「内定承諾」までにかかる期間の平均日数は? 選考プロセスの実態をリサーチ

「内定承諾」までにかかる期間の平均日数は? 選考プロセスの実態をリサーチ

先日公開した「『年収・待遇ダウン』よりも不安なものとは? 転職者が抱く『3大不安』を解説」の記事では、転職活動時に抱く不安は年代・年収帯にかかわらずほぼ共通していることを確認しました。では、選考プロセスへの対応(経験)においては、年代・年収帯による差はあるのでしょうか。

今回の記事では、ビズリーチ会員を対象にしたアンケートの結果から、選考プロセスの実態を紹介します。求める人材に出会い、内定承諾を得るための、効果的な採用活動について考えてみましょう。

この記事のポイント
  • アンケート回答者のうち、9割は「スカウトへの返信」を経験。次に多かったのは「面談(Web・電話)」となり、6割に迫る
  • 対面による面談・面接の経験は、「関東」が高く、居住地域による差がみられた。しかし、Web・電話を使った面談・面接は、居住地域による差はほとんどみられなかった
  • 内定をもらったことの「ある人」と「ない人」で、「面談(対面)」「面接(対面)」の経験を比べるとで、内定をもらったことの「ある人」の割合がどちらの項目でも高く、その差は2倍以上であった
  • 企業から内定を出た後、5日以内に承諾した候補者の合計は全体の7割を超えた
  • データでわかる即戦力人材の転職意識・仕事観

    20代~40代の6割以上が「面談(Web・電話)」を経験

    ビズリーチ会員を対象に、ビズリーチを通じて行った(対応した)ことのある「選考プロセス」について選んでもらったところ、最も多かったのは「スカウトへの返信」となり、9割に迫りました。次に「面談(Web・電話)」「面談(対面)」が続きました。

    今回の調査では「面談(Web・電話)」は約6割、対して「面接(Web・電話)」は約2割となり、Web・電話が、「面接」では「面談」ほど活用されていない様子がうかがえます。しかし、急速に広がる採用のオンライン化のなかで、今後「面接(Web・電話)」がどれほど増加していくのか、注目したい数値の一つです。

    図1.ビズリーチを通じて対応したことのある「選考プロセス」(全体)

    図1.ビズリーチを通じて対応したことのある「選考プロセス」(全体)

    Q8 ビズリーチを通じて行った(対応した)ことのある「選考プロセス」について、あてはまるものを全てお選びください。(複数選択)
    ※「ビズリーチで転職活動をしたことがある」を選択した方に絞り込んで集計

    ※「面談」と「面接」の違いに関する記事は、以下をご参考ください。(外部サイトへ移動します)
    【参考】面談の意味とは / BizHint
    【参考】面接と面談の違いを理解し使い分ければ、採用は劇的に変わる / BizHint

    年代別での差が表れたのは「面談(Web・電話)」と「面接(Web・電話)」。【20代】~【40代】では、「面談(Web・電話)」は6割を超えていますが、高齢になるほど減少し、【60代】では4割を下回りました。同様に「面接(Web・電話)」も、高齢になるほど減少する傾向がみられました。
    一方、「公募求人への応募」は、高齢になるほど増加。【60代】(37.5%)は、【20代】(18.6%)の約2倍という結果になりました。

    図2.ビズリーチを通じて対応したことのある「選考プロセス」(年代別)

    図2.ビズリーチを通じて対応したことのある「選考プロセス」(年代別)

    Q8 ビズリーチを通じて行った(対応した)ことのある「選考プロセス」について、あてはまるものを全てお選びください。(複数選択)
    ※「ビズリーチで転職活動をしたことがある」を選択した方に絞り込んで集計

    公募求人とは
    募集概要や労働条件を記載した「求人」だけではなく、社員のインタビュー記事や写真を交えたビズリーチの求人コンテンツです。ビズリーチの「会員ページ」への掲載に加え、会員向けメールマガジンやビズリーチのアプリでの通知などを活用し、多数の会員へ周知できます。

    ※現在公開中のビズリーチの公募求人を参考にされたい方は、以下のリンクからご覧いただけます。

    転職サイト「ビズリーチ」の公募・特集ページ https://www.bizreach.jp/job-feed/

    転職する目的や転職先企業を選択する際に重視する条件の一つである「転職軸」が、年代によって異なるように(参考記事:スカウトに重要な「4つの転職軸」を解説)、年代によってビズリーチの活用の仕方や転職活動のスタイルも異なることがうかがえます。

    全国に広がる「面談(Web・電話)」。全ての地域で約6割が経験

    次に年収帯別にみたところ、年代別のような顕著な傾向はありませんでした。ただし、【1,250万~1,500万円】における「面談(対面)」の割合が高いのが、特徴的です。

    図3.ビズリーチを通じて対応したことのある「選考プロセス」(年収帯別)

    図3.ビズリーチを通じて対応したことのある「選考プロセス」(年収帯別)

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    さらに居住地域別では、「面談(対面)」「面接(対面)」の割合において差が表れ、どちらも【関東】が他の地域に比べて高い傾向がみられました。一方「面談(Web・電話)」「面接(Web・電話)」では対面のような地域差はみられませんでした。

    Web・電話を活用する採用活動が進むことで、候補者の居住地域、企業の所在地や面接会場に関係なく、候補者とコミュニケーションがとれる機会が増え、良質なマッチングの機会が増えることが期待できるのではないでしょうか。

    図4.ビズリーチを通じて対応したことのある「選考プロセス」(居住地域別)

    図4.ビズリーチを通じて対応したことのある「選考プロセス」(居住地域別)

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    ▼ オンライン面接(面談)を活用した採用成功事例はこちら ▼


    内定の有無で、「面談(対面)」「面接(対面)」の経験者数には2倍以上の差

    では、実際の転職活動の結果別での差はあるのでしょうか。ビズリーチでの転職活動において、内定をもらった経験別に、対応したことのある選考プロセスをみたところ、「スカウトへの返信」においてその差はみられませんでした。しかし「面談」「面接」経験者数においては、いずれも内定をもらった経験が【ある人】が【ない人】を大きく上回る結果となり、特に「対面」でその差は顕著でした。

    「スカウト返信」から、一歩前進となる「面談」を設定することができるか、そして候補者との対面での会話でいかにコミュニケーションをとり、相互理解を深めることができるか――これが採用活動における成功要因の一つなのかもしれません。

    図5.ビズリーチを通じて対応したことのある「選考プロセス」
    (内定をもらった経験別)

    図5.ビズリーチを通じて対応したことのある「選考プロセス」(内定をもらった経験別)

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    データでわかる即戦力人材の転職意識・仕事観

    企業が候補者からの内定承諾の返事を待つ期間の目安は「5日間」

    最後に、候補者が企業からの内定通知を承諾するまでの期間について紹介します。最も多かったのは「4~5日(23.0%)」となり、5日以内で承諾した人の合計は7割を超えました。

    図6.内定承諾までの期間(年代別・年収帯別)

    図6.内定承諾までの期間(年代別・年収帯別)

    Q12. 企業から内定を得た後、あなたが内定を承諾するまで、どのくらいの時間を要しましたか。(単一選択)
    ※ビズリーチを通じて転職(入社)したことがある方が対象

    いずれの年代においても5日以内で承諾した人の合計が7割前後と多数派のようです。年収帯別では、【500万円未満】で回答所要期間が最も短く、「内定をもらって、その場で承諾した」が2割となり、3人に1人は当日中に内定承諾をしている結果となりました。

    転職活動は人生の大きな選択になるため、誰もがその決断には不安や戸惑いを伴うものです。企業側はその場や当日中に承諾をもらえない場合、まずは「5日以内に返事をもらう」ことを一つの目安にしてみるとよいでしょう。

    それ以上時間を要する場合は、理由について丁寧にヒアリングをし、その候補者が「内定を承諾するために、何を必要としているのか」を考えてみましょう。得られたヒアリング結果によっては「候補者からの返事を待つ」のではなく、次の一手を考えることも重要です。

    採用活動をする際に大切なのは、候補者一人一人の気持ちに寄り添うこと。加えて、意識してほしいのは自社の採用活動における「面談希望率」「内定承諾までの日数」「内定承諾率」などの数値データです。自社内に蓄積されていない場合は、本記事のような、公開されている求職者へのアンケート結果などを参考にしてみるのもよいでしょう。「目標」や「判断軸」の一つとして活用し、採用活動を効率的に進めてください。

    アンケート概要
    ■調査方法:インターネットによるアンケート(会員向けメールマガジンで回答を依頼)
    ■調査期間:2020年7月15日~2020年7月21日
    ■調査対象:「ビズリーチ」(https://www.bizreach.jp/)の会員
    ■有効回答数:7,654名
    ※小数点以下第2位を四捨五入して処理しています。そのため、各数値を足した際に、合計が100%にならない場合や、小計が合致しない場合があります。

    執筆:瀬戸 香菜子(HRreview編集部)、編集:HRreview編集部

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