【イベントレポート】時代の環境変化に対応する三井化学の人材マネジメント「人的資本経営」の実践

【イベントレポート】時代の環境変化に対応する三井化学の人材マネジメント「人的資本経営」の実践

2022年6月2日、株式会社ビズリーチは「時代の環境変化に対応する 三井化学の人材マネジメント」と題したWebセミナーを開催しました。

三井化学株式会社グローバル人材部部長の小野真吾様にご登壇いただき、経営の優先課題に基づく人材戦略の成り立ちと具体策、人的資本経営を見据えたISO30414プロジェクトの内容や成果をお話しいただきました。モデレーターは、株式会社ビズリーチ ビズリーチ事業部ビジネス開発統括部統括部長の伊藤綾が務めました。

小野 真吾氏

登壇者プロフィール小野 真吾氏

三井化学株式会社
グローバル人材部 部長

2000年法学部卒業。三井化学株式会社にて、ICT関連事業の海外営業・マーケティングおよびプロダクトマネジャー(戦略策定、事業管理、投融資等)を経験後、人事に異動。組合対応、制度改定、採用責任者、国内外M&A人事責任者、HRビジネスパートナーを経験後、近年では人材戦略、グローバルタレントマネジメント、後継者計画の仕組みづくりに従事。その他、グローバル人事システム(Workday)展開、リーダーシッププログラム、各種グローバルポリシーの推進、HRトランスフォーメーション等に従事。

2021年4月、グローバル人材部長に就任し、グローバルレベルでHR機能の強化および企業文化変革にも着手中。
伊藤 綾氏

モデレータープロフィール伊藤 綾氏

株式会社ビズリーチ
ビズリーチ事業部 ビジネス開発統括部 統括部長

山形大学工学部卒業後、塗料メーカーで研究開発職として従事。その後、エグゼクティブ向けヘッドハンターを経て、大手精密機器メーカーにて法人営業や事業企画を経験。2013年、株式会社ビズリーチに入社。広報、人事、マーケティングなど複数の領域において経験を積んだ後、現在は、ビズリーチ事業部ビジネス開発統括部の統括部長を務める。

「社会課題解決」に立ち返る経営 企業文化や人的資本が人事の課題

三井グループは、三井高利による越後屋呉服店から商業を営んできました。さらに1888年に日本政府から三池鉱山を落札、團琢磨という人材も獲得し、製造業に進出しました。

この三井鉱山が1912年に、三井化学の基礎となる石炭化学事業を創始。以降、さまざまな化学系工業会社が合併を繰り返し、1997年に三井化学が設立されています。以降、宇部興産(現:UBE株式会社)からポリプロピレン事業など、多くの企業から化学系事業を譲り受けており、つい先日も旭化成様から半導体製造関連材事業を取得しました。

こうしたことからさまざまな人が入り、モノカルチャーではない多様な事業体であるのが三井化学の特徴です。

「社会課題解決」に立ち返る経営 企業文化や人的資本が人事の課題

三井化学では2021年に、存在意義である「社会課題解決」に立ち返って目指すべき企業グループ像を再定義し、それを実現するための方向性を「VISION 2030」という5つの基本戦略に集約。

「事業ポートフォリオ変革の追求」「ソリューション型ビジネスモデルの構築」「サーキュラーエコノミーへの対応」「DXを通じた企業変革」「経営基盤・事業基盤の変革加速」の5つを柱に、大きくトランスフォーメーションを進めようとしています。

目指す未来社会とマテリアリティ

考え方としては、目指す未来社会を仮置きし、「環境と調和した循環型社会」「多様な価値を生み出す包摂社会」「健康・安心にくらせる快適社会」といった未来像を描き、当社のマテリアリティー(重要課題)を考えて戦略を立てています。

基本的には、持続可能な社会への貢献をどうするかということと、事業継続の前提となる課題、そして事業継続に不可欠な能力を特定するということで、そのなかで企業文化や人的資本が人事部門の取り組む課題となっています。

一方、社会貢献として当社は早い段階からESG(環境・社会・企業統治)を意識してきました。2006年の中期経営計画では経済軸・社会軸・環境軸を経営に組み込む「3軸経営」を打ち出し、2021年に打ち出した「VISION 2030」では、財務的観点のみならず、非財務指標についても意識した経営を行うことにしています。

VISION 2030の非財務KPI

「VISION 2030」で定めた非財務のKPI(Key Performance Indicator、重要業績指標)のうち、「エンゲージメント向上」「キータレントマネジメント」「ダイバーシティー」「健康重視経営」「デジタル人材育成」が人的資本や企業文化に関わるところであり、これらについて指標を定めるとともに、それらに向けて具体的な活動を行っています。

人材戦略の優先課題と方策

人材戦略を進めるにあたり、まず「経営戦略と連動した人材戦略」を作っています。

毎年「VISION 2030」に向けて戦略策定を行うなかで、はじめに事業戦略、それから機能戦略として人材開発や生産技術、新事業戦略といったことを必ずトップマネジメントと議論を行いますが、そこで人材戦略だけを取り上げて経営陣と議論する場があります。このなかで出てきている、今の優先課題と方策は以下の通りです。

経営戦略と連動した人材戦略

まず、経営戦略の変化はかなり激しくなっていますので、ここをアジャイルに捉え、実効性のある人材戦略、施策を具体化しています。また、「人の三井」と言われるとおり、「個の力」を重視して自主・自立・協働を体現し、挑戦し続ける組織に変革し続けようとしています。

これらをふまえて、2030年のありたい姿を3点掲げています。

1点目が、バリューチェーンが広がりビジネスモデルが複雑化するなか、顧客・パートナーと協働しながら社会課題を解決できるような人材を獲得・育成・リテンションする必要があるということです。

2点目が、人材のエンゲージメントを高めるということです。いまグループで2万人程度の従業員がいますが、グループレベルで個々人のエンゲージメントを高めて、個の力を最大化することが重要ですので、それをふまえて、自主・自立・協働の体現を目指しています。

3点目は、グループとしての人事ガバナンスやその人的資本価値を社内外に発信することです。成長投資のなかでグループ企業がますます増えているため、グループレベルで物事を捉えることが必要になるため、買収・資本提携に対応した人事ガバナンスや、グループとしての人材可視化を目指し、「グローバル統合型人材プラットフォーム」を構築するといったことを主要課題としています。

グローバル人事施策の全体像(短期~中期)

これらをふまえてグローバルに人事施策を組み立て、「VISION 2030」やESG経営の強化、DX、新しい企業文化といったキーワードと連動して、人事部門の施策を展開しています。

中心になるのは「適所適材の実現」で、これを実現するために「人材」をいかに育てるか、グループとして「ポジション」をどうコントロールし、重要ポジションを特定するか。これにより適所適材を実現し、さらにそれを支えるための「ポリシー」として、グローバルで報酬・評価の考え方を合わせていき、グローバル人事システムを統合するといった全体像があります。企業文化を測定し、改善するためのエンゲージメント調査や改善活動も行っています。

このなかで、人材戦略上、優先課題に触れるのは、以下の3点です。

キータレントマネジメント

人材戦略の1点目、人材確保・育成・リテンションの中心にあるのが、2016年度から導入している「キータレントマネジメント」です。部門別人材育成委員会でキータレントと呼ばれるポテンシャルの高い人材を発掘し、個別の育成計画を作成。それをグローバルレベルの全社人材育成委員会として、CEO、CxO、本部長が集まって、議論します。これらの活動を取締役会で必ず報告し、そこでの議論を基に、また翌年度改善するというサイクルで回しています。

これにより、例えば経営層候補の多様化率が20%まで上がってきています。これが将来における執行役員の多様化人数の先行指標になっているということで、このようなKPIを定めてモニタリングしています。「VISION 2030」を実現するために戦略重要として定めた100ポジションの後継者がどのくらい準備されているかという、後継者準備率については対外的に開示もしています。

「キータレント」の選抜方法

このキータレントマネジメントは、三井化学だけではなく国内外グループ会社の従業員も含めてピックアップして、等しく議論する立て付けになっています。

その方法として、9ブロックなどを使って業績、潜在能力、熱意などを測りながら人材をプールし、それぞれの個別育成計画を作っており、毎年、育成課題を明らかにしています。大事なのは、こうしたツールを使いながら議論することなので、議論しながら合意形成を行っています。

育成するなかでは、リーダーシップコンピテンシーを定めて、「戦略構想力」「チーム・リーダーシップ」「多様性の尊重」「胆力・一貫性」「機敏性」「目標必達の執念」という6つのコンピテンシーを軸に議論しています。

個別育成計画(配置)(経営者候補育成施策:必要な経験)

また、研修だけでは足りないので、70%が経験、20%がフィードバック、10%がインプットと考えて、(1)経営的視野(2)事業再構築(3)新事業開発(4)全社横断プロジェクト(5)海外経験という5つの軸を、将来の経営者に対して求めています。

そのほか、OFF-JTプログラムも階層ごとに、グローバルレベルや地域レベルで体系化しており、このような育成プログラムを行いながら、気づきやネットワークの場をつくるよう取り組んでいます。

ポートフォリオ変革に向けた人材戦略

人材育成に加えて大事なのが、人材の確保です。特にポートフォリオ変革ということで、従来のビジネスとは違う組織能力が必要なため、即戦力人材として中途採用を積極化しています。中途採用比率は50%を超えるレベルで、成長事業、重点領域、基本戦略遂行に資する人材に活躍してもらえるよう意識し、さまざまなチャネルで人材の確保に取り組んでいます。

入社後の活躍指標として、キータレントの多様性を見ていますが、ここでも即戦力採用者、女性、外国籍という多様性が組織に与える影響は大きく、今後の成長戦略に資するものとして意識しています。

また、グローバルレベルで人を動かすとなると、グローバルグレード(職務評価)といったベースとなるプラットフォームが必要であり、こうしたことにも取り組みながら、人事ガバナンスを強めています。

こうしたことの結果、将来的には執行役員の多様化を目指して、女性・外国人・中途採用の比率を引き上げようとしています。この人数も非財務指標として対外的に開示しており、そのために先ほどのキータレントマネジメントや後継者計画にこの多様性を意識し、かつ事業計画と連動させたようなメカニズムを回そうとしております。

女性活躍推進においても、これを引き上げていくことで多様性の強い組織を作りたいと考え、意識改革を女性のみならず管理職にも浸透させる活動を行っています。準なでしこ銘柄にも4年連続選定されています。

「新しい働き方」を支援する人事施策

「新しい働き方」を支援する人事施策

優先課題に基づく人事戦略の2点目が、「エンゲージメントの向上」で、その指標として「新しい働き方」があります。「自主・自立・協働」という個の力を最大化するために、これまで、服装の自由化、副業要領の制定、テレワーク拡大、公募の拡充を行ってきました。2022年4月からは新業績評価を導入しています。

「エンゲージメント調査」と改善計画実行

こうした活動によるエンゲージメントの変化も定点観測しており、グローバルレベルで調査・改善活動を行っています。非財務指標としては、2030年にグループで50%以上のエンゲージを目指し、経営陣・人事部門・現場リーダーがタッグを組んで改善活動を行っています。

ポストサーベイアクションとして、改善活動後に組織ごとに調査を行い、何をすればエンゲージメントのスコアが上がるかにも取り組んでおり、全部署のマネジメントの96%が取り組んでいます。当社グループの特徴として「権限委譲と自律性」が高いことがサーベイでも出ており、個の力を最大化する「人の三井」という自社の文化を意識しながら、引き続きエンゲージメント向上を目指しています。

また、リーダーシップを重要なファクターとして捉えており、リーダーシップ開発や組織開発を行い、またそのためにコーチング文化を重視し、グループコーチングを用いたり組織開発の指標を入れたりしています。

Workday(グループ統合型人材プラットフォーム)の展開

優先課題に基づく人事戦略の3点目として、グループ統合型人材プラットフォームWorkdayを2023年2月よりグローバルで導入します。

ありたい人材・ポジションのポートフォリオを可視化し、自律的キャリア形成をグローバルレベルで実現するため、コア人事システムとタレントマネジメントシステムを全てグローバルで統一。これにより、組織から従業員に対してキャリア機会を提示でき、従業員側もキャリア機会を探索できます。ひいては、それを通じてグループとしてマネジメントを行い、社内外のステークホルダーに対してコミュニケーションができるということで、これが人的資本の開示強化のなかの一つの大きな骨格になってきます。

「人的資本」ISO30414 プロジェクトの実施

以上が人材戦略の優先施策3点ですが、当社が人的資本経営に取り組むにあたって、まず行ったのが、スタンダードとなっている国際基準のISO30414を理解することでした。自社とこの標準のギャップを把握し、それに基づいてどのような対策ができるかを研究しています。

この意義として、まず当社自身が投資家を意識した人的資本の情報開示を進められます。また、ISO30414はグローバルレベルの標準モデルを定義しているので、それと自社のギャップが把握できます。そして、なるべく非財務のインパクトを可視化して、財務的にどうつながるかということを経営レベルで議論できる土台にしようということが、3つの目的でした。

その結果、ISO30414とのギャップが中程度のデータは集められますが、網羅性やデータ収集のシステムの整備において課題があるものは58の指標の中で19あり、これらについてはWorkdayで一括管理できるようデザインしています。

そして、ギャップが小さい、つまりデータ・指標をすでに持っていて、かつ国内水準比あるいはグローバルでも遜色ない指標は35あることが分かりました。そのうち、「戦略重要100ポジション等の重要ポストの後継者計画」やタレントマネジメント、コンピテンシーなどを今、情報開示しています。

「人的資本」情報開示に関する今後の短期的・中期的課題

この開示をどうするかは、4象限のフレームワークで考えています。横軸は短期か中期か、縦軸は戦略的対話か開示戦術かですが、大事なのはこの戦略的対話をどう設計するかで、必ず事業戦略と連動した人的資本の情報開示を策定し、自社独自の固有のストーリーを作ることを意識しています。

加えて戦術的には、足りない指標をきちんとデータとして集めるとか、どんな開示媒体を使っていくかということを意識しながら、中期的にグローバルレベルでこれが実現できるようにし、かつ、非財務指標と財務指標の連動をより明確化していきたい狙いです。

Q&Aセッション

セミナー後半には、視聴者から寄せられた質問にお答えしました。

Q
3つの優先課題の特定に至ったプロセスを教えてください。
A

「VISION 2025」を2016年度に策定したときに、人事戦略だけを取り上げた際に、事業戦略のAs-IsとTo-Beをヒアリングしながら、量的・質的観点を整理して経営陣と議論したところ、人材の重要性に共感していただけました。そこで、人事戦略についても毎年、基本戦略に組み込むことを検討しましたが、人事系の戦略となると経営陣も各人の「目線」が入ります。ですので、なるべく「VISION 2025」や「VISION 2030」を実現させるための優先的なプロットに絞っていくというプロセスを何度も議論して、ここに至っています。

経営計画システムは中期経営計画から長期戦略にシフトしましたが、その中で各事業戦略との現状と将来像のギャップが生まれて、その差分を埋めるPDCAを回すスキームが経営陣と合意できているというところから優先順位が決まっています。

Q
「人材の適材適所」において、どのように人材管理システムを利用していますか。
A

今は、「SAP SuccessFactors」というタレントマネジメントシステムを運用していますが、システムがあれば人材の適材適所ができるわけではなく、その手前で、必要な情報やデータについてデザインする必要があります。そこで重視しているのが、キータレントマネジメントで、人材委員会のなかでの自由な討議に加え、そこで選ばれた人材自身がキャリア観について話す場も持っています。そうした定性情報や主観情報を評価情報やアセスメント情報と組み合わせて人材について理解し、ポジションについてもクリティカルに整理したうえで、適材適所を考えています。

現場のマネジメントがキータレントにコミットしてくれる文化醸成については、経営者育成プロセスの可視化・透明化・継続化を4、5年前から図りました。持続的に行っていくことの重要性を理解している役員層がいたことと、育成には時間がかかるが、その意味合いを理解してくれる人々が事業側にもいたことが功を奏しました。

コーポレート側でも積極的に取り組み、社外取締役や取締役会にも仕組みとしてモニタリングしてもらい、まずはスタートしたこと。そして継続することで浸透させられました。

Q
スピード感を持って進められた理由や意識したポイントはありますか。
A

実はトップダウン型でなく、ミドルアップ型で進めています。

私が人事に異動してまもなく、現場で採用、教育、評価、報酬、異動などに不満や不振を抱えるマネージャー層が多いのを感じました。そこで彼らを集め、社内で「ハラグロ会」(本音を出す会)というワークショップを開催。フレームワークを用いて計18回の話し合いを重ねていくうちに、将来の方向性についてそれなりの答えが導けました。

変革を進めるために実行力を担保するには、現場レベルの人事が大事です。人事部門として、この一体化やコミットを醸成するために、組織の機能の壁を取り払って同じ目標をつくるというプロセスも重要なのです。実際、ハラグロ会に参加した人たちは、めざすTo-Beの世界が同じように理解でき、展開する際も「自分ごと」としてとらえられたため、スピードに寄与できました。

Q
新規事業の立ち上げ人材の要件定義は、各部門とどのように決めていますか。
A

たとえばM&Aをしたときにどのくらいの規模感の方たちがグループに入ってきて、その後のTo-Beの世界がどうなるかは、M&A自体の戦略が分かっていれば人材戦略も立てやすいですが、それがないと立てられません。新事業も同様で、新事業に必要な人材をヒアリングしたときに、「起業家っぽい人」などといわれても、それでは要件定義ができません。ですので、「起業家っぽい」とは、どの領域で何をしたいのかと明言化していきますが、この対話を繰り返し、確度が上がるまで考えるプロセスが大事です。

Q
中途入社の方を活躍に導くために、オンボーディングでの留意点を教えてください。
A

当該部門のリーダーシップや多様性の受け入れを向上させるため、リーダーシッププログラムの中に、アサーティブコミュニケーションやグループコーチングの研修を入れています。また、オンボーディング研修では、仲間やネットワークづくりのため、研修自体をまとまった人数で実施し、前職や一般的慣行との違いを見るセッションを設けるなどして、ギャップの把握とサポートに努めています。

さらに、オンボーディング後にも定期的にビジネスパートナーが面談を行っています。ビジネスパートナーについては特に基準を設けず、事業への興味や主体的な貢献意欲を重視しています。事業部から人事部門への異動も増やしており、そうしたクロスした経験を持つ人材がビジネスパートナーとなるケースも多いです。

Q
「新しい働き方」を支援する人事施策で、従業員のエンゲージメントにどのような影響がありましたか。
A

先ほどのスコアは、実はグループ2万人のうち90%弱の従業員の平均スコアなので、部門や会社によってばらつきがあります。フリーアドレス、テレワーク、服装自由化などを進めるなかで、スコアが上がった部署と変わらない部署が分かれました。世代やオンライン化をどう捉えるかでも反応に差が出ますので、部署ごとに細やかな改善プランなどを作りました。現在は、一定の効果が見られています。

また、会社としてメンター制度の導入や評価制度の改善を行った後、ライン長を含め、現場にエンゲージメントを理解し、改善にコミットしてもらうための「仕掛け」が大事です。そこをコミットしている部署ではエンゲージメントとも相関が見られました。

講演の最後に、視聴者の皆様へメッセージをいただきました。

小野 真吾氏
小野 真吾氏

人的資本経営を行って思うのは、経営戦略と人材戦略を連動させること、つまり、経営と人事部門が一体となって議論ができるかどうか、現場と腹を割って話す「対話」がとても大事だということです。

また、情報開示を目的とするのではなく、戦略を実現するために一番重要視していることを特定して、そこの優先課題を持ちながら愚直に改善し続け、その結果を共有することが重要です。

当社もまだまだ道半ばであり、いろいろな会社様から学べたらと思いますので、機会があればぜひ情報交換させてください。

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著者プロフィール久保田かおる(くぼた・かおる)

横浜市生まれ。東京女子大学文理学部社会学科卒業。株式会社リクルートで12年、旅行・学び領域での編集/クライアントワーク経験を積み、当時の社是である「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」を実践。現在はフリーランスで、経営者やVC/CVC、コンサルタント、エンジニア、HR担当者、医師に対する取材・執筆を中心に活動。6年間のインタビュー実績はのべ1,618名。