するメンバーが運営に携わるのかなど、業務遂行の体制や品質もチェックし、依頼したい業務に十分対応できるかどうかを見極めます。

実績はあるか

実績が豊富な会社と少ない会社では、業務の質が異なります。これまでの実績をチェックし、安心して任せられるかどうかを見極めます。

実績は単に件数を見るだけでなく、企業の規模や得意とする業界・業種があるのかという点、業務の内容やボリュームなどを細かくチェックします。あわせて、自社が所属する業界の最新動向や、転職活動が活性化する時期などを理解できているかどうかを確認することも大切です。

実績が公表されていない場合もあるので、電話や問い合わせフォームなどから直接問い合わせましょう。

見積り費用に納得できるか

料金体系や見積もり費用の記載形式は代行会社によって異なります。1社だけでなく複数の代行会社の見積もりをとり、比較しながら検討しましょう。自社にとってリスクとなる要素を事前に説明してくれるサービス会社だと、安心して利用できるでしょう。

追加料金が発生した場合の金額を確認しておくなど、契約後のトラブルを防ぐために、不明な箇所があれば小さなことでも事前に解決しておきます。

コミュニケーションがとりやすいか

担当者同士のコミュニケーション不足から認識のズレが生じ、採用後のミスマッチが起こることもあります。

情報共有や進捗状況の確認などを適宜行い、アウトソージング会社に任せきりにすることがないよう意識しておく必要があります、そのために、連絡手段や対応可能な時間帯を事前に確認しておき、こまめにコミュニケーションをとることが大切です。

コンサルティングに強みを持っているか

一から採用体制を構築していきたい場合は、コンサルティングに強い採用代行に依頼するのがおすすめです。採用計画の策定など戦略部分の策定にも対応してくれるので、高い成果が期待できます。

セキュリティ管理がなされているか

採用アウトソージングサービス会社は、企業の内部情報や求職者の個人情報を扱うため、活用する際は情報漏えいのリスクがあります。情報セキュリティの管理体制や方針、業務を行うオフィスのセキュリティ対策などを確認しておく必要があります。

具体的には、プライバシーマークを取得しているか、メンバーに対して情報セキュリティに関する研修を実施しているかなどをチェックするとよいでしょう。


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採用アウトソージングを活用する際の注意点

採用代行を依頼する際の注意点

採用代行サービスに依頼する際に、注意するべき4つのポイントは以下のとおりです。

  1. 業務範囲と責任を明確にする
  2. 社内の状況との親和性を見極める
  3. こまめに進捗を確認し情報を共有する
  4. 求職者・内定者と直接会う機会を設ける

一つずつ詳しく見ていきましょう。

業務範囲と責任を明確にする

トラブルを防ぐために、業務の範囲と責任を明確にしておきましょう。情報や書類の取り扱い、情報連携のフローなどについて、しっかりとルールを決めておきます。

また、求職者の選定や面接代行を依頼する場合は、採用基準を明らかにし、企業とアウトソージング会社の間で認識を合わせておきましょう。任せきりにすると、狙った成果が得られなかったり、採用後のミスマッチが起こったりする可能性もあります。

社内の状況との親和性を見極める

企業にはそれぞれ独自の社内ルールやセキュリティポリシーなどの規則がありますが、それらを代行会社が守ってくれるかどうかをしっかりと見極めましょう。自社の企業文化と親和性があるかどうかという点も、意識しておく必要があります。

採用活動をスムーズに進めていくためには、企業と代行会社の相性も大切です。

こまめに進捗を確認し情報を共有する

認識のズレを発生させないためにも、進捗報告やミーティング、レポートなどの頻度を決めておき、こまめに連絡を取り合いましょう。

採用担当者の負担は軽減されたか、応募数は増加しているかなど、採用アウトソージングに依頼したことで効果が現れているかどうかを初期段階は特にチェックし、理想的な採用体制を構築することが大切です。

求職者・内定者と直接会う機会を設ける

求職者対応や面接などを委託する場合、必然的に企業と求職者との接点が減ってしまいます。そのため、求職者と信頼関係を構築しづらいという事態が発生する可能性があります。

企業と求職者・内定者が直接接する機会は重要です。企業の魅力や雰囲気をリアルに伝えられ、入社後に良好な関係を構築しやすくなり、早期離職の防止も期待できます。

面接や内定フォローを代行会社に依頼する場合も直接求職者・内定者と会う機会を設け、信頼を得られるようにしましょう。

採用活動の課題解決のため採用代行導入を検討しよう

採用活動の課題解決のため採用代行導入を検討しよう

少子高齢化などの影響で、従来の採用手法だけでは求める人材の採用が難しくなってきています。人員やノウハウが不足している企業も、採用アウトソージングを活用すれば、ダイレクトリクルーティングなど新たな手法を取り入れられ、採用競争力を向上させられるでしょう。

現在の採用活動に課題を感じているなら、本記事で紹介した選定時のポイントや依頼する際の注意点をふまえたうえで、採用代行の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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著者プロフィール株式会社IKUSA

デジタルマーケティング事業を展開し、Webサイトの制作・運用・分析、記事・DL資料・メールマガジンなどのコンテンツ制作などを行う。2021年12月時点、自社で7つのオウンドメディアを運用し、月間合計600件を超えるコンバージョン数を達成。