通年採用を導入するポイント|実施するメリットとデメリットは?

通年採用を導入するポイント|実施するメリットとデメリットは?


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経団連が2021年度以降に入社する学生を対象とする採用から「採用選考に関する指針」の撤廃を発表したことに加え、少子化や人手不足を背景とした優秀な学生の獲得競争が一段と激化してきたことなどから、通年採用を検討する企業が増えています。

「これまでの横並びの慣行から抜け出し、複数の採用方法を確保したい」

「留学経験のある学生を獲得するには今後どのような方針で採用機会を設定すべきか」

このような悩みを抱えながら、通年採用の導入を検討している採用担当者の方に向けて、通年採用の基礎知識、導入のメリット・デメリット、押さえておきたいポイントなどをご紹介します。

通年採用の基礎知識

そもそも、通年採用にはどのような特徴があるのでしょうか。通年採用と一括採用の違いを中心に、基礎知識をご紹介します。

通年採用とは

年間を通じていつでも、自社の求人へのエントリーを受け付ける採用形式を、通年採用と呼びます。通年採用と一括採用の最大の違いは、「エントリーを受け付けない期間の有無」になります。 いわゆる「エントリーの締め切り」を複数回設定するものは通年採用には当たりません。

これまでも、既卒者や海外大学への留学生などを対象としたり、一部のIT企業などが実施したりという例はありましたが、内定辞退者の増加や応募者数の減少などの影響で、通年採用を実施する企業が増えています。

2019年4月に経団連と大学側が新卒学生の通年採用を拡大することで合意したこともあり、これまで主流だった一括採用から、通年採用に方針転換する企業が増加すると予想されます。

通年採用と一括採用の違い

これまでの新卒学生の一括採用では、各企業は、経団連が主導する「解禁日」や各就職情報サイトがオープンする日に採用スケジュールを合わせて、一斉に採用活動を実施してきました。「エントリーの締め切り」を設定し、面接期間を限定して実施するため、コストと工数を削減できる、入社後のフォローや研修もまとめて行えるといったメリットがあります。

一方で、想定外の内定辞退などによる採用業務の長期化、必要な時期に必要な人材を採用できないといった点がデメリットとして挙げられます。

通年採用を導入する企業側のメリット・デメリット

通年採用を導入する企業側のメリット・デメリットを確認しましょう。

通年採用のメリットとは

まずは通年採用で得られるメリットからご紹介します。

■必要な人材を最適な時期に採用できる

基本的に入社時期が「卒業後の4月」に固定される一括採用と異なり、第二新卒の若者や卒業時期の違う留学生を含めて、退職者の補充、新規事業の立ち上げ時など、必要な時期に採用できる可能性が高まります。

■多様な人材確保が実現できる

春入社の新卒学生だけでなく、既卒者や海外からの留学生、海外への留学経験者、秋卒業の新卒学生の選考にも随時対応が可能になります。通年採用として、新卒、第二新卒、中途採用などを一本化することで、多様な経験を持つ人材を採用しやすくなります。実際に、卒業時期の選択制や交換留学、社会人入学など、学びのスタイルも多様化しているため、対応を求められる機会も増えることが予想されます。

■じっくりと候補者を見極められる

他社と採用活動の「横並び」を意識せざるを得ない一括採用と異なり、採用時期が決められていないため、時間をかけて候補者を見極めることも可能です。新卒、中途採用共に、候補者と自社の社風やカルチャーが合うかどうか、お互いに十分検討でき、ミスマッチのリスクを減らすことにつながります。また、内定辞退者を見越した「過剰採用」を減らすこともできそうです。

メリットの多い通年採用ですが、デメリットも存在します。

通年採用のデメリット

■採用コストが増える可能性がある

運用方法によっては、結果的に採用コストと工数が増加する可能性があります。特に、採用人数や職種が多くなるほど注意が必要です。採用業務を行う人的コスト、内定者への教育コスト、求人サイトへの広告出稿コストに配慮しましょう。

また、大手企業の採用スケジュールが見えにくく、自社の採用活動と重なる時期が分かりにくいため、内定辞退者が発生する時期を想定しにくいという課題もあります。

■自社への志望度が低い学生からのエントリーがある

通年採用にした場合、一括採用の時期を終えても内定を得られなかった学生がエントリーしてくる可能性があります。第一志望でないため、自社への志望度や仕事へのモチベーションが低い可能性は否定できません。

■通年採用への移行による大学側からの反応

これまで大学側は、学業への影響を懸念し、就活の「早期化に対する一定の歯止め」を求めてきました。そのため、通年採用への大学側の反応は、未知数な部分があります。

現在、経団連と国公私立大学の代表者で構成される「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」で、採用スケジュールだけでなく、中長期的な新卒採用のあり方についての提言が検討されています。2019年4月には中間報告もまとめられましたが、「複線的で多様な採用形態に、秩序をもって移行すべき」との共通認識の共有にとどまっています。

新卒学生への情報提供には大学側の協力が必要不可欠です。どのようなルールで学生に採用情報を提供すればいいか、面接解禁日程を設定すべきかなど、各大学によって反応が異なるケースも想定されます。

通年採用を導入する際のポイント

通年採用を自社に取り入れる際に、初期段階で検討すべきポイントをまとめてご紹介します。

一括採用から通年採用へ舵を切るタイミングでは、これまでの経験からでは想定が難しいポイントがあります。そのため、事前調査が必要不可欠です。

採用体制の効率化を目指す

「通年採用だから、コストは増えて当たり前……」という姿勢でスタートすることはおすすめできません。通年採用に関連するコストや工数を削減するため、工夫しながら採用体制の効率化を目指しましょう。

※コスト削減が可能な例

  • 募集、エントリー受け付け、選考、採用判断、内定者研修の流れをシステム化する
  • 中途入社者への引き継ぎや研修のマニュアル化
  • 自社採用サイト、求人広告出稿、人材紹介会社の活用などの取捨選択

採用を強化する時期を設ける

通年採用に移行した場合でも、多くの企業が一括採用を実施する時期など「ハイシーズン」に募集活動を活発化させましょう。一括採用の時期は、志望度が高い求職者が集まりやすいというメリットを自社でも享受できるようにスケジュールを組むなど、ターゲットごとに採用を強化する時期を検討します。

通年採用の事例から学ぶ

先行して通年採用に取り組む他社の事例をチェックしましょう。ただし、全ての手法や事例が自社にとって適切かは慎重に判断しなければなりません。
人材紹介会社やコンサルタントとの意見交換の場は情報収集に役立ちますので、積極的に機会を持つこともおすすめです。

重視すべきは求職者への十分な対応と長期的視点での社内体制の確立

年間を通じて、求職者に随時対応することが求められる通年採用。エントリー者がたった一人であっても、誠実にコミュニケーションをとる必要があります。

通年採用の導入を検討する場合に、最も重視するべきことは、今後どのように採用環境が変化したとしても、「求職者に十分に対応できる」かどうかという点です。

採用業務の工数の一部もしくは全部を外部委託する可能性や、人事以外の社内リソースをいかに活用するかなどを含め、長期的視点で慎重に検討し、社内体制を確立することが求められます。

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