採用の主体を社内で握る。「Search Team」が目指すデータドリブンな採用活動

パソコンの直販(ダイレクトモデル)の先駆者として事業を成長させ、現在ではデータセンターやクラウドサーバーなどのITソリューション事業を展開するデル・テクノロジーズ株式会社。より自らが主体となった採用を行うにあたり、母集団形成や採用における候補者体験の向上を担う「Search Team(サーチチーム)」を設立しました。Search Teamが設立されたことで同社の採用にどのような変化があったのか。同チームを立ち上げた人事本部人材採用部長の田和健介氏にお話を伺いました。

田和 健介氏

取材対象者プロフィール田和 健介氏

人事本部 人材採用部長

関西学院大学卒業後、2002年に富士通株式会社に入社し人事職に配属。07年から米投資銀行グループのゴールドマン・サックス・リアルティ・ジャパン有限会社にてM&Aをはじめ、HRデューデリジェンスやアンダーライティング(企業評価)を担当後、14年に日本マイクロソフト株式会社に入社。HRマネージャー/HRビジネスパートナー、人材採用部長として活躍した後、19年にデル株式会社(現・デル・テクノロジーズ株式会社)に入社。現在は人材採用部長として採用、社内ローテーション、サクセッションプランの設計など広範な人事戦略に携わる。

採用こそ自分たちが主体となって動かそうと、Search Teamを立ち上げた

──デル・テクノロジーズの採用では、Search Teamが母集団形成を担っているとのことですが、RPO(Recruitment Process Outsourcing/採用業務のアウトソーシング)によるソーシングのアウトソース化ではなく自社内にSearch Teamを設けるに至った経緯や背景についてお聞かせください。

私は2019年に入社し、ダイレクトリクルーティングの社内浸透をミッションに人事本部にジョインしました。デル・テクノロジーズでは年間1,000件程度の人材ニーズが発生し、空いたポジションは社内異動か外部採用を通して人材を登用してきましたが、外部採用の占める割合が多く、そのほとんどは人材紹介会社経由での採用でした。

しかし、事業の未来を担う人材採用という重要な領域を、人材紹介会社に頼りっぱなしでいいのだろうか。自らが主体となり必要な人材を採用すべきではないかという課題意識が、Search Team立ち上げの原点となりました。

――デル・テクノロジーズのSearch Teamは、どのような役割を担う組織なのでしょうか。

事業部に向いているリクルーターに対し、Search Teamは当社にご応募いただく候補者側のエンゲージメントを高める役割を担っています。リクルーターと背中を預け合うパートナーとして、入社していただきたい候補者へのスカウト送信や、候補者の内定承諾までのフォローを行うなど、「Candidate Engagement(キャンディデートエンゲージメント)」を高めるという重要なミッションをSearch Teamが担当しています。ですので、当社においてはリクルーターとSearch Teamは表裏一体の関係となっているのです。

Search Teamという名前にもこだわりがあります。Search Teamが担うのは、一般的には候補者となる方を集めるソーシングになりますが、より深く候補者に向き合う組織にしたいと思っていたため、情報源に触れるという意味合いの「Source(ソース)」より、主体的に探すという意味合いの「Search(サーチ)」を名前に付けたいと考えました。チーム立ち上げ当初は4人でしたが、現在は9人に増員しています。

──Search Teamにはどのような方がいるのでしょうか。

Search Teamのメンバーを選ぶ際に大事にしていたのは「自律・自走できる人」という点です。採用方針として、ダイレクトリクルーティングなどの自社主導の採用活動で50%を担うという大枠の目標は決めましたが、具体的にどう動いていくかはメンバー次第でした。

最終的に、人材紹介会社の出身者や他社の採用チームでリーダーを担っていた人に加えて、当社のセールスやリクルーターチームからの異動者など、多様な強みを持ったメンバーが集まりました。実際に、リクルーターチームと協力し合い「どのようにしたら候補者のエンゲージメントを高められるか」を議論しながら、デル・テクノロジーズを選んでもらうために、どのように候補者を口説くかということを念頭に置いて、日々採用活動を推進しています。

データドリブンな採用活動で、現状理解と課題の共有がスムーズに

──Search Team立ち上げ後の採用プロセスにおいて、事業部との連携の仕方や以前の採用活動との違いなどについて教えてください。

当社は、M&Aを繰り返して事業を拡大させてきました。そのため、一時期は企業文化も人事制度もオフィスも異なる複数事業体が社内にあるような状況で、採用においても出身会社ごとにチームができていました。そこで、Search Teamの立ち上げを機に、機能別組織に再編しました。カルチャーの違いは、多様なバックグラウンドのメンバーでチームをつくることで時間をかけて理解を深めていきました。また、当社はM&Aが盛んだったこともあり、統合プロセスであるPMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)を丁寧に行っており、その過程でSearch Teamの設立を行えたことも立ち上げを後押ししました。

Search Teamと事業部との連携は、退職や異動などでポジションに空きが出た際に都度行っています。事業部で採用を担うHiring Manager(ハイアリングマネージャー)と定期的にミーティングを実施し、どのような人材が事業部に必要なのかなど、人材要件を具体的に言語化していきます。

人材要件を設定する際には、ビズリーチのデータベースをもとに「求める人材は、現状このくらいいます」などと事実を示し、リアリティーのある採用活動を推進することもSearch Teamの大事な役割です。

──Search Teamによる採用活動のメリットには、どのようなものがあるでしょうか。

大幅な採用コスト削減に成功しています。ただ、Search Teamの立ち上げにより実現したかったのは、コスト削減よりもデータドリブンな採用でした。

人材紹介会社経由では、求める人材が来るか来ないかの理由がブラックボックス化していました。自分たちが主体となって採用を進めていくには、入社時期から逆算し「いつどのようなアクションを起こすべきか」を知っておかなくてはいけません。そのためには、手元にデータが必要になります。採用がうまくいっているのか、いないのかを、数字でとらえることで、「採用できないから何とかならないか」という事業部の声に対して、何らかの方法を見つけられます。

Search Teamが何人の候補者にスカウトを送ればどれくらいの返信があり、実際に会うことができ、どれくらいの期間で採用できるのか。これらをデータから分析できる土台をつくれたことはとても重要な変化でした。

実際にデータが見えたことで、ハイアリングマネージャーと条件について検討し、人材要件を緩和してもらったり、アプローチ方法を変えたりすることもできるようになりました。Search Teamが事業部を巻き込めるようになったのです。

事業部には「企業が候補者を選ぶ」という意識がいまだに残っています。その際、数字を示すと、マーケット感、返信率、通過率、辞退率などの現実がクリアになり、同じ課題を共有して一緒に進むことができます。手間をかけなければ求める人材が採用できないという現実への理解はどんどん広がっています。ビジネスリーダーたちは数字で鍛えられていますので、「人事が気合で何とか頑張ってほしい」といった感覚的な採用から抜け出せる理由になっています。

プレディクティブなチームとして、線での採用活動を進めていく

──Search Teamによる採用活動がもたらした成果についてもお聞かせください。

Search Teamを立ち上げて3年がたちましたが、1年半~2年前に接点を持った候補者と、今になって採用の話が進むようなことも出てきています。実際に「以前声をかけてもらった際は転職活動をしていなかったけれど、ちょうど転職活動を始めたところで興味を持った」という話もあるなど、Search Teamの「候補者のエンゲージメントを大切にする」コミュニケーションが実になっていると感じています。

Search Teamが人材紹介会社のような存在として、当社に入社していただくために、候補者に対して魅力づけを行うなど、細かいフォローを実施しています。リクルーターが忙しいなかでも候補者に寄り添うことで、クロージングがしやすくなったと感じています。

また、Search Teamでは特定のポジションの採用ニーズが出てくる前から候補者を探しているため、募集を開始した日には候補者に連絡し、選考に向けて動いています。これにより、採用のリードタイムが大幅に短縮されています。

加えて、Search Teamと事業部で候補者のデータを共有するチャットを活用することによって、ある事業部では採用要件を満たしていなくても、他の事業部でその候補者の採用を検討するといったことも行われています。

このように、候補者を集めるという「点」の採用活動ではなく、候補者との接点を長く持ったり、データの活用にもつなげたりするなど、「線」の採用活動をSearch Teamが実現しており、当社の採用力向上につながっています。

──最後に、人事や採用担当者などの読者に向けて、自社内にソーシング組織を設けるメリットや、「こんな会社こそSearch Teamを立ち上げたほうがいい」といったメッセージをいただけますでしょうか。

「採用は大事だ」と、経営陣以下、全社で考えている企業はぜひ立ち上げるべきだと思います。待っているだけでは求める人材を採用できないのが今という時代です。自社の大切な採用を自身で推進することに意味があり、それを実施することが事業部の採用への意識向上にもつながり、会社全体で採用活動を進めるということになっていくと思います。

私たちも、Search Teamがある以上は、もっとプレディクティブな(予測的な)採用活動をしていきたいと考えています。事業戦略などより数カ月先に起こる採用ニーズを常に予測しながら、早めに採用活動ができるチームづくりを強化していきたいと思っています。

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