【2022年最新版】人手不足の原因とは? 深刻化を解消する対策を紹介

企業を支える最も重要な要素は「人材」です。商品をつくるにも、販売するにも、そしてサービスを提供するにも、それを担当する人がいなくては成り立ちません。しかし現在、多くの日本企業が人手不足に悩まされています。

本記事では、人手不足に陥ってしまう原因や企業に及ぼす影響、人手不足を解消するための対策について紹介します。


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人手不足の原因

人手不足の原因

「人手不足」とは、業務を行ううえで必要な人材が集まらず、企業が思うように業務を行えなくなる状態のことを指します。なぜ日本の企業は人手不足に陥っているのでしょうか? その背景には、以下のような2つの理由が考えられます。

  • 少子高齢化
  • 人材のミスマッチ

それぞれの原因について、次で詳しく見ていきましょう。

少子高齢化

日本は、急速に少子高齢化が進行している国の1つです。日本の生産年齢人口(15〜64歳)は1995年の8,716万人をピークに、減少に転じています。また、65歳以上の人口は年々増加しており、人口の割合がここ50年で大きく変化しました。

出典:平成29年版 情報通信白書 総務省

生産年齢人口の減少と、65歳以上の増加傾向は今後も続いていく見通しです。内閣府の「令和3年版高齢社会白書(概要版)」によれば、2065年には高齢化率(65歳以上人口の割合)が38.4%にまで上ることが予想されています。そのため、日本企業の人手不足はますます深刻化する可能性があります。

参考:令和3年版高齢社会白書 内閣府


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人材のミスマッチ

人手不足が起きる要因は、単なる従業員数の不足だけではありません。

「求人を出しても応募が来ない」と困る企業がある一方で、「探しているのに職が見つからない」と悩む求職者もいます。企業と求職者のあいだで、求める能力や資格、労働条件などにミスマッチが生じています

事務的な職種や、運搬、清掃、放送などの職業では、有効求職者数が有効求人数を大きく上回っているのに対して、販売、サービス、介護関係の職種では全く反対の状況が続いています。

人材を求めていない業種の企業に人材が集中し、人材を求めている企業には人が集まっていないため、人手不足が深刻化する業種が生まれていると考えられます。

出典:中小企業白書 中小企業庁

人手不足の業種

人手不足の業種

人手不足は、さまざまな業界に共通する課題ではあるものの、業種によってその深刻度合いに差があります。企業や人の動きがストップしたコロナ禍によって、人材不足は一時、落ち着きましたが、「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」が解除され、徐々に人手不足の状態に戻ってしまう企業の割合が増加しています。

ここからは、特に人手不足が深刻となっている業種について、正社員/非正社員の雇用形態ごとに紹介していきます。

正社員における人手不足の業種

出典:人手不足に対する企業の動向調査(2022年4月) 帝国データバンク

2021年11月に帝国データバンクが実施した調査のデータによれば、以下3業種が、特に人手不足の深刻な業界になります。

  • 情報サービス
  • メンテナンス・警備・検査
  • 建設

そのなかでも、最も高かったのは「情報サービス」で64.6%です。IT業界では、特にエンジニアの人手不足が深刻といわれていますが、人手不足に陥っている要因は主に以下の2つです。

  • IT業界が急成長しているため
  • IT技術の変化の大きさ

IT業界の成長度合いに対して、エンジニアの供給が追いついておらず、人手不足が発生していると考えられます。

また、IT技術の変化の大きさも原因に挙げられます。IT業界は、Webサービスはもちろん、アプリなど、新しいサービスが次々と生まれる業界で、人材に求められる技術のアップデートにもスピードが求められます。そのため、技術が新しく更新されるたびに新しいスキルを持った人材が必要となり、人手不足に陥りやすいと考えられます。

2位の「メンテナンス・警備・検査」でも、60.1%と6割を上回っています。「メンテナンス・警備・検査」の業界で人手不足が発生している背景には、これらの業界に対する「肉体労働はきつい」「待遇が悪い」といった、世間のネガティブなイメージが関連していると考えられます。

3位の「建設」も59.4%となり、長く高水準が続いています。こうした課題の背景として、いわゆる「3K(きつい・汚い・危険)」の印象の強さがあります。また、賃金も低く、長時間労働であるといった要因も挙げられます。建設業に対するイメージや労働形態が、多くの人にとって好ましくないことが人手不足の大きな要因と考えられます。

非正社員における人手不足の業種

出典:人手不足に対する企業の動向調査(2022年4月) 帝国データバンク

非正規雇用においても、深刻な人手不足に陥っている業種があります。特に、以下に挙げる3業種が深刻な人手不足になります。

  • 飲食店
  • 旅館・ホテル
  • 人材派遣・紹介

飲食店」は、全業種中で唯一の7割台となり、深刻な人手不足に陥っていることが理解できます。飲食店は新型コロナウイルスの流行に最も大きく影響を受けた業種の1つで、コロナ禍に休業を迫られた飲食店の多くは、非正規雇用の従業員を解雇したり、シフトを減らしたりして対応しました。

その後、「まん延防止等重点措置」の解除によって営業を再開したからといって、いきなりアルバイトやシフトを増やすことは困難です。また、新しい人材を採用しようとしても感染リスクを懸念して応募を避けられている可能性もあります。

2位「旅館・ホテル」と3位の「人材派遣・紹介」もまた、飲食店同様に新型コロナウイルスの流行に影響を受けた業種です。人の移動が激減したコロナ禍において、旅館やホテルで働く人たちの多くは休業を余儀なくされました。まん延防止等重点措置の解除や、県民割の適用により、旅行客が戻ってきていますが、急に雇用を増やすことは難しく、深刻な人手不足に陥っていると考えられます。

人材派遣・紹介業もまた、コロナ禍で多くの企業が休業になったり、業務を停滞させたりしてしまったため、人材を派遣、紹介する動きが一時的にストップしました。しかし、多くの業界が人材不足に陥るなかで、再び業務量が徐々に回復しています。


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人手不足が企業に及ぼす影響

人手不足が企業に及ぼす影響

労働力人口が今後も減少していくと、企業の人手不足はさらに進行し、以下のような影響を及ぼす可能性があります。

  • 従業員の負担が増加する
  • 事業の継続が困難になる

ここからは、人手不足が企業に及ぼすネガティブな影響について紹介していきます。

従業員の負担が増加する

人手不足の状況で、それ以前と同じ業務量を遂行しなくてはならない場合、従業員一人一人の業務負担が増える懸念があります。そして、従業員に重い業務負担がのしかかっている状況が慢性的になると、さらに以下のような事態が発生する恐れがあります。

  • 労働環境の悪化
  • モチベーションの低下
  • 能力開発機会の損失
  • 離職者の増加

離職者が増加すると、残った従業員の業務負担がさらに増えるといった、悪循環に陥ってしまいます。そうした負のスパイラルに陥らないよう、早期に人手不足を解消する必要があります。

事業の継続が困難になる

人手不足によって、事業を縮小したり事業の継続が困難になったりする場合もあります。2021年度には、人手不足を主な要因とした企業の倒産が114件も発生しています。

「現時点ではそれほど影響がない」と思っていても、事態が深刻化する前に対策をとっておくことが重要です。

参考:全国企業倒産集計2021年度│帝国データバンク


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人手不足解消の対策

解消の対策

ここまで解説してきたように、人手不足の状況が続くと企業に深刻な影響を及ぼします。では、企業はどのような対策をとればよいのでしょうか。

ここからは、人手不足自体を解消するための対策だけでなく、従業員数が減るなかで現在の水準のまま業務を遂行するための対策として、以下の内容を紹介します。

  • 柔軟な働き方の推進
  • 従業員のスキル向上の促進
  • 業務の効率化
  • DX人材の活用

柔軟な働き方の推進

柔軟な働き方の推進は、人材が集まり、定着する職場づくりの土台になります。特に、かつて働き手とされていなかったシニア層や女性が働きやすい環境をつくることは、労働力人口が減少している現在において重要になると考えられています。

たとえば、女性の場合、出産などのライフイベントで離職を余儀なくされるケースが数多くあります。また、シニア層の人材は体力的な問題もあり、短時間での雇用を希望する場合も多いでしょう。そのため、従来の日本企業の多くが採用していた「フルタイム」「週5日の出社」といったワークスタイルは、女性やシニア層には働きにくい環境といえます。

産休や育休、時短勤務、復職制度、リモートワーク制度などを取り入れて働き方を柔軟にすることで、65歳以上のシニアや女性、外国籍の人材などの労働参加を奨励できるでしょう。また、長時間労働を改善していくことも、これまで働きたくても働く機会を得ることが難しかった人材の採用につながる可能性が高まります。

従業員のスキル向上の促進

労働力人口が減少している現代では、少人数で業務の生産性を確保する必要があります。そうした場合に重要になるのが、従業員一人一人のスキルや能力を向上できる環境です。そこで注目したいのが、「学び直し(リカレント)制度」や「副業」といった制度です。

学び直し制度とは、従業員が周期的に教育を受け続けられる仕組みです。定期的に研修を受講して、時代に即した知識や技術を身につけ、常に最新の知識をアップデートできるよう後押しします。今までのキャリアとは異なる、新しい能力を獲得できる研修にも積極的に参加してもらい、別の業務にも生かしてもらうとよいでしょう。

副業もまた、従業員のスキル向上に寄与します。終身雇用が当たり前だった時代には禁止にしていた企業も多くありましたが、現在では副業を奨励する企業も増加しています。副業で他社との関わりが増えた従業員は、自社に対して第三者の視点で意見を言えるようになり、社内の文化や仕事の進め方の改善につながるでしょう。

業務の効率化

従業員一人一人がスキルを向上しても、対応できる業務量には限界があります。少ない人手でも業務に支障をきたさないようにするためには、従業員のスキル向上とともに、業務を効率化する必要があります。現状の業務内容を見直し、以下の手法を取り入れられないか、検討するようにしましょう。

  • 採算の合わない業務を廃止する
  • 他の業務と統合できるものは一本化する
  • 属人性の高い業務を平準化する
  • 少人数でもクオリティーを維持するためにアウトソーシングやIT化を検討する

DX人材の活用

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは、ITやデジタル技術を用いてビジネスモデルや組織などを変革することです。このDXの実現に向けて、明確なビジョンを描き、具体的な取り組みを実行できる人材を「DX人材」といいます。

DX人材を活用すれば、深刻化する人手不足のなかでも、業務の効率化、生産性の向上に取り組めるでしょう。DX人材を企業で採用、育成するほか、アウトソーシングによって実現することも可能です。

まとめ

まとめ

日本の少子高齢化が今後も続く見通しのなか、企業の人手不足はさらに深刻になっていくと考えられます。人手不足で事業の継続が難しい状況に陥ってしまう前に対策を講じましょう

どのような組織であれば人材が応募し、定着したくなるかをイメージし、企業の制度や文化を整えていくことが求められます。

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著者プロフィール株式会社ケイ・ライターズクラブ

書籍やムック、企業系冊子、Web記事、動画など、さまざまな教養の実用書籍から企業・大学案内、エンタメ系ムック、官公庁や地方自体のWEB記事など、幅広いジャンルのコンテンツ制作をワンステップで行う編集プロダクション。採用や人事、マネジメント、転職などに関するコンテンツも多数制作している。