採用業務は、採用戦略の立案から募集、選考、内定者フォローまで多岐にわたり、企業の成長に直結する非常に重要な業務です。
本記事では採用業務の流れと具体的な業務内容を解説し、採用業務に必要な知識とスキルを解説します。また、多くの企業が抱える採用業務にかかわる課題と、効率化のためのポイントについても紹介します。
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採用業務とは

採用業務とは、新たな人材を雇用するために行う一連の業務のことです。主に、新規の学卒者を対象とする「新卒採用」と実務経験者を対象とする「中途採用」に分けられ、さらに正社員や契約社員、パートタイムといった雇用形態によっても分けられます。採用にかかる業務の流れは、どのような人材を採用する際も基本的に同じです。
まずは、主な業務内容の例や、採用業務の重要性について解説していきます。
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業務内容
採用業務には以下のようなものがあります。詳しくは、後述する「採用業務のフロー」の項目で採用業務の流れに沿って解説します。
- 採用戦略の立案
- 人材要件の定義
- 採用計画の策定
- 求人情報の公開
- 自社採用サイトの構築
- 会社説明会の開催
- 求職者のエントリー受付
- 書類審査の実施
- 適性検査の実施
- 面接の実施
- 選考の実施
- 結果の通知
- 内定者フォロー
採用業務の重要性
採用業務は会社の成長につながる業務のため、企業にとっては非常に重要です。「人」は企業の資源であり、他社が簡単にまねできない部分です。自社の求める人材を採用し、活躍の場を与えられれば、唯一無二の成果をおさめやすくなります。
また、採用業務は企業の現状を維持するためにも必要不可欠です。企業ではさまざまな理由で必ず一定数の離職者が出るため、自然に任せていると人員が減るものです。人員の規模を保つためには、バランスを鑑みながら、人員を補充する必要があります。
参考書籍:
釘崎 清秀(著)、伊達 洋駆(著)「『最高の人材』が入社する採用の絶対ルール」、p008-009、p019、ナツメ社刊
採用業務のフロー

採用業務の流れは「計画」「募集」「選抜」「内定者フォロー」の4つのフェーズに分けられます。
まず、計画の段階では採用戦略の立案、人材要件の定義、採用計画の策定を行い、採用業務の基本方針と計画を設計しておきます。
次に募集の段階では、求人情報の公開、会社説明会の実施、求職者のエントリー受付を行い、実際に採用活動をスタートします。
選抜の段階では、書類審査の実施と適性検査の実施、面接の実施、選考の実施、結果の通知を行い、内定を出します。
最後に内定者のフォローを行い、入社後スムーズに業務を開始できるようにフォローしていきます。
ここからは順を追って、それぞれのフェーズで行うべきことを解説していきましょう。

【計画のフェーズ1】採用戦略の立案と人材要件の定義
採用業務で最初に行うのは、採用戦略を立てて、人材要件を定義することです。自社の経営方針や戦略をもとに、自社に必要な人材を定義し、どのような人材をどのような方針で採用するかを定めます。
人材の要件を定めるときには、絶対に欠かせない「必須要件」、あるとよりよい「優秀要件」、ないほうが望ましい「ネガティブ要件」、自社では問題にしない「不問要件」に分けて考えるとよいでしょう。
要件を分類せず、どれも等しく「求める要件」にしてしまうと、人材要件が「非現実的なほどに優秀な人材」になり、採用活動が難航します。
参考書籍:
釘崎 清秀(著)、伊達 洋駆(著)「『最高の人材』が入社する採用の絶対ルール」、p026-030、ナツメ社刊
【計画のフェーズ2】採用計画の策定
採用戦略と人材要件が定まったら、採用計画を立てます。採用手法や募集方法、採用予定人数、スケジュール、担当者等を決定しましょう。
スケジュールは、いつまでに何人を採用しなければならないかを鑑みて、そこから逆算して立てる必要があります。過去の採用活動実績からおおよその所要日数を割り出して計画しましょう。
【募集のフェーズ1】求人情報の公開
求人情報は各種の求人媒体に情報を公開するほか、自社の採用サイトがある場合はそちらにも掲載します。採用サイトは、設置する目的を考えて情報を絞り込み、掲載します。一般的には、情報を網羅的に掲載するよりも、説明会への申し込みや求人へのエントリーを目的とした設計を重視するとよいでしょう。
求職者は社員と実際に会話をするなかで多くの企業情報を収集しようと考えている場合も多いため、採用サイト自体は読み込んでいない場合もあります。あまり時間と労力をかけて作り込みすぎると、コストがかさみすぎてしまう可能性があります。
また、求人媒体に情報を載せずに、転職サイトやヘッドハンターなどを通じて求職者に声を掛ける非公開求人という方法もあります。非公開求人には自社の採用状況を他社に知られずに採用活動を進められる、マッチ度の高い求職者に絞って声を掛けられるというメリットがあります。
そのほか、SNSを活用したソーシャルリクルーティング、社員から人を紹介してもらうリファラル採用、企業側が「欲しい」人材を獲得するために、企業自身が採れる手段を主体的に考え、能動的に実行する採用活動であるダイレクトリクルーティングなどの求人手法もあります。
【募集のフェーズ2】会社説明会の実施
新卒採用のように一度に多くの人を採用する場合、説明会を開催することも一般的で、近年は新型コロナウイルスの影響もあり、オンラインで説明会を行う形式が浸透しつつあります。
説明会ではポジティブな情報で求職者の志望度を高めることが大切ですが、ネガティブな情報も併せて伝えることで求職者に誠実な印象を与えることができ、信頼を獲得できます。また、入社後のリアリティー・ショック(理想と現実のギャップに衝撃を受けること)も軽減できるでしょう。
中途採用の場合、募集人数が多い場合は説明会を開催するケースもありますが、ごく少人数の欠員募集の場合は説明会を行わず、面談で個別対応する企業が多くみられます。
【募集のフェーズ3】求職者のエントリー受付
求職者のエントリーにおいては、応募者の数を集めるよりも、いかに自社とマッチする人材にエントリーしてもらうかを重視することが大切です。応募数が少なくても、マッチ度の高い求職者だけを集められれば、自社の人材要件に近い求職者だけに選考のリソースを割けます。
選考を通して丁寧な対話を行い、企業と個人の相互理解が深まれば、入社の意向を高められるだけでなく、入社後のギャップ軽減にもつながります。
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【選抜のフェーズ1】書類審査の実施
選抜のフェーズでは、第1段階として書類審査を行うことが一般的です。
新卒採用では学生時代の活動や志望動機などを見る場合が多く、中途採用の場合はスキルや経験と募集しているポジションへのマッチ度、転職回数や在籍期間などを見る場合が多いでしょう。ただし転職回数や在籍期間は数字だけで判断せず、理由を必ず聞くようにします。
エントリーのしやすさを重視し、最初の段階では書類審査を行わずに面談や面接から開始して、後から書類を提出させる企業もあります。また、書類は履歴書のみで、あとは全て面接や面談で判断するという企業もあります。ただしこれらの形式は面談や面接に割くリソースが大きくなるので、応募者が多い企業には向かないでしょう。
【選抜のフェーズ2】適性検査の実施
適性検査は受検者の基礎的な能力、性格、価値観などを診断するために行います。検査では基礎能力の数値化や、面談や面接で見えにくい人物特性の的確な言語化・データ化が可能なため、うまく活用できるとよいでしょう。
中途採用向けの代表的な適性検査としては「SPI3-G」(株式会社リクルートマネジメントソリューションズ)、「ほかに玉手箱Ⅲ」「CAB」「GAB」「内田クレペリン検査」などがあります。
【選抜のフェーズ3】面接の実施
面接に関する業務としては、主に以下のようなものが挙げられます。
- 面接のスケジューリング
- 面接官の調整
- 面接評価シートの作成
このほか、面接官に面接の要項や人材要件を伝えるといった業務もあります。面接官ごとに評価がブレないよう、評価基準などの認識をすり合わせておくことが重要です。
また、ときには自身が面接を行うこともあります。人事部門の担当者のみで面接を行う場合と、現場の社員が同席する場合があり、どちらの場合も「その人の特性や、自社とのマッチ度の見極め」を目的とすることが大半です。スキルや経験に関しては、必要な要素をより理解している現場の社員が見極める場合が多いでしょう。
前述のように面接では応募者を見極めますが、自社を理解して、魅力を感じてもらい、入社の意向を高めてもらうことも非常に大切です。採用活動を通じて応募者に寄り添い、志望動機を一緒に確認しながら入社の意向を醸成していくことも、面接の大きな役割といえるでしょう。また、面接の前後に、選考に影響しない面談を実施して相互理解を深めることも効果的です。
【選抜のフェーズ4】選考の実施
書類審査、適性検査、面接の結果をもって合否を決定します。
「自社の求める人材要件とマッチしているか」が主な判断基準となりますが、全ての要件を満たす必要はありません。全ての要件を満たす人を探すのは現実的ではないことをふまえ、できる限り人材要件に近い応募者を求めるようにします。
【選抜のフェーズ5】結果の通知
選考を終えたら、応募者に選考結果を伝え、応募書類等の破棄や返却を行います。選考結果の第一報は電話やメールなどで通知することが多く、選考結果を伝えるとともに、次の面接や面談のスケジューリングを行うこともあります。
最終選考の結果を通知する場合は、内定者面談のスケジューリングや入社に関する必要書類の送付も行います。
【内定後のフェーズ】内定者のフォローをする
企業が内定を出しても、応募者は即座に意思決定をするわけではありません。そこで企業は、内定を承諾し入社してもらえるようフォローを行います。せっかく素晴らしい人材を見いだして内定を出しても、入社してもらえなければ採用活動は結実しません。内定者フォローは採用活動の最後を締めくくる業務であり、最も力が注がれている業務の一つといえます。
内定者のフォローとは、内定者と人事との面談や、現場の社員との面談などを通じて、内定者が入社の意思決定をするために必要な情報を提供し、納得して入社できるようフォローすることです。新卒採用では、内定者フォローの一環として内定式や内定者懇親会などを実施するのも一般的です。
もし内定を辞退された場合は、可能であれば辞退理由を具体的にヒアリングし、次の採用活動に生かしましょう。
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採用業務に必要な知識とスキル

ここまで説明してきたとおり、採用業務は多岐にわたります。そのため、担当者にはさまざまな知識とスキルが必要になります。特に以下の6つの知識・スキルは必須といえるでしょう。
- 法令に関する知識
- 自社の業務に関する知識
- 面接・面談スキル
- プレゼンテーションスキル
- 調整・交渉力
- 労働市場の動向に関する知識
ここからは、採用業務に必要とされる6つの知識・スキルを一つずつ解説していきます。
法令に関する知識
労働や雇用に関する各種法令の知識は、求人募集要項の文言、説明会等での回答、面接でのやりとりなどにも密接に関係します。以下の各種の差別については、法律で明確に禁止されているため、その内容を把握しておきましょう。
- 男女差別(男女雇用機会均等法)
参考:参考:男女均等な採用選考ルール 厚生労働省
- 年齢による差別(労働施策総合推進法)
参考:「その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?」事業主の皆様へ 厚生労働省
- 国籍による差別(労働施策総合推進法等)
- 障害者差別(障害者雇用促進法)
募集時の労働条件の明示、個人情報取得、労働契約締結時の労働条件の明示等に関しても法令を確認し、順守した形で進める必要があります。
また、厚生労働省は面接での質問項目について応募者の基本的人権を尊重し、就職差別を避けるために、「公正な採用選考の基本」として採用選考時に配慮すべき事項を示しています。
【採用選考時に配慮すべき事項】
次のaやbのような適性と能力に関係がない事項を応募用紙等に記載させたり面接で尋ねたり把握することや、cを実施することは、就職差別につながるおそれがあります。
<a.本人に責任のない事項の把握>
- 本籍・出生地に関すること (注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)
- 家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)(注:家族の仕事の有無・職種・勤務先などや家族構成はこれに該当します)
- 住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)
- 生活環境・家庭環境などに関すること
<b.本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握>
- 宗教に関すること
- 支持政党に関すること
- 人生観、生活信条に関すること
- 尊敬する人物に関すること
- ・思想に関すること
- ・労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること
- ・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
<c.採用選考の方法>
- 身元調査などの実施 (注:「現住所の略図」は生活環境などを把握したり身元調査につながる可能性があります)
- 合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施
自社の業務に関する知識
採用担当者は、社内の職種とその業務内容を正しく理解しておく必要があります。現場の社員がいない場面でも応募者に正しく業務内容を説明し、質問にも回答しなければならないためです。各職種における専門用語、技術的用語も併せて把握しておきましょう。
あらゆる業務について正しく把握しておくことは、自社にとって有益性の高い採用活動を行うことにもつながります。
面接・面談スキル
面接・面談では、的確に応募者の考えを引き出す力が求められます。質問攻めにするのではなく、自然な会話のなかで応募者に本音を話してもらうことが重要で、そのためには自己開示や傾聴といったスキルも必要になります。
また、面接・面談を通して応募者を適切に評価・選抜するための見極め力も必要です。無意識におけるバイアス(先入観や考え方の偏り)をあらかじめ理解しておき、決めつけや思い込みを可能な限り排除して応募者を見極めましょう。
プレゼンテーションスキル
採用は、企業が応募者を選考するだけではなく、応募者もまた企業を選ぶ立場にあります。応募者に自社を選んでもらうためには、自社の魅力をプレゼンテーションするスキルが必要です。
面接や面談を通して応募者それぞれのニーズや価値観、不安などを把握し、適切にアピールしましょう。応募者が入社の意向を高めていけるような働きかけが求められます。
参考書籍:
釘崎 清秀(著)、伊達 洋駆(著) 「『最高の人材』が入社する採用の絶対ルール」、p038、ナツメ社刊
調整・交渉力
採用業務はスケジュールや人員調整の連続です。多くの人がかかわる採用業務を円滑に進めるためには、調整力が必要となります。また、スケジュールの変更等が起こりやすい業務のため、臨機応変に対応することが求められるでしょう。
さらに、経営者や現場の意向をとりまとめて人材要件や採用計画を策定する際などにも調整力が必要となります。忙しい現場の社員に採用業務への協力を依頼する際には、交渉力も必要です。
労働市場の動向に関する知識
採用業務を成功させるためには、求人倍率や他の企業の採用計画といった労働市場の動向を把握し、求職者の心理を理解しておく必要があります。こうした情報は厚生労働省等の各種政府機関から発表されているほか、求人媒体の独自調査結果や、転職サイトからも得られます。
参考書籍:
釘崎 清秀(著)、伊達 洋駆(著) 「『最高の人材』が入社する採用の絶対ルール」、p037、ナツメ社刊
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採用業務の課題

ここまで採用業務の基本的な流れや必要とされるスキルなどについて解説してきましたが、実際に採用業務を進めるなかで、課題を感じている企業も多いでしょう。
そこで、企業が抱える採用業務の課題について、数あるなかから代表的なものと、その解決策を解説します。
自社とマッチ度の高い母集団形成が困難
「求人を出したが、そもそも人が集まらない」という悩みを抱えている企業がある一方で、「非常に多くの応募者が集まったが、自社とのマッチ度が低い人が多く含まれていて、選考にコストがかかる」という悩みのある企業も多くみられます。「このような人に応募してほしい」と企業が希望している人材だけにできるだけ多く応募してもらうのは、簡単なことではありません。
応募者が集まらない場合は、自社の求める人材要件に合致する求職者にとって魅力ある情報を募集要項や説明会でアピールしましょう。例えば特定の資格をもつ人を採用したい場合は、その資格の活躍の場が豊富であることを伝えたり、資格手当が支給されることをアピールしたりします。
自社とのマッチ度が低い人が多く含まれてしまう場合は、募集要項や説明会で伝えるメッセージによって、ある程度応募者を絞れます。例えば粘り強くチャレンジする人材を採用したい場合は、「面接では、あなたの根気や粘り強さ、チャレンジ精神にまつわるエピソードをぜひお聞かせください」と応募者に伝えておくと、こうしたエピソードをもっていない人のエントリーをある程度避けられるでしょう。
業務量が多すぎてリソースが不足する
「忙しすぎて人手が足りない」ということも、採用業務において尽きない悩みです。ここまで紹介してきたように、採用業務は多岐にわたります。社内外との連絡、応募者との連絡や調整、個人情報の取り扱い、各種選考の実施、内定者フォローなど次から次へと業務に追われ、多忙な状況が常態化しているといえるでしょう。
この問題を解消するには、人員を増やしたり、採用管理システムやアウトソーシングの活用を検討したりする必要があります。
費用対効果に見合わないことも
求人・採用には多大なコストがかかります。「何十万円も払って求人広告を出したのに、採用したいと思える人が集まらなかった」「数百万円のコストをかけて採用したのに、1年足らずで辞めてしまった」など、費用対効果の低さに悩む企業も少なくありません。
しかし、一人一人ではなく年間の採用単価にならして昨年度と比較すると、実は昨年度よりも改善されている場合もあります。また、入社後の定着や活躍といった金額に表しにくい実績も、費用対効果を見る際に検討すべきでしょう。
人材の見極めが難しい
どれほど知識やスキルのある人事にとっても、人材の見極めは非常に難しいことです。面接の際の印象と入社後の働きにギャップがある場合もしばしばで、「思っていたよりもスキルが低かった」「配属先のメンバーとの相性が悪かった」「ストレス耐性が低かった」「職場環境や業務内容の認識に齟齬があった」など、入社後に問題が生じることはあります。
見極めを改善するには、求める人材の要件を可能な限り具体的に定義し、面接を担当する現場の社員も含めた選考者全員で共有することが大切です。「どのような人材を求めているか」の認識がブレないようにしましょう。性格をはかる適性検査も、面接では捉えづらい特性を可視化できるため有用です。
採用業務の効率化を図るポイント

ここからは採用業務の課題を解決し、効率化を図るために取り入れたい以下のポイントについて解説します。
- 採用フローや計画を見直す
- 社内の理解を十分に得る
- オンライン面接ツールを導入する
- 採用管理システム(ATS)を導入する
すぐに実践できるのは採用フローや計画の見直しと、社内の理解の促進です。
また、予算が必要になりますが、採用管理システムを用いて業務を半自動化することも有効です。人的リソースが限られていても、できる部分は自動化することで、最も重視したい部分に人的リソースを注ぐことが可能になります。
採用フローや計画を見直す
いくら便利なシステムやツールを取り入れても、そもそもの設計が悪ければ効率化は図れません。まずは、ボトルネックになっている工程がないかを見直しましょう。
【例】
- エントリーシートは本当に必要か
- 面接の回数は現状のままでよいか
- 選考の手順は最適化されているか
このように、より効率的で効果の高い採用フローや計画になるよう、今までのフローを一つずつ検討します。
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社内の理解を十分に得る
面接官を依頼した社員からなかなか返事がもらえないなど、社内コミュニケーションが滞るケースはよくあります。採用はスピード勝負なため、よい人材が他社に流れてしまわないようにするには、社内コミュニケーションも迅速に行いたいところです。そのためには、社内の理解を十分に得る必要があります。
なぜ採用を行う必要があるのか、そしてなぜ採用はスピーディーでなければならないのかを、社内で十分に理解してもらい、協力を仰ぎましょう。社内業務はとかく後回しにされがちですが、採用が部署や自社の利益に直結する業務であることを理解してもらえれば、協力を得やすくなります。
社内の面接官などと面接の日程調整に時間がかかるようであれば、効率的な進め方を許容してもらうようにするとよいでしょう。例えば個人のスケジュールをシステムで公開している企業の場合、スケジュールの空き時間があれば優先的に面接の予定を入れて、その後、本人と調整を行うといった方法があります。
オンライン面接ツールを導入する
新型コロナウイルスの影響もあり、近年はWeb面接を行うケースが急増しています。Web面接は感染症予防の観点以外に、遠方の応募者や現職で多忙な応募者との面接を調整しやすいこともメリットです。
「Zoom」や「Microsoft Teams」などのWeb会議システムもありますが、オンライン面接ツールを使うと録画はもちろん、求職者の評価ができる記録機能もあり、面接内容の記録や管理がしやすいという利点があります。同時接続数が多いシステムを使えば、大規模な合同説明会も可能です。
採用管理システム(ATS)を導入する
採用管理システム(ATS:Applicant Tracking Systemの略称)は、採用業務を一元管理するためのシステムです。以下のような採用業務をシステム上に全て集約して管理できます。
- 求職者の応募受付
- 選考の日程調整や結果の通知
- 求人媒体や人材紹介会社とのやりとり
- 社内連絡
採用管理システムの導入によって管理が容易になり、担当者の業務負担が軽減します。担当者がより重要な業務に注力できるようになります。
また、採用管理システムを用いると社内での情報共有・情報更新がスムーズになるほか、メールの誤送信など、人的ミスの防止にもなります。さらに、システムを活用することで収集したデータを分析すれば、来年度以降の採用活動の参考にもなるでしょう。
まとめ

採用業務は会社の成長を担う重要な業務です。その業務内容は多岐にわたり、採用担当者は多忙を極めることもしばしばですが、採用フローや計画を見直したり、採用管理システム等を活用したりしつつ、社内の理解を得ながら効率化を図っていきましょう。
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※実際に導入していただいた企業様の実感値をもとに算出