社員一人一人が「変化」と「文化」をつくる ~AI inside 流「成長する組織」とは~(第3回)

社員一人一人が「変化」と「文化」をつくる ~AI inside 流「成長する組織」とは~

「世界中の人・物にAIを届け、豊かな未来社会に貢献する」というミッションのもと、AIの社会浸透を加速させるべく、AIプラットフォームとして、企業・団体におけるAI開発・運用の内製化を実現する「Learning Center」や、あらゆる情報をAIでデジタルデータ化する「DXSuite」などを提供するAI inside 株式会社(以下、AI inside)。

今回は、2019年にビズリーチを利用して転職した2名の社員にインタビュー。スカウトを受け取ったときは「AI inside」という会社の存在すら知らなかった二人が、なぜ入社に至ったのか。転職活動でこだわっていたこと、面接で感じたAI inside の魅力、入社してから感じる組織風土について、「転職者側」の本音を伺いました。

転職は自分を成長させる一つの方法

キャリアゴールから逆算。「今、自分がいるべき場所」を見極める

キャリアゴールから逆算。「今、自分がいるべき場所」を見極める

プロフィール
阿部 真太郎 様 AI inside 株式会社 事業開発本部 法人営業部 パートナー担当
前職ではSaaS系の営業、プロダクトオーナー、事業責任者などを歴任。2019年9月にAI inside 株式会社に入社し、パートナー担当として、販売代理店(パートナー)の開拓、販売戦略の立案、営業支援などを推進。

もともと中小規模のベンチャー企業などで営業としてキャリアを積んでいたのですが、前職のベンチャー企業ではそこから少し畑の違うアプリのプロダクトオーナーを務めていました。そのとき気づいたのが、「事業のスピード感」とそれを実現するために「自分に任せてもらえる権限」、つまり意思決定のプロセスにかかる時間がどれだけ早いかが、私にとって何より重要な仕事軸だということ。私は自分が描いているキャリアゴールに対し、逆算して「今どこにいるべきか」を考えて動くタイプなので、「このままだと、自分のキャリア計画が何年も後ろにずれてしまう」と思い、転職を考え始めました。

ただ、転職活動そのものはかなり慎重に進めました。というのも、前職はヘッドハンターを経由して転職したのですが、事前に気づけなかった会社とのギャップに入社後悩んだためです。当初は、私の「職務経験・スキル」を評価して迎えていただき、担当する業務を遂行するうえで必要な条件もお互い合致していました。しかし、今思うと職務以外の社風や「Will(意思)」の部分を十分に確認できていませんでした。決められた職務を全うするだけではなく、得た経験やスキルを事業やメンバーに還元できる仕事がしたい。次の転職では、そうした自分の仕事に対するモチベーションや意欲を伝え、職務以外に「私に求められていること」や「それを実現できる環境・社風であるか」をしっかり聞き出そうと決めていました。

転職サービスは5つほど使い分けていましたが、なかでもビズリーチは「日系企業からスカウトがもらえそうだ」と思って登録していました。ただ実のところ、転職活動当初は、過去の経験も含めて外資系企業の方が自分に向いているものだと思い、日系企業が多そうなイメージのあったビズリーチはそこまで活用していませんでした。AI inside からスカウトが届いたときも、既に他社の内定が出ていたので迷っていたくらいです。

しかし、いざその内定先に入社するか考えたとき、転職活動に対してどこか「やり残している」ような不完全燃焼の感覚が生まれました。「このまま終わらせていいのか」と。正直、スカウトを受け取ったタイミングではAI inside に強い興味があったわけではないのですが、社名も気になって、詳しく調べてみました。すると、AI-OCR市場シェアNo.1を獲得し、事業拡大の非常に面白いフェーズにあることがわかりました。それを知り、SaaSビジネスを志望していたこともあって、「話だけでも聞いてみたい」と面接を受けてみることにしたのです。

自分が思うスピードで成長できる会社を求めて

自分が思うスピードで成長できる会社を求めて

プロフィール
胡 為明 様 AI inside 株式会社 R&D本部 AIリサーチ担当
前職は、SIerで、エンジニアとして中小規模プロジェクトのプロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーを歴任。2019年4月にAI inside 株式会社に入社。デジタルの促進とプライバシーの保護を実現する「DX Suite」のオンプレミス用ハードウエア「AI inside Cube」をはじめ、商品開発・研究を担当。

私は、前職ではSIerでプロジェクトマネージャーをしていました。部門長も兼任していて、会社の経営に携わる機会も多くありました。しかし先般いわれていますが、システムのクラウド化・サービス化の普及により、「お客様から依頼されたシステムを構築・導入・保守する」といういわゆるSIerのビジネスモデルは厳しい状況におかれています。このままでは事業が伸びないと思い、私は1年半ほど社内の改革に向き合いました。

たとえば、中小企業庁の「ものづくり補助金」の公募に応募するため、今後伸びるであろうサービスモデルや事業をリサーチし、改革案をまとめて経営層に提案しました。しかし、当時在籍していた会社は「変わること」に対して保守的で、なかなか受け入れてもらえませんでした。会社の成長スピードと、そこで働く社員の成長スピードは比例します。私は、成長し続けたいと思うのなら、自分が思うスピードで成長していける会社に行くしかないと、転職を決意しました。

当時利用した転職サービスは、ビズリーチと以前勤めていた会社でシステムの開発に携わったサービスの2つだけでした。ビズリーチを選んだ理由は、テレビCMでサービス名をよく耳にしていたからです。「これだけ成長しているなら、きっと品質のよいプロダクト・サービスに違いない」と、ある種プロダクト目線での興味もありましたね。登録からしばらくは「情報収集期間」と定め、どんな事業やサービスが今世の中で動いていて、この先どのようなスキルや経験が必要とされるのかといった情報を、スカウトなどを通じて集めていました。

データでわかる即戦力人材の転職意識・仕事観

きっかけは「事業の成長性」。決め手は、「人・組織」

スカウトは開いて5秒で判断。ポイントは「キーワード」の有無

スカウトは開いて5秒で判断。ポイントは「キーワード」の有無

胡:ビズリーチに登録した直後はたくさんのスカウトをいただきました。一つ一つのスカウトを取捨選択する際、前職で「ものづくり補助金」に応募するにあたってリサーチした情報が非常に役立ったと感じます。どんなサービス、事業がこの先成長するか──。自分のなかでしっかりと見極める「判断軸」ができていたので、関連するキーワードがスカウト内にあるかないかによって、そのまま読み続けるかどうか、開いて5秒で判断できました。

AI inside のスカウトも開いて5秒で「このサービスはさらに成功する、そして自分が成長できる」と感じましたね。既にAI-OCRの領域でシェアを獲得していること、そして私にとっては「データ分析」というキーワードがポイントでした。社名にある「AI」はこれからの成長キーワードの一つだとは思いますが、私の専門領域ではありません。自分のこれまでの経験を生かしてこそ、事業の成長に貢献できると考えています。ですから、「データ分析」というキーワードがなければ、次に進んでいなかったかもしれないです。

ただ、当時はまだ外に開示できない情報も多かったそうで、正直スカウトの内容は情報量としてやや物足りないと感じる部分がありました。しかし、この「ちょっとの物足りなさ」がどうにも気になり、「もう少し詳しく、直接お話を聞きたいです」と私から面談希望の返信をするきっかけになったのです。

いざカジュアル面談のつもりで会社を訪ねると、現れたのは社長と開発の責任者でした。私は普段、「仕事は8割が準備(成功するかどうかの80%は準備で決まる)」と思っているタイプなのですが、このときばかりは何も準備しないで臨んでしまい正直焦りましたね。ですが、今思うとこの2人と直接話せたからこそ「この会社なら自分も成長できる」という確信を持つことができ、面接へ進むことを決心したといえるでしょう。AI inside の事業、そして働く環境の魅力が、この一度の面談ですぐにわかりました。

いかに「リアリティーある会話」ができたかを重視

いかに「リアリティーある会話」ができたかを重視

阿部:私も1次面接で話したCROの梅田が入社の決め手です。とにかくオープンな人柄で、会社の雰囲気がまっすぐに伝わってきました。そのときは、梅田が若かったこともあり、まさか執行役員だとは思っていませんでしたが、後から調べてわかり、1次面接から執行役員が担当する、採用へのスタンスや社風に好感を覚えましたね。また、今回の転職では「意思決定のプロセスとそのスピード感」を非常に重視していたので、1次面接からその点はかなり細かく聞きました。正直答えづらい部分もあったと思うのですが、梅田は初めて会ったばかりの私にも懐襟を開き、一つ一つの問いにストレートに返してくれました。私自身、過去に事業部長などを担い、採用に関わることもあったので、実際に話すなかで「本当にこれは任せてもらえる」と確信したのです。

その後、社長の渡久地と話す機会もありましたが、渡久地もまた包み隠さずに答えてくれるタイプで、事業を通して目指す未来を明確に語る姿にグッとひかれましたね。ただの夢物語ではなく具体性があり、成長に対して驚くほど貪欲。きれいなビジョンはいくらでも描けますが、それをどこまでリアリティーを持って発信し、実現できるかというのは大事でしょう。その意味で、渡久地も梅田も明確なビジョンを持ち、自然体で語ってくれたので、実際に入社した後の働き方もイメージが湧き、「この人たちと一緒に働いてみたい」と、面接後には気持ちが大きく変わっていました。

成長の秘訣は、変化と失敗を「許容」すること

「還元」をキーワードに、キャリアを重ねていきたい

「還元」をキーワードに、キャリアを重ねていきたい

阿部:入社して半年たちますが、面接でお互いに内面を見せあったおかげか、入社前後でのギャップというものはほとんど感じません。もちろん、社風はトップや執行役員だけで作れるものではありませんから、社員一人一人にもその思いが浸透し、社員一丸となってAI inside の文化を形成しているのでしょう。入社してみるとわかりますが、当社の社員は自分たちが成長し続けることにとことん貪欲です。「成長し続ける」とは、すなわち「変わり続ける」ことを意味すると思いますが、そうした思いを受け入れる寛容さが経営層にある。この関係性は非常に心地いいものです。

一般的に、経験を積めば積むほど「自分のやり方」を変えることに抵抗感が生まれ、変化を恐れるものではないでしょうか。しかし、AI inside は変化したい人、変化を楽しめる人ばかりが集まっています。これは私見ですが、SaaSビジネスは多方面で拡大しているものの、そのビジネス戦略やプロセス自体は成功パターンがかなり似ています。だからこそ、「SaaSビジネスならこれ」と思い込まず、いかにスピーディーに社会変化をとらえ、シフトできるかが重要になるのだと思います。

私個人が、今働くうえでテーマとしているのは「還元」です。これまで培ってきた経験を、自分が所属する会社一社だけでなく、さまざまな会社にシェアして貢献できるような人間になりたい。ビジネスなのできれいごとだけでは成立しないこともありますが、現代社会の課題の一つでもある「持続可能性」という観点においても「還元」という考え方はカギになるでしょう。会社のビジョンである「AI inside X」、つまり「『X(エックス)=さまざまな環境』でAIを使い、その恩恵を受けられる社会の実現」に向けて、自分は何をすべきか。事業を通して新たな未来を切り開くとともに、自分のありたい姿を追求していきたいと思います。

データでわかる即戦力人材の転職意識・仕事観

新たな一員として、会社のあり方を変えていける

新たな一員として、会社のあり方を変えていける

胡:入社して約1年、想像していた2倍忙しく、2倍楽しいですね。なぜかというと、私がやりたいと思ったことを口にすると、誰もノーと言わず、ほとんど自由にやらせてくれるからです。つまり、自分で仕事を作ってしまっているので忙しいのです。それでも、会社の成長に合わせて「作れるもの」「改善できること」はどんどん推進していきたいですし、それに対して会社も周りもとてもポジティブに返してくれるので、ついついアイデアが止まらなくなってしまいます。

とはいえ、チャレンジしていつも成功しているわけではありません。失敗することも数えきれないほどあります。しかし、たとえ失敗しても「失敗を否定しない」。そこから改善策や何か得るものを一つでも見つけようとするマインドが、社員全員に共有されているのがとてもうれしいですね。安心して新しいことにチャレンジしようと思える環境でなければ、成長し続けることはできませんから。

ただ、このような「失敗を否定しない」「挑戦や成長に貪欲」な文化や環境が以前からAI inside に深く根付いていたかというと、そうではないかもしれません。というのも、新しく入った社員一人一人が新しい価値観を持ち寄って、会社が変化し続けているからです。自分もまたこの会社を作っている。そのことは大きなモチベーションにつながりますし、「採用成功」とはまさにこういうことを指しているのだと、転職者側としても実感しているところです。

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著者プロフィールBizReach withHR編集部

先進企業の人事担当者へのインタビューや登壇イベントなどを中心に執筆。企業成長に役立つ「先進企業の人事・採用関連の事例」や、 事業を加速させる「採用などの現場ですぐに活用できる具体策」など、価値ある多様なコンテンツをお届けしていきます。