圧倒的な行動量は「出会いの量が、自分のインプットにつながる」から(株式会社HOKUTO 代表インタビュー)

圧倒的な行動量は「出会いの量が、自分のインプットにつながる」から(株式会社HOKUTO 代表インタビュー)

医学生向けの口コミメディアや、医師向けの臨床支援アプリを提供する株式会社HOKUTO。2020年夏よりビズリーチを活用し、4名の採用を実現しています。

「ビズリーチはスポーツジムと同じ。続けなければ、成果はでない」と話す代表の五十嵐北斗さんは、自ら人材データベースを検索し、候補者にスカウトを送信。返信があった方全員に自らが会うと決め、圧倒的な行動量で採用にコミットしています。採用にそこまでパワーをかける理由とは何か、お話を伺いました。

株式会社HOKUTO (https://corp.hokto.jp/)

「より良いアウトカムを求める世界の医療従事者のために」をミッションに、医学生向けの国内最大の研修病院口コミメディア「HOKUTO resident」、医師向けの臨床支援アプリ「HOKUTO」を運営。「正確な医療情報にたどり着くのが大変」と感じる医師の方へ、ITを活用した業務の効率化、患者への迅速な対応をかなえる仕組みづくりを行っている。

設立:2016年3月
事業概要:医学生向けメディア「HOKUTO resident」運営、医師向けアプリ「HOKUTO」運営、医師人材紹介サービスの運営
従業員数:30名 ※2021年7月現在

五十嵐 北斗氏

五十嵐 北斗(いがらし・ほくと)氏

株式会社HOKUTO 代表

1994年、北海道生まれ。医師家系で育つ。子供のころから、医師ではなく「起業家になりたい」と憧れる。2012年、中央大学商学部入学。在学中の2014年に一度起業するも失敗。翌年の2015年には、2社目となるインターネットを使った出張トリミングサービスの会社を友人と設立するも、2017年には事業撤退。3度目の挑戦を考えていた頃、偶然再会した医学生の友人から就活での情報収集に苦労していると聞き、2018年1月には、医学生向けの研修病院口コミメディア「HOKUTO resident」を立ち上げ反響を呼ぶ。その後、医師向けのアプリ運営、医師人材紹介サービスへと事業を広げている。

「自分たちで何とか頑張る」から、「できる人と組む」という新たな選択肢

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就活に疲れていた友人の愚痴がきっかけとなった「HOKUTO resident」

HOKUTO立ち上げのきっかけは、医学生の友人の悩みに触れたことでした。

それまで、大学の仲間とペットトリミングのマッチング事業を運営していましたが、僕自身のユーザー視点のなさから組織は崩壊。社員がどんどん離れていき、ついには共同創業者も去っていきました。事業転換を決意し、何をしようかと考えていたときに出会ったのが、医療領域でした。

「医学生には、研修先の病院を探すためのサイトがない。情報収集が大変だ」

就活に疲れていた友人の愚痴を聞き、ここに業界のペインがあるのではないかとヒントを得ました。

1人で過ごすには広すぎる東京のオフィスを、病院探しに上京した地方医学部生の拠点にして、初対面の医学生に片っ端から話を聞いていくと、「口コミ就職サイトにあるような、研修先の病院のリアルな情報を知りたい」というニーズがたくさん出てきました。

<p前事業の失敗から、「ユーザーにとって価値のある、ちゃんと使われるプロダクトを作りたい」という思いが強くありました。すべての医学生に喜んでもらえるものを届けようと、東京から各地へ飛び、一人で医学部がある各大学を全国行脚。そして、2018年1月に医学生向けの口コミメディア「HOKUTO resident」をリリースし、反響を呼びました。

「HOKUTO resident」をリリースしてから1年は、週末だけ副業で手伝いに来てもらっていたエンジニアと私だけで開発・運営をしていました。当時は、人を採用する考えはなく、むしろずっと一人でやっていこうと考えていました。この体制でも手応えを感じていましたし、自分のペースで仕事ができるので、あまり人を採用する必要性を感じていなかったんです。

「事業をレバレッジするのは人だ」―そのことに気付かせてくれた1つ目の転機

しかし、「人」に関する考えに転機が訪れたのは、2018年10月に医師向けの臨床支援サービス「HOKUTO」のリリースがきっかけでした。

「HOKUTO」は、医師が診察時に必要とする治療のガイドラインや薬剤情報、計算ツール、論文などを検索できるサービスです。臨床現場にいる医師たちは、診察の合間に、必要な情報をインターネットで検索します。もしかしたら意外かもしれませんが、一般の方と同じ「Google」などの検索エンジンを使い検索します。なので、医師の方が欲しい情報にたどり着くまでには時間がかかり、結果的に患者さんを待たせてしまうなど業務効率を阻害しています。そこで、医師が必要とするすべての情報が集約されたサービスがあれば、医師のペインを解消できるのではないかと考えたのです。

現場で使ってもらうためには、スマホで使えるアプリで提供したい。しかし、私にも、副業で来てもらっていたエンジニアにも、その開発経験がありませんでした。そこで初めて、知り合いの紹介を受け、アプリ開発エンジニアを採用してみることにしました。

すると、私たちが半年ほどかけて作ったガラクタのような「作品」が、1カ月で数十倍はレベルの高い「プロダクト」に生まれ変わったのです。

2019年末には正式にアプリ版をリリースすることができ、「事業をレバレッジするのは人だ」という確信が生まれました。

知見や人脈のある人材なしには、スピードが間に合わない―2つ目の転機で気付いた「専門人材」の重要性

さらに大きな出来事は、現在COO(Chief Operating Officer)を務める山下颯太との出会いです。

<p医師向けサービスの開発には、医師の知見が欠かせません。改善するにも開発するにも、一回一回外部の医師に話を聞きに行っていました。しかし、現役医師である山下が入ったことで、その必要性がなくなるうえ、自分には思いつかなかったすばらしい戦略を彼は提案してくれるのです。自分よりも数倍、数十倍も賢い人材が組織の中核を担うようになり、事業の成長スピードは爆発的に加速しました。

「自分たちで何とか頑張る」だけが正解ではない。「できる人と組む」という選択肢もある。

この選択肢の存在に早い段階で気付けたことは、本当にラッキーだったと思います。

それまでは、「自分が成長すれば、会社も成長する」と考えていました。前のトリミング事業でも「HOKUTO resident」でも、何とか自分たちでプロダクトを作り上げてきました。なので、この考えが間違いというわけではないんですが、「まず自分でやってみて、できたことをみんなでやっていく」ではスピードがあまりにも遅いことを、2つの転機が教えてくれました。

「HOKUTO」は、医師や製薬会社の方など、医療関係者がユーザーになります。医師家系で育ったとはいえ、私は専門外の領域です。誰かに頼らないことにはつてもなく、前進することができません。だからこそ、知見や人脈のある人材の必要性に早い段階で気づくことができたのだと思います。

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優秀な人材の入社が、事業と社内に「自信」を与えてくれた

そして2021年1月には、株式会社メルカリで創業から7年半PM(プロダクトマネージャー)を担った山本久智が正式に入社し、社内の雰囲気は一変しました。COOの山下もそうですが、メルカリ創業メンバーである山本もまた、HOKUTOに可能性を感じてチャレンジしたいと入ってきてくれました。

彼らのような優秀な人が次の挑戦の場としてHOKUTOを選んでくれる――。その事実は、代表である私自身の自信になり、エンジニアや営業など社内メンバーの自信にもつながりました。

山本が入ってからは、エンジニアとのコミュニケーションや意思決定が非常にロジカルで納得感のあるものになり、エンジニアも迷いなく仕事に向かえるようになったのではないかと思います。また、業務以外のモチベーションにもつながっており、リファラルで友人のエンジニア仲間を紹介してくれるメンバーも増えています。

ミッションやバリューの策定・浸透に本格的に取り組んだのも、山本が入社してからです。正直、私はそれまで、ミッションやバリューの必要性について、あまり感じていませんでした。

しかし、5人から2,000人へ急拡大したメルカリを中から見ていた彼から「なぜ、ミッション、バリューが大切なのか」を話してもらい、身に染みて理解ができたのです。

その思いに共感し、山下、山本と3人で合宿を実施。新たなミッションと3つのバリュー(「In User」「By Team」「For Objective」)を作りました。

HOKUTOのValue

今後、事業拡大に迷うことがあっても、この3つに立ち戻れば「医療従事者にとっての課題を解決する」という原点を見失いません。社員一人一人が判断できる共通の軸が持てたことは、HOKUTOにとって大きな前進でした。

2020年夏にビズリーチを導入。人材獲得において、フラットな競争環境をくれた

人材獲得競争のスタートラインにすら立てなかったもどかしさ

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ビズリーチを導入したのは、自分たちでは接点を持てなかった医療・製薬業界の候補者にアプローチしたかったからです。

リファラル採用なども選択肢としてはありますが、その人がどんなスキルで当社と合いそうかは、紹介してくれた人の感覚に依存せざるを得ません。当然人数に限界があるでしょう。また、求人サイトを使って応募を待っていても、事業の成長スピードに間に合いません。

転職エージェントも活用しましたが、全く紹介をもらえなかったことも数社ありました。ただ、考えてみれば、過去に2回事業を失敗した20代が代表を務めるスタートアップ企業は、転職エージェントとしても紹介しにくいのが正直なところでしょう。仮に同じポジションで大手企業が募集していれば、そちらのほうがお勧めしたくなりますよね。

私たちはスタートラインにすら立つことができない。なかなか自分たちの求めている方に出会えず、直接アプローチできないもどかしさがありました。

ビズリーチは、これまでアプローチできなかった業界の人とつながる「新たな武器」

そんななか、株主の勧めもあり「ビズリーチ」を導入することにしました。採用成功する前に、データベース使用料として、イニシャルコストがかかるサービスなので、抵抗が全くなかったわけではありません。しかし、ビズリーチの営業の方にその「データベースの中身」を見せていただき、驚きました。

データベースへ企業名や職種を検索すると、候補者がずらりと出てきます。アプローチしたかったけれど、まったくつてのなかった製薬業界の方にも、経歴を詳細に確認したうえでスカウトができ、自分の言葉で直接HOKUTOの価値を語ることができる。無名のスタートアップを、フラットな人材獲得競争の土俵にあげてくれたのがビズリーチであり、私にとって「新たな武器」といえるものでした。

ビズリーチはスポーツジムと同じ。入会しただけでは変わらない。通わなければ鍛えられない。

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とにかく会うのは、出会いの量が自分のインプットにつながるから

「ビズリーチで採用がうまくいっている企業は何をしているのか」。ビズリーチを活用するにあたり、ストレートにビズリーチのカスタマーサクセス担当者に質問をぶつけました。

答えは「コンスタントにスカウトを送り続けること」の重要性でした。聞けば、契約したスカウト通数を使いきらない(送りきれない)企業も多くいるそう。だったら、まずは競争力を高めるために、「絶対にすべて使い切る」という行動目標を立てました。

会う候補者の数が多ければ多いほど、どんな人がHOKUTOに合うのか、自分自身の判断基準の引き出しが増えます。出会いの量が自分のインプットにつながると考え、「スカウトの返信が来た人には全員会う」と決めました。

ビズリーチは私にとって「スポーツジム」と同じです。継続的な行動がすべてだと思っています。スポーツジムも「入会しただけ」では、何の成果にもつながりませんよね。

そして、トレーニングと同じで、採用活動というのは、忙しくなるとどうしても後回しにしがちです。でも、長期的な事業成長にとって「緊急度は低いが、重要度が高いもの」でしょう。となると、半ば強制的に採用にかける時間を設定し、日常に取り入れることが大事だと考えました。

「後回し」にしない秘訣は、「週4回の採用ミーティング」と「伴走者との信頼関係」

現在、週に4回の採用ミーティングを定期的に設定。内訳は、社内ミーティングとして、全社の採用戦略ミーティング(2回)とエンジニア採用ミーティング(1回)、そして社外ミーティングとして、ビズリーチとのミーティング(1回)です。あえてこまめに入れることで、常に「次のミーティングまでにやらなくてはいけないこと」を作り、自分自身を駆り立てています。

ビズリーチの担当者とは毎週金曜日に30分のミーティングを開き、スカウト対象者の選定とスカウト文の確認を行い、約100通のスカウトを送信します。すると翌週に10~15人ほどの返信が来るので、必然的に1日2~3人の面接が入ります。その結果、おそらく1日の業務のうち7割ほどを採用関連に使っています。しかし、スタートアップにおいて、採用こそトップの仕事でしょう。

ビズリーチの担当者とのミーティングも、先ほどの「スポーツジム」の例えにあてはまります。ジムに通ってない日に食事制限を守らないと、次に行くタイミングでバレてしまいますし、そうするとトレーナーさんに申し訳ない気持ちになってしまうんですよね。

それと同じで「ちゃんとやらないと、ビズリーチの担当者に申し訳ない」って気持ちになるのが嫌なんです。自分たちの成長に向けて鼓舞してくれる人との約束を守る――それが行動量の根底にあります。

ビズリーチを利用した5社の採用成功事例をダウンロードする

人材データベースを通じ、マーケットの今・未来をつかむ

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ビズリーチではこれまで4名の採用が決まっています。
採用実績はもちろん、採用に至るプロセスにおける候補者とのコミュニケーションも、私にとっては貴重な学びになっています。

例えば製薬会社の出身者を採用したいと考えたとき、一度も会ったことのない領域の方だと、どんな働き方をしていて、どんな悩みや不満を持っているのかイメージがなかなかわきません。でも、面談や面接を通じて何人かとお話しすると、その業界特有の悩みや不満が見えてきます。そこから業界全体の課題感が理解できると、次の機会に候補者にどうアプローチし、どんな話をすべきかが分かってくるのです。

その業界の課題に「HOKUTOならこう応えられる」「こんな社会貢献ができる」「こんなキャリアの機会を提供できる」と自信を持ってお伝えすることで、スカウト返信率も上がり、出会える人が増えていきます。すると、ますます市場理解が深まり、業界内でもっとも優秀な人を見極める力がついていくのです。

使えば使うほど自分の知らない業界の知識が蓄積されていくことは、ビズリーチを活用する大きなメリットだと思います。

HOKUTOが「IT×医療」の分野に挑戦したように、これからも異業種を掛け合わせたサービスが出てくるでしょう。業界の垣根を越えた人材の採用が必要となる今、ビズリーチのような、幅広い業界・職種の人材が集まったデータベースの価値はますます高まっていくと思います。

ビズリーチが生み出した「ダイレクトリクルーティング」という思想によって、私たちのような小さなスタートアップでも、大手企業にいる優秀層に直接アプローチできるチャンスができました。

ダイレクトリクルーティングの恩恵を最も受けているのはスタートアップではないでしょうか。このチャンスを武器に、今後もビズリーチで、最強の仲間を見つけていきたいと思います。

日本最大級の「即戦力人材データベース」の特長を紹介

ビズリーチサービス資料_特長・価格表・導入事例など全13ページ

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著者プロフィール田中瑠子(たなか・るみ)

神奈川県生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。株式会社リクルートで広告営業、幻冬舎ルネッサンスでの書籍編集者を経てフリーランスに。職人からアスリート、ビジネスパーソンまで多くの人物インタビューを手がける。取材・執筆業の傍ら、週末はチアダンスインストラクターとして活動している。