「オンボーディングは入社者と企業の双方の準備が大切」OneColorsに聞くエンゲージメント向上のポイント

2020年4月に創業し、半年後にはオンボーディング施策の企画・運用をスタートさせた株式会社OneColors。「入社者と受け入れ側の相互理解を深めるために、入社前からオンボーディングは始まっている」と語る同社はどんな取り組みを進めているのか。代表取締役社長の堂前晋平氏にお話を聞きました。

株式会社OneColors(https://one-colors.jp/)

「日本を働きがい世界No.1の国に!」というビジョンを掲げ、スタートアップ企業から上場企業まで幅広い企業の組織コンサルティングを展開。エンゲージメント向上や採用力強化、教育による成長の最速化、評価制度の設計による組織の活性化など、さまざまなテーマでクライアントのビジネスに伴走している。

設立:2020年4月
事業概要:HR領域(1. 採用支援:SNS活用含めた採用広報、採用代行RPO、サイト・動画制作 2. 教育支援:管理職教育、入社時研修、エンゲージメント向上のための理念MVV浸透プログラム)、Sales領域(1. セールスパーソン育成、営業マニュアル・型化の実行 2. Web広告・SNS広告運用)
従業員数:20名 ※2021年11月8日現在

堂前 晋平氏

取材対象者プロフィール堂前 晋平氏

株式会社OneColors 代表取締役社長/株式会社ピアズ 執行役員 CHRO

2004年に大学を卒業後、大手通信販売会社で営業職を経験。2009年に、当時創業3年目だった株式会社ピアズへ入社。200名を超える学生アルバイトの教育・管理や、新規事業立ち上げ、支社開設、新入社員・管理職向けの研修など幅広い業務を担当。2019年のピアズのマザーズ上場を経て、2020年4月に、企業の働きがいや生産性を向上させるべく、組織コンサルティング会社・株式会社OneColorsを設立。

離職率の大幅改善へ、創業半年後から施策づくりをスタート

日本を働きがい世界No.1の国にしたい。その思いは、仕事をするなかでだんだんと明確になってきたものです。

OneColors創業前に、ピアズで多くの学生アルバイトの教育に携わりましたが、そこで何度も受けた質問が「やりがいを感じる瞬間はいつですか」というもの。多くの学生が社会人になることを全然楽しみにしていない、期待していない表情で聞いてくるのです。

日本は、世界的に見ても、エンゲージメント・働きがいが低い国です。学生たちが働くことに希望を見いだせるような、働きがいにあふれる社会を作り上げていかなければ…。危機感に似た思いから、2020年4月に組織コンサルティングを行うOneColorsを立ち上げました。

2021年度(11月末時点)は中途採用メンバーを既に10名採用しており、オンボーディング施策を内定承諾後から入社前と、入社後の2つのフェーズに分けて設計しています。私と人事担当者の2名を中心に、コンサルティング部門やマーケティング部門、営業部門など現場メンバーと議論を重ね、創業半年後に今の形となりました。

実はOneColors創業後、最初の半期で採用した人の早期離職が相次ぎました。4人中4人が退職し、離職率は100%。受け入れ側になんらかの原因があるのは明確でした。そこで採用時から振り返り、何を改善すべきか言語化して、一つ一つ施策を作っていきました。

では具体的にどんなことに取り組んでいるのか、内定承諾後から入社前、入社後の各フェーズでご紹介していきます。

内定承諾後から入社までの間に、人物や共通言語の理解を目指す

メンバー間コミュニケーションの活性化

前提として、オンボーディングがうまくいくかどうかは、受け入れる企業だけではなく、入社者と企業の双方の準備が大切だと考えています。

そこでOneColorsでは、入社者と人事や現場メンバーとの接点を増やすように、入社前からコミュニケーションの機会を高い頻度で設けるようにしています。

「なぜOneColorsを選んだのか」「入社して何を実現したいのか」という共通する内容を実際に働く社員から話をしてもらうことで、入社前のメンバーがOneColorsを選んで転職した気持ちと重ねながら、社員の理解を深められると考えています。

たとえ「オンラインで10分間」という短時間であっても、このようなコミュニケーションを設計して、回数を増やしながら、常にコンタクトが取れている状況を作っています。

社員同士のコミュニケーションの様子

課題図書の送付

会社の共通言語を理解したうえで入社してもらえるように、入社者には会社のクレドカードやビジョンブックなどを入社前に郵送しています。OneColorsは組織コンサルティング事業を行っているので、組織に関する課題図書を複数送り、仕事をするうえで大事にしていることを、あらかじめ理解してもらいます。

課題図書が送られてくると、「勉強しなくちゃ!」というやる気も出てきますし、共通言語が分かっている状態の方が良いスタートを切りやすいでしょう。何を知っておいてもらいたいかという内容の精査は、受け入れ側の責任として進めています。

人間関係の構築と同じくらい大切なのは、会社のカルチャーとの関係構築です。人と人の間、人とカルチャー(ミッション、ビジョン、バリュー)との間に関係性があることが重要で、2本のラインを走らせておくことが、オンボーディング成功の秘訣だと考えています。

会社のカルチャーの発信

入社直後から会社のことを自分の言葉で言語化できる仕組み

入社者のインタビュー動画・記事の作成

入社したメンバーには、できるだけはやくオーナーシップ(組織への帰属意識)を持ってもらいたい。そこで考えた施策が、入社後1週間のタイミングで、入社者にインタビューを行うことです。

OneColorsを選んだ理由や、入社して実現したいことなどを語ってもらい、それをインタビュー動画や記事にします。出来上がった動画や記事URLを本人に共有すると、自分の言葉をより客観的にとらえられ、思いを再認識できるのです。

また、「こんな会社で働いているよ」と家族や友人にシェアするメンバーも多く、周りに伝えれば伝えるほど会社へのコミットメントも上がっていきます。

入社1カ月後、3カ月後、半年後のフォローアップ面談で、振り返りのために動画や記事を活用することもできます。「あのときこう話しているけれど、今の仕事はどう?」と共通素材を軸に進捗や心境を確認しています。

さらに、動画や記事は、採用コンテンツとしてSNSやサイトにアップして活用できるので、オンボーディングと採用の両面で価値のある施策だといえます。

情報発信コンテンツの作成

入社者には、自分がインタビューを受けるのと同時に、採用広報の一環として情報発信記事の作成もお願いしています。

社内のインタビュー対象者に、事前にアンケートを入力してもらい、その内容をインタビューで深掘りします。社内メンバーを理解し、魅力を発信する側になることで、会社へのコミットメントが高まると考えています。

OJTとビジョンが結びついた研修で活躍までの時間を短縮

ロイヤルカスタマーへの営業同行

OneColorsと関係のいいロイヤルカスタマーへの営業同行を通じて、自社サービスへの理解や評価を高める施策も行っています。

弊社のことを理解していただいているロイヤルカスタマーから、入社したばかりのメンバーになぜ取引先としてOneColorsを選んだのかなどを直接話してもらいます。あるいは、「サービス導入後、どんな変化があったか」という導入事例の取材や動画制作に同行してもらうこともあります。

社内のメンバーだけではなく、お客様からの評価を直接知ってもらうことで、「OneColorsはいい会社だな」「いいサービスを提供しているな」と思ってもらえると思います。

勉強会の実施

入社時に、「ビジョン・戦略・戦術・アクション」を一気通貫で考えるための勉強会を行い、その後も定期的にこのような、ビジョンからアクションまでの理解を深める勉強会を実施しています。

今までの経験から、メンバーの心が離れてしまうときは「自分の仕事は何につながっているのだろう」と目先のことしか見えなくなるケースが多いです。中長期的に、今の仕事がどう社会の役に立っていくのか、どんな価値貢献になるのかという全体像を理解してもらうためにも、管理職研修に近い内容の勉強会を行っています。

勉強会の様子

入社後の活躍をイメージできる採用すべき人物像の洗い出し

オンボーディングを進めるうえで欠かせないのが、入社者と受け入れ部門の期待値ギャップの調整です。

とくに重要度が高いのは、採用すべき人物のペルソナの詳細設計。人事だけで決めると現場とのズレが起こるので、現場メンバーとのミーティングを高頻度で行います。

ペルソナを検討する際の貴重な情報源は、入社後の活躍状況やギャップの生じる度合いです。入社後にうまくフィットしている人にはどんな特徴があるのか、ギャップが起きてうまくいっていない人はどこに理由があるのか。選考段階から振り返り、何にズレがあってどうしたら見極められたかを、現場のメンバーと一緒に振り返り、改善を重ねています。

「このメンバーにはこんな懸念があるので、フォローをお願いします」と人事が言えば、現場も応対します。しかし、良好な関係がなければ「現場にそぐわないメンバーをまた入れてきた」と反発が起こることもあるでしょう。これを解決するには、人事と現場の関係構築が重要です。現場と人事のやりとりが増え、関係構築ができていると、入社後にお互いに責任を押し付けあうことがなくなります。

一般的に、採用のKPIは「採用できたかどうか」で、現場のKPIは「入社後の活躍」と設計している組織が多いので、両者の目標は並行線になりがちです。そこで経営陣がしっかりオンボーディングに関わりリードすることが重要だと考えています。

面接や入社後のオンボーディングは、継続的に取り組み続けPDCAを何度も回すことが大切。OneColorsの施策はまだまだ道半ばですが、これらの施策を導入してからは離職率が0%になり、状況が大きく改善しました。

現在、SNS活用を採用広報の位置付けとして広げており、一定の効果を生んでいます。候補者の閲覧箇所が増えるほど、入社後のミスマッチが減ると考えているので、今後も継続させていきたいです。

入社前の事前課題をより充実させ、入社者が早期に活躍できる体制構築を、これからも試行錯誤を重ねながら実施していきたいと考えています。

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著者プロフィールBizReach withHR編集部

先進企業の人事担当者へのインタビューや登壇イベントなどを中心に執筆。企業成長に役立つ「先進企業の人事・採用関連の事例」や、 事業を加速させる「採用などの現場ですぐに活用できる具体策」など、価値ある多様なコンテンツをお届けしていきます。