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相対評価とは? 絶対評価との違いやメリット、活用のコツ

人事評価の方法はさまざまですが、共通しているのが「相対評価と絶対評価、どちらの考えを用いればよいのか」という観点でしょう。

本記事では相対評価に焦点を当て、絶対評価との違いやメリット・デメリット、人事評価に導入する際のポイントなどを解説します。


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相対評価とは

相対評価とは

相対評価とは、何かと比較してその優劣を評価することです。集団のなかでの相対的な位置を明らかにする評価方法として活用され、企業の人事評価だけでなく、学校の成績評価やスポーツの順位決定などさまざまな場所で使われてきました。

人事評価における相対評価は、ほかの従業員と比べて従業員を評価することをさします。ほかの従業員と比べて仕事の成績がよかったか、よくなかったか、職務遂行力が高いか、高くないかなどを評価します。

相対評価は集団に対してバランスよく評価を割り振れ、評価すること自体も容易なため、今日までよく使われてきた評価手法です。

しかし、近年では個人の能力や取り組み、成長を個別に公正に評価することを重視する流れから、絶対評価が注目されています。

参考書籍:荻原勝著『人事考課制度の決め方・運用の仕方』経営書院刊、p11

▼「評価制度に対して不満を持つ」「評価内容に納得していない」部下や社員も少なくありません。部下・社員の成長を促す「評価」の仕組み・伝え方については、こちらの資料で詳しく解説しております

相対評価の仕組み

相対評価の仕組み

相対評価は、あらかじめランクによって人数の割合を決めておき、成績の高い順に割り振って評価を行います。

例えば、S・A・B・Cのランクの割合をSが1割、Aが2割、Bが3割、Cが4割と決めておきます。30人の従業員がいるとしたら、成績順にSが3人、Aが6人、Bが9人、Cが12人と割り振ります。

このほかに、試験において「上位○%が合格」、スポーツで上位7位までは予選を通過して決勝進出、といった決め方も相対評価といえます。薬剤師国家試験では得点率による絶対評価を見直し、平均点と標準偏差を用いた相対評価により合格者を決定しています。

参考:厚生労働省「薬剤師国家試験のあり方に関する基本方針」

絶対評価との違い

絶対評価とは、あらかじめ設定された基準やノルマを、どの程度達成できたかに対して、評価を決定する方法です。相対評価とは対になる考え方といえます。

例えば、売り上げを10%伸ばすという目標を設け、評価はS~Cの4段階とした場合を考えます。絶対評価は、10%を達成できれば最も高いS評価を得られます。ほかの従業員が何人、S評価を出しても関係ありません。

一方、10%を達成してもS評価がつかないケースがあるのが相対評価です。あらかじめS~Cそれぞれのランクの人数が定められ、成績順に割り振られるため、ほかの従業員が20%や30%と数字を伸ばし、自身が上位の成績から漏れるとA以下の評価になります。

5%しか伸ばせなかった場合でも、他の従業員が3%しか達成できないと、相対的に見て高い評価が得られます。双方の違いをまとめると、下図のとおりになります。

相対評価と絶対評価の違い

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相対評価のメリット

相対評価のメリット

相対評価のメリットには主に以下のような項目が挙げられます。

  • 明確な基準があり、評価しやすい
  • 人件費をコントロールしやすい
  • 企業内、チーム内の競争が活発化する

それぞれのメリットについて、詳しく解説します。

明確な基準があり、評価しやすい

メリットの1つ目は「評価しやすい」という点です。相対評価は、一定の基準に従って成績をつけ、あらかじめ決めておいたランクの割合に沿って成績順に割り振れば自動的に評価が決まります。仕事の経験年数や上司、部下といった関係性も考慮する必要がありません。

評価をつける際に迷う要素がないため評価しやすく、評価者の作業負担も減らせるでしょう。また、評価する人によって評価がぶれにくいことや、景気などによる外因の影響が少なくなることも利点です。

人件費をコントロールしやすい

相対評価は、Sが○割、Aが○割とあらかじめ決めておいた基準に沿って、成績順に当てはめていくため、高い評価から低い評価まで、評価のバランスが崩れることがありません。

評価分布を想定できることから、昇給の対象の絞り込みや賞与の査定などがしやすく、人件費もコントロールしやすいといえます。

企業内、チーム内の競争が活発化する

相対評価は従業員同士の優劣が明らかになるため、自然と競争意識が生まれやすくなります。チームメンバーよりもよい成績をおさめよう、よい結果を出そうと努力することが期待できます。

これにより、社内の活性化や、切磋琢磨する雰囲気の醸成、モチベーションやスキルの向上が期待できます。結果として労働生産性も上がり、企業の業績の向上につながる可能性があります。

相対評価のデメリット

相対評価のデメリット

一方、相対評価には次のようなデメリットも挙げられます。

  • 所属集団によって評価がぶれる
  • モチベーションを維持しにくい
  • 個人の成長が評価されにくい

デメリットの内容について詳しく見ていきましょう。

所属集団によって評価がぶれる

1つ目のデメリットは、所属している集団によって評価にブレが生じるという点です。2つのパターンに分けて解説していきます。

【パターン1】

一般的に見て、高く評価されるような成果を出した従業員がいると仮定します。個別に見ればSやA評価が期待できる成果であっても、非常に優秀な集団の中での相対評価の場合、CやD評価になることがあります。

この場合、従業員は「成果を出したはずなのに納得できない」と不満を感じたり、「成果を出してもどうせ無駄だ」と仕事にやりがいを感じにくくなったりする可能性があります。

【パターン2】

一般的にはごく普通と考えられる成果を出した従業員がいると仮定します。所属する部署のほかの従業員が思うような成果を出せていない状況のとき、ごく普通の成果であっても相対評価であればSやA評価になることがあります。

この場合、従業員はごく普通の結果でも高い評価が得られているため、それ以上努力する必要を感じなくなり、成長を妨げてしまう可能性があります。

このように、相対評価は個人の能力の高低にかかわらず、「集団のなかでどのような位置にいるか」によって評価が下されます。同じレベルのパフォーマンスを維持していても、例えば部署内でチームを異動するだけで評価が高くなったり、低くなったりするのです。

特に少人数のチームはわずかなメンバー交代でも中間値がぶれやすいため、本人の成績や能力とは別の要因で成績が上下しやすくなります。こうした評価方法に、納得感を得にくい従業員が出てくることは想像に難くありません。

企業側としても、もしすべての従業員が低いパフォーマンスであったとしても誰かに高評価をつけなければならず、すべての従業員が高いパフォーマンスを出した場合も、誰かに低評価をつけなければならないということになります。


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モチベーションを維持しにくい

基本的には相対評価によって競争意識は高まると考えられていますが、成績下位が続いた場合、「自分にはどうせ無理だ」「もう頑張りたくない」という気持ちになってしまう従業員もいます。

こういったケースでは、従業員は意欲や競争意識をなくしてしまい、成績下位層にとどまることが常態化、ますますモチベーションが低くなっていくという悪循環が起こりがちです。

加えて、一部のトップ層に関してもモチベーションを維持できない可能性があります。「現状で最高評価を得ているのであれば、それ以上の努力や成長は必要ない」と研さんをやめてしまうケースがあるためです。

競争が活発化すれば、誰かを蹴落としてでも集団のなかで上位に入ろうと考える人が出てくる可能性もあります。相対評価が自身のスキルアップや成績アップに努めるきっかけとなればよいですが、もし他人の足を引っ張ろうとする従業員がいた場合、チーム全体に悪影響を及ぼすこともあります。

個人の成長が評価されにくい

相対評価はほかの従業員との比較によって評価されます。そのため、たとえ個人として成長しているとしても、周囲も同様に成長していたとすれば、その個人の評価は横ばいか、反対に下がる場合もあるでしょう。

こうしたケースでは、従業員に不満がたまってしまうことも考えられます。モチベーションを維持できる環境を構築するためには、個人の成長をすくいあげ、評価する仕組みを作ることが望ましいといえます。

これは相対評価のみでは実現が難しいため、後ほど紹介する絶対評価を採用するか、相対評価と絶対評価の組み合わせの模索が必要になります。


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相対評価を活用するには

相対評価を活用するには

相対評価を導入・運用する際にはどのような点に注意して進めればよいのでしょうか。

「評価基準を設定する」「相対評価を採用していることを周知し、理解を進める」といったポイントについて解説するほか、導入事例も紹介します。

相対評価の導入・運用におけるポイント

相対評価の導入・運用にあたって意識すべき点は下記の2つです。

  • 評価基準を設定する

まずは評価基準を作りましょう。対象となる集団のレベルを把握したうえで、実力が反映されるよう設定する必要があります。

評価基準は一つに絞る必要はなく、例えば営業職であれば総成約件数、新規成約件数、総成約金額など、評価したい項目を複数作ってもかまいません。それぞれポイント制にして数値化すれば、総合成績順に並べることも容易です。

評価基準を定めた後に、ランク別の人数の割合を決定します。

  • 相対評価を採用していることを周知し、理解を進める

相対評価は、母集団のレベルによっては自分が結果を出していたとしても高評価につながらない場合もあるため、従業員が不透明性を感じやすい評価方法ともいえます。

相対評価を採用している理由とねらいのほか、評価基準を社内で共有して透明性を高めることが大切となります。社内説明会を開くなどして、従業員に周知し、相対評価に対する理解を深めてもらいましょう。

評価の基準を明確にし、共有しておくことで、「なぜこの評価なのか」という不満や疑念を少しでも解消することが大切です。

相対評価と絶対評価を組み合わせるという活用方法もあります。例としては、評価を2段階にして1次評価を絶対評価で行い、2次評価を相対評価で行うという方法です。

職種によって両者を使い分けるというのも効果的でしょう。例えば数値による目標設定をしやすい営業職には絶対評価、そうでないバックオフィス系の職種には相対評価を導入すれば、それぞれに納得感のある評価をしやすくなります。

相対評価の導入事例

相対評価の導入事例として大阪府を紹介します。大阪府では、2013年度から相対評価による人事評価を本格導入しています。

大阪府は絶対評価と相対評価を組み合わせて評価を行っており、これまで「絶対(二次)評価結果と相対評価結果の逆転現象の解消」「相対評価方法の明確化」「懲戒処分等の明確な反映」「職務従事期間の反映」「評価対象者の拡大」などを目標に掲げ、実施してきました。

令和3年度の報告書を確認すると、人事評価結果に対する納得感を問う質問には絶対評価で約82%、相対評価で約71%の職員が「納得できた」と回答しています。相対評価の結果に納得できなかった理由は、「説明が不十分」であること、「現行の相対評価制度に関する不満」が主な原因となっています。

参考:大阪府「令和3年度実施の相対評価による人事評価制度の検証について」


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絶対評価とは

絶対評価とは

相対評価と対になる考え方である絶対評価は、設定された目標や基準に対して、個人がどの程度達しているかを判断基準とする評価方法です。

人事評価における絶対評価では、あらかじめ決めておいたノルマや職務上の期待水準・要求水準をどの程度達成できたかによって評価を決定します。相対評価のように所属する集団内での位置づけは問わず、あくまでも個人が目標水準をどの程度達成したかという点を検討します。

近年は絶対評価による人事評価を行う企業が多くなっています。個人のスキルや実績、成長に基づいて評価できるので、適切な評価につながりやすいとされるほか、下図のような理由もあります。

学校教育においても、2002年から絶対評価が導入され、設定した学習目標に生徒がどの程度到達できたかを評価するようになりました。

テストで100点が10人いたら、90点を取っても最高評価はつきませんでした。しかし今は、90点が到達基準となっていれば、周りに100点が何人いたとしても、90点を取れば最高評価がつくようになったのです。

絶対評価の仕組み

絶対評価の仕組み

絶対評価は上司の指導のもと個人であらかじめ目標を決めておき、その目標に対する達成率を人事評価基準と照らし合わせ、S〜Cなどの段階で評価します。

絶対評価は目標管理制度(MBO:Management by Objectives)による評価として活用されることが多くなっています。従業員が自ら目標を設定し、その達成度合いを人事評価に活用する仕組みが目標管理制度。人材育成と組織の目標達成を目的として導入されます。

目標管理制度を通して従業員自身が目標を設定し、達成するために必要なことを考え、実行するなかで、主体性や自律性が養われると考えられています。そして、従業員一人一人が掲げる目標が企業や組織の目標と結びついていれば、自動的に組織の目標も達成されていくことになります。

絶対評価のメリット

近年導入する企業が増えている絶対評価には、以下のようなメリットが挙げられます。

絶対評価のメリット

絶対評価は目標を達成できれば高評価、できなければ低評価と根拠がわかりやすく、従業員の納得感を得やすいといえます。評価者側にとっても、どの集団に属するかで評価がぶれる相対評価よりも、評価の根拠を示しやすく、従業員に説明しやすいでしょう。

高評価を得るためにはとにかく集団のなかで順位を上げる必要がある相対評価と比べると、絶対評価は何をすれば評価が上がるかが明確なため、行動指針を立てやすいことがメリットの一つです。厳しい評価を受けた場合も原因が明確にわかり、何をすれば次は目標を達成できるのかという今後の課題も把握しやすくなります。

また、レベルアップするためのプロセスを段階的に目標として設定し、達成していくことで、スキルアップや成長につなげられます。企業側も、従業員一人一人の目標とその達成度の分布を見れば、どの領域が成長し、どの領域が不足しているのかを把握できます。

絶対評価の制度下では、目標を達成するために従業員は自己成長に意欲的になります。その目標がチームや、企業の目標とリンクするよう意識して上司が指導していれば、利己を追求して会社に利益をもたらさない、という従業員が生まれる心配もありません。

自分が目標の達成に集中するため、相対評価のようにメンバー同士で足を引っ張り合うような雰囲気が生まれる可能性は低いといえます。

絶対評価のデメリット

一方、絶対評価には以下のようなデメリットもあります。

絶対評価のデメリット

絶対評価は従業員の納得感を得やすい一方、評価に差がつきにくいというデメリットがあります。これは絶対評価における目標が「頑張れば達成できそう」なレベルに設定されることが多いためです。

このレベルの目標に対する結果は、自然と「目標を少し超えた」「目標に達した」「目標に少し届かなかった」という、中央付近に固まりがちに。突出した評価が出にくくなります。

評価基準の設定が難しいこともデメリットの一つです。従業員全員に、各人に適したレベルの目標を設定するのは簡単ではありません。勤務態度やコミュニケーションに関する項目など、数値目標に落とし込みにくいタイプについては、評価がぶれやすくなる可能性も。そうならないよう、具体的かつ客観的な目標を設定する必要があるでしょう。

絶対評価の場合、もし全員が大幅に目標を達成したら全員をSやA判定と評価する必要がありますが、昇給金額の予算には限りがあります。昇給やインセンティブの対象となる高い評価が増えすぎると、人件費が高騰してしまいます。

景気や流行といった外的要因によって全員が大幅に目標を達成する可能性がないとは言い切れません。計画的な人件費の管理が困難なことも、絶対評価のデメリットといえるでしょう。また、そもそも絶対評価はB〜C付近に評価が固まりがちなため、差をつけにくく、インセンティブ付与が難しいという面もあります。


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絶対評価を活用するには

絶対評価を活用するには

絶対評価を導入・運用する際には、「目標設定」と「評価」がカギとなります。それぞれについて意識すべき点は下記のとおりです。

  • 目標設定のポイント

絶対評価では、従業員それぞれの能力に見合った目標を個別に設定します。目標は人事・上司と従業員の間で合意のうえ、明確に設定するようにしましょう。

  • 評価をする際のポイント

評価する際は結果だけではなく、プロセスや行動レベルにも注目して評価します。フィードバックはポジティブな形で行い、育成につなげましょう。

また、評価と報酬を完全に連動させるのではなく、賃金制度や従業員等級制度において「高評価は昇格や昇給における条件の一つ」という形にすることで、人件費をコントロールしやすくなります。

絶対評価は評価者によって評価がぶれやすいため、評価者の研修を手厚くすることも必要です。できる限り評価がぶれないよう、評価基準の認識を統一できるよう心がけましょう。

絶対評価の導入事例

絶対評価の導入事例にはリコーリース株式会社があります。同社では2020年10月から人事制度に絶対評価を導入。これまでの相対評価を改め、上司と部下との対話を通じて評価する仕組みへとかじを切りました。

特徴的な取り組みとしては、評価者間の評価基準をそろえられるように、部門ごとに業務の「難易度基準表」を作成したことが挙げられます。

ただし「難易度基準表」を作成しても、エリアによって異なる状況や、新型コロナウイルス流行の影響などの要因もあり、基準を統一して評価することは困難です。そのため、同社ではキーとなる評価者を対象に研修を行っています。

参考:人事戦略│リコーリース株式会社  

人・組織を育てる「フィードバック」の基礎知識

ランク付けをしない評価方法「ノーレイティング」とは?

ここまで相対評価と絶対評価について解説してきましたが、人事評価制度においてはそのどちらでもない「ノーレイティング」という評価方法もあります。

ノーレイティングとは、人事評価で従業員のランク付けを行わず、数値や記号を使わずに評価する方法のことです。期や年度などの区切りで評価するのではなく、リアルタイムでこまめに上司と1対1の面談をして、随時フィードバックを行いながら、評価を与えます。

この方法には、日々の変化に対応した評価ができることや、従業員の個々の成長を促せること、それによって従業員の評価への納得感が高まることなどのメリットがあります。

2012年ごろからアメリカ企業でノーレイティングを採用する企業が増え、アドビ株式会社、マイクロソフト、GE(ゼネラル・エレクトリック)、アクセンチュア株式会社などが採用しています。日本でもカルビー株式会社など、ノーレイティングを取り入れる企業が出てきています。

また、具体的な人事評価の手法は下図のとおり、さまざまです。自社に適した手法を選ぶ際の参考にしてください。

人事制度の評価項目

最後に、人事制度における評価項目について解説します。従業員を適正に評価するうえでの基準となる主な評価項目は、「成果評価」「能力評価」「情意評価」の3つです。

■成果評価(業績評価)

従業員が生み出した成果(業績)に対する評価で、業績評価とも呼ばれます。従業員が生み出した成果の大小や、目標の達成度をそのまま評価します。景気などの外的要因は関係なく、業務の達成度、課題目標の達成度などが評価の対象です。

■能力評価

景気などの外的要因を取り除き、従業員に職務上必要とされる知識やスキルなどの能力に対する評価です。職務を遂行するうえで必要とされる実行力、問題把握力、改善力、などもこの項目で評価されます。

■情意評価

積極性、協調性、規律性、責任性などを評価するもので、業務の姿勢に加え日々の勤怠状況も評価されます。

これらの項目対を象として、相対評価、絶対評価、どちらかの観点を用いて実際の評価に落とし込むか判断するとよいでしょう。

評価に対して、不満そうな部下・社員は、いませんか?

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著者プロフィール株式会社ケイ・ライターズクラブ

書籍やムック、企業系冊子、Web記事、動画など、さまざまな教養の実用書籍から企業・大学案内、エンタメ系ムック、官公庁や地方自体のWEB記事など、幅広いジャンルのコンテンツ制作をワンステップで行う編集プロダクション。採用や人事、マネジメント、転職などに関するコンテンツも多数制作している。