1956年創業の流体移送機器の総合メーカーとして、山口県に本社を置く大晃機械工業株式会社は、2022年1月よりビズリーチを活用し、2名の採用を実現しています。活用の背景にはどのような課題があったのか、地方企業ならではの採用の工夫ポイントとは何か。また、代表自ら採用に携わるなかで見えてきた、採用の理想のあり方について、お話をお伺いしました。

取材対象者プロフィール木村 晃一氏
大晃ホールディングス株式会社 代表取締役社長 兼 大晃機械工業株式会社 代表取締役社長
2016年には持株会社となる大晃ホールディングス株式会社を設立。同社の代表取締役に就任し、国内外の企業のM&Aや新会社の設立などを推進する。

取材対象者プロフィール藤本 悦子氏
大晃ホールディングス株式会社 総務人事統括部 人事部 グループリーダー代理
2019年に大晃ホールディングス株式会社に転籍後も大晃機械工業の採用業務を担当。新卒・中途・有期雇用社員を含めてほとんどの社員の入社までのフローを担当し、名実ともに会社の顔となっている。2022年度からは採用の副担当になる傍ら、社長室の業務も担っている。

取材対象者プロフィール松村 文彦氏
大晃ホールディングス株式会社 総務人事統括部 人事部 チームリーダー
2019年に大晃ホールディングス株式会社に転籍し、総務部も兼務しながら採用業務も始める。2022年度からは大晃機械工業の採用業務を藤本氏から引き継ぎ、新卒採用・キャリア採用を中心に業務を行っている。
海外展開を含めた事業拡大に向けた、「欠員補充」ではない採用へ

──はじめに、事業概要について教えてください。
藤本:山口県に本社を置く当社は、歯車ポンプの開発・製造会社として1956年に創業しました。舶用ポンプの分野で技術を蓄積し、その技術力を陸上の各種産業分野へと応用させ、流体機器の総合メーカーとして発展してきました。現在は、環境保全機器や医療・健康機器、再生可能エネルギー領域へ多角的な事業拡大を進めています。
──ビズリーチの導入にあたり、どのような採用課題がありましたか。
松村:新卒採用を中心に進めており、キャリア採用は現場の「欠員補充」ニーズに応じて人材紹介会社を活用していました。ただ、これから新たな事業の柱としてカーボンニュートラルにも注力していくにあたり、中長期的な事業拡大に向けた人材の採用を進めることになりました。
これまで海外展開はアジア地域を見てきましたが、これからは欧米も視野に入れていきます。その知見やノウハウを持った方、技術開発においても幅広いスキルを持った方に目を向けていくと、既存社員のスキルアップだけでは難しい。「足りない人材・欠員」を採るのではなく「未来を描いた際に必要になる人」を採りにいかなくてはいけないと考えました。
受動的な採用から、能動的な採用への転換を実現すべきだと考え、2022年2月より、全国にアプローチできるほど会員が豊富におられ、また初めてのスカウト型の採用活動でもサポートをしてもらえるビズリーチの導入を決めました。
知られざる地方企業の魅力を発信。プロモーションツールとしても活用していく

──ビズリーチを活用した採用活動において、何か工夫したことはありますか。
松村:導入にあたっては、キャリア採用実績が乏しかったことから、ビズリーチのコンサルタントからさまざまな支援を受け、多くのことを学ばせてもらいました。
たとえば、候補者の検索の仕方などのアドバイスをもらい、Iターン・Uターンを考えている方、山口の近隣エリアに住んでいる方や勤務先がある方などを、キーワード検索で探していくノウハウを教えてもらいました。また、より専門性に富んだ方を採用したいと相談をした際は、ポンプに関する技術名や関連用語などを検索ワードに盛り込むなど、私たちでは気づかない活用方法を多く教わったことで、採用活動がスムーズに進みました。
──スカウト送付や面談について、意識したことなどはありますか。
松村:「まずは会ってみないとどのような方がビズリーチにいるか分からない」と思い、積極的にスカウト送付や面談を実施しました。その際、「転職にあたってどのようなことが懸念材料になるのか」を候補者一人一人との話を通じて知っていきました。
候補者とお話しするときには、選考というよりも、本人のライフデザイン全般をお伺いすること、親身になって寄り添うことを意識しました。私たちも自己開示し、当社のいいところ、悪いところを包み隠さずお伝えすることで信頼関係を築くのが大切だと思ったんです。
そうして会話を重ねるなかで、家族のことや今後のライフイベントについてもお話しいただける方もいらっしゃいました。地方の企業に転職するにあたり、お悩みや不安な点について当社が答えられることがあれば積極的に対応しました。
藤本:たとえば、家庭の事情によって転職を検討している方に、電話での面談を実施し、可能な限りの条件を提示したこともありました。
採用は「候補者や候補者の家族の人生を預かるもの」だと私たちは考えています。ですので、採用する責任はとても重くて、怖いと思うこともあります。だからこそ、入社していただけるなら幸せな人生、暮らしを送れるようにサポートしたり、時には、「申し訳ございませんが、それは当社ではできないです」と明確にお伝えしたりするなど、候補者に寄り添うことを何よりも大事にしています。
──どのような方をビズリーチ経由で採用しましたか。
藤本:この1年で2名を採用しました。1人は調達担当で山口県内在住の方、もう1人は営業担当です。営業の方は県外在住でしたが、家族の実家が山口県だったことから「いずれ山口で働きたい」と考えていたようです。
2人とも現職に不満があったわけではないため、人材紹介では出会えない転職潜在層と出会えたことは、ビズリーチを活用した大きな成果でしたね。
松村:選考は人事面談、部門の役員面接、社長面接の3つのステップがあるのですが、面接の合間に工場見学もしてもらうなど、できる限りリアルな情報を提供しようと動きました。また、空港から離れた場所にオフィスや工場がありますので、選考時に来社してくれた県外の方には送迎を行うこともありました。
転居を伴う転職を決めてもらうには、「ここで働き、ここで暮らすとどんな生活になるのか」を具体的にイメージしてもらう工夫が大事だと考えました。そこで自治体と連携して、当社がある山口県田布施町の「食事処マップ」を作成したりもしました。「ここは社員とよくご飯に行く場所なんですよ」などと話をして、お互いの人となりの理解を深めました。
──今後の採用方針については、どのようにお考えでしょうか。
松村:まずはビズリーチ経由で入った2人が定着し、活躍することが一番大事です。「ビズリーチなら、いい人材が入ってくる」と社内の認識が浸透すれば、現場の採用意欲もさらに高まっていくでしょう。新たな人材活用に向けては、制度改革も必要です。受け入れ側の仕組みづくりを含めて、入社者のフォローを続け、本当の「採用成功」につなげていくことが目標です。
──最後に、貴社と同じく地方の企業で採用を担当している方に向けて、アドバイスやメッセージをお願いします。
松村:地方企業だからこそ、「エリア内に採用競合が少ない」という強みがあると思います。ですから、採用企業側が職務経歴書を丁寧に読んでスカウトを送れば、候補者に自社の魅力を伝えられる可能性はかなり大きいのではないでしょうか。
その際、地方企業の知名度の低さという課題もあると思います。だからこそ、どんどん発信して、会社のことを知ってもらうためのプロモーションツールとしてもビズリーチを活用してほしいと思います。
藤本:人口減少が進み、一部の企業では事業を継続することすら難しい状況が続いています。だからこそ、事業を成長させ、採用しようという意欲のある会社は、本当によい会社だと私自身は思います。
ビズリーチのようなダイレクトリクルーティングは、知られざる自社の魅力を自分たちで届けにいけるツールです。ぜひ、自分たちの会社の良さに気付いて、それを候補者にどんどん発信していってほしいと思います。同じ地方の採用担当として一緒に頑張りましょう。
ビズリーチを活用し、経営のトップと人事との「経営視点のすり合わせ」を進める

──代表の木村さん自身も、採用活動に取り組まれているとのことですが、社長自らが採用に携わる理由、思いについて教えてください。
木村:人材は組織の要であり、どのような方が入るかで会社が変わっていくと思うからです。
採用は営業と同じく、採用人数という数字目標達成のノルマと捉えられがちです。数字をきちんと追っていくことは大事ですが、「どのような人材がいれば会社が伸びるのか」という視点がもっとも重要であり、それを一番考えているのは経営者でしょう。「事業成長に向けて、自分はどういう人材を魅力的だと感じるか」「どんな人材に輝いてほしいか」という経営者視点を人事に伝えることが、トップの役割だと考えています。
私は月に1回ほどビズリーチのデータベースを確認し、気になる方がいればスカウト送付も行っていますが、人事とのコミュニケーションツールとしての意味合いも大きいです。事業の多角化が進む今、人事が事業全体の動向を常に把握するのは難しくなっています。私がビズリーチで人材をサーチし、「この人材は、あの事業部で活躍できるのでは」「今後の事業展開に向けて、こんな人材が来るといいよね」と人事と会話をすることで、事業方針や経営視点を共有でき、採用の方向性をすり合わせていくことができます。その提案をもとに、人事が事業部と「こんな人材はどうですか」と会話をするようになり、会社全体に採用方針が浸透していくと考えています。
──実際にビズリーチのデータベースを活用して、得た視点や気づきはありましたか。
木村:キャリア採用の市場は波があり、時代の流れに応じて、データベースでヒットする人材は変わります。定期的にどのような方がデータベースにいるのかを確認することで「この技術・スキルを持った人材が増えているな」「この業界では、必要とされるスキル領域が変わってきたのかな」などと仮説を持って定点観測ができます。それは、事業を担う自分の役割であり、勉強し続けるべきことだと思っています。
実際に見た職務経歴書には、海外の有名な大学で博士課程まで進み、技術者として研究を進めながらも、ほかの領域で事業企画をしている方がいました。業務経験だけ見れば、弊社にはマッチしないかもしれませんが、意欲次第では、研究の知見を生かしていただけるかもしれません。データベースを具体的に見ると、事業展開と合わせてさまざまな可能性を考えることができ、会社をどうしていくべきかを整理するヒントになります。
──会社のトップが採用に携わることで何か変化が起きていますか。
木村:これまでの中途採用は、人事部に任せきりなところがありました。各事業部は、人材紹介会社からの紹介を待つだけで、人事も事業部に依頼された紹介を事業部に渡すという考えがあったと思います。
ビズリーチを活用し、私と人事とが同じデータベースを見ながら「この人材は扱っているものが違うけど、スキルは近いよね」などと会話をするようになると、人事側も「もっとこんな軸で探してみよう」と動くようになりました。人事と事業部が熱意をもって人材について話す機会も増えているなと感じます。
──ビズリーチの活用を通して、木村さん自身は今後どのようなことを実現したいとお考えでしょうか。
木村:人事部だけでなく、各事業部内でも「こんな人材が増えているみたいだね」「雇用環境がこう変化していくから、うちでも気を付けてみていこう」などと議論ができるようになればいいですね。
ビズリーチのデータベースは、採用における時流をつかむうえでもとても貴重な情報源だと思います。事業のグローバル展開を考えるなら、世界に目を向けて、自社の現在地を見ていく必要もありますので、客観的な指標を持って事業を進めていくためにも、これからもビズリーチを活用していきたいです。
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