「知名度の高くない企業」に優秀人材が殺到? 即実践できる「経営幹部採用プロセス」


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ビズリーチでは、ダイレクトリクルーティングによって採用に成功された企業様をお招きして定期的にセミナーを開催しています。今回は、2020年7月22日に開催した「経営幹部を採用し、事業・組織改革を実現した企業の取り組み」についてのセミナーレポートをお届けします。

お話しいただいたのは、三ッ輪ホールディングス株式会社様。1940年に練炭・豆炭の製造販売業者として、神奈川県にて創業。現在は、関東一円と山梨県にて約20万件の顧客に対しLPガスを供給する事業を主力としつつ、電力・都市ガスプラットフォームサービスや、防災・省エネなどのエネルギーソリューション事業を関東圏外にも展開しています。

「知名度の低い老舗の保守的な企業」をいかにして「挑戦したい優秀な人材が集まる企業」に変えたのか――。

今回は代表取締役社長の尾日向竹信様と採用担当者の池田祐二様を登壇者にお迎えし、前半は尾日向様に三ッ輪ホールディングス様の歴史やビジネス環境について、後半は池田様に採用成功に至るまでの過程をお話しいただきました。

エネルギー市場の大変革のなか、成長してきた三ッ輪ホールディングスの事業変遷

尾日向 竹信氏

尾日向 竹信氏

三ッ輪ホールディングス株式会社 代表取締役社長

大学院修了後、株式会社野村総合研究所を経て、2009年5月、関東圏で20万軒の配送先を持つLPガスの卸売り・小売りを手掛ける三ッ輪産業株式会社に入社。2015年11月に同社の代表取締役に就任。直近では、2019年10月に三ッ輪ホールディングス株式会社を立ち上げ、ホールディングス運営体制へと移行し、「新たな価値を創造し続けること」のできる組織への変革を、より継続的かつ加速度的に進めていくことを目指している。

三ッ輪ホールディングスは1940年に炭のメーカーとして創業して以来、家庭用燃料の市場は炭から油、ガスへと目まぐるしく変化を遂げてきました。創業者である曽祖父は、短期間で企業変革を重ね、1957年には三ッ輪石油株式会社(現在の株式会社リブエナジーシステムズ)を設立し、ガソリンスタンド事業を始めました。

1960年代には、LPガスプラントを建設し、LPガス販売事業をスタート。高度経済成長と人口増加とともにエリアと販売量を拡大させていきました。常に「新しい価値を求め、変化していく」ことは、弊社が元々持っていたDNAだったともいえます。

エネルギー業界では、国内が高度経済成長期の中、長らく規制産業である時代が続いてきましたが、1990年代後半からの自由化の流れで、競争環境は激化しました。規制産業であった時代には、競争よりも協調こそが最も経済合理性の高い戦略であったとも言え、結果として会社のカルチャーも保守的になっていました。

ところが、1997年にLPガス、2016年には電力自由化、2017年には都市ガスも自由化。人口減少でエネルギー市場全体は縮小傾向にあるなか、パイの取り合いがより激化していきました。

エネルギー市場の変遷

自由競争化に加え、エネルギーに対して「環境にやさしい」「災害に強い」など、求める要件も変化している

私は、その激動時代といえる最中に、2009年に三ッ輪産業株式会社に入社し、2015年に社長に就任しました。そしてこの環境のなかで決断したのは、エネルギー市場の競争環境の激動をピンチではなくチャンスと捉え、「新たな価値を創造し続ける」ことでお客様に選ばれる、選択され続けることが会社としての活路だということです。

新たなエネルギーのニーズを捉えた取り組みとして、2015年に株式会社イーネットワークシステムズを創設し、新規参入の電力小売事業者として電力プラットフォーム事業をスタート。2019年には、株式会社三ッ輪ビジネスソリューションズを設立し、防災・省エネなど、エネルギーの”使い方”を提供するエネルギーソリューション事業も開始しています。

ダイレクトリクルーティングに魅力を感じた3つの理由

電力業界では、電力自由化当初、世間的な注目度も高まっていたので、独自性のあるビジネスモデルであれば認知度の低い企業のサービスでも取り上げてもらえる可能性がありました。弊社では、日本初の公共料金の仮想通貨決済サービスや、スポーツチームとのコラボレーションなどの取り組みをメディアで取り上げていただき、「老舗の安心感+ベンチャーマインド」という独自の訴求ポイントを持てたと自負しています。

また、その独自の訴求ポイントが、人を呼び、また新たな価値・事業を作るという好循環を産むきっかけになりました。官公庁やコンサルティングファームの出身者など多様なバックグラウンドを持つ人材が、新規事業や、社内ベンチャーとして新法人を立ち上げるなどに繋がってきています。

こうした状況になる前に感じていた「新たな価値を創造し続ける会社」へと変革するための課題意識としては、これからの三ッ輪ホールディングスに必要なのは「ヒトのちから」と「テクノロジーのちから」だということでした。

多種多様なスキルや価値観を持った人材が集まって議論・協業し、そのうえでテクノロジーを活用できるリテラシーの高い組織になることが継続的な価値創造には不可欠です。

ところが、「ヒトのちから」を確保するために、多様な人材の活躍できる制度や労働環境など環境整備をすることのできる人材がいない。テクノロジーに関しても、最新ツールの積極的な導入やITベンチャーとのオープンイノベーションを進めること、投資案件の評価などをできる人材がいない。

理想の組織づくりのためには、総務・人事を束ねる幹部人材と、財務・経理を束ねる幹部人材がそれぞれ必要でした。

会社の基幹を担う重要ポジションをどう採用するか。そこで注目した採用手法が、ビズリーチが提唱しているダイレクトリクルーティングだったのです。

採用の全プロセスに携われる

エネルギー業界は、「保守的な産業」というイメージが根強くあります。だからこそ、私たちが直接アプローチして「新たな価値を創造する人」に出会う手法が必要でした。

そして、今回の採用は中核人材です。採用活動について、データベースのサーチからスカウトでのファーストアプローチ、面接まで、全プロセスにトップである私自身が深く関わることにこだわりました。リストからのサーチまで自らの手でやるのは一般的ではないかも知れませんが、中核人材だからこそエージェントのレコメンドや社内の通常の採用ルートなど他者を経由した情報はほぼ無価値で、自分自身の五感で候補者のなるべく多くの情報を感じ取ることが肝要だと考えたからです。

その考え方にダイレクトリクルーティングはマッチした手法でした。また、採用活動時にトップが直接の多くの接点を持つことは、採用訴求力向上だけでなく入社後の活躍に直結していると感じています。

「異分子」に出会える貴重なチャネル

「新たな価値を創造し続ける会社」には、既存社員にはないスキルや経験を持ついい意味で「異分子感」のある人材が必要です。自らサーチし、「この実績であれば、弊社で活躍していただけるかもしれない」「弊社のこのポジションと、この方のチャレンジしたい領域はマッチしているのでは」などと思いを巡らせながら候補者一人一人をしっかり見ることで、既存の社員にはないアイデアを実現できるような、思いもよらない人材との貴重な出会いが生まれます。

リアルなデータベースで転職市場の相場を認識できる

経歴、能力、年収の最新かつリアルなデータベースに触れ、業界別の流動性や人材の市況を知ることで、自社と他社の環境や待遇の乖離がないように活用できました。制度設計や評価の素材としても非常に参考になります。

ダイレクトリクルーティングでは候補者の思いを踏まえた選考プロセスが重要

池田 祐二氏

池田 祐二氏

三ッ輪ホールディングス株式会社 管理本部 副部長

大学卒業後、IT業界、コンサルティング業界・マーケティング業界で大手企業のサービス企画やデータセンターの新設、業務改善を行う。デロイトトーマツコンサルティング合同会社では、CSR活動として、東日本大震災の被災地域での事業再生業務に尽力。三ッ輪ホールディングス入社後は、グループ全体の採用・ブランディング活動業務に従事。

ダイレクトリクルーティングでの中途採用を進めるにあたり、重視したのは、「候補者の思いを踏まえた選考」を行うことです。そこで、幹部人材が選考で明確にしたいと考えているであろう点を次の3つと想定し、選考での工夫すべきポイントを考えていきました。

成果・能力で評価してくれる会社・組織か

「老舗の企業では年功序列が根強く、成果と能力が正しく評価されないと考えられているのではないか。評価体制がどうなっているのかをしっかりと知りたいのでは」

経営陣に近いところで仕事ができるのか

「幹部人材として採用されるのであれば、経営陣とともに会社を変えていくことにチャレンジしたいのでは」

経営者の企業理念に共感できるか

「企業理念に対する熱意を経営者から直接聞き、その思いや事業の方向性に共感できるかどうかを判断したいのでは」

候補者が感じているであろう上記のような不安に答えるために、採用フェーズのなかで特に重要だと考えたのは、下の図で示した「母集団形成」「興味度向上」「入社決定」の各プロセスです。

採用における3つの重要なポイント

採用プロセスごとに徹底的に候補者に寄り添う

自社が本当に出会いたい候補者に出会うには

「母集団形成」では、経営陣がデータベースのサーチからスカウト、初回面接の対応まで、採用にコミットすることで、候補者のニーズに訴求できるのではないかと考えました。求人媒体や人材紹介会社などの取引先企業を増やして多くの候補者と会うよりも、自分たちが出会いたい人だけに出会えるツールとしてビズリーチ・ダイレクトを選定しました。

候補者にどうアプローチすべきか、選考プロセスや面接での工夫すべき点についてなど、ビズリーチの担当者と定期的なミーティングを行い、自社の強みや魅力をどのように伝えていくかを具体的にし、言語化していきました。

候補者の興味度をいかに向上できるか

興味度向上における取り組み

「興味度向上」の取り組みでは、内定までのリードタイムの短縮、柔軟な対応に注力し、候補者が弊社に対する優先順位を上げられるように意識しました。

面接は「オンライン形式」「対面形式」を選択できるようにし、経営者と人事が面接に同席。候補者が知りたい情報をその場で伝えられるような体制を組んでいます。

入社を決断してもらう

入社決定における取り組み

「入社決定」につなげる取り組みでは、内定を通知したあとにオファー面談を実施し、候補者への熱意や思いを伝えます。オファー面談は入社後の直属の上司、一緒に働く現場の仲間などが行いますが、話す内容に一貫性があるよう、人事が同席することも大切です。

労働条件の各項目は書面にまとめたうえで丁寧に説明し、弊社に対する安心感と信頼感を与えられるよう心がけています。

経営者と候補者との信頼関係作りが最大の成功要因

三ッ輪ホールディングスは、いわゆる老舗の中小企業の一つです。企業のブランドや年収の面では、大手企業に及ばないところもたくさんあります。

だからこそ、経営者が直接候補者に語り掛けることができるダイレクトリクルーティングで、選考の最初のタイミングから内定連絡後のフォローまでを徹底して行っています。

今回お話ししたように、コミュニケーションの積み重ねで企業と候補者との信頼関係を築くことが、大手ではない弊社のような会社が採用成功することにつながると思います。

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著者プロフィール田中瑠子(たなか・るみ)

神奈川県生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。株式会社リクルートで広告営業、幻冬舎ルネッサンスでの書籍編集者を経てフリーランスに。職人からアスリート、ビジネスパーソンまで多くの人物インタビューを手がける。取材・執筆業の傍ら、週末はチアダンスインストラクターとして活動している。