採用広報とは? 採用広報重要性や取り組む際の具体的なポイントなどについて紹介


あなたの面接にあてはまる「ダメ習慣」はありませんか?

ダメ面接官の10の習慣
  • 明確な評価ポイントがない人は不合格にしてしまう
  • つい自分に似た人を評価してしまう
  • 短時間で人を見抜こうとしてしまう

ダメ面接官から卒業するための解説資料をダウンロード⇒こちらから

労働力人口が減少するなか、企業間の採用競争が激化しています。これまでと同じ方法で採用を行おうとしても、「欲しい」人材を確保するのは難しいでしょう。そうした状況下で、多くの企業から注目を集めているのが「採用広報」の手法です。採用広報を活用することで効率的に人材を確保し、企業の成長が可能になります。今回は、採用広報の重要性や取り組む際の具体的なポイントなどについて紹介します。

1. 採用広報とは

採用広報とは

採用広報の基本的な仕組みを理解したうえで、実行に移していくことが大切です。ここでは採用広報の定義や、採用広報によって企業が得られるものについて解説します。

1-1. 採用広報の定義

採用広報とは、自社が求めている人材を獲得するために行う、採用のための広報活動。経団連では、採用における広報活動を次のように定義しています。

広報活動とは、採用を目的として、業界情報、企業情報などを学生に対して広く発信していく活動を指す。(中略)広報活動の開始日より前に行うことができる活動はホームページにおける文字や写真、動画を活用した情報発信、文書や冊子等の文字情報PRなど、不特定多数に向けたものに限る
(一般社団法人日本経済団体連合会『「採用選考に関する指針」の手引き』より)

現在ではインターネットの発展によって、採用広報の手法は幅広いものになっており、オウンドメディアやブログ、SNSを活用して情報発信をする企業も増えています。

1-2. 採用広報のメリット

採用広報のメリットは、自社の魅力発信や認知度の向上が期待できる点でしょう。オウンドメディアやブログ、SNSなどを利用し、自社の情報を発信することで、より効率的な採用活動が期待できます。従来の採用活動だけでは伝えられていなかった自社の魅力を発信することで、「自社のファン」を増やす活動とも言えます。つまり、採用ターゲットとなりうる人材が企業自体に関心を持つように促し、採用成功率を向上させるという狙いがあるのです。

2. 採用広報の重要性

採用広報の重要性

企業の採用活動において、広報活動は必須といっても過言でないほど重要性が増しています。採用活動が思うように進まないときこそ、広報活動を見直す姿勢を持つことが大切。採用広報を積極的に行う企業が増えている理由や、その背景についてみていきましょう。

2-1. 企業が求める人材と応募者のミスマッチを防ぐ

企業が採用広報を利用する理由の一つは、応募者とのミスマッチの防止。応募者が企業に抱いていたイメージが企業の実態と乖離(かいり)していた場合、早期退職につながる可能性があります。つまりミスマッチは、企業にとってコストやリスクになります。そのため「社風」「働き方や仕事内容」「制度や仕組み」「会社の方向性」などを広報することで、企業にとっても応募者にとっても不利益が生まれないようにする効果が期待されています。

2-2. .企業の活動や制度をPRできる

人手不足による売り手市場のため、採用難に陥っている企業も少なくありません。そうした企業が求職者から選ばれるために、採用広報を活用するというケースもあります。少子高齢化の影響で、人口減少は避けられないといわれています。

求人を出せば人が集まる時代ではありません。膨大な求人のなかから「選ばれる会社」になることが必要なのです。求人サイトに求人広告を掲載したり、学校へ求人票を送付したりする従来の方法では、企業の将来を見据えた人材を確保するのは難しくなっています。採用広報では「どのようなアプローチで自社を知ってもらうか」「採用広報において、どのように他社と差別化を図っていくか」が重要なポイントです。

2-3. 採用費用を抑えられる

採用広報は従来の採用活動と比較して、費用対効果が高いと言われています。それは人材紹介会社や広告掲載メディアを利用するよりも、効率的な採用活動が可能だからです。これまでの採用活動には「1人あたりの採用コストが高い」「採用後のミスマッチが発生しやすい」というデメリットがありました。採用広報で自社の魅力を発信することで、理想の人材を見つけやすくなり、不要なコストを抑えられます。また利用料が高額のツールなども必要ないため、採用費用の削減にもつながるのです。

自社の情報を的確に届けることで、選考過程における自社のPRにかかる時間も抑えられます。その分、求職者への質問に時間をあてるなど、より質の高い採用活動を行えるようになるのです。そのためマッチング精度も向上し、ミスマッチによる早期離職を防げる点もメリットだと言えます。人材の定着率を上げることで、採用活動費用が無駄にならないようにできるのです。

3. 採用広報において利便性の高いツール「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)」

採用広報において利便性の高いツール「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)」

採用広報の手法はいくつか種類があり、そのなかでもっとも自社に適したものを選ぶことが重要です。最適な手法を選ぶことによって、無駄なコストの削減や宣伝効果の向上につなげられるでしょう。

自社の魅力や活動を広く知ってもらうことが採用広報の目的です。そのために利用される主な手法には、「求人媒体への情報掲載や採用広報ツールによる情報発信」「就職活動・転職活動関連のイベント出展」「自社の会社説明会、座談会、懇親会、インターンシップなどの実施」「自社採用サイトや採用パンフレットの作成」などがあります。単純に情報を伝えるだけではなく、自社の社員との交流も含めて採用広報だと考えることが必要です。実際に働いている社員と接触する機会を与えることで、自社の雰囲気や仕事の内容について詳しく理解してもらえるようになります。

また採用したいターゲットにもっとも届きそうな採用広報ツールを適確に選び、運用することも大切でしょう。近年では、「Twitter」「Facebook」などのSNSを活用した採用広報に取り組む企業も増えています。SNSのユーザー層は、各ツールによって異なるため、自社がアプローチしたい人材がどのようなSNSを利用しているのかを見極めたうえで活用することが必要です。

SNSではPR文だけではなく画像や動画、インタビュー記事、採用イベントの様子などの情報発信を行えます。求職者側もSNSを通じて企業情報を集めることが多くなっているため、親しみを与えるように企業側も露出を増やしていくことが重要になります。

4. 採用広報で重視すべきポイント

採用広報で重視すべきポイント

採用広報を行うなら、自社のファンを増やすことを意識した採用広報が必要であり、そのためにはポイントを押さえることが重要です。採用広報を実施するうえで、どのような点に意識を向けるべきかについてみていきましょう。

4-1. 採用広報と社内広報をリンクさせる

面談を受けたものの、事前に描いていたイメージとの間にギャップを感じてしまうという候補者もいるようです。採用広報では、社外に打ち出す情報と社内の現状に著しい相違がないように注意を払う必要があります。企業側の情報発信は、ついよい面ばかりを強調してしまいがちです。しかし、情報発信に偏りがあれば、求職者が実際の現場とのギャップに困惑する可能性は高くなります。それではせっかく採用したにもかかわらず、きちんと能力を発揮してもらえないといった事態に陥るでしょう。

採用広報は単純な企業の宣伝ではなく、「一緒に働く仲間を集める」という視点が重要です。現状に改善点があるのなら、社内の体制を根本から変えていくことも求められます。候補者には「この会社で働き続けたい」といった意欲を持ってもらえることが理想的です。働きがいのある環境を整えることが、採用広報の成功にもつながります。

4-2. ストーリーテリングを取り入れる

企業PRに多く見られる表現には、「風通しのよい社風」「社員を守る制度」といった抽象的なものも少なくありません。しかし抽象的な表現だけではなかなかイメージが湧かず、候補者へのアピールとしては充分ではないと言えます。

自社の強みや独自性を伝えるためには、具体的なエピソードを加えることが有効です。そのための手法が「ストーリーテリング」であり、社員の体験談やエピソードといったストーリーから、企業の思いやコンセプトを言語化していきます。企業の歴史を知る人物や従業員へのインタビューなどを通じて題材を探していき、自社の魅力を物語のように伝えていくのです。

4-3. 社員による意見や発見を発信する

仕事を通して得た日々の気づきについて、社員が情報発信するのも効果的です。現場の社員の視点から自由に記事を書いてもらうことで、候補者が入社後のイメージを思い描きやすくなります。

また自社で開催したイベントは社風を伝えやすいコンテンツの一つです。イベントの様子や社内の雰囲気がわかる写真を掲載するなど、求職者のアンテナに引っかかりやすいように工夫すると採用広報としての効果が上がります。

さらに、「社員がお互いを理解するため」など、イベントの開催理由もあわせて紹介することで自社の価値観も発信していけます。

5. 企業価値を高める採用広報が採用活動成功のカギ

企業価値を高める採用広報が採用活動成功のカギ

採用広報はコストパフォーマンスやマッチング度の向上という意味で、その効果が期待されています。ただしターゲットや採用の目的を明確にして、効果的な運用を心がけなくては、工数ばかりが増え、運用担当者の負荷は増大してしまいます。目的や戦略を明確にし、ぜひ活用してみてください。

HRreview編集部おすすめの採用ノウハウ資料をプレゼント

オンライン面接の方法・採用計画の立て方・ 面接官の人選方法など、採用業務に役立つ資料6つをまとめてダウンロードできます。

無料 資料をダウンロードする