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中途採用であっても「即戦力」ではなく、「潜在能力」を重視して採用する「ポテンシャル採用」。ポテンシャル採用は、人材確保の観点でどのようなメリットがあるのでしょうか。本記事では、ポテンシャル採用で優秀な人材を確保するために、押さえておきたいポイントを詳しく説明していきます。
1.「ポテンシャル採用」とは
ポテンシャル採用とは、募集職種についての経験・スキルよりも、素質や将来性といった潜在能力の評価を重視する採用方法です。ポテンシャル採用の代表例の一つが、従来的な日本の「新卒採用」であり、多くの企業が、業務経験のない学生を対象にポテンシャル採用を実施してきました。入社後の研修・育成を通じ、ある程度の時間をかけながら仕事に慣れていくことを前提としています。
これまでの中途採用においては、即戦力として経験やスキルを重視した採用が多く、「ポテンシャル採用は新卒採用のみ」という企業も少なくありませんでした。しかし、新卒採用や中途採用における人材獲得競争の激化にともない、新卒一括採用を実施している大手企業においても、中途採用でのポテンシャル採用が積極的に行われるようになっています。
2. 中小企業こそ取り組みたい「ポテンシャル採用」
新卒採用では、知名度が高い大手・有名企業に人気が集中しやすく、知名度の低い中小企業は、採用の成功はおろか、応募者を集めることすら厳しい状況です。
しかし、会社勤めや実務を経験した人が対象となる中途採用においては、候補者にとって、企業の知名度や規模だけではなく、ビジョンや仕事のやりがいなどの要素も、企業を選ぶ際のポイントとなります。中小企業にとっては、中途採用でもポテンシャル採用を実施することにより、新卒採用では出会えなかった、潜在能力が高く、自社に合った人材を採用できる可能性が高まるといえるでしょう。
3. ポテンシャル採用のメリット
新卒採用で応募者を集めるのが難しい中小企業こそ、ぜひ取り組んでいただきたいポテンシャル採用ですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ポテンシャル採用のメリットを詳しく説明します。
3-1. 教育にかけるコストや時間が削減できる
中途採用でのポテンシャル採用を実施する場合、募集職種における経験はないものの、社会人としての業務経験やビジネスマナーなどの基礎知識・スキルはすでに持っている人材を確保できるというメリットがあります。新卒採用で入社した社員には、社会人として必要な基礎知識やスキルを、一から身につけてもらうための研修などが必要ですが、中途採用の場合は不要なケースも多く、教育にかかるコストと時間の削減が期待できます。さらに、現場で指導・育成する先輩や上司の労力や時間も減らせるため、事業への利益貢献にもつながります。
3-2. 組織に多様性が生まれる
「即戦力人材」として、実務経験を重視した中途採用の場合、コミュニケーション力や課題解決力などに富んだ人材が応募してきても、「実務経験がない」という理由で不合格となるケースがあります。ポテンシャル採用においては、これまでの経験ではなく、長期的な視点から候補者の素質や可能性を重視したうえで、将来的に組織や会社に必要になるであろう人材を採用できるため、さまざまなバックグラウンドを持つ人材が加わる可能性もあり、その結果、組織に多様性が生まれることも期待できます。
3-3. 年齢バランスの偏りを解消できる
企業によっては、不況時に新卒採用数を少なくしていたことなどの影響により、年齢別の人員構成に問題が生じている場合があります。年齢のバランスが偏ってしまうと、定年退職者が多くなる時期を迎えると、一気に深刻な人材不足が発生してしまいます。その結果、企業の売り上げを大きく低下させてしまうことにもなりかねません。企業の長期的な成長に影響するため、人員構成の偏りを解消しておく必要があります。
中途採用においてもポテンシャル採用を行って、若手の人材を確保できれば、人員構成の偏りを解消しやすくなります。
4. ポテンシャル採用を成功に導くポイント
ポテンシャル採用を成功に導くためにはどのようにしたらよいのでしょうか。採用活動をする際の3つのポイントについて説明します。
4-1. 評価基準を明確にする
ポテンシャル採用の評価方法は、素質やマインドに加え、学生時代を含むさまざまな経験のなかで培った知識や考え方などを、これからの業務に生かせるかを判断する必要があります。コミュニケーション能力や問題解決力、論理的思考能力、情報収集能力などのスキルのなかから、自社の価値観や募集職種にとって、特に重要なスキルが何かをあらかじめ明確にしておく必要があるでしょう。評価基準を明確にし、自社の求める人材像と合致するかどうか、候補者へ適切な質問をすることによって、判断する必要があります。候補者としっかりとやりとりすることで、ミスマッチを未然に防ぐことも可能でしょう。
4-2. ポテンシャル採用であることを示す
ポテンシャル採用で人材を集めるためには、求人票内で「未経験可」や「人物重視」といったことを積極的にアピールしましょう。経験がなくても挑戦したいと考えている、意欲的な候補者が応募しやすくなり、より多くの応募を集められる可能性が高まり、自社の求める人材像にマッチした人材に出会える可能性も高まります。
4-3. 適正な給与を提示する
ポテンシャル採用では、適正な給与を提示することも重要です。経験がないからといって給与が低すぎると、売り手市場が続くなかでは、求める人材を採用するのは厳しいでしょう。逆に、提示した給与が高すぎると、社員から不満が出るなど、組織のモチベーション低下につながってしまう可能性もあります。ポテンシャル採用では候補者の前職の給与も考慮しつつ、できるだけ適正な給与を提示することが大切です。
5. 候補者のポテンシャルの見極め方
ポテンシャル採用では、面接などを通じ候補者の素質や可能性などを判断しなければなりません。では、これらをどのように見極めたらよいのでしょうか。最後に、候補者の素質や可能性など潜在的な能力を見極める方法を説明します。
5-1. 成長意欲があるか
ポテンシャル採用では、候補者の将来的な成長を期待して採用します。自発的に「成長したい」と思う人材は、入社後も積極的に仕事を覚えて活躍する可能性が高いと期待できます。
採用時に候補者の成長意欲や向上心を見極めるためには、面接などで「弊社についてどの程度ご存じですか」と事前に情報収集をしているか、どの程度の意気込みがあるかを確認したり、「仕事に限らず、恒常的に学んでいることはありますか」などの質問をして、成長に対する意欲をチェックしたりするとよいでしょう。
5-2. キャリアについての目標があるか
経験を問わないポテンシャル採用とはいえ、候補者がキャリアについての目標を持っているか、将来設計をしているかもポイントです。具体的な目標がある場合、仕事に対して積極的に取り組む可能性が高いでしょう。
面接の際には、業務レベルの質問だけではなく、人生の目標や将来の夢、やりたいことなどを聞いてみるのも有効です。そのビジョンを実現するために、今後どのようなキャリアを積むべきかを議論しながら、自社がどのような成長機会を提供できるかを説明し、候補者の入社への意欲を高めていくのもよいでしょう。
5-3. 社会人としての基礎スキルがあるか
ポテンシャル採用の良い点は、社会人としての基礎スキルがある人材を確保できることです。候補者が社会人としての基礎スキルを備えているかどうかは、身だしなみや会話などから確認できます。多少、不足している場合でも、採用してから育成するという長期的視野を持ち、機会や環境を用意することも必要です。
5-4. 新しい環境への適応能力があるか
ポテンシャル採用では、候補者に、新しい環境に適応できる素直さや柔軟さがあるかどうかも重要です。入社当初は、過去の職場の進め方やルールが染みついており、なかなか新しい会社になじめない場合があります。しかし、素直さや柔軟さがあれば、徐々になじんでいくでしょう。本人の成長スピードという観点だけでなく、ともに働き育成担当ともなる、社員の負担や影響なども考えると、新たな環境へ適応する能力やマインドは重視すべき点でしょう。
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