社会人にとって重要なスキルとして挙げられることの多い「コミュニケーション能力」。コミュニケーション能力が高いと聞くと、「自然と会話が弾む人」や「常に明るく相手と接している人」といったイメージを抱きやすいですが、具体的にはどのような人を指すのでしょうか。また、コミュニケーション能力はその人の性格や生まれ育った環境に左右されると考えられがちですが、スキルとして身につけることはできるのでしょうか。
この記事では、コミュニケーション能力が高い社員の特徴を解説するとともに、企業にとってなぜコミュニケーションは重要なのか、社員のコミュニケーション能力を高めるための方法やコツなども合わせて紹介します。
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コミュニケーションとは
はじめに、コミュニケーションとは何か、言葉の定義とコミュニケーションの種類について詳しく解説します。
コミュニケーションの定義
コミュニケーションとは、社会生活を営む人間が互いに意思や感情、思考を伝達し合うことと一般的に定義されています。
たとえば、仕事においては電話やメールはもちろんですが、書類などで業務内容の報告を行うのもコミュニケーションのひとつです。また、「私はこう思う」といった意見や考えを表明するのも典型的なコミュニケーションといえるでしょう。
企業や組織において仕事をスムーズに遂行するためにもコミュニケーションは不可欠なものです。
コミュニケーションの種類
コミュニケーションは大きく分けて「言語」を用いるものと「非言語」によるものの2つの種類に分けられます。それぞれの種類について詳しく解説します。
- 言語(バーバルコミュニケーション) 対面や電話などで会話したり、メールやチャット、文書などで文字をやりとりしたりといったように、言葉によるコミュニケーションが「言語」にあたります。なお、言語を用いてコミュニケーションをとる方法は「バーバルコミュニケーション」ともよばれます。
- 非言語(ノンバーバルコミュニケーション) 身ぶりや手ぶり、表情、声の大きさやトーンなど、言語以外によって意思の疎通を図ることが「非言語」にあたります。非言語によるコミュニケーションは「ノンバーバルコミュニケーション」ともよばれます。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校の心理学名誉教授であるアルバート・メラビアンが提唱した「メラビアンの法則」によると、人間同士の会話によるコミュニケーションの場合、言語によって得る情報は7%にしか過ぎず、表情やしぐさといった視覚からの情報が55%、声のトーンなど聴覚からの情報が38%にものぼることがわかっています。そのため、言語によるバーバルコミュニケーションはもちろんですが、非言語のノンバーバルコミュニケーションも重要といえます。
ただし、バーバルコミュニケーションが得意な人・苦手な人もいれば、ノンバーバルコミュニケーションが得意な人・苦手な人、さらには、SNSなどのようなチャットコミュニケーションが得意な人・苦手な人がいることには留意しておいたほうがよいでしょう。
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コミュニケーション能力とは
ビジネスパーソンに求められるスキルのひとつに「コミュニケーション能力」が挙げられます。仕事を進めていくなかでは、社内・社外問わずさまざまな人との関わりあいが求められ、他者との信頼関係を築くためにはコミュニケーション能力が不可欠なためです。
コミュニケーション能力を一言で表すとすれば、「相手と自分との意思疎通や情報伝達をスムーズに行える能力」といえるでしょう。そして、コミュニケーション能力を正しく理解するためには、コミュニケーションは「双方向のもの」ということを押さえておく必要があります。相手が存在して初めてコミュニケーションは成立するものであり、会話が一方的であったり、相手に会話の内容を理解してもらえなかったりする場合は、コミュニケーション能力が高いとはいえません。

コミュニケーション能力が高い社員の特徴
コミュニケーション能力が高い人と聞くと、「明るい性格で外向的な人」というイメージを抱くことも少なくありませんが、必ずしもそうとはかぎりません。では、コミュニケーション能力が高い人とは、具体的にどのような人を指すのでしょうか。
ここからは、採用活動においてコミュニケーション能力が高い候補者を見分ける際にも役立つ、4つの特徴をもとに解説していきます。
傾聴力がある
「傾聴」とは、相手の声に耳を傾け、最後までじっくりと話を聞く姿勢や態度のことを指します。
たとえば、会話のなかで、自分自身が知っている話題や結論がわかっている話題が出た場合、相手が話しているにもかかわらず先に結論を伝えてしまうと、相手は「自分の話を聞いてもらえない」と感じるでしょう。また、途中で発言を遮り、質問をしたり話題を変えたりすることも相手のことを尊重しているとはいえず、相手にとっては話を聞いてもらえていないと感じる原因になります。
コミュニケーション能力の高い人は、単に話がうまいだけでなく、相手の話もしっかりと聞いてくれる傾向にあります。
自分と相手の会話量のバランスがよい
相手の話に耳を傾けることは重要ですが、相手ばかりが話をしていてはコミュニケーションが一方的になりがちです。相手にしてみれば、自分ばかりが話題を提供しているように感じてしまい、コミュニケーションに疲れてしまうこともあるでしょう。
自然と会話が弾むようなコミュニケーション能力の高い人は、相手と自分の会話量のバランスがよい傾向があります。一対一でのコミュニケーションの場合には、お互いの会話量は4〜6割程度が最適とされています。
自分から発言する量が少なすぎると、相手は「私の話に興味をもってくれていないのでは?」と感じ、反対に自分の発言量が多すぎると、相手に「私の話を聞いてくれていない」と感じられてしまいます。
他人に対する興味や関心が高い
相手に対して興味や関心をもっていると、「その人のことをもっと知りたい」「自分以外の意見や考えも参考にしたい」といった気持ちから、自然と質問が増えるものです。
相手は自分に興味や関心をもってくれていることがわかると、より積極的にコミュニケーションを図るようになり、自然と会話が弾んでいきます。
話の内容がわかりやすい
5W1Hを押さえた会話のテクニックが身についていたり、相手の知識レベルに合わせた言葉を選んで会話をしたりすることで、話が伝わりやすく会話も弾むようになります。
会話のなかで何を主語としているかがわかりづらい話題や、相手が知らないような専門用語を多用した会話だと一方的になりがちで、相手からの理解が得られにくくなります。
コミュニケーション能力が低い社員の特徴
コミュニケーション能力の高い社員とは対照的に、自ら積極的にコミュニケーションをとろうとしているにもかかわらず、相手との会話が続かなかったり、自分のいいたいことをうまく表現できなかったりする社員も少なくありません。
ここからは、コミュニケーション能力が低い社員に見られる、典型的な3つの特徴を具体的に解説します。
自分のことばかり話してしまう
人と会話をすることが好きで、自分の話を聞いてほしいと考える人の場合、相手の様子をうかがうことなく一方的に話をしてしまうことがあります。しかし、このような場合、自分と相手との会話量のバランスが偏ってしまい、相手の発言機会がなくなることで相手に「自分の話は聞いてくれない」と感じられてしまいます。
「コミュニケーション能力が低い人=人と会話をすることが苦手な人」とはかぎらず、むしろ人と話すことが好きであるにもかかわらずコミュニケーション能力が低い社員も存在します。
自発的な表現や行動が少ない
積極性があり会話が好きな人とは対照的に、人との会話に消極的で、他人との接触を避けてしまう人も存在します。たとえば、あいさつが苦手な人や、声が小さく聞き取りにくい、声のトーンが低く暗い印象のある人などが典型的な例といえるでしょう。
いわゆる人見知りのような性格で、自発的に話題を提供したり、会話を切り出したりすることが苦手なタイプといえます。
自分の考えや意見を発言することで相手が不快にならないか、または見当外れな意見をいってしまい自分自身が恥をかいてしまうのではないか、といった思考に陥ってしまい、自分の意見を発言することが苦手です。その結果、自分自身の意見がなく相手に流されてしまったり、本意ではないにもかかわらず相手に同調してしまったりすることもあります。
他人に対する心づかいが苦手
相手の状況を考えることなく、一方的に自分がいいたいことをいってしまう人も存在します。他人に対する心づかいができていれば、相手のレベルに合わせて話すスピードや声のトーン、言葉の選び方などを配慮するものです。
しかし、会話の主導権を握りたい、自分の意見を押し通したいと考えるあまり、他人に対する心づかいができなくなってしまいます。たとえ本人に悪気はなかったとしても、発言に配慮が足りず相手を傷つけてしまうこともあるでしょう。

コミュニケーション能力は多くの企業が重視している
コミュニケーション能力は社会人にとって不可欠なスキルとして挙げられることが多いと先述しましたが、実際のところ企業ではどの程度コミュニケーション能力を重視しているのでしょうか。
日本経済団体連合会(経団連)が2018年に調査した「新卒採用に関するアンケート調査結果」によると、新卒採用者の選考にあたって82.4%もの企業が「コミュニケーション能力」を選考時に重視する要素として挙げていることがわかりました。
ちなみに、コミュニケーション能力に次いで重視している要素としては、「主体性」が64.3%、「チャレンジ精神」が48.9%、「協調性」が47.0%となっており、いずれの要素も大きく引き離して圧倒的1位であったことがわかります。この調査は1997年から毎年実施されていますが、コミュニケーション能力は2004年から常に1位であり、業種や職種にかかわらず社会人に求められる重要なスキルであることが証明されています。
参考:2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果|日本経済団体連合会
特に新卒採用者の場合、早い段階で社会人生活に慣れ、仕事を覚えてもらう必要があります。仕事をするうえで不安に感じている点やわからない点がある場合、正直に申告してもらわないと上司や先輩社員も的確な指導やアドバイスをすることは難しいものです。また、早い段階で職場になじんでもらうためにも、コミュニケーション能力は欠かせないスキルといえるでしょう。
そのような意味で、コミュニケーション能力は社会人生活を送るうえでの基礎となるものであり、多くの企業が重視していると考えられています。

企業にとってコミュニケーション能力の高い社員が重要な理由
コミュニケーション能力は社会人にとっての基礎的なスキルであると紹介しましたが、企業がコミュニケーション能力を重視することには他にもさまざまな理由があります。ここでは特に重要な5つのポイントについて解説します。
組織やチームの目標を達成するため
あらゆる事業は、複数の社員がチームや部署を編成して組織的に取り組むことが多いものです。もちろん、個人の能力や経験も重要ですが、優秀な社員がいたとしても一人ですべての業務をこなすことはできないので、社員同士の連携は不可欠といえます。
事業を組織的に運営し共通の目標をクリアするためには、社員同士がコミュニケーションを図りながら連携する必要があるため、コミュニケーション能力が重視されます。
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仕事における認識の相違を防ぐため
組織のなかで社員同士が連携し意思疎通を図ることは、仕事をスムーズに進めるための第一歩となります。
たとえば、部下から上司への業務報告を怠ってしまうと、上司はどこまで仕事が進んでいるのか把握できません。部下から何も報告がないということは、順調に進んでいると考える上司もいるでしょう。一方、大きな問題が発生しているにもかかわらず、上司への相談がしづらいと感じる部下も存在します。
上司と部下、双方の認識が相違したまま時間が経過してしまうと、重大なクレームや問題に発展することもあるため、そのような事態を引き起こさないためにもコミュニケーション能力は不可欠といえます。
顧客や取引先と交渉するため
仕事を進めるうえでは、社員同士だけでなく顧客や取引先といった社外の人とのコミュニケーションが求められる場面も多くあります。
しかし、社外におけるコミュニケーションでは、先方の要求だけを受け入れてしまうと自社が不利益を被ることも少なくありません。反対に、自社の要望だけを一方的に主張しすぎてしまうと顧客や取引先との関係が悪化し、事業に悪影響を及ぼすこともあるでしょう。
このような事態を避けるためには、先方に納得してもらいつつ、自社の利益を最大化するための交渉力を身につけることが重要であり、交渉力は高度なコミュニケーション能力のひとつと考えられます。
社内における人間関係を良好に保つため
企業という組織で働く以上は、必ずしも意見や価値観が合う人ばかりとはかぎりません。なかには、人間関係に悩みを抱え退職に追い込まれる社員も存在します。
たとえば、社内の人間関係がうまくいっておらず、気軽に相談できる上司や同僚がいないと、社内で孤立してしまったり、仕事に支障をきたしてしまったりすることもあるでしょう。そのような場合、人間関係に悩みを抱えている社員のコミュニケーション能力を高めることによって、社内で孤立する社員を減らし人間関係を原因とした退職を避けやすくなります。
社員同士の人間関係はあくまでも個人的な問題と片付けてしまう企業や組織も少なくありませんが、社員のコミュニケーション能力を高めることで人材の定着化にもつながるため、企業としてコミュニケーション能力の向上に取り組むことは重要な課題といえます。
採用活動に役立てるため
企業の成長や組織づくりに欠かせない採用活動においても、コミュニケーション能力は不可欠なスキルです。採用活動において候補者と直接関わり窓口となる採用担当者は、自社の魅力を伝え「この会社で働きたい」と候補者に感じさせることが重要。また、候補者がどのような人柄なのかを見極めるためにも、候補者が安心して本音で話せるような雰囲気づくりも求められるでしょう。
そのためには、候補者との信頼関係を構築する必要があり、高いコミュニケーション能力が求められます。採用活動においては、採用担当者が候補者のコミュニケーション能力を見極めることばかりが重視されがちですが、実際には採用担当者においてもコミュニケーション能力は不可欠なスキルといえます。

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社員にコミュニケーション能力を高めてもらうための方法
コミュニケーション能力は、個人の性格や育ってきた環境によってすでに備わっている人も存在しますが、そうでない人の場合にはさまざまな方法によって高めることもできます。
社員に対してコミュニケーション能力を高めてもらうためには、どのような方法があるのでしょうか。ここでは4つの方法を例に詳しく紹介します。
コミュニケーション研修の実施
ひとつ目は、社内または社外で実施するコミュニケーション研修を社員に受講してもらう方法です。コミュニケーション研修を実施することで、傾聴の姿勢や相手のペースに合わせた話し方のコツ、わかりやすい話の仕方などを身につけられます。
コミュニケーション研修では座学以外にも、ロールプレーイングやグループワークなど実践的な内容が取り入れられることも多く、さまざまな体験を通してコミュニケーション能力を高めるコツを学べます。
ちなみに、社内でコミュニケーション研修を実施する場合には、役割を変えながらロールプレーイングを行い、その後グループワークで客観的な気付きを出し合うといった流れが多いです。これにより、自身が行っているコミュニケーションに対してフィードバックを得ることができ、1on1や評価面談といった日常的なマネジメント業務への落とし込みが可能です。
なお、コミュニケーション研修の目的や、コミュニケーションを想定する相手によっても研修のカリキュラムは異なります。たとえば、社内コミュニケーションの活性化を目的とするのであれば、上司や同僚、部下への接し方や、会議の進め方などを学ぶ必要があるでしょう。一方、顧客や取引先など社外の関係者を対象としたコミュニケーション研修では、セールストークの組み立て方や交渉術など、ビジネスにおける実践的なテクニックを学ぶ必要があります。
コミュニケーション研修の実施にあたっては、まず何を目的とするのかを決定したうえで、最適なカリキュラムを検討することが重要です。
結論から話してもらうことを意識づける
上司に対して業務報告や相談などをする場合、部下が何を伝えたいのか話の内容がわかりづらいこともあります。
そこで、簡潔に話の内容を伝え理解してもらうためのテクニックとして、結論から先に話してもらうことを意識づけるのも有効です。このような手法を「PREP法」とよび、以下のポイントを整理しながら要点を伝えます。
- Point(結論・要点)
- Reason(理由)
- Example(事例・具体例)
- Point(結論・要点)
たとえば、顧客からクレームが発生したことを上司へ報告する場合、PREP法にのっとると以下のように伝えられます。
今後の対策としては、発送時に先方へ宅配便の問い合わせ番号を共有するようにいたします。先方の担当者に対しては、すでに上記内容を説明のうえ、ご納得いただき解決しております。
上記のように、冒頭と最後にそれぞれ結論や要点を述べることで、何がいいたいのかを相手に対して印象づけられます。
会話のスピードや声のトーン・大きさを相手に合わせる
たとえば、会話のスピードがゆっくりの人に対して早口で一方的に話したり、大きな声や高いトーンで話したりしてしまうと、相手は威圧的な印象を抱いてしまいます。そのため、コミュニケーションをとる際には自分のペースではなく、相手に合わせることを意識してもらいましょう。
声のトーンや大きさなどを相手に合わせることによって、共感の意思を示せます。また、相手の表情やしぐさが見えない電話の場合は、会話のペースを意識的に相手に合わせるようにします。自分のペースで会話を進めてしまうと、相手に対して悪い印象を与えてしまうことがあるためです。
質問で会話を深掘りする
会話のなかで相づちやうなずきを織り交ぜることは、傾聴の姿勢として重要なポイントです。しかし、それだけでは相手が一方的に話すことになり、「自分の話に興味がないのでは」と不安や不信感を抱かれてしまうこともあります。
そのようなときは、会話のなかに関連した質問を自然に織り交ぜることで、話題が広がり会話が弾みやすくなります。たとえば、営業担当者との会話で「今日は5件の成約をいただいた」という話題に対し、「すごいですね」や「お疲れさまでした」といった返答だけだと会話が終わってしまうこともあるでしょう。そこで、「どんなお客様だったのか」「どんなトークで成約に至ったのか」など、さまざまな質問を投げかけることで会話を深掘りできます。また、会話のなかで単に質問を投げかけるだけでなく、合間に「すごいですね」など共感の意思を示すと、さらに会話が弾んでいくでしょう。
テレワークにおけるコミュニケーションのコツ
働き方の多様化によって定着しつつあるテレワークですが、テレワークにおけるコミュニケーションに課題を感じている企業や社員も存在します。テレワークでも社内コミュニケーションを活性化するためには、どのようなポイントに注意すべきなのでしょうか。
ここでは、特に重要なポイントとして押さえておきたい3つの項目を解説します。
コミュニケーションツールの使い分け
テレワークの場合、電話やメールだけでは相手の顔や表情が見えにくく、うまくコミュニケーションがとれないこともあります。そこで、ビデオ会議システムなどを活用すれば、相手の表情が確認でき、コミュニケーションがとりやすくなるでしょう。
ただし、情報共有や業務連絡、定時報告などは簡潔に情報を伝えることが目的のため、メールやチャットなどのほうが適している場合もあります。ビデオ会議システムを多用しすぎてしまうと、「監視されている」と感じる社員も出てくるでしょう。
テレワークではひとつのコミュニケーションツールに偏るのではなく、用途や状況に応じて複数のツールを使い分けることが重要です。
こまめな報告や相談を意識づける
相手の状況が物理的に見えにくいテレワークでは、誰がどのような業務を行っているのか、仕事が順調に進んでいるのかなども上司は把握しにくいものです。
そこで、たとえば始業前に当日行う業務内容を報告してもらったり、休憩前などの決まったタイミングで進ちょく報告をしてもらったりすることをルール化しておくとよいでしょう。
また、部下は上司に相談をしたくても、「今は忙しいのではないか」「迷惑になるのでは」と感じ、後回しにしてしまうこともあります。そのため、緊急度や優先度の高いものは電話で相談する、そうでないものはチャットやメールでやり取りするといったように、ルール化しておくと報告漏れや報告の遅れが生じる心配もありません。
雑談の時間を設ける
テレワークによって社内コミュニケーションが減り、チームや部署の連携や一体感が失われてきたと感じている場合には、雑談の時間を設けることも重要です。
たとえば、ビデオ会議システムでの打ち合わせ前に数分程度時間をつくったり、昼休みや終業後に希望者のみ自由に参加できる雑談ルームを設けたりするなどの方法が考えられます。
これにより、オフィスで自然に発生する雑談と同じような雰囲気が醸成され、社員同士の人間関係が円滑になることが期待されます。また、雑談時間を設けることで心理的安全性が確保され、業務とは直接的に関係がない内容や漠然と不安に感じていることなども相談できるでしょう。その結果、メンタルヘルスの不調やバーンアウト(燃え尽き症候群)の防止にも役立ちます。

社員のコミュニケーション能力は企業の成長に欠かせないもの
社員同士が連携し、組織として業務を遂行していくためには、コミュニケーション能力は基礎的なスキルであり欠かせないものです。社内の人間関係を良好に保ち、社員にとって働きやすい環境をつくることで、人材の定着にもつながっていくでしょう。
コミュニケーション能力は個人にもともと備わっている能力やスキルと考えられがちですが、社員への意識づけやコミュニケーション研修の実施など、さまざまな方法によって高めることもできます。また、コミュニケーション能力の高い人材の特徴を理解しておくことで、即戦力人材の採用にもつながるでしょう。
テレワークのような新しい働き方が定着しつつあるなかで、コミュニケーションはますます重要性を増しています。社員のコミュニケーション能力を高めてもらうためにも、今回紹介したポイントを参考に企業や組織として取り組んでみてはいかがでしょうか。
中途採用では“うっかり” マナー違反が起こりやすい!

中途採用で思わぬトラブルやマナー違反が起きるケースも少なからずあるようです。
本資料ではそうした事態を未然に防ぐポイントを、採用プロセスに沿って解説していきます。