内定通知書

内定通知書とは? 採用通知書との違いや書き方、テンプレートを紹介

企業は採用内定者に対して、正式に採用の決定を伝えるために「内定通知書」という書類を渡します。

この記事では内定通知書に関して、人事担当者側にはテンプレートを用いた作成内容や送付する際のポイント、求職者側には受け取ったときの対応などを紹介。各種通知書との違いについても解説します。


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内定通知書とは

内定通知書とは

内定通知書とは、企業が採用内定者に対して「内定したこと」を知らせる書類です。内定通知書を発行することは企業の義務ではないため、内定は口頭だけで通知される場合もあります。しかしトラブルを避けるためにも、内定通知書という書面の形で残すことに意味があります。

労働条件通知書との違い

労働条件通知書は内定者(採用予定者)に対して、企業が労働条件を提示するための書類です。労働基準法で、企業は労働条件を通知する義務があると定められています。法改正により、メールやSNS等での通知も可能になりました。

採用通知書との違い

採用通知書は、企業が内定者(採用予定者)に対して、採用したことを通知するための書類で、内定通知書とほぼ同じ意味合いです。ただし企業によって、書類の名称・意味合いは異なる場合があるため、注意しましょう。

そもそも「内定」とは何か?

そもそも「内定」とは何か?

そもそも「内定」とはどのような意味を持つのでしょうか。

内定とは、採用や昇進などが決まること・決めることです。特に採用活動における内定とは、「入社後の雇用契約について合意ができた状態」を意味します。内定者が内定通知を受け、内定承諾をすると内定が成立します。それぞれ「内定通知書」「内定承諾書」という書面の形で交わす場合が多いです。

内定が成立すると、労働者と企業の間で労働契約(始期付解約権留保付労働契約)の合意が結ばれたということになります。そのため内定の取り消しは解雇に相当しますが、内定者側からの内定辞退は可能。雇用契約は、解約の申し入れ後2週間で終了すると民法で定められています。


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内定と内々定の違い

「内定」の他にもよく使われる概念として「内々定」があります。内定と内々定はどのように異なるのでしょうか。

内々定とは、内定よりもさらに前の段階を指します。採用や昇進の通知を意味する点は、内定と同様です。採用活動における内々定とは「採用予定の状態」であって、まだ雇用契約は結ばれていない状態です。

また内々定という概念は新卒採用の場で使われることが多く、中途採用ではあまり使われません。

始期付解約権留保付労働契約

内定が成立した際に締結される労働契約は、始期付解約権留保付労働契約といいます。「就労の始期」と「解約権留保の2つの条件が付いた労働契約のことを指します。

「就労始期付」とは、内定者が実際に就業を開始する日を労働条件に加えることで、例えば新卒採用では、卒業後の4月1日が就業開始日になるでしょう。「解約権留保付」とは就業開始日までの間、企業が内定者との解約を保持する(解約できる)ことを労働条件に付けることです。

解約権は、内定取り消し事由(期日までに卒業できなかったなど)が発生した場合のみ行使できます。

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内定通知書の書き方/テンプレート【人事担当者側】

内定通知書の作成・ポイント【人事担当者側】

ここからは人事担当者側の目線で、内定通知書の記載項目や書き方、テンプレート、内定通知にまつわるポイントをお伝えします。

内定通知書に記載する項目

内定通知書は法律で発行が義務付けられている書面ではなく、記載内容や書き方に特に決まりはありません。一般的には、以下のような項目を記載することが多いです。

  • 採用試験への応募のお礼
  • 採用が内定した旨の通知
  • 同封書類の内容
  • 返送書類の期限日
  • 入社日(未定の場合は、別途連絡する旨を記載)
  • 連絡先(問い合わせ先)
  • 労働条件に関すること

契約期間や勤務地、給与などの労働条件は、別途「労働条件通知書」として通知する場合もあります。労働の契約をする際には、企業が労働者に対して必ず明示すべき項目がありますが、必ずしも内定通知書に記載しなければならないということではありません。

内定通知書のテンプレート

ここでは、内定通知書のテンプレートをご紹介します。

令和〇〇年〇月〇日

(応募者氏名)様

株式会社〇〇〇〇
代表取締役 〇〇 〇〇

内定通知書

拝啓 貴殿におかれましてはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。このたびは、弊社入社試験にご応募いただきましてありがとうございました。また先日は最終面接にご足労いただきましたこと、重ねてお礼申し上げます。

厳正な選考の結果、貴殿を採用内定といたしましたので、ご連絡いたします。

入社日は、令和〇〇年〇月〇日を予定しております。
つきましては、同封の必要書類に記入、署名・押印のうえ、期日内にご返送くださいますようお願いいたします。

なお万一、期日までにお届けがないときは、採用取り消しとなりますのでご承知ください。ご不明な点がありましたら、末尾に記載しました連絡先までお問い合わせいただけますと幸いです。

労働条件につきましては別途通知いたします。
まずは取り急ぎご通知申し上げます。

敬具

1.同封書類:入社承諾書、誓約書、身元保証書

2.提出期限:令和〇〇年〇月〇日(〇)必着

以上

問い合わせ先:株式会社〇〇〇〇
人事部採用課 〇〇 〇〇
TEL 000-0000-0000
MAIL 〇〇〇〇@〇〇.〇〇.〇〇

内定通知書は、郵送かメール送付のどちらがよい?

採用結果が出たら企業はなるべく早く正確に、内定した旨を候補者に伝える必要があります。内定通知書はメールで送る場合と、郵送で送る場合があるでしょう。それぞれのメリットや、気をつけたいポイントについて紹介します。

メールでの送付

まずメールで通知する場合、郵送よりも早く内定が決まったことを通知できます。昨今、採用活動はオンライン化の流れがあり、内定通知も郵送ではなくメールで行う企業も増えているでしょう。

メールで内定を通知する場合は、事前に「合否はメールで通知します」と告知しておきましょう。また内定承諾書や身元保証書など別途、郵送・返送が発生する書類がある場合は、その旨も内定通知のメールで伝えます。

郵送での送付

郵送で内定通知書を送る場合は、内定承諾書など他の書類も一度に同封できる点がメリットです。いち早く内定を伝えたい場合は、速達や簡易書留を使うのも一つの手。また、返送書類がある場合は、返信用封筒を同封するのがマナーです。


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内定通知書を受け取ったら【転職者側】

内定通知書を受け取ったら【転職者側】

ここからは、転職者の視点で、内定通知書を受け取ったその後のステップなどについてご紹介します。

【参考】内定後の流れ ~内定通知書の確認・入社までにやること~|転職ならdoda(デューダ)

内定通知書の記載内容を確認する

まず内定通知書を受け取ったら、その内容をよく確認しましょう。内定通知書とともに「労働条件通知書」などが同封されている場合もあります。また内定通知書には、内定取り消し事由について書かれている場合があります。こちらもよく確認しておきましょう。

内定通知書に給与など条件の記載はある?

企業は内定通知書の発行を義務付けられているわけではなく、決まったフォーマットもありません。一方で企業には「労働条件」を明示する義務があり、必ず明示しなければならない項目も決まっています。

一般的に、給与などは「労働条件通知書」として別途書類で通知されます。給与は内定通知書に記載される場合もありますが、メールなどで通知される場合もあるでしょう。労働条件として明示しなければならない項目は以下の通りです。

  • 業務内容
  • 契約期間
  • 試用期間の有無
  • 就業時間
  • 就業場所
  • 休憩時間
  • 休日
  • 時間外労働
  • 賃金(給与)
  • 加入保険
  • 募集者の氏名または名称
  • 派遣労働者として雇用する場合はその旨

【参考】労働者を募集する企業の皆様へ|厚生労働省

内定通知書への返事

内定通知書を受け取ったら、内定通知への返事をする必要があります。内定通知書が郵送で届いた場合、「内定承諾書」が同封されている場合があります。その場合は、必要事項を記入のうえ内定承諾書を返送しましょう。

内定通知がメール等の場合で内定承諾書がない場合、電話かメールで担当者に内定承諾の旨を伝えましょう。

内定通知書を受け取ったが、まだ返事を待ってもらいたい場合、まず内定に対するお礼を伝えましょう。返答期限を設けたうえで内定への返事を待ってほしい旨を伝えます。

入社日を決める/現職の退職手続きを進める

入社日については、面接時にやりとりをしている場合も多いですが、内定通知の時点で入社日が決まっていない場合は企業と調整をしましょう。また現職の退職日は入社日前日に設定し、間を空けないようにできるとベターです。そうすることで、自分自身で国民健康保険や国民年金に入る期間がなくなり、手続きも必要なくなります。

内定通知書が来ない場合

そもそも内定通知書が来ないケースもあるかもしれません。その場合は、単に送付が遅れているケース、その企業は内定通知書を発行していないケース、などがあります。

内定通知書は企業に発行義務があるわけではありませんが、トラブルを避けるためにも内定通知書は発行してもらった方が安心です。内定通知書が届かない場合は、まずはメールで問い合わせてみるとよいでしょう。

内定辞退をする場合

内定通知書を受け取ったものの、内定辞退をする場合もあるでしょう。内定辞退を決意したら速やかに連絡してください。担当者への連絡は、電話とメールで行うのが丁寧です。また、返事を待ってもらいたい場合は、その理由といつまでに回答できるか期日を伝えるようにしましょう。

今回は、内定通知書およびその関連事項についてご紹介してきました。最後に、内定通知書の他に採用関連で発生する、各種通知書について紹介します。


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内定通知書は採用内定者に「内定」を伝える大切な書類

内定通知書は、内定が決定したことを採用内定者に伝える書類であり、採用通知書とほぼ同じ意味合いです。内定通知書の発行は法的に義務付けられていないものの、トラブルを防ぐため書面に残すことをおすすめします。

また、内定通知書の書き方に決まりはありませんが、今回紹介したテンプレートを参考に、一般的な項目は漏れなく記載するようにしましょう。

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著者プロフィールBizReach withHR編集部

先進企業の人事担当者へのインタビューや登壇イベントなどを中心に執筆。企業成長に役立つ「先進企業の人事・採用関連の事例」や、 事業を加速させる「採用などの現場ですぐに活用できる具体策」など、価値ある多様なコンテンツをお届けしていきます。