自社が求める人材を採用するためには、採用活動を点で捉えるのではなく、線で捉える必要があります。「タレントプール」を活用して、ぜひ採用したい優秀な人材と継続的に接点を持つことが、採用成功への第一歩といえるでしょう。今回はタレントプールについての基礎知識や、タレントプールを活用した採用活動のポイントをお伝えします。
タレントプールとは
「タレントプール」とは、採用候補となり得る優秀な人材の情報を蓄えるデータベースを指します。この概念は、人材領域のバイブルとして読まれている「The War for Talent」で提唱されました。
採用は、求人を行っている企業と転職希望者・転職潜在層が、お互いの条件をすり合わせマッチングが成立するもの。しかし、時には「優秀な人材だけれど、今は人材が充足しているため採用ができない」といった状況や「ぜひ自社で採用したいが、現職で活躍しているため今は難しそう」「もう少し経験を積んでもらえれば、内定が出せそうだ」など、さまざまな状況があるでしょう。
採用は、一度タイミングを逃したらその後に一切縁がないというものではありません。自社の求める人材に対して、タイミングを見計らって応募を促したり、求職者のほうから再応募があったりすることで、採用につながるケースがあります。
タレントプールの考え方のもとでは、そのような「来るべきタイミング」を逃さないために、採用候補となり得る人材と継続的にコンタクトを取ります。優秀な人材のデータベースを構築し、定期的にコミュニケーションを取ることで、タイミングのズレによる採用の機会損失を防ぐのです。
採用チャンスを高めるカギとなる「転職潜在層とのつながり」
転職市場には「転職顕在層」と「転職潜在層」が存在します。転職顕在層は「今すぐ転職したい」と考えている層で、転職潜在層は「それ以外」の人たちを指します。
採用の機会損失を防ぎ、優秀な人材の採用に成功するためには、転職潜在層とつながることや転職潜在層へのアプローチが重要です。
2018年に厚生労働省職業安定局が発表した調査によると、正規雇用労働者における転職希望者のうち「求職活動をしている人」が124万4,300人だったのに対し、「求職活動をしていない人」は218万7,100人と、大きく上回りました。
転職希望者の現状(正規雇用労働者における転職希望者の内訳)

ビジネスパーソンがスカウト型サービスへ登録する理由は「今すぐ転職したい」「現職に不満があるから」だけではありません。転職だけを目的とするのではなく、「自分の市場価値を知りたい」「仕事にさらなるやりがいがほしい」「自分の可能性を高めたい」といった希望を実現する手段の一つとして、スカウト型サービスに登録する転職潜在層もいるのです。
そのような層に対し、継続的につながりを持ち、転職機会のタイミングを見計らうことは、人材獲得競争が激化する昨今において、優秀な人材を採用する有効な手段の一つです。
▼転職潜在層について詳しくは、以下の参考記事をご覧ください。
一般的な採用活動とタレントプールを活用した採用活動の違い
タレントプールを活用した採用活動は、一般的な採用活動とどのように異なるのでしょうか。
一般的な採用活動は、欠員が出るたびに求人を出したり、人材紹介会社に依頼したりと、その都度「ゼロから始める」採用活動が多くなります。
一方、タレントプールを活用した採用活動は、自社が必要だと考える人材に対して「継続的なアプローチ」を行うことが特徴です。採用活動をその都度ゼロから始める必要がないため、効率のよい採用活動が可能になるでしょう。
タレントプールの活用ポイント
タレントプールを活用した採用活動を行うにあたっては、いくつかポイントがあります。今回は、ビズリーチのサービス上で運用できるタレントプールの活用方法をご紹介します。
まず、レジュメ(職務経歴書)をチェックして自社に必要な人材を選定し、優秀な候補者をリスト化します。その際、アプローチの優先順位をつけるとよいでしょう。ぜひ採用したいと思う人材には、継続的に連絡をしましょう。社内での出来事や、業界の情報交換など、ささいなことでもよいので、相手の興味・関心を高める情報を定期的に送ります。そして、相手の近況の変化を察知することがポイントです。焦らず、ごく自然な会話のキャッチボールのなかで、タイミングを見計らい、面談などを打診するとよいでしょう。
▼ビズリーチでタレントプールを活用した採用成功事例は、以下の記事をご覧ください。
タレントプールに関する資料をダウンロード
資料「中長期で採用に導く『タレントプール』活用方法」では、タレントプールについて、より詳しくご説明しています。
継続的なアプローチをする際のスカウト文例や、タレントプールの活用ステップ・ポイントなど、タレントプールの活用により自社に本当に必要な人材を採用するためのヒントをご紹介しています。ぜひご覧ください。
中長期の「タレントプール」活用で、採用成功をつかむ

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企業がアプローチしたタイミングが、候補者にとって「ベストな転職タイミング」であるとは限りません。タイミングを逃さないよう、「タレントプール」を活用しましょう。