新型コロナウイルス感染症の拡大は企業の採用活動にも影響を与え、オンライン面接を検討する企業が増えてきています。実際に、「オンライン面接」「WEB面接」というキーワードでの検索数は急激に伸びています。
では、すでにオンライン面接を実施している企業では、どのようなメリットを感じられているのでしょうか。人事担当者や面接官の声を聞いてみると「オンライン面接であれば対応できるという候補者が増え、この時期でも選考を進められて機会損失を防げた」というポジティブな発見があるほか、候補者からも「現職や家庭との両立を考えると、オンライン面接のほうがありがたい」「外出を避けたいので、自宅から面接できるのは安心」と好意的に受け止められているそうです。
本記事では、そんなオンライン面接をこれから始める場合に注意すべきポイントやその対策を紹介します。
あなたの面接にあてはまる「ダメ習慣」はありませんか?
ダメ面接官から卒業するための解説資料をダウンロード⇒こちらから
人事担当者・面接官が直面する課題とその対策

数々の面接を経験してきた人事担当者や面接官のなかでも、「オンライン面接に自信がある」という方はそう多くないはず。いざオンライン面接を始めようというときに困らないために、以下のような人事担当者・面接官が直面する課題とその対策を確認し、万全の体制で臨みましょう。
ツールを使いこなせない
オンライン面接用に選定したツールを人事担当者・面接官が使いこなせず、不具合の対応に追われているうちに候補者とコミュニケーションを取る時間が短くなってしまうような事態は避けたいところ。「ツールの音質が悪く、声が聞き取りづらい」というのはよくあるケースですが、有効な対策はマイク付きイヤホンを用意することです。
候補者の音声から個人情報が漏れるのを防げるだけでなく、候補者にタイピング音や雑音が聞こえにくくなります。人事担当者から面接官へ、事前にマイク付きイヤホンを配布するのもよいでしょう。
また、「ツールの通信状況が悪く、音声が途切れがちになる」という場合は、ビデオ画面は接続したままで音声だけをオフにし、電話で話す方法に切り替えましょう。大切なのは、お互いの表情がわかるよう、ビデオ画面は映したままにしておくことです。
「面接中に紹介したい資料がある」という場合には、ツールごとに設定されている「画面共有」の機能を活用し、その資料をビデオ画面に投影するのも効果的です。資料はあらかじめ用意し、ツールの操作方法も事前に確認しておきましょう。
▼選考のスピードアップについては、こちらの資料もご覧ください▼
候補者の選考・見極めが難しい
ビデオ画面を通しての面接では、「候補者の表情や目線、緊張の度合いなどを読み取りづらく、選考・見極めが難しい」という面接官も少なくありません。その場の雰囲気で選考してしまわないための対策としておすすめしたいのが、面接官トレーニングです。「構造化面接法」「コンピテンシー面接」といった面接手法を共有し、実践するようなトレーニングも有効でしょう。
◎ダメ面接官から卒業するための解説資料をダウンロード⇒こちらから
候補者が感じる不安とその解消法

面接そのものを日常的に経験していない候補者にとって、オンライン面接はより不安に感じるものかもしれません。候補者の不安をできる限り解消し、普段通りの状態でオンライン面接に臨んでもらえるよう、人事担当者・面接官が事前に準備しておくべきことなどを紹介します。
ツールを使いこなせない
オンライン面接の説明が不十分だと、候補者のなかで企業の第一印象が悪くなってしまう恐れがあります。ツールの操作方法やオンライン面接時に望ましい環境については、事前にメールなどで案内しておきましょう。
また、オンライン面接では最初の接続に時間がかかる可能性があるため、5~10分程度の余裕をもって面接の開始時間を設定すると、候補者の安心感にもつながります。
事前に候補者に案内すべき内容
- ツール利用時のマニュアル
- 利用可能なパソコン環境
- オンライン面接用のURL
- 面接時の環境(Wi-Fi環境があるか、オープンスペースではないかなど)
- マイク付イヤホンの推奨
会社の雰囲気がわからない
候補者にとって、会社の雰囲気やオフィス環境がわからないまま、入社の判断をするのは難しいものです。そこで、オンライン面接を通して、候補者にいかに会社の雰囲気を知ってもらうかが重要です。
たとえば、会社説明の資料に写真や動画を追加して、視覚的に伝わるような内容にブラッシュアップし、面接前または面接時に共有する。面接官が社内からオンライン面接に参加している場合は、パソコンを持ったままオフィスを移動し、候補者にオフィスツアーを疑似体験してもらうのも、手段の一つです。
ダメな面接官に共通する特徴をピックアップし、面接の質を向上させませんか?
◎ダメ面接官から卒業するための解説資料をダウンロード⇒こちらから
オンライン面接のコミュニケーションのポイント

ビデオ画面を通してのオンライン面接では、じかに対面する面接よりもコミュニケーションの難度が上がります。候補者を理解するのはもちろんですが、候補者から人事担当者・面接官がどう見られるかも意識して、以下のような対応を心がけましょう。
面接の開始直後
- 対面での面接に比べて緊張がほぐれにくいので、より丁寧にアイスブレイクをする
- 候補者の気持ちを推しはかり、「オンライン面接で少しやりづらい部分もあると思いますが」などと伝える
- 万が一オペレーションにミスがあった場合の対策として、最初に候補者の氏名を確認する
- パソコンでメモを取る際のタイピング音などで候補者が不快な思いをしないよう、事前に案内する
会話中
- 目線が合っていないと思われないよう、意識的にカメラに目を向ける
- 反応が伝わりにくいため、相づちはいつもより多めに、かつオーバーにする
- 意思疎通を図るため、「こちらの音声が聞こえているか」「こちらの説明にわかりにくい点はないか」など、候補者に確認する回数を増やす
- 面接の参加者が候補者1名、企業から複数名という場合には、話すタイミングが同時になり混線することがあるため、話者を振り分けるなどのファシリテーションをする
オンライン面接を選択肢の一つに
昨今の情勢から、候補者にとって移動時間や費用の負担を減らせるオンライン面接は、今後さらに広がっていくかもしれません。遠方に住む候補者の選考や新卒採用など、活用できる機会も多いオンライン面接を採用手法の一つに加え、より効率的な採用活動に取り組んでいきましょう。
オンラインで採用活動をするなら必読の一冊

オンライン採用における「見極め」「動機付け」「新入社員の受け入れ方」など、採用プロセスごとに押さえておきたいポイントを35ページにわたり徹底解説。