「必要とされている」という実感が決め手~候補者の心をつかむ鎌倉新書の採用術~(第2回)

「お墓」「仏壇」「葬儀」「相続」など終活全般におけるインターネットサービスを事業の中核として、ライフエンディング業界をリードする、株式会社鎌倉新書(以下、鎌倉新書)。超高齢化社会における「終活インフラ」企業を目指し、510年先を見据えて事業の刷新や開拓を積極的に展開しています。1では人事総務部の中久保様に、「採用担当者」の立場から、現場主導による積極的なスカウトへのシフトを実現させた秘訣を伺いました。

2回となる今回は、2018年と2019年にそれぞれビズリーチを利用して転職した2名の社員にインタビュー。転職活動を始めたきっかけや、「鎌倉新書」からスカウトを受け取った第一印象、面接で感じた同社の魅力、入社後に実際どのように活躍できているのかについて、「転職者側」の本音を語っていただきました。

▼第1回の記事はこちら▼

スカウトは「自分の価値」を測る一つの手段

40歳を目前にキャリアを再検討。思いのこもったスカウトで心が動いた

溝口 健治氏

取材対象者プロフィール溝口 健治氏

株式会社鎌倉新書 執行役員 プロダクト開発部部長 兼 CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)戦略室マネージャー

大学卒業後、SIerでの受託システムの開発・運用のプロダクトマネージャー(PM)や、コンサルティング会社での業務改善コンサルティング、楽天株式会社でのプロデューサーおよびシンガポール赴任下での開発組織体制作りなどを経て、2018年5月に株式会社鎌倉新書に入社。プロダクト開発室の組織活性化を担当し、同年5月よりプロダクト開発部部長に就任。2019年2月より同社執行役員に就任し、開発部門を管掌。現在はCRM戦略室マネージャーを兼任して、顧客情報のクロスユース増大を推進中。

私は2018年に鎌倉新書に入社し、現在は執行役員、プロダクト開発部部長を担っています。キャリアの始まりはSIerで、受託システムの開発・運用のPMとして4年半クライアント先に常駐してプロジェクトを推進していました。そこでクライアント企業のビジネスに深く関わるうちに、「お客様の価値向上のために、もっとビジネススキルを磨きたい」と思うようになり、コンサルティング会社に転職。約3年間の、さまざまな業界の業務改善プロジェクトでの経験を通じて、コンサルタントとしてのソフトスキルを習得しました。

その後、外部のパートナーとして関わるのではなく、直接事業に貢献したい思いが強くなり、IT経験を生かせる事業会社に転職。そこではWebディレクターに近いプロデューサー職をはじめ、開発グループマネージャーとしてマネジメントにも従事。シンガポールでの現地採用を含め、体制を整備してグローバル展開を図ることなど、幅広く経験を積ませてもらいました。

しかし40歳が間近に控えたとき、ふと「これまでのような組織風土が成熟した環境以外で、果たして自分の力が通用するだろうか」という疑問がわきました。何もないところで自分の力を試したい。そう考えて、再度転職活動に乗り出しました。

軸として重視したのは、「社会課題を解決できる仕事」と「成長市場であること」。私自身のバリューで事業に貢献でき、それが会社の成長につながるような場を求めていました。実際、自身のつても含めて、興味の持てる話があれば聞きに行き、選考は同時並行では進めないようにし、一つ一つのオファーを丁寧に吟味していきました。そのうえで、スカウトサービスは非常に役立ちましたね。人材紹介会社はさまざまな企業の状況を把握していて業界知見を広めるうえでは役立ちますが、一社だけを扱っているわけではないので、一社一社の深さはやはり会社にいる人でなければわかりません。企業と直接話せること、そして情報の質の高さは、スカウトサービスの大きなメリットだと思います。

転職活動をするなかでさまざまな企業からスカウトをいただきましたが、鎌倉新書との出会いもそのなかの一つでした。当初はその社名から出版社かと思い、自分のキャリアとの関連を感じられずに見送ったのですが、すぐに再度メールが来て「ぜひ読んでほしい」という一文が添えられているのが目に付きました。

気になって中身を見ると、スカウトにありがちな「同じものを一斉送信」された文章ではなく、私自分にパーソナライズして考え抜かれた内容でした。登録したレジュメ(職務経歴書)から読み解かれたのであろう、私の経歴や志向を会社の方向性と重ね、活躍できる場を具体的に提案してくれている。そんな熱意のこもったスカウトで、一度話を聞いてみようと思い立ったのです。

「業界研究」のために活用したビズリーチが出会いのきっかけに

白鳥 幸一氏

取材対象者プロフィール白鳥 幸一氏

株式会社鎌倉新書 「いい仏壇」事業部 副部長

大学卒業後、不動産ポータルサイトの運営会社で8年、営業、制作、編集ディレクター、マーケティングを経験。その後、不動産投資会社での新規事業開発を経て、2019年2月に株式会社鎌倉新書に入社。葬儀事業のマーケティング責任者と僧侶派遣サービス責任者を兼任し、半年で後者の「いいお坊さん」サービスをリリースにつなげる。2019年8月より現職。

私は20192月に鎌倉新書に入社し、葬儀事業のマーケティング責任者と僧侶派遣サービス責任者の兼任を経て、現在は仏壇事業で副部長を担っています。これまでのキャリアは不動産業界一筋。最初は8年間、不動産ポータルサイトの運営会社で営業、制作、編集ディレクター、マーケティングなど、幅広く経験を積みました。その後、不動産投資会社に転職して、新規事業開発を担当。AIやビッグデータを活用した中古マンションの相場検索サービスをリリースさせたほか、営業活動におけるマーケティング活用の推進に携わるなど、不動産テック領域で充実した日々を送っていました。

しかし順風満帆ななか、ふと疑問を持ち始めたのは、年1回行っていた自身のキャリアの棚卸しでのこと。その時点で自分が思う、仕事における価値観のキーワードが、「安定」や「プライベートの充実」などに寄っていると気づいたのです。もともとは「自己成長」や「チャレンジ」を大切にしていたはずなのに、その要素が相対的に薄まっている。そんな危機感から「変化を求めて自ら動かねばならない」と思い、転職活動を始めたのです。

とはいえ、「今すぐ転職したい」というよりは、自分が軸としていきたいマーケティングをベースに、これまで経験した不動産以外の業界研究をしながら、じっくり転職活動に取り組んでみたいと考えていました。 

そこで、興味が持てる領域やテーマにアクセスして視野を広げたいと思ったとき、ちょうど登録していたビズリーチならまさにそれができると気づきました。送られてくるさまざまなスカウト内容を見たり、自身のアンテナに引っかかるテーマであれば面談や面接で直接話を聞いたりすることが、自身の採用市場における価値の確認や業界研究に役立ちました。

そうしたなかで受け取った鎌倉新書からのスカウトは、業界研究を通してちょうど興味を持ち始めていた葬儀業界をリードする会社からのものであり、とりわけ目を引きました。業界で急成長を遂げている理由を知りたい。そんなワクワクした思いで面接に臨みましたね。

決め手は、「自分が必要とされている」という実感

第三者視点の面接で、「どう貢献できるか」のイメージが深まった

溝口:スカウトをきっかけに鎌倉新書に興味がわいた後、自分なりに会社についていろいろと調べました。すると、前職の旧役員が鎌倉新書で当時社長を務めていることがわかり、「あの優秀な人がネクストチャレンジの場として選んだ」ということで、より興味が増しました。

また、調べていくなかで終活市場のポテンシャルの高さ、そして鎌倉新書がそのなかでも飛びぬけて成長を続けていることが明らかになり、ここでなら私の転職活動の軸でもあった「社会課題を解決できる仕事」につながると確信。

実際に選考に進んでみると、面接は全3回あり、どれも「人」に対する思いのこもったものでした。1次面接の面接官は事業担当の取締役で、現在の事業のあり方やビジョンを直接聞くことができました。スカウトの時点で私自身の経歴や志向性について理解してもらっていたため、面接では他社よりも一歩先に進んだ会話ができましたし、私自身ができることが明確になり、この会社で活躍する自分の未来をイメージできるようになりましたね。

とりわけ印象的だったのは、外部から事業を手伝っている協力パートナーの「第三者」が面接官として対応してくれた2次面接です。鎌倉新書という会社や事業のありさまを客観的に語ってもらえたのが新鮮で、そうした面接を設定してくれるのは、候補者に対する真摯な姿勢の表れだと思えます。また、その面接で触れられた鎌倉新書の課題については、私自身に改善案のイメージがわくもので、不安要素にはなりませんでした。むしろ、「自分が鎌倉新書において貢献できることがある」と、モチベーションが上がりました。

最後の、社長による3次面接では、実際に会社の課題について率直に語り合うなかで、経営者として何を考えているのか、会社が目指す世界観など、熱い思いがひしひしと伝わってきました。最終的にそれが最後のひと押しとなり、入社を決めました。

「本当に求める人材」として、時間をかけてアプローチしてくれる

白鳥:業界研究をするなかで着目していた葬儀業界からのスカウトとあって、当初は業界研究の延長線上のようなモチベーションで臨んだ面接ですが、結果として転職に結びついたポイントが3点ほどありました。

まず、葬儀部門の事業部長やほかの役員、社長、会長と直接お話ししていくなかで、これほど優秀な人たちが集まる環境で切磋琢磨できるなら、加速度的に成長できると確信したこと。2つ目に、葬儀業界よりも、さらに広いライフエンディング業界という未知の領域に可能性を感じ、そこで自分の力を試したいと思えたこと。そして3つ目が、鎌倉新書が掲げる会社のビジョンやそのスケールに感銘を受けたことです。

鎌倉新書の面接で特に印象的だったのが、「この事業をどう思う?」とまるで仲間の一人のように相談ベースで問いかけてくれたことです。私の経験やスキルを尊重してくれたこと、そして自分を必要としてくれているという感覚がとても心地よかったですね。また、当時の社長が、面接の場で「現在は数十億円規模の事業である鎌倉新書のビジネスを100億、1,000億規模にする自信がある」と発言していたのをよく覚えています。1,000億の世界を一緒に見られる。そう思うと胸が躍り、ここで挑戦してみようと意志が固まりましたね。

また、選考プロセスに時間がかかってしまうにもかかわらず、当時の私の仕事に合わせてくださり、面接時間を柔軟に対応してもらったことも、とても好印象でした。私のペースに合わせて選考を進めていただいた結果、1次面接を行った2018年9月からおよそ3カ月たった11月に内定。さらに引き継ぎ期間をとって、20192月に入社となりました。実は、鎌倉新書では選考スピードが速く、1次から最終面接まで2週間など、1カ月足らずでの入社も珍しくありません。それでも本当に求める人材なら、時間をかけてでも丁寧にアプローチし、「人」を大切にする会社なのだと、選考を通じて実感しました。

候補者一人一人を「思いやる」選考が、入社後の活躍を引き出している

採用する一人一人に、会社の将来がかかっている

溝口:入社後は、プロダクト開発室(当時、現在は部)室長補佐として、プロダクトマネージャーのような立場から組織の再構築を行いました。エンジニア、デザイナー、情報システムのメンバーなど、15人ほどが在籍する雑然とした組織でしたが、全員と1on1ミーティングを行い、共通理解を得られるよう努めました。自分が何者なのかを伝え、一人一人が取り組んでいることや課題と感じていることを丁寧にヒアリングする。こうした一から組織をつくっていく工程は非常にやりがいを感じられましたね。

また、開発組織やコミュニケーションの活性化に取り組みながら、必要な人材の採用にも注力しています。人事任せでなく、事業部長が自ら必要な人材をデータベースで探し、マッチする候補者にスカウトを送る。現場の責任者が候補者のレジュメを読み込み、経歴やスキル、志向性などを踏まえて、当社でどのように活躍できるかを具体的に伝える。こうした現場主導の採用スタイルは初めてのことでしたが、自分自身がそうしたアプローチをきっかけに入社したこともあって、前向きに取り組めています。 

実際、会社概要などはひな形を用いつつ、当社で働くことによる「サクセスストーリー」を自ら設計し文面を作成することで、プロダクト開発部ではここ1年半の間に、ビズリーチ経由で2名の採用に成功しています。

当社のような社員100150人規模の組織では、採用する一人一人に会社の将来がかかっているといっても過言ではありません。いかに本気で一緒にやろうと思ってくれる仲間に出会えるか、そしていざ出会ったときにどう魅力を伝えるかがとても大事です。 

私自身は現在、プロダクト開発部部長に加え、執行役員とCRM戦略室マネージャーという責任ある立場に従事しています。活性化した組織でさらにエンジニアの生産性向上を目指すとともに、全社方針である顧客情報のクロスユースを推進するべく、CRM基盤の構築に着手しています。加えて、執行役員として、コロナ禍によるリモートワークを経た今後のより良い働き方の検討にも取り組んでいるところです。

入社前に覚悟していた以上に仕事の密度が濃く、「しんどいけれど、楽しく、求めていた仕事」、当初描いていた希望の働き方ができていると思います。

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期待以上のスピード感で、求めていた成長を実現

白鳥:入社して最初の半年間は、私がもともと専門としてきたマーケティング経験を生かす形で葬儀事業のマーケティング責任者になったのに加え、僧侶派遣サービスの責任者を兼務。「いいお坊さん」サービスのリリースを実現しました。そのミッションを達成して間もなく、仏壇事業に異動し、今は副部長として事業の目標達成に向けて全力投球しているところです。 

当社は終活市場に関わるビジネスを展開していることや、東証1部上場であることから「安定感のある会社」というイメージを持たれることも少なくありません。しかし実は、ベンチャー気質で変化のスピードが激しい会社です。

入社後、数字に対する想像以上に高い意識に、正直驚きました。でも今は、事業を兼務することでスピーディーな実行力や推進力を求められるようになったり、サービス責任者としての強固な達成意志や、これまで培ってきたマーケティング手法以外のアプローチに向き合う姿勢などを求められたりするなかで、これまで以上に成長をドライブできる環境だと強く感じています。 

こうした成長実感の大きな環境だからこそ、一緒に働く仲間は非常に重要で、その仲間を集めていく採用活動は現場においても重視されているのだと思います。一般に採用は人事に任せられがちですが、鎌倉新書では採用責任を事業部長が持ち、スカウトや面接も「自分ごと」として行われています。

当社に本当に必要な人材が集まっているのは、「自分ごと化」されている現場主導の採用活動のおかげでしょう。私は今後も優秀な仲間たちと切磋琢磨し、さらに成長を目指していきたい。そして、事業における数字の達成にさらにこだわりながら、マーケティングのスキルや知見も高めていきたいと思っています。今後は、CRMMA(マーケティングオートメーション)の本格運用や、他社とユーザー情報を共有して施策に活用するCDP(カスタマーデータプラットフォーム)などを新たに取り入れていき、事業をより面白く、そして魅力あるものにしていきたいですね。

執筆:久保田 かおる、編集:辻井 悠里加(HRreview編集部)

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