ワークエンゲージメントとは? 言葉の意味や高める方法、3つの尺度による測定方法を解説

ワークエンゲージメントとは? 言葉の意味や高める方法、3つの尺度による測定方法を解説

近年、ビジネスシーンで注目を集めている「ワークエンゲージメント」という言葉をご存じでしょうか。ワークエンゲージメントは、人事部門に所属する従業員はもちろん、組織づくりに関心のある人々にとって、重要な概念です。

本記事では、ワークエンゲージメントの意味や、測定方法を紹介。さらにワークエンゲージメントを高める方法まで、詳しく解説します。

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ワークエンゲージメントとは?

ワークエンゲージメントとは?

ワークエンゲージメント(Work engagement)は、「仕事と従業員の結びつきの強さ」を示す言葉で、オランダ・ユトレヒト大学のウィルマー・B・シャウフェリ教授によって2002年に提唱されました。

そもそも「エンゲージメント」には、「約束」「契約」といった意味があります。ワークエンゲージメントのほかにも、従業員エンゲージメントや顧客エンゲージメント、ソーシャルエンゲージメントなどがあり、いずれも結びつきの強さを表現するビジネス用語として使用されています。

シャウフェリ教授は、「仕事への態度・認知における心理状態(肯定感、否定感)の度合い」と、「活動水準の高低」という2つの尺度を軸にして、4象限マトリクスを整理しました。

ワークエンゲージメントの関連概念

出典:「令和元年版労働経済の分析」第二部第3章│厚生労働省

上記マトリクスでは、「仕事への態度・認知」の肯定度合いが高く、かつ活動水準が高い状態のことを、ワークエンゲージメントが高い状態としています。一般的には、こうしたワークエンゲージメントの高い状態は、仕事に対してポジティブで充実した心理状態といえます。

2018年に厚生労働省が発表した「平成30年度版労働経済の分析」でも、ワークエンゲージメントについて言及されています。ワークエンゲージメントは、従業員が仕事に対して一時的に抱く感情ではなく、持続的な感情であるのが特徴です。

参考:平成30年版 労働経済の分析 -働き方の多様化に応じた人材育成の在り方について-p191,192│厚生労働省

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ワークエンゲージメントを構成する3つの要素

ワークエンゲージメントを構成する3つの要素

ワークエンゲージメントは3つの要素で構成されており、これらが満たされている状態を「ワークエンゲージメントが高い状態」と呼び、下記の3つすべての要素にアプローチすることで、ワークエンゲージメントを高められます。以下がワークエンゲージメントを構成する3つの要素です。

  • 活力(Vigor)
  • 熱意(Dedication)
  • 没頭(Absorption)
ワークエンゲージメントの概念

出典:「令和元年版労働経済の分析」第二部第3章│厚生労働省

活力

「活力(Vigor)」とは、仕事に取り組むエネルギーが高水準で、心理的な回復力を持っている状態です。

仕事に自ら積極的に取り組み、困難な課題にも粘り強くチャレンジできます。活力が高ければ高いほど、精神力や継続力が向上するため、就業中のストレスを感じにくくなり、生き生きと仕事を楽しめます。

熱意

「熱意(Dedication)」とは、仕事に対して価値を見いだし、仕事に挑戦する意欲を持った状態です。

熱意が高まると、仕事への興味関心、探究心が旺盛になります。それによって、よりよいサービスや商品を生み出す努力を従業員自らが行うようになるでしょう。自身の担当業務のみならず、関連する商品やサービス、部門に対しても幅広く興味を示すようになる従業員も少なくありません。

没頭

「没頭(Absorption)」とは、熱中して仕事に取り組む状態を指す概念です。

没頭の度合いが高ければ高いほど、業務の品質やスピードが向上し、人為的なミスが減少する傾向にあります。没頭していない状況と比べると、作業のスピードや作業効率は飛躍的に向上します。

ワークエンゲージメントと関連する概念

ワークエンゲージメントと関連する概念

先述したシャウフェリ教授による4象限マトリクスにもあるように、ワークエンゲージメントに関連する概念には以下の3つがあります。

  • ワーカホリズム(Workaholism)
  • バーンアウト(Burnout)
  • 職務満足感(Job satisfaction)

「活動水準」と「仕事への態度・認知」の2軸を、4つの概念と組み合わせることで、従業員の仕事に対する心理状態を4つに分類できます。

ワークエンゲージメントの関連概念

出典:「令和元年版労働経済の分析」第二部第3章│厚生労働省

ここからは、ワークエンゲージメントと関連する3つの概念について解説します。

ワーカホリズム

「ワーカホリズム(workaholism)」とは、従業員の活動水準が高く、仕事への姿勢がネガティブである状態をいいます。

ワーカホリズムの高い従業員は過度に一生懸命、仕事をしますが、強迫的に働いている傾向があります。

ワークエンゲージメントの高い従業員が「私は働きたい」と前向きな気持ちで仕事をしているのに対して、ワーカホリズムの高い従業員は「私は働かなければならない」という、受け身で、ネガティブな感情を抱き、義務感から仕事をしているのが特徴といえます。

バーンアウト

「バーンアウト」(burnout)とは、従業員の活動水準が低く、仕事への姿勢がネガティブである状態を指し、ワークエンゲージメントとは対極に位置する概念とされます。

バーンアウト状態の従業員は、仕事に対して過度にエネルギーを費やした結果、疲弊し、仕事への興味や関心、自信が低下している状態です。「燃え尽き」などとも呼ばれています。

職務満足感

「職務満足感(Job satisfaction)」とは、従業員の活動水準が低く、仕事への姿勢、態度がポジティブである状態のことです。

ワークエンゲージメントは仕事に取り組んでいるときに感じる気持ちや認知などの心理状態を指しますが、それに対して職務満足感は仕事そのものに感じる気持ちや認知などの心理状態を指します。自分の仕事を評価した結果から、ポジティブな心理が生じる場合が多いです。

ワークエンゲージメントと類似用語との違い

ワークエンゲージメントには、似た意味で使用される類似用語があります。意味を把握して、混同して使用しないように注意しましょう。

  • 従業員満足度
  • 従業員エンゲージメント

従業員満足度

「従業員満足度(ES:Employee satisfaction)」とは、従業員が業務の内容や職場環境、働きがいや人間関係などに関してどのくらい満足しているかをはかる指標です。

ワークエンゲージメントとの違いは、数値をはかった後の目的にあります。従業員満足度は一般的に、従業員にアンケート調査などを行い、従業員個人の満足度向上を目的としてはかる指標です。一方、ワークエンゲージメントは、従業員の満足度の向上にとどまらず、企業の業績向上にもつなげようとする目的があります。

従業員満足度を向上させることは企業の業績向上にもつながるという見方もあるかと思いますが、従業員満足度の数値と企業の業績において、明確な相関性は低いといわれています。

従業員エンゲージメント

「従業員エンゲージメント」には、さまざまな定義があります。組織への愛着、職務満足、仕事への熱意などが混在しています。

そのため、従業員エンゲージメントとワークエンゲージメントは、明確に異なる概念とされていません。また、ワークエンゲージメントは、従業員エンゲージメントの一部と考えられています。

ワークエンゲージメントを高めるメリット

ワークエンゲージメントを高めるメリット

ワークエンゲージメントを高めると、企業には主に、以下のようなメリットが期待できます。

  • 生産性が向上する
  • 離職率が抑制される
  • メンタルヘルス対策に役立つ
  • 顧客満足度向上につながる

生産性が向上する

ワークエンゲージメントを高めるメリットの1つとして、生産性の向上があります。

ワークエンゲージメントが高まると、従業員のパフォーマンスが最大化します。仕事へのモチベーションが高い状態の従業員は、新しいアイデアを創出したり、ビジネスチャンスを獲得したりしやすくなります。

そのため、従業員一人一人のワークエンゲージメントの高さは企業全体の生産性や業績向上にもつながっていきます。

離職率が抑制される

従業員の離職率は、多くの企業やチームにとって悩みの種でしょう。せっかく人材教育に力を入れても、成長した人材がすぐに離職してしまっては意味がありません。

そこで効果を発揮するのが、ワークエンゲージメントです。離職率とワークエンゲージメントのあいだには、相関関係があるといわれています。ワークエンゲージメントのスコアが高い企業では、従業員の定着率が高く、スコアの低い企業では離職率が高い傾向にあります。

ワークエンゲージメントの向上によって、人材の流出を防ぐことは企業にとって大きなメリットとなります。

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メンタルヘルス対策に役立つ

近年、多くの企業で従業員のメンタルヘルスの問題が注目されていますが、そうした課題にもワークエンゲージメントの向上が役立ちます。

問題を早期に発見できるように、ストレスチェックを定期的に行い、対策をとる企業も増えています。しかし、それはストレスが発生することを前提とした対症療法にすぎず、根本的な課題の解決にいたっていません。

ワークエンゲージメントを高めて得られるストレス耐性には、従業員のストレス発生に対する予防効果が含まれています。全従業員に対して、ワークエンゲージメント向上をはかることで、ストレスに強い組織を構築できます。

顧客満足度向上につながる

ワークエンゲージメントの向上は、従業員に対してだけでなく、顧客に対してもよい影響を及ぼします。

  • 自社の製品、サービスの価値に誇りを持って開発、製造を行う製造者
  • 熱意を持ってセールスする営業担当者

上記のように、ワークエンゲージメントの高い従業員が、やりがいを持って働いている姿には、顧客からも好印象を抱かれます。ワークエンゲージメントを高めることで、企業に対する信頼感の向上が期待できます。

ワークエンゲージメントをはかる尺度と測定方法

ワークエンゲージメントをはかる尺度と測定方法

ワークエンゲージメントを高めるために、まずは現状を理解する必要があります。ワークエンゲージメントをはかる方法には、主に3つの手法があります。

  • UWES
  • MBI-GS
  • OLBI

これらの手法について、詳しく紹介します。

UWES

「UWES」は、ワークエンゲージメントの提唱者であるシャウフェリ教授らによって開発された「ユトレヒト・ワーク・エンゲイジメント尺度(Utrecht Work Engagement Scale)」の略称で、世界で最も多く活用されている測定手法です。

ワークエンゲージメントの高さを直接、測定するのが特徴です。具体的には、「活力」「熱意」「没頭」の3つの尺度について、17項目の質問に回答することで測定を行います。

非営利目的であれば自由に使用が可能で、20言語に訳されており、短縮版や学生版も存在します。ただし、日本人のようにポジティブな自己評価を行うことに抵抗を感じる国民性がある場合には、点数が低めに出る場合もあるので、それを踏まえた結果として見る必要があるでしょう。

MBI-GS

「MBI-GS」は「Maslach Burnout Inventory-General Survey」の略称で、ワークエンゲージメントそのものではなく、対極に位置するバーンアウトを測定する方法です。

この測定では、バーンアウトの数値が低いほど、ワークエンゲージメントが高いということになります。具体的には、「消耗感(疲労感)」「冷笑的態度(シニシズム)」「職務効力感」という3つの尺度について、従業員が16項目の質問に回答することでバーンアウトの測定を行います。

OLBI

「OLBI」は、MBI-GSと同様にバーンアウトを測定する手法で、「Oldenburg Burnout Inventory」の略称です。

MBI-GSとは質問内容が異なり、「消耗感」「冷笑的態度」の2つの尺度について、それぞれネガティブ項目とポジティブ項目から構成されている質問に従業員が回答して測定します。OLBIを測定して得たバーンアウトの低さから、逆算的にワークエンゲージメントの高さを割り出します。

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ワークエンゲージメントを高める方法

ワークエンゲージメントを高める方法

ワークエンゲージメントを測定して社内の現状を理解できたら、ワークエンゲージメントを高めるための施策を行います。どのような方法を利用すれば、ワークエンゲージメントを向上させられるのでしょうか?

ワークエンゲージメントの向上には、2つの要因があります。

  • 個人の資源
  • 仕事の資源

この2つの要因に対して、適切なアプローチを行うことで、ワークエンゲージメントを高められます。

個人の資源

「個人の資源」とは、心理的ストレスを軽減してモチベーションをアップさせる内的要因のことです。具体的には、自己効力感、自尊心、ポジティブ思考、仕事や組織に対する楽観性といったものが挙げられます。

人事部門や企業は、従業員たちの個人の資源を充実させるために、どんなことができるでしょうか? 以下の2つのポイントを意識しましょう。

  • ポジティブなフィードバック
  • ジョブ・クラフティング

1つは、従業員のパフォーマンスに対してポジティブなフィードバックを行うことです。フィードバックには、ネガティブなものとポジティブなものがあります。基本的にはポジティブなフィードバックを行うように心がけましょう。

もしネガティブなフィードバックを行っても、上長や同僚がフォロー、サポートして仕事を成功につなげるようにします。その成功体験が、個人の資源を充実させる要因になるはずです。

2つ目は、「ジョブ・クラフティング」です。ジョブ・クラフティングとは、従業員が仕事を受動的に「やらされている」ではなく、主体的に「やっている」ととらえて、やりがいを持てるようにうながすことです。

仕事の資源

「仕事の資源」とは、仕事の量的な負担を軽減し、従業員のモチベーションを高めることです。具体的には、上長や同僚によるサポートや、業務における裁量権、トレーニングの機会などを指します。

仕事の資源を高めるためには、人手不足の解消や人材育成など、従業員一人一人の負担を軽減する取り組みに力を入れるとよいでしょう。また、有給休暇の取得促進や、労働時間の短縮など、柔軟な雇用管理体制を構築します。事実、柔軟な雇用管理体制の企業は、ワークエンゲージメントが高い傾向にあるといわれています。

まとめ

まとめ

従業員一人一人のメンタルヘルス問題の対策だけでなく、企業自体の離職率や生産性にも関わる「ワークエンゲージメント」。人事部門はもちろん、経営や組織づくりに関心のある人々にとっても重要な概念です。

本記事を参考に、自身の所属する組織や企業のワークエンゲージメントについて考え、向上させるための施策を実施してはいかがでしょうか。

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著者プロフィール株式会社ケイ・ライターズクラブ

書籍やムック、企業系冊子、Web記事、動画など、さまざまな教養の実用書籍から企業・大学案内、エンタメ系ムック、官公庁や地方自体のWEB記事など、幅広いジャンルのコンテンツ制作をワンステップで行う編集プロダクション。採用や人事、マネジメント、転職などに関するコンテンツも多数制作している。